[2次](財務・会計) 計算せずに部分点を稼ぐ方法(過去9年分実例付き)

中小企業診断士を目指す皆様、おはようございます。がんちゃん/岩間です。

事例Ⅳ(財務・会計)の問題は計算主体ですが、実は計算せずに解答の方向性を定められる設問があります。そのような設問を確実に取れば、計算ができていなくてもある程度の部分点を期待できます。

本日は、計算せずに解答するためのテクニックをいくつかご紹介します。

また、平成15年度〜23年度の各年度の本試験でどのように使えるかも紹介しますので、ご参考にしてみていただければ幸いです。

 

◆目次

  • テクニック5つ
  • 過去問への適用例(平成15年度〜23年度)

 

◆テクニック5つ

1.与件文や設問文に「わざとらしく」付加されている文章は、解答の方向性を示唆します。

【例】
与件文の「設備更新しないままでは、経費を削減することはできない」という文章は、「設備更新すれば経費を削減できる(設備更新をしたい)」ということを示唆します。

 

2.企業に潜む問題には、設問のどこかで、何らかの対策が打たれます。

【例】
第1問で「収益性に問題あり」と判断され、第2問で「CF分析」、第3問で「設備更新」という問題構成だった場合
⇒第3問で「設備更新により収益性は改善するか?」と聞かれたら、答えは「改善する」となります。

 

3.単に「○○を求めよ」とだけ聞かれている場合、後の設問にてその値あるいは指標を使います。

【例】
第1問で「ある施策についてCFを求めよ」、第2問で「その施策を評価せよ」と問われた場合
⇒第2問では、CFを使って評価します。

 

4.問われている指標について分からない場合でも、とりあえず「改善する」「悪化する」と書いて乗り切れる場合があります。

【例】
「○○値がどう変化し、D社業績へどう影響するか?」と聞かれたとき
⇒本来なら「○○値が△%から□%に下降するため、収益性が向上する」といった形式で書けるとよいのですが、○○値について知らなくとも、「○○値は改善するため、収益性が向上する」と書くことができます。

 

5.「値に触れながら説明せよ」という設問では、値を算出できない場合でも、デタラメでも妥当そうな値を提示しておくほうが得点が高い可能性があります。

値が書かれていれば、「設問要求の値に答えようとした」という点で少しは評価される可能性があります。
一方、値が書かれていない場合は、設問要求を無視しているのか単に値の求め方が分からなかったのかを、採点者は判断できません。

 

◆過去問への適用例

これらのテクニックをどのように適用するかを、平成15年度〜23年度の過去問を見ながら確認していきます。

なお、これから解こうとしている年度の過去問については、解いてから読むことをお勧めします

 

◆H23 第3問

(前略) 製品XとYは利益を上げているが、製品Zは赤字である。そこで、製品Zの製造を中止してはどうかとの検討を行うことにした。製品Zを廃止すべきかどうかについての計算過程を(a)欄に示し、結論を理由とともに(b)欄に50字以内で述べよ。(後略)

【着目点】

  • わざわざ「製品Zは赤字である」、「製品Zの製造を中止してはどうかとの検討を行うことにした」という注釈がある。

【仮説】

  • 結論は「廃止すべきではない」である。
    (もし結論が「廃止すべき」であるならば、おそらく「製品X、Y、Zの一つを廃止することにしたが、どれが適切か?」という設問になるだろうと考えられます。)

【解答の方向性】

  • 「(赤字であるが)、○○のため、廃止すべきではない」

 

◆H22 第3問 設問2

D社は、現状の生産方法で生産を続けるべきか、それとも設備投資を行い新たな生産方法を採用すべきか、理由を含めて60字以内で解答せよ。

 (注:本設問の直前の[第3問 設問1]は、設備投資を行ったあとのNPVと損益分岐点売上高を求める設問です。また、与件には「…固定費の削減は望めない状況にある。…現状の設備では大幅な変動費の削減は困難である…」という記述があります。)

【着目点】

  • 与件文に、「現在の設備では」という記載がある。
  • 設問1で、NPVと損益分岐点売上高を求めさせている。

【仮説】

  • 解答は「設備投資を行い、変動費を削減する」となる。
  • NPVがプラスとなる。損益分岐点売上高が低下する。

【解答の方向性】

  • 「設備投資を行い新たな生産方法を採用すべきである。理由は、NPVが正となり、損益分岐点売上高が低下するからである。」

 

