【二次試験対策】 与件をどう使うか? (後編)

皆さん、こんにちは!

月曜日担当の「はっしー」です。

 

先週からの続きですが、与件を使えていないもう一つのパターンは、「与件との因果関係が弱い(一般論になっている)」ケースです。

 

私の場合は、事例Ⅰでこのパターンに陥ることが多く、苦手意識がありました。具体的には事例Ⅰでよく問われる、全社戦略を推進する上で必要となる組織・人事戦略を問うタイプの問題です。収益拡大や成長実現に、営業やマーケティングではなく、組織・人事をどう関連付ければ良いのだろう?? 与件文との関連づけも含め、最初はどう書いたら良いのか分からず、表面的な解答しか作れませんでした。

 

例を挙げましょう。H17年事例Ⅰ。これは学生時代に起業した社長の率いるITベンチャーの事例で、企業の成長段階に応じた組織作りをどう進めていくかがテーマ。その第5問(設問1)、「ベンチャー企業の経営者として、次なる成長を実現していく上で経営管理制度の導入に当たって、どういった点に留意すべきか(100字)」という問題があります。1回転目(昨年2月時点)はこんな解答でした。

 

『留意すべき点は、①経営理念と成長戦略を社員に示し、その実現手段として経営管理制度の必要性を十分に理解させること、②A社の社風や組織の実情を考慮し、画一的でなく段階的・弾力的に制度を導入すること、である。』

 

当時、私はある勉強会へ毎週土曜日に参加していましたが、この解答を見た仲間から、「間違ってはいないけど、この内容だったら別に、H17年のA社でなくてもあてはまるよね」と指摘され、目からうろこが落ちた記憶があります。つまり一般論になっていたんですね。

 

しかし与件文のどの部分を、どう「成長を実現していく上での経営管理制度」に結びつければ良いかが分からない・・・。つまり「切り口」が見えない・・・。こうして、事例問題(Ⅰ~Ⅲ)に一次知識を使いこなすための応用力不足を痛感、企業経営理論(経営戦略、組織・人事、マーケティング)、運営管理(生産管理、店舗・販売管理、IT活用)の2科目を徹底的に強化することにしました。具体的には、「2次試験合格者の頭の中にあった全知識」、「ふぞろいな合格答案」(いずれも同友館)や一次テキストを読み込んで、Ⅰ~Ⅲで頻出するテーマの切り口の感覚を掴むことに注力しました。

 

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閑話休題。

 

こうした知識を頭の引き出しに入れておき、与件文、設問文を読んだら反射的に論点がいくつか浮かぶようになればしめたものです。似たようなテーマが繰り返し出題されるので、覚える内容そのものはそれほど多くなく、心配する必要はありません。重要なのは、知識を切り口に与件内容と、設問で問われている内容(問題点、課題、解決策など)との因果関係を見出す論理的思考能力です。二次試験をパスするためには、ここを鍛えなければなりません。

 

私の場合、事例Ⅰについては、組織文化、人的資源管理、組織構造の各レイヤーがどうなっているか(=会社の方向性とマッチしているか)の切り口が基本、ということに気づいてからは対応がラクになりました。切り口を手掛かりに与件文との紐付けを行い、因果関係を見出していくことで、一般論に陥らない解答となります。

 

先ほどのH17年事例Ⅰの最終ベスト答案(昨年10月時点)はこうなりました。

 

『留意点は①成長実現に向けた経営ビジョンを社員と共有する、②管理人材の採用、育成により能力と成果に応じた人事制度を運用する、③機能グループリーダーへの権限移譲を行い、社長は戦略的な意思決定に集中する、である。』 

 

組織文化、人的資源管理、組織構造の各レイヤーから拾っていくと、A社に欠けている問題点→課題が見えてきます。そこを記載することで、与件内容に即した解答のストーリーが描けるのです。

 

次回は、「設問に素直に答える」ためにどう工夫したか、私のとった方法をご紹介します。

 

それでは、また来週!

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定員 :20名
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 ryu_exlay@yahoo.co.jp

 

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【二次試験対策】 与件をどう使うか? (後編)” に対して2件のコメントがあります。

  1. KEN より:

    毎日ブログ拝見してます。私も反射的に切り口が出てくるように、一次知識復習中です。事例Ⅰは特に与件にはっきりとした因がないような感じがして、解答が一般論か予見の書き写しで因果がペラペラな解答になってしまってます。一次の切り口のインプットが弱いことで、与件から因の要素に反応しないのか、そもそも与件の読み方が違うのか、もがき中です。来週も楽しみに拝見させて頂きます。よろしくお願いいたします!

  2. はっしー より:

    KENさま

    はっしー@タキプロです。コメントを頂き有難うございました!

    与件文に情報量の豊富な事例Ⅱ、Ⅲに比べ、私も事例Ⅰにはとっつきにくさを感じました。
    しかし、ブログにも書いたように組織文化(風土)⇒人的資源管理⇒組織構造、つまり組織のソフトからハードに至る各側面に必ず手がかりがあるはずなので、逆に情報量が限られている分、迷うことが少ないと思います。

    一次知識の充実に努めつつ、模範解答に比べどこが足りなかったかの振り返りを積み重ねることで、確実に実力はアップして行くはずです。頑張ってください!

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