【まいど!関西です。】経営法務を攻略する。

こんにちは。タキプロ関西7期のけんです。

前回、1次試験を受ける方は受験申し込みをお早めに!とアナウンスしましたが、みなさん受験申し込みは終わりましたか?
受験するつもりなのに、まだ申し込んでいないという方は急いでください。1次試験の申込締切は、平成28年5月31日(火)までです。

さて、今回は、1次試験の勉強の中で、苦手意識を持っている方が多いらしい「経営法務」に関してです。どうやら、「経営情報システム」「中小企業経営・政策」と並んで「暗記3兄弟」と呼ばれたりしているそうですね。

私自身は、弁護士資格を持っているため、科目免除を活用し、1次試験で企業経営法務を受験していません。受験してないくせに攻略法を語るなよという声も聞こえてきそうですが、経営法務という科目の取組み方について知りたいという声も多いようですので、簡単ではありますが、とりあげさせていただきます。

 

1.法律が決めていることには背景や立法目的がある。

 テキストに書かれていることを、ひたすらに覚えていくというのは、かなりしんどいと思います。場合によっては、語呂わせ等も使いながら無理矢理に覚えようとしているかもしれません。

 ただ、できれば、ひたすら無暗に覚えようとするのではなく、なぜ、法律がそのような定めを置いているのかという背景や立法目的も合わせて考えていただければ、覚えやすく、忘れにくく、試験現場で思い出しやすいと思います。

 具体例を挙げます。平成27年度の1次試験第1問を見てみましょう。(問題文はこちら)。同問題は、会社法の平成26年改正部分ですので、チェックしていた方も多いのではないでしょうか。
 いわゆる「社外取締役」「社外監査役」の消極要件については、最終的には覚えないと仕方がないと思いますが、ここで重要なのは、なぜ会社法第2条第15号や同第16号に列挙されている方々が「社外取締役」「社外監査役」になれないのかというところです。
 「社外取締役」「社外監査役」制度は、当該会社の企業統治の強化のため、当該会社や関連会社の業務執行に関わる者以外を、取締役や監査役を選任することを一定の場合に義務付けたものです。
 そのため、消極要件として掲げられているものは、どんなステイタスを持っていたら「社外性」が損なわれるのかということに尽きます。なので記憶としてインプットするときも、「当該会社の業務執行に関与する立場だったらダメだよね。」「親会社や子会社、兄弟会社の業務執行取締役等もそりゃダメだよね。」「当該会社で働いていた人でも10年くらい経てば良いのかな」等と、立法の背景などをイメージしながら覚えようとすることで、より記憶の定着を高めることができると思います。

2.現場で考えることも不可能ではない。

 知識問題、暗記問題というイメージの強い経営法務ですが、現場思考で十分に点数を伸ばすことができる問題だと思います。

 たとえば、先ほどの平成27年第1問。
 問題は「社外取締役の要件を満たさない者はどれか。」なわけです。

 全く覚えていなかったとしても、選択肢の中で、一番社外取締役として認めてはいけなさそうなのを選べば正解できる可能性があります。
 選択肢の中には、15年前まで従業員だった者とか、業務執行取締役の甥とか、主要取引先の業務執行取締役とか、それっぽいのが並んでいますが、そこで「15年前って古すぎ」とか「甥って遠いな」とか「取引先って社外じゃね?」とか考えながら、「親会社の業務執行取締役」が最も社外性を満たさなそうだな等と適切な選択肢を選ぶことができるようになると、現場思考で点数を稼ぐことができるわけです。

3.最後に…精神論です。

 経営法務は、2次試験で問われることもないので、あまり勉強に力を入れたくないという気持ちもあるかもしれません。ただ、中小企業の経営についてアドバイスをする上で、法律の基礎知識はどうしても必要です。せっかく勉強するわけですから、中小企業診断士試験を突破した後にも活用できる知識として身に付けるという意識をもって、「経営法務」を嫌いにならないで、勉強をがんばっていただきたいなと思います。

 

タキプロ関西では、6月も2次試験対策の勉強会を開催します。
勉強会に参加したことがないという方も、お気軽にご参加ください。
下記のリンクから申込みが可能です。

タキプロ関西勉強会【6月第1回】6/1(水) 19:30~

タキプロ関西勉強会【6月第2回】6/11(土) 9:45~

タキプロ関西勉強会【6月第3回】6/19(日) 9:45~

タキプロ関西勉強会【6月第4回】6/22(水) 19:30~

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【まいど!関西です。】経営法務を攻略する。” に対して6件のコメントがあります。

  1. kochan より:

