令和元年「事例4」を再現する by 風太(ふうた)

皆さんこんにちは、風太(ふうた)です。

⇒5年かかった合格体験記はこちら、前回の2次試験に関するブログはこちら

今回は、令和元年「事例4」の、風太の受験本番時の心持ちと答案を、再現してみます。

⇒問題用紙のPDFはこちら

試験開始直後

いやーここまで、事例1はオーソドックス(易)、事例2は激ムズ、事例3はオーソドックス(易)、で来た。
すると事例4は、難しそうだな。事例4苦手の風太としては、激ムズの方が、かえって多年度の強みとふてぶてしさ、開き直りで勝算が立つかも・・
解答用紙は・・ふむふむ、別に異形ではない。最後に記述問題が固まっている、と。
問題を一通り見て・・毎年出ると言われているディシジョンツリーは、無いね。第2問がCVP、第3問がNPV、特段ヘンな問題も無さそうだが・・
解く順番は、ひねらずに前から順で良さそうだ。

第1問 経営分析

(設問1) 設問文要約:D社の前期・当期を比較し、悪化2点、改善1点を挙げよ

与件を読み、うわ連結か・・読んでもこれと言った悪化・改善の原因要素が明示されていない。
収益性・効率性・安全性から代表数字を計算し、数字で臭いのを当てるか・・

収益性‥売上高は増えているのに売総からいきなり悪い。与件に「建材の価格高騰」とある。売総確定。
効率性‥有固かな?おや有固は改善している!与件に「複数の物件を所有し賃貸し、収入はよい」とある。良い方1つで有固確定。
安全性‥負債比率も悪化しているが、もっと気になるのは短借が激増している事。うわ流動比率が前期1近かったのが、当期1を大きく割っている!
当座比率より流動比率の方が悪い(※注:計算間違いしています!)。流動比率で行こう。

■答案
(悪化)売上高総利益率16.76%、流動比率88.65%(改善)有形固定資産回転率1.64回

(設問2)D社の当期の財政状態および経営成績について、前期と比較した場合の特徴を50字以内で述べよ。

50字って、短い!そのまま書くしかないだろう。同一社比較なので「良化」「悪化(低下)」と表現。

■答案
主力の建材事業の材料価格高騰で収益性低下、資金調達を短期借入に依存し安全性低下、固定資産の効率性は良化。(50字)

第2問 CVP

(設問1)事業部および全社(連結ベース)レベルの変動費率を計算せよ。なお、%表示で小数点第3位を四捨五入すること。

いやこれ幾らなんでも簡単すぎる・・
■答案
建材95.33  マーケ69.39  不動産3.52  全89.09

(設問2)
当期実績を前提とした全社的な損益分岐点売上高を⒜欄に計算せよ。なお、(設問1)の解答を利用して経常利益段階の損益分岐点売上高を計算し、百万円未満を四捨五入すること。
また、このような損益分岐点分析の結果を利益計画の資料として使うことには、重大な問題がある。その問題について⒝欄に 30 字以内で説明せよ。

これも簡単すぎる・・(注:「設問1の解答を利用して」を読み飛ばしています!!)
bは字数が少なすぎるが、何とか詰め込むのみ!

■答案
(a)4343
(b)利益責任は事業ごとの貢献利益で追及されるべきだが合算では不能。(30字)

(設問3)
次期に目標としている全社的な経常利益は 250 百万円である。不動産事業部の損益は不変で、マーケット事業部の売上高が 10 %増加し、建材事業部の売上高が不変であることが見込まれている。この場合、建材事業部の変動費率が何%であれば、目標利益が達成できるか、⒜欄に答えよ。⒝欄には計算過程を示すこと。なお、(設問1)の解答を利用し、最終的な解答において%表示で小数点第3位を四捨五入すること。

素直に計算するだけ・・と。(注:ここでも「設問1の解答を利用し」は意識から飛んでいます)

■答案    (a) 91.49 
(b) 建材事業部の変動費率をxとする。
4994+(196×0.1)-(4514x +139×1.1 +10)-474=250
x=0.91493・・・

第3問 NPV

(設問1)各期のキャッシュフローを計算せよ。

はい、計算するだけ。全社利益は十分だから、マイナスでもOK。

■答案
△0.9  6.1  14.5  9.6  9.6 

(設問2)
当該プロジェクトについて、⒜回収期間と⒝正味現在価値を計算せよ。なお、資本コストは 5 %であり、利子率 5 %のときの現価係数は以下のとおりである。解答は小数点第 3 位を四捨五入すること。

回収期間って、あれ、原価係数を使わず20になるまで単純に足し上げる計算方法でいいのかな?
(注:疑問に思ったけど、その後に検証する意識は飛んでいた!)

