毎週日曜日は名古屋の日だがね!紫雲和尚の「あなたは朝三暮四の本当の意味を知らない」

毎週日曜日は名古屋の日だがね!
ということで、ゴールデンウィーク後半戦でありますゆえ、モーニングファイナンスアワーということで、でしゃばってまいりました。おはようございます。

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
思えば去年の本日、和尚はLECの1次模試を受けておりました。理由はTACは2教科でも7教科でも5千円なのに対し、LECは科目ごとに受験できるのがよかったから。経済、経営のみ受験いたしました。
結果は・・・経済92点 !経営48点!なんだこりゃ!の点数でしたが、一応この点数なら受かるかなと思いましたが、経営はここから巻きを入れました。結果、本試験では両教科とも68点という点数で通過いたしました。
この時期、模試などの結果に一喜一憂せず、自分を客観的に見つめ、弱いところを補強していくことが必要かと思います。

さて、
今日は教養溢れる中国故事のお話の解説とともに、これのファイナンス的解釈について。

「朝三暮四」
宋の国に狙公という人がいた。猿が大好きで沢山飼っていた。3a0557d74a509b62df5b4b9a932274c7_s
しかしながら、狙公は貧しくなったので、猿に与える餌のどんぐりを減らすことにした。
狙公は猿たちに言った。
「お前たちにどんぐりをやるのに、朝は三つで暮は四つにする。どうだ?」
すると猿たちは全員怒りだした。
そこで狙公は、
「それじゃ、朝は四つで暮は三つにしよう。どうかなあ」と言うと、猿たちは喜んだ。
◆◆◆転じて◆◆◆
目先の違いにこだわって、結果が同じになることに気が付かないことのたとえ。またはことば巧みに人をだますこと。

はい、いかがでしょうか。故事としてはこれでいいのですが、も一つくどいようですが諺をご紹介。

「時は金なり」
時間というものはお金と一緒で貴重なものだから、決して無駄にしてはいけないという戒め、ま、だれでもご存じだと思いますが、これはどうも英語のTIME IS MONEYから来ているようです。

ささ、前座の話が長いのは和尚の悪い癖ですが、もちっと我慢してもらって、私「時は金なり」というのはファイナンス的に解釈すると
「時間というものはお金の触媒で、お金に時間を掛け合わせると、お金が増えていく、だから時は金なりなんです」
ということではないかと。
すなわち、銀行に定期預金を預けるのであれば、1年より2年のほうが金利が多くなる、のは誰でもわかる理屈ですね。
これを「運用」といいます。

では、この朝三暮四、猿が得したのか狙公が得したのか、これを考察してみたいと思います。

猿界では、どんぐりが貨幣としても流通しており、実はこの猿たちは「(株)モンキークレジット」という高利貸しを営んでいました。猿の業界では有名ではありますが、人間界で言えば10日に1割の利息がつく「トイチ金融」、すなわちぼったくり金融屋=マチキンだったのです。
人間界も猿界も、金繰りに窮した人間(猿)は高利とわかっててもそういう金貸しに頼るのは一緒、毎日7つどんぐりをくれる狙公を金主として、結構繁盛しておりました。

さて。ここからが財務のキモです。
ゆえに、最初にだした「猿が得したか、狙公が得したか」という問題は
「朝三暮四と朝四暮三はどちらが現在価値が高いか」
ということに置き換えられるかと思います。

10日で1割の利息ですから、1日で1%、半日(朝から暮まで)で0.5%の金利(どんぐり利?)がつきます。

だから、半分答えを申し上げますと、
「同じもん貰うなら、早いほうがよい、何故なら運用することにより、儲かるから」
と言えます。

ここから、その意味をというか「数学」についてくどく丁寧に説明します。

要するに、時がカネを生むのには、
元本×利率=利殖
という式が成り立つからですよね。
故に、4どんぐりを半日利0.5%で預けたら、いくらの利息がつきますか?というのは
4どんぐり×0.5%=0.02どんぐり
となりますよね。
と考えると、朝の4どんぐりは暮の4.02どんぐりと等価ということになりますよね。
これを式で表すと
4どんぐり(×1)+4どんぐり×0.5%
=4どんぐり×(1+0.5%)
=4.02どんぐり、、、ですよね。
(ここら辺の移項やらなんやらは、中学数学の復習をお願いしますね)

逆に、暮れの4どんぐりは朝のいくつのどんぐりと等価かと言いますと、朝のどんぐりをXとして(もうどんぐりはくどいので省略!)
X×(1+0.5%)=4
(一応念のため言っておきますが、1+0.5%は、1.005のことですよ。)
∴X=4÷(1.005)
=4×(1/(1.005))
=4×0.995
=3.9800
となりますよね。

ここでちゅうもーく!というか、財務を解くために絶対に必要な知識!
「逆数」
上の式で
「÷(1+0.5%)」を
「×(1/(1+0.5%)」にしてますよね、
これを「逆数」といいます。
10÷2を10×(1/2)にしても同じ5が答えですよね。
このことを、2は1/2の逆数と言います。この概念、かなり出てきますので、注意して見てみてください。また、こいつは、回転期間は回転率の逆数である、とも言えますので、次回詳しくやりましょうかね。

「現価係数」
上記の式中で0.995とありますが、これを「半日利0.5%での現価係数」といいます。半日後の価値を現在価値に引き直すためにこの値を乗ずる必要があり、当たり前ですが、この値は1以下になります。
当たり前ですが、この値に(1+利率)を乗ずると1になります。一度、現価係数表で遊んで見てください。

さて、最初の問題の現在価値は
朝三暮四
3+4÷(1+0.5%)=6.980・・・
朝四暮三
4+3÷(1+0.5%)=6.985・・・
さて、これで猿たちが怒り狂った訳が分かりましたね。実際、故事というのも甚だいい加減だということも。

では、今日のまとめ!!
・朝三暮四で猿が朝に4つ欲しがったのは理由がある。
・朝のどんぐりと、暮れのどんぐりは等価ではない。
ということがいえそうです。

 はい、受験勉強の合間にこういうことを考えてみるのも一興かと。

和尚でございました。

PS(こっそり告知)
↓の名古屋タキプロ勉強会、和尚も毎回出場させていただいておりますが、17日(日)については、うめもん師匠に代わり財務バカの拙僧がリードさせていただくことになりそうです。もしよろしければご参加くださいますよう。試験勉強だけに留まらぬ財務の面白さをお伝えいたしたく存じます。

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