    けん様
    タキプロご執筆一同 様

     毎日拝読し、大変参考にさせて頂いております。
     青森で独学をしている者で2回目の投稿となります。

     私にとって経営法務は、鬼門で3回連続不合格となっています。
     1年目はスピ問を1回転して解説を読んだものの過去問題は解かないまま受け47点。
    2年目はスピ問と3回転し過去問マスターを1回転して52点。
    3回目は、今回合格しないと、1年目に合格した情報と中小の権利を失うため、絶対失敗はできないという信念のもと、スピ問5回転、過去問マスター5回転、ビジネス法務検定2級の一問一答(ビジネス法務決定2級は74点で合格)も5回転させ万全を期したものの38点で足切り点にも届かず(結果として、万全を期したつもりでした。)。
     昨年は、52点から8点上乗せするぐらいの実力はつけたつもりだったので、勉強してもむしろ下がった玉砕結果に茫然自失となり、「このまま法務は60点をクリアできないのではないか」と、ショックは今でも引きずっています。
     今年は、頂いたアドバイスを受けて、テキストは、昨年までのクイックマスターからスピードテキストに代え今まで3回読み。ただし、読み込んだというほどではなく、電車の通勤時間で読んでいる程度。
     スピ問5回転、過去問マスター4回転し、今は過去問マスター頻度Cの電子版も2回転しています。さすがに同じ問題を何回も解いているため、正解率は9割を超えているものの(英文契約書はまったく意味がわからず、何回やっても当たらない。)、それでも解説は読んで、何回も記憶の上書きするようにしています。
     それでも、昨年のなんとか係数みたいな初出の用語が出てきたら焦るだろうなと想像し、不安感がいっぱいです。
     科目合格ではなく、全科目受験でカバーするという選択肢もあるのかもしれませんが、今から全科目勉強する負荷に耐えられず、今年も残った3科目の合格を狙っています。
     6割というのは、決して高いハードルではないと思いながら実際には越えられず、あの問題を6割クリアできる方は本当にすごいと思います。
     会社法と会社の機関設計、産業財産法の細かい論点などは、何回読んで覚えたつもりでも忘れていきます。自分は、リーガルマインド、法務のセンスがないとも思います。
     今後とも、毎日参考にさせて頂きます。
     よろしくお願いいたします。

    1. けん より:

      kochanさま

      コメントありがとうございます。
      経営法務は、確かに覚えることも多く、経営情報システムと並んで、
      苦手意識を持ちやすい科目かもしれませんね。

      既に、過去問や演習問題集を複数回解かれているということですので、
      十分に対策はできていると思います。過去問や演習問題集で間違えたところは、
      しっかりと復習して知識として補充し、次回は同じような間違いをせずに、
      正答肢を選べるようになりたいですね。

      1次試験まで、あと2か月と少し。
      当日、本来の力を発揮して、1次試験を突破できるよう応援しています。

    2. タキプロ より:

      kochan様

      火曜日に執筆しているしょぱんです。
      この度はコメントいただき、ありがとうございました。

      私も経営法務が2年連続不合格でした。
      そしてkochan様と同じ悩みを抱えていました。

      悩みの内容は「何を勉強すれば本番で60点取れるかが分からない」です。
      テキストを何回読んでも、そして過去問を何回解いても受かる気がしないのです。
      本試験を受けると、問題の半分近くがテキスト以外のことから出題されているようにさえ思えてしまうのです。

      結果的には3回目で受かったのですが、どんな勉強をすれば60点とれるようになるのか、
      今でも良く分かりません。

      もしかして、中小みたいに、白書から50点出題されます、みたいな裏教材が
      あったりしますか?

      本当にテキスト暗記と過去問で60点とれるのでしょうか。
      タキメンの皆さん、アドバイスください。

    3. 羊男 より:

      kochan様

      初めまして、羊男と申します。
      コメントいただきありがとうございます。

      さて、法務で大変ご苦労なさっているとのことですが、
      お気持ちとてもよくわかります。
      私も最後まで法務に対する苦手意識を拭うことができないままでした。

      結論から申しますと、それでも私の場合は
       ・スピテキスピ問
       ・TACの受講生向け問題集(スピ問とおなじ位置づけ)
       ・過去問(TAC)
       ・模試
      でなんとか60点を超えることができました。

      ご存じのとおり、法務はただ暗記しただけでは点が取れず、
      「知識」+「知識を正しく引き出して使う能力」
      が必要なんですよね。
      そういう点では「企業経営理論」に近いかもしれません。

      kochan様はすでにスピテキも過去問もたくさん回されていらっしゃいますし、
      ビジネス法務検定2級まで合格されていらっしゃる(すごい!)とのことですので、
      おそらく知識は既に十二分にお持ちなのではないかと思います。
      (忘れてしまいがちな「会社の機関設計」や「産業財産法の細かい論点」につきましてはまた下の方で。)

      あとはその知識をうまく使って問題を解くことに慣れさえすれば、
      必ず60点を超えることができると思います。

      ではその為にどんな勉強をしたらよいかというお話しですが、
      やはり最短ルートは過去問ですね。

      ただし私は解答解説を覚えるというより、そちらかというと過去問を通じて
      「どの知識を使って」
      「どうやって正誤判断をするのか」
      といった、試験の「相場感」のようなものを掴むことに重きをおくようにしていました。