■答案
(a)3.35 (b)12.63

(設問3)
<資料>記載の機械設備に替えて、高性能な機械設備の導入により原材料費および労務費が削減されることによって新製品の収益性を向上させることができる。高性能な機械設備の取得原価は 30 百万円であり、定額法によって減価償却する(耐用年数 5年、残存価値なし)。このとき、これによって原材料費と労務費の合計が何%削減される場合に、高性能の機械設備の導入が<資料>記載の機械設備より有利になるか、⒜欄に答えよ。⒝欄には計算過程を示すこと。なお、資本コストは5 %であり、利子率 5 %のときの現価係数は(設問 2 )記載のとおりである。解答は、%表示で小数点第 3 位を四捨五入すること。

はい出た、難問。この対応は「解かない」が自分には正解。時間が余れば、今年手に入れた新武器「文章で計算方法を記述する」を試そう。

■答案
(a)(空欄)
(b) 高性能な機械設備の減価償却費:30÷5=6(百万円)
  原材料費と労務費の削減額の各年平均をxとする
 {(-7+x+2)×0.7+6}×0.952 +{(3+x+2)×0.7+6}×0.907
+{(15+x+2)×0.7+6}×0.864 +{(8+x+2)×0.7+6}×0.823
+{(8+x+2)×0.7+6}×0.784 -30 >0
これによりxを求め、5倍し、116で割る。

(注:計算過程は間違っているので、最後の文章も間違いになる。加点されたとすれば減価償却費の1行だけ。その割に10分弱もの時間を使ってしまった!)

第4問 記述

(設問1)D社は建材事業部の配送業務を分離し連結子会社としている。その⒜メリットと⒝デメリットを、それぞれ 30 字以内で説明せよ。

相変わらず30字は少なすぎ・・でも事例4貧者には助かる。

■答案
(a)メリットは、①利益責任が明確になり②迅速な意思決定ができる事。(30字)
(b)デメリットは、D社の業績が、子会社の業績の影響を受け易くなる。(30字)

(設問2)建材事業部では、EDI の導入を検討している。どのような財務的効果が期待できるか。60字以内で説明せよ。

EDIか・・さんざん運営管理で苦しめられた。でもこれなら、事例4貧者でも書ける!得点源だ!ありがとう!!

■答案
効果は、在庫情報が共有される事により、建材配送がタイムリーになり、在庫保有が効率化され、収益が向上する事である。(56字)

終わったときの感触は…近年まれにみる簡単な事例4だ。充分に検算もできたが、他の受験生も同じだろう。まずい、差がつかない!

結果

得点開示請求の結果、71点

はい、簡単な割にハイスコアには行っていません。しかし、風太の事例4の当時の実力は、全受験者中の偏差値で48~50程度です。その割には健闘した得点でした。

意外と第3問設問1~2あたりで、ケアレスミスを起こした方も多かったようです。

それにしても、
・当座比率より流動比率の方が悪いと最初に計算間違い(というより思い込み)し、以後の検算でも見抜けなかった。
・第2問(設問2)で、4343と解答(思い込みの結果、同じ計算手順でしか検算していない)。
・第3問(設問2)aで、時間経過を考慮するか迷いながら、後から検証する意識が飛んでいた。
これらは本当に危ない点です。
計算間違いより「思い込み」「瞬間的な刷り込み」の方が怖いです。直せません。

そして、「これが本番」なのです。

当座比率と流動比率を間違うようなことは、日頃の模試答練ではほぼあり得なかったのに、やらかしてしまっています。
本番は、どこか高揚しており「思い込みを、そのまま刷り込んでしまう」ような作用が働いているような気がします。

・思い込みによる間違いは、なかなか直せない
・ただし検算で計算間違いを修正できたことは、いくらでもある

前者はある程度起こりうることとして勘定しておき、後者を徹底して挽回する、というイメージが良いかと思います。

それでは本日はここまで。
次回はk.c.さんの登場です。乞うご期待!

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