【マル秘】事例Ⅲの解法(基礎編)~34点から77点まで引き上げた方法~ byつよぽん

皆さん、こんにちは。
タキプロ11期関西の つよぽん です

本日はオンライン 2次セミナーですね!
参加される方は、たくさん質問して、ご自身の疑問点をしっかり解消しましょう!!

さて今回は、事例Ⅲについて「34点→40点→77点」まで引き上げた方法をお伝えします。

オンラインセミナーに参加できない方にも、有用な情報を提供しようと気合入れすぎて、長文になりました。

特に事例Ⅲが苦手な方は、必見です!!

目次

1.以下のような状態になっていませんか?

  1. 解答や解説を読んでも、なんとなく腑に落ちない。
    (書いてある意味は分かるが、納得感がない、違和感がある等)
  2. 「与件文の記述は文章的に問題ないし、合っているんじゃないの?」と思ったことがある。
  3. よく分からないけど、必要なキーワードを盛り込んだ解答が作成できる。
    (何度も解いたので、必要なポイントを盛り込んだ答案を再現できる)
  4. 自分の作成した答案に自信があったが、他の人に見てもらうとダメ出しされた。
    ダメ出しされたことが理解できない、納得いかない。

合格できなかった年、私は上記のような状態になっていました。

よく分からないけど、「ふぞろいな合格答案」にある合格答案レベルの解答は作成できるので、「実際の2次試験でもなんとかなるだろう。」と安易に考えていました。

そのような考えでは、難関の2次試験に受かるわけもなく、40点以下という足切りの洗礼を受けました。

2.自分に足りないものは何だったのか!?

謙虚さです!(周りのアドバイスを聞かない人間なので)

事例Ⅲを解く上での「能力(前提知識)」です。

ただ、この「能力」を具体的に説明している記事がない(少ない?)ので、今回説明します。

この「能力」を正しく身につけた上で、事例Ⅲの解法として有名な「だいまつ氏」の記事を読んでみると、理解が進むと思います。

だいまつ氏の記事はこちら!

3.事例Ⅲに必要な「能力」とは!?

「だいまつ氏」は、事例Ⅲの解法について、以下のように簡潔にまとめています。

だいまつ氏の記事より一部抜粋

①だいまつ氏の考える事例Ⅲの基本的なパターン/切り口

②事例Ⅲを解く上での基本的な認識

C社は当たり前のことができていない。だから、当たり前を目指すための解答を書く

③事例Ⅲにおける目指すべき当たり前

(A)全社的な生産計画を作成され、なおかつ適切な頻度で計画が見直された上で、
計画に基づいた進捗、余力、現品管理が行われている

(B)作業は標準化、マニュアル化され、教育が徹底されており、効率的である

(C)作業員は多能工化が図られ、多台持ちできるなど、業務の閑散に応じた
柔軟な対応が出来る体制が構築されている

(D)情報は、DB等を用いて一元的に管理され、そして共有化され、
すぐに引き出せるようになっている

上記のように「だいまつ氏」は、当たり前の状態(あるべき姿)を4つのパターンにまとめています。

この「当たり前の状態」を回答するためには、できていないことを見つける(与件文から探す)能力が必要になります。

4.必要な能力①

与件文中の「できていないこと」(違和感)を見つけ出す。

事例Ⅲが難しいのは、「できていないこと」が判断しにくいからです。

では、与件文から「どれができていないこと」(違和感)なのか気づくために、
いくつか演習してみましょう!

演習1

①顧客の要求する加工精度を保つため機械の専任担当制をとっており、
担当している機械以外は操作できない作業者が多い。
②操作方法や加工方法に関する技術的な情報は各専任作業者それぞれが保有し、
標準化・マニュアル化されていない。
③機械加工は、汎用機械加工の扱いに慣れた作業者の個人技能によって品質が保たれている。
④熱処理は、ベテラン作業者を中心に作業が行われ、品質が保持されている。
⑤生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、
機械加工を伴う受注については、熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。

①顧客の要求する加工精度を保つため機械の専任担当制をとっており、担当している機械以外は操作できない作業者が多い。

他の機械が操作できないと書いてあるので、分かりやすいですね。
この文章を読んだだけで、「多能工」について問われる設問があると判断できます。

上級者は、「専任担当制」と書かれている時点で、「違和感」を覚えるはずです。
事例Ⅲの企業(実際の企業は異なります)では、「専任担当制のままで行きましょう!」という答えは、ありえません。

「多能工化を図り、他の機械も操作できるようにする」と答える設問があると推測でき、だいまつ氏の(C)のパターンが、解答の方向性であると判断できます。

②操作方法や加工方法に関する技術的な情報は各専任作業者それぞれが保有し、標準化・マニュアル化されていない。

これも分かりやすいですね。

「技術的な情報は各専任作業者それぞれが保有」、「標準化・マニュアル化されていない。」とあるので、「技術的な情報は作業者間で共有」、「標準化・マニュアル化する」と答える設問があると推測でき、(B)と(D)のパターンが解答の方向性であると判断できます。

③機械加工は、汎用機械加工の扱いに慣れた作業者の個人技能によって品質が保たれている。

ぱっと見は、問題なさそうです。

ただ、「個人技能によって品質が保たれている」という表現に「違和感」を覚えませんか?

