2次試験の合否を決める人達を意識してますか?by 布団

皆様、こんにちは。ブログ初登場の布団@タキプロ7期です。

普段は、Web勉強会やメルマガ(毎月第2金曜日の配信分)など担当していますが、今回はゲストとしてブログも執筆させて頂きました。本記事に入る前に、私が担当させて頂いている、Web勉強会とメルマガのURLについてご紹介させて頂きます。

今回は「2次試験の合否を決める人達を意識してますか?」というテーマで記事を書かせて頂きます。本記事は、以前、私がメルマガで投稿した記事を統合・発展させた内容となっているため、そちらも紹介させて頂きます。ただし、本記事はメルマガを読まなくても理解できるようにしています。

 

 

『2次試験の合否を決める人達』とは誰ですか?

まず「合否を決める人達」の前提条件ですが、現実の組織・団体や、仮想の登場人物などがいます。一方で、貴方を含む受験生は含めないものとします。
どのような人達を思い付きますか?
少しだけ考えてみてください。

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いつまでも引っ張っても仕方がないので、私こと布団が、ざっと考えた人達を列挙してみます。

(1)日本を取り巻く中小企業全体
(2)中小企業基本法などの法律を改正する政治家
(3)中小企業基本法の改正に基づき、中小企業診断士制度を改正する人達
(4)出題者
(5)ABC社の社長
(6)採点者

流れ的には、(1)日本を取り巻く中小企業全体の状況を踏まえて、(2)政治家が中小企業基本法などを改正し、(3)その改正内容と中小企業に関連する団体などの意見をもとに中小企業診断士の制度が改正され、(4)制度内容や現在の外部環境に沿って出題者は事例問題を考え、(5)仮想の登場人物としてA・B・C社の社長が作られます。更に、試験後には、(6)採点者が貴方の解答を採点します。

受験生は、これらすべての人達から一定の評価を得られないと合格点をもらえません。
以降では、これらの人達について検討してみます。

 

 

(1)日本を取り巻く中小企業全体

簡単に日本の中小企業全体のことを調べるのには、どうしたらいいのでしょうか?
診断士試験を受験する人なら、簡単に答えられますね。「中小企業白書や小規模企業白書(以下、白書と略)」を読むことです。
このことに加え、リアリティーを持たせるため、本試験の事例で紹介されるマクロ的な外部環境・内部環境は、近年の白書の内容から外れないことがわかります。

 

 

(2)中小企業基本法などの法律を改正する政治家

正直に言えば、政治家の気持ちなんて、わかりません。しかし、中小企業基本法が大きく変更されたのは平成11年です。そして、5年後の平成17年に一度、見直しされました。それ以降も改正はありますが、転換と呼ばれるほどの大きな改正はありません。
なお、平成26年に小規模企業振興基本法が成立されましたが、現時点では、中小企業診断士制度の改正と関係がないようなので、本記事では考慮しないことにします。

 

 

(3)中小企業基本法の改正に基づき、中小企業診断士の制度を改正する人達

中小企業基本法の改定に基づき、中小企業診断士の制度をどのように改定するかといった内容が、経済産業省のHPから資料として閲覧することができます。

上記の資料を読むと、平成12年の見直しでは、2次試験について触れられているのですが、平成17年の見直しでは、2次試験に関しては大きな変更がありません。このことは2次試験の本質は、平成13年度から変わっていないということになります。毎年ビックリ箱のような2次試験も、実際には平成12年の改定を反映した、平成13年度の2次本試験から引き継がれている本質的な流れがあると考えられます。
私こと布団は、2次試験の攻略には、この「本質的な流れ」を意識する必要があると考えています。

 

 

