【まいど!関西です。】経営法務の機関設計を攻略する。


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こんにちは、タキプロ関西7期のけんです。

前回「経営法務を攻略する」とのタイトルで投稿をさせていただいたところ、会社法の機関設計など細かな論点を覚えるのが難しいとのご意見をいただきました。

そこで、今回は、前回の投稿をフォローする意味で、会社法の機関設計を深く理解して覚えるということを考えたいと思います。

 

みなさんがご存じのとおり、株式会社が採り得る機関構成としては、次のパターンがあげられます。

  1. 株主総会+取締役
  2. 株主総会+取締役+代表取締役
  3. 株主総会+取締役+会計参与
  4. 株主総会+取締役+代表取締役+会計参与
  5. 株主総会+取締役+監査役
  6. 株主総会+取締役+代表取締役+監査役
  7. 株主総会+取締役+監査役+会計参与
  8. 株主総会+取締役+代表取締役+監査役+会計参与
  9. 株主総会+取締役+監査役+会計監査人【大】
  10. 株主総会+取締役+代表取締役+監査役+会計監査人【大】
  11. 株主総会+取締役+監査役+会計監査人+会計参与【大】
  12. 株主総会+取締役+代表取締役+監査役+会計監査人+会計参与【大】
  13. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役【公】
  14. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役+会計参与【公】
  15. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役会【公】
  16. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役会+会計参与【公】
  17. 株主総会+取締役会+代表取締役+会計参与
  18. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役+会計監査人【公】【大】
  19. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役+会計監査人+会計参与【公】【大】
  20. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役会+会計監査人【公】【大】【公大】
  21. 株主総会+取締役会+代表取締役+監査役会+会計監査人+会計参与【公】【大】【公大】
  22. 株主総会+取締役会+指名委員会等+(代表)執行役+会計監査人【公】【大】【公大】
  23. 株主総会+取締役会+指名委員会等+(代表)執行役+会計監査人+会計参与【公】【大】【公大】
  24. 株主総会+取締役会+監査等委員会+代表取締役+会計監査人【公】【大】【公大】
  25. 株主総会+取締役会+監査等委員会+代表取締役+会計監査人+会計参与【公】【大】【公大】

 以上の25パターンです。

 ここで【公】と書いてあるものは、公開会社で選択できるもの、【大】は非公開会社の大会社で選択できるもの、【公大】は公開会社の大会社で選択できるものを意味しています。非公開会社で大会社でない株式会社の場合は上記の25パターン全てを採用可能です。(なお、上記一覧表のうち、24と25は、平成27年5月に施行された改正会社法により加えられた部分です。)

 「うっ…」と思った方多いのではないでしょうか。「25パターンも覚えないといけないのか、こんなの覚えられないよ。」とか「機関設計に関する問題が出たら捨て問にしよう…」とか思っていませんか。

確かに、これだけ漢字が並ぶと、覚える気をなくしてしまうかもしれません。

 ただ、この一覧表を覚えるのではなく、次のルールを頭の中に入れながら、一覧表を理解していただければ記憶しやすくなるのではないかと思います。極端な話、次のルールさえ頭に入っていれば、試験の現場でも上記の一覧表は再現することが可能です。

1.基本ルール「株主総会と取締役の設置は必須」

 株式会社においては「株主総会」と「1人または2人以上の取締役」を置くことが義務付けられています(会社法第295条、同法第326条1項)

 最小限の機関構成をしても、「株主総会」と「取締役」は設置しないといけないということです。これは、意思決定は「株主総会」で行い、そのハンドリングは「取締役」が行うという役割分業上、その両方が必要不可欠だからです。

 

2.取締役会の設置義務(公開会社、監査役会設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社)

 会社法は、公開会社、監査役会設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社は、「取締役会」を設置しないといけないこととしています(会社法第327条)

 公開会社というのは、譲渡制限をしていない株式を1株でも発行している会社のことです(上場会社を意味するものではありません)。公開会社の場合、非公開会社に比べて株主の変動が想定されるため、株主がより積極的・能動的に会社の意思決定に関与するのが難しくなります(このことを「所有と経営の分離」といいます。)。そのため、株主総会とは別の合議体である取締役会を設け、株主総会では重要な意思決定を、日常的な経営に関する意思決定は取締役会でということにしています。一方で、非公開会社では取締役会を設けるか否かは自由です。