事例Ⅲで求められるのは、「標準化・マニュアル化され、誰が対応しても同様の品質が保たれる効率的な状態」です。

「個人技能に頼る」=「その人がいないと作業ができない」ということであり、生産管理として望ましくありません。

「(作業技能の)標準化・マニュアル化する」と答える設問があると推測でき、(B)のパターンが解答の方向性であると判断できます。

④熱処理は、ベテラン作業者を中心に作業が行われ、品質が保持されている。

③と同じで、ぱっと見は問題なさそうです。

ただ、「ベテラン作業者を中心に」という表現に「違和感」を覚えませんか?
意図的に「ベテラン」という表現をつけているはずです。

「ベテラン」=「高齢の方」というイメージが浮かぶと思います。
ということは、ベテラン作業者が一斉に定年退職したら、熱処理作業の品質は保てなくなりそうですね。

「ベテラン作業者の技術をマニュアル化する」や「技術の承継を進め、品質を維持する」と答える設問があると推測でき、(B)のパターンが解答の方向性であると判断できます。

⑤生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については、熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。

生産計画を含めた「生産管理」について、業務で携わっていない方はイメージしにくい(違和感を覚えにくい)かもしれません。
私自身、理解するのに一番苦労しました。

「生産管理は、こういうものだ!」と理解してください。

5.必要な能力②

「生産管理」の内容を理解する。

事例Ⅲにおいて、生産管理とは「全社的な生産計画から各部門の生産統制までの流れ」を指します。

まず、生産計画について、製造部門単位ではなく、製造部門を束ねる管理部門が、過去の受注状況等から今後の需要予測を行って生産量を判断し、全社的な生産計画を作るのが基本です。

1次試験の知識として、大日程計画・中日程計画・小日程計画の意味は分かりますよね?
忘れた方は、再度復習しておいてください。

次に、その全社的な生産計画を基づいて、各製造部門が納期を遵守できるように生産統制(進捗管理・余力管理・現品管理)を行います。

進捗管理・余力管理・現品管理という用語についても、1次試験の知識なので、しっかり復習しておいてください。

事例Ⅲでは、「各部署が勝手に作った生産計画を基に、勝手に生産」したり、「勝手に加工順を決める」場合や、「勝手に生産計画を見直す」など、ダメダメな生産管理がたくさん出てきます。

そんなことをしていたら、在庫が過剰になったり、必要な資材が不足したり、納期遅延が発生して、顧客からクレームが出ますよね。

「そんなことしたらダメなので、正しい生産管理はこうですよ!」と助言するのが、生産管理系の設問で求められる解答です。

この生産管理の内容を身につけておかないと、事例Ⅲは本当に苦労します。
ただ、この内容さえ理解しておけば、合格点はすぐに目指せます!

改めて、⑤について説明をします。

⑤生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については、熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。

上記の「5.必要な能力②を理解できていれば、簡単ですね!

「生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案」は、「違和感」を覚えますよね?

また、「機械加工を伴う受注については、熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される」についても、「違和感」を覚えましたか?

受注は、熱処理加工の工程順や日程を考慮して調整しないといけないのでしょうか。

確かに、実際の企業では、突発的な受注によって調整しないといけないことがあると思います。しかし、それは例外的な対応のはずです。

この企業では、機械加工を伴う受注(おそらくほとんど)は、後の工程である熱処理加工の状況を見て、受注するかしないかを判断していると読み取れます。

つまり、需要予測ができていないので、適正な生産計画ができていないといえます。

ただ、少し推測が入っているので、与件文の他の部分も読み込んで、「違和感」が正しいかどうか判断する必要があります。

高得点が取れる人は、そこまで想定しながら与件文を読解しています。

「全社的な生産計画を立て、納期を遵守できるように生産統制を図る」と答える設問があると推測でき、(A)のパターンが解答の方向性であると判断できます。

6.「違和感」について理解できましたか?

上記の1~5のような表現が、与件文に出てきた際に、「あれ?」と「違和感」を覚えるようになると、解答の質が1段階上がります。

「この記述は『できていないこと』だから、解答のどこかに盛り込む必要があるな!」と考え、マーカーや印をつけて、解答要素から漏れないようにしましょう!

この「違和感」を身につけるためには、やはり多くの問題をこなすしかないです。

事例ごとに微妙に表現が異なるため、多くの過去問を解いて、感覚を養いましょう!

7.組織構成も把握してください!

組織構成の「違和感」も、しっかり身につけてください!

与件文では、さらっとしか触れてなく、着目していない人が多いと思います。

「設計担当者1名、製造部20名」のように、組織人数を設問とリンクさせるのは、
よく問われます。

例えば、平成29年度の与件文の後半に、「なお、最終検査は、設計担当者が行う。」と付け足した文章が書かれています。
これは、「設計担当者1名では、業務負荷が大きいでしょう?」ということを暗に伝えています。

「なんで、なお書きをしているんだろう?」と「違和感」を覚えたら、すぐに人数を確認しましょう!

ちなみに、この問題のいやらしいところは、「設計担当者1名の話」は与件文の最初に書き、「最終検査の話」は与件文の最後に書いています。

つまり、多くの受験生に気づかれないように(合格率20%に調整するために)与件文を設計しています。

昨年度の問題では、各部門の人数は書いていないのに、なぜか設計担当者の人数は「2名」と記載しています。「違和感」ありすぎです。

8.おわりに

長文を読んでいただき、ありがとうございます。
今回の記事で、事例Ⅲが得意になってもらえると嬉しいです!

それでは、つよぽんでした!

次回は「ノブ☆」さんです!
お楽しみに!!

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