      過去問をたくさん回される中で既にお気づきになられているかもしれませんが、
      この科目を難しくしている要因は主にこの2つだと思うんです。

       ⓵ どの知識を使って解けばよいのか分かりにくい
       ⓶ 一見、同じような問題がなかなか出ない(問題のバリエーションが多すぎる)

      ⓵のせいで、しょぱんも書いているように
       「問題の半分近くがテキスト以外のことから出題されているようにさえ思え」てしまいますし、
      ⓶のせいで
       「過去問が解ける」≠「本番でも解ける」となってしまうんですよね。

      まず⓵を乗り越えるために、過去問を解く際に
       ★テキストのどの知識を使わせようとしている問題なのか
      に注目して解説を読み込むとよいと思います。

      つぎに⓶ですが、私の場合は解説を読みながらできるだけ
       ★知識をどのように使って選択肢の正誤判断をするか(つまり正誤判断までの考え方の「手順」)
      を理解することを試みていました。

      さらに、出来れば
       ★スピテキに戻って関連する「章」をざっと復習し、関連知識と合わせて記憶を定着
       ★問題を自作してみる
        (たとえば「○」の選択肢を「×」に変えてみる。どこをどう書き換えて受験生をひっかけるか、なんてことを妄想)

      なんてこともやってみてはいかがでしょうか。
      徐々に知識が整理されて、知識の使い方の勘所みたいなものが見えてくると思います。

      私は「過去問マスター」を使ったことがないので何とも言えないのですが、もし解説をよんでしっくりこない箇所が残ってらっしゃるようでしたら、TACの過去問題集を使ってみるのも手かもしれません。一般的にこの時期から新しい教材に手を出すのはNGと言われますが、過去問解説くらいならOKだと思います。

      「会社の機関設計を忘れてしまう」というお悩みも、ものすごくよく分かります。
      何度覚えても少し時間を置くとすぐ忘れてしまいますよね。。
      でも残念ながら「機関設計」は避けて通れない論点ですので、
      たとえば表にまとめるなどして記憶を整理していただくのがよいかもしれません。
      私の場合はスピテキに乗っている一覧表を使って覚えました。

      知財の細かい論点というのは具体的にどのあたりでしょうか。
      ありきたりかもしれませんが、
       ⓵まずは「特許法」を細部までしっかり固めて、
       ⓶「実用新案」「意匠」「商標」については「特許との違い」に注目して覚える
      といった形でやっていくと覚えやすいかもしれません。

      どれもこれも「もうやってるよ!」というお話しでしたら恐縮ですが、
      一部でもご参考になれば嬉しいです。

      要は、けんも書いているように、
      すでに持たれている本来の力を引き出すことができれば必ず合格できますと思います!

      自信を持ってラストスパートがんばってください!!

  2. kochan より:

    けん様
    しょぱん様

     ご多忙なところ、早速ご返信頂き、まことにありがとうございました。
     
     しょぱん様が、私の不安をすべて代弁してくださり、本当にありがとうございます。
     ・何を勉強すれば本番で60点取れるかがわからない
     ・テキストを何回読んでも、そして過去問を何回解いても受かる気がしない
     ・問題の半分近くがテキスト以外のことから出題されているようにさえ思える
     まったくご指摘のとおりです。
     
     本当にありがとうございました。
     タキプロおよび執筆者皆様のますますのご盛栄をお祈り申し上げます。

  3. kochan より:

    羊男様
    タキプロご執筆一同 様

     この度は、長文の懇切丁寧なお返事を頂き、まことにありがとうございました。貴重なお時間を割いて頂き、恐縮するとともに、心から感謝、御礼申し上げます。

     羊男様がご指摘のとおり、私には、まだまだ知識も足りませんが、そもそも「知識を正しく引き出して使う能力」が足りないのだと思いました。
     そして、その「知識を正しく引き出して使う能力」をどうやってつけるのか、ということですが、羊男様から頂いたアドバイスを実践いたします。

     昨年は、「過去問が解ければ、本番も解ける」という慢心があったような気がします。今年は、それはありませんが、今度は、「過去問が解けても本番は解けない」という恐怖心があります。
      
     過去問マスターは解説があまり丁寧ではなく、わからない時は、TACの過去問題集の解説を読むようにしていますが、こちらは今度は丁寧過ぎ、長過ぎて、読んだ先から書いていることを忘れる、というジレンマに陥っております。

     知財の細かい論点の例を挙げると、無効審判と異議申立てのできる人、できない人、できる期間、仮専用実施権、仮通常実施権、質権を設定できる、できない、等、テキストや解説を読んだ後は納得するのですが、少し時間をおくと完全に忘れています。
     今年は、暗記3科目が残っているので、アラフィフのオッサンには厳しいものがあります。

     本州の外れで一人で悶々と勉強している身にとっては、こうしてインターネットを通じせ貴重はアドバイスを頂けることは、本当にありがたいことだと思いました。
     東京にいればタキプロ様の勉強会にぜひとも参加したいと思いますが、遠方でそれもかなわず、本当に残念です。
     
     本当にありがとうございました。
     今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

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