(4)出題者

私が述べるまでもなく、出題者の対策は有効なので、多くの方が意識していると思います。
しかし、出題者の対策には注意点があり、ここでは3つの点から述べてみます。

(4-A)出題者に課される制約条件

まず、今までの流れから、以下の2つの制約が出題者に課されていることが想像できます。

  • 日本を取り巻く中小企業全体像から外れることができない。
  • 中小企業基本法や、中小企業診断士の制度を作った人達の思惑から外れることができない。

つまり、出題者の知識・経験だけでは事例問題を作ることはできないということです。

(4-B)出題者の書籍

個人的な意見ですが、例外の書籍はあるものの、出題者の書籍を試験対策の一環とするのは、あまり意味がないと考えています。
本試験が終わると「あの事例の第何問は、~という書籍の何ページに該当する」という話が飛び交います。ですが、私の所感だと、多くの場合、「ジックリと考えてみればそうかもしれない」と思
える程度で、本試験前に知っていても役立つかどうか怪しいレベルの話ばかりです。その理由は、2次試験は国家試験であり、出題者の書籍のプロモーションの場所ではありません。このため、あまり自己主張が強すぎる出題をするのはマズイからだと思います。自己主張をするとしても、可能な限り薄めてくるハズです。そんなものを得るために、数時間~数十時間を費やすのは、時間効率が悪いと感じます。

(4-C)過去問での出題者対策

過去問をみると、出題者の傾向・癖はアチコチと振りまかれており、出題確率が高い癖も結構あります。このため、過去問から出題者の傾向・癖を探し出すのは非常に重要です。
私こと布団が感じる、近年の出題者の傾向・癖としては、以下のものがあります。

  • 事例1の出題者は、独特な言い回しなどで煙に巻くようにみえて、パターンが安定しています。また多少しくじったと思える解答でも懐広く採点してくれるように感じます。
  • 事例2の出題者は、パターンが安定している部分もあれば、新しいもの好きで受験生泣かせの部分もあります。また採点で◯×を付けやすいように出題内容を工夫していて、事例4に次いで天国と地獄に分れやすい採点となっているように感じます。
  • 事例3の出題者は、毎年似たパターンを踏襲しています。合格点までであれば過去問をやればやるほど点数が伸び、その後も安定するのが事例3だと言えるでしょう。
  • 事例4の出題者は、最近は、計算でひっかけるのが大好きです。しかし、ひっかけパターンにも癖があります。

 

 

(5)ABC社の社長

2次試験の合否を決める人達の中でも、最も大切なのは「社長」です。

社長は、仮想の登場人物であるため、無意識のうちに軽視してしまうことが多いのですが、軽視した瞬間に2次試験は不合格になります。2次筆記試験は「机上での経営診断」です。仮想の登場人物だと考えず、お金を頂いて診断させて頂く、実在する社長だと思い、真剣に取り組んでください。
なぜ、ここまで強調するかといえば、特に、私のような多年度受験生は、絶対に合格したいという想いの強さと、自信のなさ、長い時間によって得た様々な知識・テクニックの結果、弊害を起こすことがあるからです。
例えば、①社長ではなく出題者に向けた解答をしてしまうことで、1次試験で得た高度な専門用語を使う、②自信がない・多くのキーワードが見つかったなどの理由で、多くのキーワードを埋め込もうとする、などです。
しかし、実在する社長に向けて、①社長が知らない1次試験の高度な専門用語を話しまくる診断士、②経営資源に乏しい中小企業に対し、優先順位を考えず5個も6個も提案する診断士、などは、どう思われるでしょうか?優秀な診断士と考えてくれる社長は少ないと思います。

このことについては、こちらのメルマガにも書かせてもらいました。

※今回の説明では、ABC社だけを対象としてD社を除いています。財務事例には、①実世界の外部環境に左右されることが少ない、②診断士制度の改正の影響が少ない、③計算問題による得点比率が高い、④社長だけでなく税理士・会計士に繋げるための知識を試す事例であるためか他の事例以上に知識依存のキーワードを重視した採点、などの特性があります。このため「本記事の内容を意識しても得点が高まりにくい」と考え、D社を除くことにしました。

 

 

