事例Ⅰの事件簿~もう駄目だと思ってからが本当の勝負!~ byとし

事例Ⅰ

皆様、こんにちは!
タキプロ12期のとし」です。

先週、まずは第1関門である1次試験を受験された皆様、大変お疲れ様でした。
気持ちをリフレッシュし、自己採点を行い、合格を確信した方は2次試験の準備に取り掛かっていることと思います。
自己採点で惜しくも合格点に届かなかった場合でも、受験生の平均点によっては得点調整がある場合がありますので、最後まであきらめないでくださいね。

さて、今回のタイトルが「事例Ⅰの事件簿」ということで、令和2年度2次試験の事例Ⅰの私の再現答案を紹介しながら、その時の心境を振り返ってみたいと思います。
事例Ⅰの得点開示はちょうど「60点」だったのですが、試験時・試験後の心境とは大きく異なる点数が取れていました
是非、ここから得られる教訓について、参考にして頂けましたら幸いです。

■第1問

第1問
以下は、老舗蔵元A社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家であるA社長の祖父に関する設問である。各設問に答えよ。

(設問1)
A社の経営権を獲得する際に、A社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100字以内で答えよ。

【再現答案】
ビジョンは、200年の年月に裏打ちされた老舗ブランドという強みを活かし、日本の文化や伝統に憧れる来訪者をターゲットとして、自身にノウハウのある飲食業等を展開して業績を拡大し、地域の活性化につなげていく。(99文字)

A社の強みを活用すること、本文第5段落に記載されているA社長の祖父が抱いていた確信がビジョンの核と捉えて回答を構成できると考えました。

(設問2)
A社長の祖父がA 社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100 字以内で答えよ。

【再現答案】
理由は①企業グループの経営者として限られた時間の中で前経営者の知見を活かした効率的な経営を行うため、②ベテラン従業員を引き継いで買収後に混乱なくスムーズに事業継続し、知見を活かした新事業展開を行うため。(100文字)

問題本文に根拠が記載されていないため、知識を問う問題と判断し、前経営者の知見を活用すること、スムーズな事業継続の2点で回答を構成することを考えました。

■第2問

第2問

A 社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100 字以内で答えよ。

【再現答案】
手順は、複雑な事務作業を関係者と相談しながらできる限り簡素化し、標準化・マニュアル化して社内共有し、社内教育を行うことで誰もが作業に取り組めるようにしつつ、情報システム化を進めた。(90文字)

これまでの過去問での設問と全く異なる問われ方であり、また、情報システム化を進めた際の手順を問われており、本当に事例Ⅰの問題かと動揺し、若干パニックになってしまいました。

その動揺のため、時間をかけても回答イメージが浮かんでこず、一旦は本設問を飛ばして第3問以降に取り組むこととしました。

最終的に第4問を回答した後、第3問に戻り、本文における「複雑な事務作業」というキーワードをピックアップし、情報システム化ということは誰でもその業務がこなせるような状態を実現するという目的がある、というアイデアのもと、標準化・マニュアル化といった事例Ⅲの知識も織り込んだ回答を構成しました。

■第3問

第3問
現在、A社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100字以内で答えよ。

【再現答案】
能力は、直販方式では直接顧客との接点を持つため、①顧客とのコミュニケーション能力、②顧客の好みに合ったお酒を提案する提案型営業力、③新規顧客の開拓力、④商品のプロモーション能力、を伸ばすことを求めた。(100文字)

初見では、この設問は過去問や練習問題でも類題があったと記憶しており、取り組みやすい問題と感じました。

顧客と直接に接する直販方式に変更するということで、過去問で頻出の提案型営業力のキーワードを織り込むこと、それに加えてコミュニケーション能力やプロモーション能力といった4つのワードを織り込んだ回答を構成することを考えました。

■第4問

第4問
将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となるA社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

【再現答案】
留意点は、①企業グループ全体のバランスを考えた評価・報酬などの制度を確立すること、②人事制度の変更の際には、トップから従業員へ直接メッセージを発信して、従業員のモラール等への悪影響を抑制すること。(98文字)

現在社長を務めているA社ではなく、今後引き継ぐであろうグループ全体の人事制度の確立のための留意点が問われており、この設問も過去問とは異なる問われ方をされていると感じたことから、またまた動揺してしまいました

①グループ内に複数の企業が存在することが考えらえることから、バランスを考えた評価・報酬制度の確立、ならびに、②人事制度の大きな変更も伴うと予想されることから、トップからの直接のメッセージを発信し、従業員への影響を抑制すること、の2点で回答を構成しました。

成果主義の報酬制度の導入も頭によぎりましたが、年功序列型賃金制度を現在採用しているという情報だけで、本当にA社に成果主義型賃金制度が適切かどうかの論理的根拠が見受けられなかったため、成果主義の導入については回答に織り込みませんでした。

試験後には、解答要素が2点では少なすぎること、公平・公正な評価制度というより適切なキーワードがあったことに気づいてしまったことから、ショックを受けてしまいました

■まとめ

いかがでしたでしょうか?

令和2年度2次試験事例Ⅰでは、過去問とは異なる問われ方をした問題があり、それゆえ試験中にパニックに陥ってしまいました。

試験後には、40点も取れておらず足切りの可能性も高いと落ち込んでしまいましたが、ふたを開けてみれば、60点のA判定という、試験後の手応えとは全く異なる結果となっていました。

この要因としては、①2次試験で必要な知識全体がきちんと頭に入っていたこと②第2問をとりあえずスキップするなど、パニック状況下でも諦めずにタイムマネジメントがしっかりできていたこと、が挙げられるのではないかと考えています。

試験当日はどのような問題が出るかは分かりませんので、試験当日にパニックになることは完全に回避することはできないと思います。

しかし、例えパニックに陥ったとしても、合格点の解答を仕上げることは不可能ではないと思っています。

試験当日を想定し、過去問演習の際にタイムマネジメントをしっかり意識して最後の1秒まであきらめずに取り組んできたことが、本番でパニックになりながらも力を発揮できたのだと思います。

このブログを読まれている皆様も2次試験の過去問に取り組まれていると想像しますが、本番を想定してしっかりタイムマネジメントを意識して取り組まれることをおすすめします!

次回はみささんの登場です。
お楽しみに!

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