◆H21 第3問 設問2

本社を売却した場合の平成21年度の損益分岐点売上高を求め、(a)欄に記入せよ(中略)。また、この結果、営業レバレッジがどのように変化し、その変化がD社の業績にどのような影響を与えるかを、財務・会計の観点から100字以内で(b)欄に説明せよ。

(注:後続の第4問は、D社の業績に直接的に関係しない個別事項を問う設問です。)

【着目点】

  • 以降の設問に、D社の業績の改善に関する設問がない
  • 「営業レバレッジ」について知らなくとも、直前で求めた損益分岐点売上高を用いて、「D社の業績にどのような影響があるか」を論じることができる

【仮説】

  • 業績は改善する。
    (仮に業績が悪化するなら、以降の設問で改善策が問われるべきと考えられるため)

【解答の方向性】

  • 「本社を売却した場合、損益分岐点売上高が低下する。このため、営業レバレッジが改善し、業績が改善する」

 

◆H20 第2問 設問2

現主力設備をそのまま稼働させた場合のD社の経営状況を予想し、とるべき対策を50字以内で答えよ。

(注:本問の直前の[第2問 設問1]は、現主力設備を稼働した場合のCFを求める設問です)

【着目点】

  • 「とるべき対策」と書かれているため、何らかの対策をとらなければならない状況であると読み取れる。
  • 設問1には、「年間売上高収入」や「操業費(ランニングコスト)」の記述がある

【仮説】

  • 経営状況は悪化する。理由は、売上高収入の低下や、操業費の増加。

【解答の方向性】

  • 「○○により経営状況は悪化する。取るべき対策は、①売上の増大と②操業費の削減である」

 

◆H19 第2問 設問2

D社が現在の経営政策をこのまま取り続けるとしたら、どのような状況となるか、この損益分岐点分析に基づいて60字以内で説明せよ。

(注:本問の直前の[第2問 設問1]は、変動費率固定費を求める設問です。また、与件には「このままだと今後D社の売上高が減少する可能性が高まっている」という記述があります。)

【着目点】

  • 「現状維持するならどうなるか?」と聞かれており、現状維持した場合に「何らかの変化がある」ことが読み取れる
  • 与件では、売上高減少を示唆している。
  • 設問1で、変動費率と固定費を聞かれている。
    ⇒変動費率と固定費を使って解答する。

【仮説】

  • 現状維持した場合、経営状況が悪化する
    (もし経営状況が改善するならば、敢えて設問にしないと考えられるため)

【解答の方向性】

  • 「売上高の減少と、変動費率低下と固定費増大により、損益分岐点比率が悪化し、赤字化する。」

 

◆H18 第3問 設問2

どの店舗タイプに集中すべきかの判断は、D社に関する資料から分析するとすれば、どういう点に着目して結論を出すべきか、60字以内で述べよ。

(注:本問の直前の[第3問 設問1]は、店舗タイプ別に限界利益率貢献利益率を求める設問です)

【着目点】

  • 設問1で「限界利益率」や「貢献利益率」を求めさせている

【仮説】

  • 「限界利益率」か「貢献利益率」を使って解答する。

【解答の方向性】

  • 「限界利益率に着目する」あるいは「貢献利益率に着目する」

【テクニック】

  • 仮に設問1で計算できていない場合は、「具体的にどの店舗に集中するか」までは言及できませんが、「貢献利益率が高い店舗に集中する」という点は書くことができます。

 

◆H17 第3問 設問2

第2問で取り上げた2億円の新たな設備投資を行った場合に、平成17年度の予想財務諸表(中略)から導き出される損益分岐点の特徴は、平成16年度と比較してどのように変化するか、100字以内で述べよ。

(注:後続の[第4問]は、D社の業績に直接的に関係しない個別事項を問う設問です。)

【着目点】

  • 以降の設問に、D社の収益性を改善する設問がない

【仮説】

  • 収益性は改善する。
    (仮に収益性が悪化するなら、以降の設問で改善策が問われるべきと考えられるため)

【解答の方向性】

  • 「損益分岐点比率が改善する。」

 

◆H16 第3問 設問2

設問1で算出された平成16年度見込みのフリーキャッシュフローからD社の企業価値の金額を求め、提示された買収金額が妥当であるかについて50字以内で述べよ。(後略)