(6)採点者

非常に軽視されていると感じますが、実のところ240点前後のボーダーラインに位置する人にとっての採点者は、最重要となる人達です。
「国家試験なのだから明確な採点基準がある」「キタナイ字でも読める字で書けば、採点者はシッカリ採点してくれる」という話を聞いたことがある方もいると思います。
たしかに納得できるところもあるのですが、もう一歩だけ踏み込んで考えてください。

採点者は、出題者かもしれませんし、出題者と親しいアルバイトかもしれません。ここで重要なのは、彼らは人間だという事です。
採点者が何人であろうと、2次試験の受験者数や合格発表までの期間を考えると、1人当たり500~5000枚の解答を、3週間程度で採点すると考えられます。採点者にとって、中小企業診断士のような国家資格の採点は、年に1度あるかないかの慣れない作業、疲れる作業、飽きる作業、でも納期が厳しい作業です。しかも、通常の生活の合間に採点作業をしているハズです。
そして「明確な採点基準」はあるものの、「解答の書き方は人それぞれ」のため、解答のどこがその基準に該当するかの判別が難しい状況です。
こんな条件の中で採点する際に、採点者は、疲れ・飽き・焦りなどにより無意識のうちに、それまで採点した解答と現在採点している解答を比較して、①読みやすい、わかりやすい解答は、甘く採点しやすく、②わかりにくい解答は、深読みせずに厳しい採点をつけてしまう可能性があります。
受験生から見ると、診断士試験の勉強に膨大な時間を費やしているため、自分の作った解答を自分と同じ解釈で深読みして採点をしてくれることを願いますが、採点者からみれば、「5人に4人は不合格にしなくてはいけない前提」があるので、厳しい採点をすることに、躊躇することはありません。
採点者の気分の範囲で、1事例あたり2~5点ぐらい、全事例で10~15点近い差がつくと考えても良いでしょう。
ボーダーラインの人にとって、「採点者の気分に左右されない」「採点者に優しい」など、接客力の高い、おもてなし志向の解答を作ることで、合格に向けた最後の数点を採点者から得ることができます。

繰り返しになりますが、このことは、こちらのメルマガにも書かせてもらいました。

 

 

 

長々となりましたが、今回の内容は如何でしたか?

「知っていることばかりで対策済みさ!」と胸を張れる人は、少数派だと思います。しかし、意識することで何らかの対応策を考えることができるようになります。
この記事が、貴方の合格率を1%でも高めることに役立ったのなら幸いです。

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2次試験の合否を決める人達を意識してますか?by 布団” に対して2件のコメントがあります。

  1. CAP より:

    初めまして。多年度生のCAPと申します。
    本記事、とても参考になりました!

    「出題者側の気持ちになって解答を書く」というのは頭では分かっているつもりでした。
    ですが、ここまでちゃんと説明されているのを見たのは初めてでした。

    これはかなり素晴らしい気づきでした。ぜひモノにしたいですね。

    分かりやすくも具体的な説明、どうもありがとうございます!
    今年合格します!!

  2. 布団 より:

    CAPさん、布団@タキプロ7期です。
    本記事についてのコメント、ありがとうございます。
    このブログ記事を見て、何らの気がつきがあったのならば幸いです。

    私は、昨年度の9月中頃に「今年は合格できるのでは?」と強く感じたときがありました。それを1文に集約すると「社長をはじめ、出題者・採点者は人間である」という想いでした。今回のブログ記事では、その想いの一端を書かせて頂きました。
    また、この想いは、昨年の試験合格後に様々な人の話を聞き、更に強くなっていっています。

    2次試験まで残り3か月です。
    毎日勉強することは難しいと思いますが、本番前日まで、1日過ぎるごとに集中力が増し、効率が高まっていきます。
    この勉強期間に、今回の気づきを含め、CAPさんが「合格できる」と感じる何かを掴んで、それを実行できる戦術に落とし込み、今年の本試験に臨めることを祈ります。

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