 なお、「監査役会設置会社」や「指名委員会等設置会社」、「監査等委員会設置会社」が、取締役会を設けなければならないのは、「監査役会」や「委員会」も、所有と経営の分離を前提とした機関設計であることから、「監査役会」や「委員会」を設ける場合には、同様に経営に関する合議体である「取締役会」を設けるべきとの考えによるものです。

 取締役会設置会社になると、最低3人の取締役を選任する必要があります。合議体を形成するためです。また、指名委員会等設置会社以外の場合、代表取締役を選任する必要があります(指名委員会等設置会社では、執行役及び代表執行役)

 

3.監査役、指名委員会等、監査等委員会、会計参与のいずれかの設置義務(取締役会設置会社)

 取締役会設置会社は、監査役、指名委員会等、または監査等委員会を設置しなければならないこととされています。ただし、大会社ではない非公開会社の場合、会計参与を設けたときは、監査役または委員会を置かなくてもよいとされています(会社法第327条2項)

 「取締役会設置会社」は、先ほど説明した通り、「所有と経営の分離」を前提とした機関設計です。株主が経営に積極的・能動的に関与できない以上、取締役会を監督する立場を設ける必要があるため、「監査役」や「委員会」を設置する義務を設けています。一方、大会社ではない非公開会社の場合は、所有と経営の分離が公開会社と比べて進んでいないと考えられることや、監査役の監査対象を会計監査に限定することができることとのバランスから、会計参与を設ければ「監査役」や「委員会」を設置しなくてもいいことにしています。

 

4.監査役(監査役会)の設置義務(会計監査人設置会社)

 会計監査人は、株式会社の計算書類等の監査を行うことが仕事です。そして、その職務の中で取締役の不正行為などを発見したときは、これを監査役に報告しなければならないこととされています(会社法第397条1項)。そのため、会計に特化した監督者である会計監査人を設ける以上、監査役も選任する必要があることとされています。

 ただし、下記7のルールとの関係で、指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社は、監査役を選任する必要がありません(というより、監査役の選任はできません。)

 

5.監査役会または委員会の設置義務(公開会社である大会社)

 公開会社の大会社(資本金5億円以上、負債200億円以上の会社)の場合、より監督体制を強固にする必要性から、「監査役会」、「指名委員会等」または「監査等委員会」のいずれかを設置しなければならないとされています(会社法第328条1項)。

 

6.会計監査人の設置義務(大会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社)

 大会社と、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社は会計監査人を設置しなければならないこととされています(会社法第327条5項、第328条1項・2項)。

 大会社の場合、事業規模も大きくなり、会社の会計や計算が複雑となることが想定され、かつ債権者などの利害関係人の保護も必要であるため、第三者の会計専門家による監査を行う必要があるためです。

 委員会を設置している会社でも、委員会が適切に監督を行うためには会計監査人による監査の必要があります。

 

7.監査役(監査役会)と委員会の同時設置の禁止

 監査役(監査役会)と指名委員会等又は監査等委員会は、いずれも取締役会や執行役、代表取締役という執行機関の監査・監督を目的とするもので、その機能が重複することから、同時に設けることができないとされています。

 

8.会計参与、代表取締役について

 会計参与は、どのような場合でも設けることが可能です。設けられない場合はありません。ただ、逆に言うと、上記ルール3の適用場面(大会社ではない非公開会社で取締役会設置会社)で、監査役や委員会を設置しない場合以外には、あえて会計参与を設ける必要性に乏しいとも言えます。

 上記ルール2で説明した通り、指名委員会等設置会社以外の取締役会設置会社の場合、代表取締役を選任する必要があります(会社法第362条3項、同法第399条の13第3項)。一方、取締役会非設置会社の場合でも、定款や定款の定めに基づき取締役の中から代表取締役を選任することができることとされています(会社法第349条3項)。そのため、代表取締役を選任できないのは、指名委員会等設置会社の場合のみです!

 

 上記の8つのルールさえ覚えておけば、「はて、こんな構成できたっけかな?」と悩んでも解決できるのではないでしょうか。

 多くの方が悩まれているとおり、会社法は、細かな決まりが多く、覚えなければならないことも非常に多いです。機関設計も一覧表を必死になって覚えておられる方が多いのではないでしょうか。ただ、機関設計の組み合わせも、上記のようなルールと、なぜ、そのようなルールがあるのかを理解しておけば、意識的に覚えられると思います。

 1次試験まで、残り2箇月。問題演習を行いながら、何度も間違える知識問題では、「どうしてそうなっているのか」に立ち返った復習も考えてみてください。

 

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