(注:後続の[第4問]は、第3問とは別の施策の是非を検討する設問です。)

【着目点】

  • 以降の第4問で、買収に代わる別案(新規事業への進出)の検討を行っている

【仮説】

  • 買収金額が妥当ではなく、別案を採用することとなる

【解答の方向性】

  • 買収金額は妥当ではない。

 

◆H15 第4問 設問2

現状のままであれば、今後5年間の正味現在価値は(中略)39百万円のマイナスであった。これを踏まえてこの経営改善計画を含め今後どうすべきかのアドバイスを80字以内で述べよ。

(注:本問の直前の[第4問 設問1]は、経営改善計画における5年分の毎期のCFを求める設問です。また本問以降に設問はありません。)

【着目点】

  • 本問が最後の設問である
  • 現状の状態を維持する場合は、NPVがマイナスという企業にとって悪い状況となるため、改善すべきであるのは明らか
  • 設問1で、経営改善計画の検討をさせている

【仮説】

  • 経営改善計画を実施した場合は、現状を維持した場合に比べて正味現在価値が高いため、経営改善計画を採用する

【解答の方向性】

  • 「経営改善計画の正味現在価値は、現状維持した場合のそれより高いため、経営改善計画を採用する。」
    (残りの字数は、経営改善計画の定性的メリットを、与件文や設問文から探して、記述する)

 

以上で、過去問への適用例は終わりです。

 


特に近年は事例Ⅳが難しいと言われており、「計算がほとんど合っていないが合格した」という方もいるほどです。このような状況では、計算せずにどれだけ部分点を稼ぐかも合否を左右すると考えられます。

 

私(関東在住)はここ数日の気候変化で風邪を引いてしまいました。皆様は風邪などを引かないよう、十分に体調管理してくださいね。

以上、がんちゃん/岩間でした。

 

 

タキプロ勉強会のお知らせ


【東京勉強会】

◆日時・場所

・9/24(水)19:30~22:00 八丁堀区民館 

題材:H24年度事例Ⅰ  お申込みはこちらから

・9/28(日) 9:30~12:00 京橋区民館  
題材:H24年度事例Ⅱ  お申込みはこちらから

・10/8(水)19:30~22:00 八丁堀区民館 
題材:H24年度事例Ⅲ  お申込みはこちらから

◆会費 :500円

*題材の過去問を解いて、解答のコピーを8部 ご用意ください。
*問題を忘れずに持ってきてください(自分で確認用)。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。
あらかじめご了承願います。
*お釣りが出ないようにご用意ください。


【名古屋勉強会】

*各回定員5名 
*参加費 500円 
少数ですが、ぜひ気軽にご参加ください。

・第6回 9/27(土) 9:30~12:20  西生涯学習センター

題材:H24事例Ⅱ テーマ:提案力対策

・第7回 10/4(土) 9:30~12:20  西生涯学習センター
題材:H24事例Ⅲ テーマ:提案力対策&文章力対策

・第8回 10/11(土) 9:30~12:20  昭和生涯学習センター
題材:H24事例Ⅳ テーマ:提案力対策&文章力対策

・第9回 10/13(月・祝) 9:30~12:20 西生涯学習センター
よろず相談所

*題材の過去問を解いて、解答のコピーを6部 ご用意ください。 
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。
あらかじめご了承願います。

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【大阪勉強会】

◆場 所:グランフロント ナレッジキャピタル7階
(大阪市北区大深町3番1号)
 
◆参加費:1,000円 

◆定 員:20名
 
◆持ち物:筆記用具、問題用紙とご自身の解答(過去問を扱う場合)、電卓(事例Ⅳの場合) 

◆開催日時・内容
※内容や扱う事例は変更となる場合があります。

【対象 初学者・再受験者】
9月23日(火)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅰ)と添削指導
9月26日(金)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅱ)と添削指導

【対象 再受験者】
9月30日(火)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅲ)と添削指導
10月3日(金)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅳ)と添削指導
10月7日(火)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅰ)と添削指導
10月10日(金)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅱ)と添削指導
10月14日(火)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅲ)と添削指導
10月17日(金)19:00~21:30 試験実施(事例Ⅳ)と添削指導

【対象 初学者・再受験者】
10月21日(火)19:00~21:30 質問タイム
10月24日(金)19:00~21:30 質問タイム

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