事例Ⅰの60点答案公開 by ダイナマイト九州

こんにちは。ダイナマイト九州です。(自己紹介はこちら

前回の記事では、事例ⅠとⅢの特徴を対比した上で、僕の実際の答案を基に事例Ⅲの解答構成のヒントをお伝えしました。
参考:事例Ⅲは『平べったい』??

今回は、前回少し触れた事例Ⅰの答案についても公開し、それを基に自分なりの見解をお伝えできればと思います。

事例Ⅰ再現答案(令和元年)

それでは早速再現答案を掲載します。(当日休憩時間ごとに再現答案を作成したので再現度は100%です)

タイトルのとおり、結果は60点ジャストでした。

なお、問題文についてはこちらをご参照ください。(中小企業診断協会HPにリンクします)

<第1問>
理由は、健康志向の高まりと受動喫煙問題の社会問題化によるたばこ市場の縮小でメンテナンスの需要が少ない上、保有期間を過ぎた補修用性能部品を含む膨大な部品在庫と社内のコスト意識の低さで費用が増大したこと。

<第2問>
企業風土は、①古き良き時代を知る古参社員達の新事業への抵抗感、②手書きの帳簿や部分最適な計数管理等の改善意識の低さ、③コスト度外視での客の依頼への対応、④業績悪化の中でも人員削減しない組織文化である。

<第3問>
要因は、①市場ニーズ志向の製品開発に寄与したこと、②インターネットが発展していたこと、③過去アプローチできなかった食品会社等の潜在顧客と接点を作れたこと、④営業部隊のプレゼンテーション力、である。

<第4問>
要因は、①経営陣のビジョンを全社に共有でき意識改革できたこと、②人員削減で組織の若返りと活性化ができたこと、③成果主義導入で若手社員がモラール向上したこと、④業務効率化で新事業の基盤が固まったこと。

<第5問>
理由は、役員が3人(※)と少数なため、機能別組織によるA社長の大局的な意思決定の継続が好ましいと考えたから。また、新事業開始から日が浅く、専門化による各部門の業務ノウハウ蓄積に努めるべきと考えたから。

※ちなみに与件文によると役員は8人です。正しくは「経営陣が3人」ですね。

『平べったい』答案でも合格点が取れた件

前回の記事でお話したとおり、本番当日の路線変更で僕は事例Ⅰ~Ⅲすべてにおいて読みやすさを重視しナンバリング(①~、②~)を多用する答案に統一しました。

事例Ⅰにおいては、「最大の理由」が問われている第1問と第5問以外について、すべて字数制限100字にも関わらず④まで盛り込むという極端なナンバリング推しです。(通常、100字制限なら盛り込む要素は2~3個程度と言われています。)

しかも、並べる要素間に文章としてのつながりを持たせる(例:①~であり、②~なため。等)わけでもなく、完全にブツ切りの羅列です。事例Ⅲ同様に平べったい解答と言えますね。
(それでも、羅列する各要素内においては「背景+社員の特徴」や「具体的事象+その事象から指摘できる組織風土」等、必要に応じ最低限の因果を表現することは心掛けました。)

なお、第5問については、「最大の理由」を問われていますので、本来ならば一つに絞った解答をするのが理想であることは理解していました。ただ、当日最も重要視したのはわかりやすさだったため、無理にその制約にこだわって読みにくい文章になるくらいなら、盛り込む内容の適切さと読みやすさを取ると割り切ってこのような解答としました。

ネット等の情報によると、令和元年は事例Ⅰの高得点者が非常に多い(80点台、90点台が割とゴロゴロいる)年でした。

これをどう見るかにもよりますが、二次試験が相対評価であることを踏まえると、おそらく全体が高い点数というわけではなく、得点分布のメリハリが強い(高得点が多い分、低得点も多く、基準点付近の密集が少ない)事例だったんじゃないかという見方もできると思います。

そんな中で「The 中の中」の点数が取れたことには一定の意味があると思いましたので、まずはありのままの答案と点数を掲載しました。

今振り返ってみて

この方法で解いた試験当日のことを思い返すと、解答の組み立て自体はかなり楽で、事例Ⅰに関しては時間が10分以上残ったように記憶しています。また、簡潔な文章の積み重ねと一般論の言い換えで文字数を節約でき、キーワードの取捨選択を要さず自分なりに加点要素と思われる内容をすべて盛り込めたのも良かった点だと思います。

とは言え、結果がわかり、高得点の方々の答案等もじっくり見た今の状態で改めてこの答案を見ると、やはり解答内容が若干浅いなという印象を抱きます。

もし、ナンバリング推しという基本戦略は変えず、ちょっとした工夫で自分の解答を手直しするとしたら、次の2つの方向性で修正します。

①与件文のワードを使って具体性を持たせる。(例:「経営陣のビジョンを共有」→「コアテクノロジーの明確化」等)
⇒「経営陣のビジョンを共有」するのが良いというのは一般論です。変に言い換えるよりも、やはり与件文の言葉を活かした方が点になりやすいです。

②羅列した要素間に文章としてのつながりを持たせ、統一感を出す。
⇒例えば第3問であれば、「要因は、①インターネットの発展により②過去アプローチできなかった食品会社等の潜在顧客と接点が持て、③市場ニーズ志向の製品開発ができたこと。これに加え④営業部隊の高いプレゼンテーション力が活きたこと。」とすればブツ切り感がなくなります。(これならもはやナンバリングはいらない気もしますが笑)

また、第2問であれば、4つの内容を羅列しっぱなしにするのではなく、「企業風土は、①~、②~、③~、④~に見られる、危機意識が低く変化を嫌う体質。」といったまとめ方をすると解答がキュッと締まりそうです。(もちろん文字数との兼ね合いはありますが)

最後に

以上、僕の事例Ⅰの解答と自分なりの考察をお伝えさせていただきました。

書いた内容自体が役に立ったかどうかはわかりませんが、大事なのは、「自分の解答と他人の解答を比較して、自分に何が足りないのかを分析し、その差を埋めていくこと」だと思います。

二次試験は相対評価の世界なので、ライバルたちの解答のクオリティはやはり無視できないものです。

今勉強中の受験生の方々におかれましては、決して独りよがりにならず、いろんな答案に触れ、適宜微修正しながら合格レベルに達していくことを意識していただければと思います。
(なお、本番当日にこの答案を書き終えた時の心境は、「まぁ、完璧ではない。けどこれなら不合格にはならないだろう。」といった感じでした。・・・本音を言うとあと5点くらいは高い点数がつくんじゃないかと思っていましたが。相対感が掴めてくると出来不出来も自分でかなりわかってくるようになります。)

以上、ダイナマイト九州でした。

次回はだいさんの投稿です!お楽しみに!

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