事例Ⅰ 設問解釈の重要性 by じゅん

事例Ⅰ

みなさま、こんにちは。
タキプロ12期の「じゅん」です4回目のブログ投稿となりました。

今回のテーマは事例Ⅰです。ブログを書くにあたって、私が受験生の時に欲しかった情報って何かなと考えてみました。
タキプロ勉強会で、それぞれ合格した先輩方のノウハウ等も教えてもらいましたし、もちろん参考にしましたが、どんなロジックで解答を導いていたのか実際の試験用紙とか見せてもらった時に、なるほどーと思ったので、私自身の問題用紙と実際のメモ、再現答案もまとめて公開します。なので少し長くなりますが、宜しくお願いします。

ちなみに、私は昨年が3度目の受験で、コロナの影響もあって、外野の声は一切シャットアウトして、1冊の参考書(中小企業診断士2次試験 世界一やさしい答案作成術という本です。廃版のためメルカリでプレミア価格で取引されてます)と過去問だけで2次試験に挑みました。

前回まで記事はコチラです。
「事例Ⅳ 経営分析の小ネタ by じゅん」
「一次試験の戦略を診断士っぽく考えてみる」
「運営管理 ~現場をイメージしよう~」

■事例Ⅰの特徴

皆さんは事例Ⅰについてどう感じているでしょうか。私は、4つの中で、一番苦手意識が強い事例でした。テーマは「人事・組織」ですが、他の3事例に比べると全般的に根拠がはっきりせず具体性に欠けるところがありますよね。
事例Ⅱは「マーケティング」なので、いかに売上拡大に繋がるか、という観点ですね。事例Ⅲは「生産・技術」なので、製造現場での生産管理という観点でしょうか。事例Ⅳは「財務・会計」で、はっきりと数字で示されますよね。

私は、長年営業分野で仕事してきたこともあって、組織構造や組織行動、人的資源管理といった馴染みのない用語に、設問文の解釈の難しさ、という部分と合わさって、苦手な科目でした。

■指示をはずした解答を避ける

自分自身、事例Ⅰでは特にありがちだったのですが、設問文の指示をはずした解答をしてしまい、解答が明後日の方向に向かってしまうことがありました。実際、R1年度は本番で大事故を起こしてしまって残念な結果になりました。

今まで色々なアドバイスやテクニックみたいなのを聞いてきましたが、そこで結局辿り着いたのは、できるだけシンプルに考えること与件文が全てであり、小手先のテクニックや自分自身の経験などは一切不要。問題文の指示に対してそのまま答えることを心掛けました。

■設問文を解釈して着眼点を設定する

先程述べた通り、事例Ⅰは他の事例に比べて抽象的で根拠が曖昧な問題が多いのが特徴です。例えば事例Ⅱではターゲットは?とか事例Ⅲでは強みと弱みは?みたいなダイレクトな問われ方もありますが、事例Ⅰでは「どのようなことが考えられるか?」みたいな推察ありきの問われ方や、「最大の要因は?」みたいな問われ方もありますね。
そのような問題に対して、漠然と与件文に解答の根拠を探しに行っても、ピンポイントで見つけてくるのは難しいと思います。与件文を読みに行く前に、いかにして設問文を解釈して、解答を想定しつつ、与件文の中から探すべき着眼点を設定できるか、ということが非常に重要な要素だと思います。

■対比して考える

事例Ⅰでは組織・人事に関する問題が中心です。何かのアクションによってA社が変化したのだから、変化前と変化後を対比して考えてみると良いと思います。
変化前の状態から変化後の状態になるのに、組織としてどのようなアクションがあったのか、という目線でA社の状況が整理されて、かなり解きやすくなりました。その為にも、設問文の解釈や解答を想定しておくことが重要です。また、A社の強みを維持・強化する為の、組織としての行動であるということも重要な観点です。
それでは、私が与件文を読みに行く前に設問文をどうやって読み込んだのか、昨年のメモを公開しておきますので、何かの参考になれば嬉しいです。

■私の問題用紙とその時のメモ

書きなぐりのメモなので、字が汚いことはお許しください。

例えば第1問の設問1では以下の点を着眼点としました。
・A社の強み
・A社長の地元の企業グループの内容は?
・経営権獲得前の状況は?
・経営権獲得後にどう変化したのか?

事例Ⅰにおいて、強みの維持・強化というのは会社組織を継続していく上で重要な要素なので、常に意識していたポイントです。その上で、描いていた経営ビジョンを実行していくことで、経営権獲得後の現状があるので、経営権獲得前の状況と比べることで、どのようなビジョンを持っていたかということが見えてくると思い、上記の4つを着眼点としました。 他の問題も同様に解答を想定しつつ、与件文でキーワードを探す時の方向性となる着眼点をメモしています。

■私の与件文

続いて、私の与件文を公開します。

見ての通り、カラフルになっていますね。私は設問ごとに根拠を色分けしてマーカーしました。そのおかげで、どの根拠をどの問題で使うかが一目でわかるようになりました。

最初は赤と青の2色でやっていました。また、タキプロ勉強会でこのやり方を勧めてもらったこともあるのですが、持ち替えるのに時間ロスするからと試すことすらしませんでした。
しかし、昨年私が参考にした本には設問ごとの色分けが推奨されており、とりあえず試しにやってみよう、と思って取り組みました。

確かに、根拠をどの設問で使うのか考えながら、色分けしてマーカーするので、最初の読み込みには時間がかかります。ところが、実際に解答の骨子を作成する時や、解答を記述する時には、与件文からキーワードを見つける時間が断然早くなり、トータルでかなりの時間を短縮することができるようになりました。慣れるのにも、そんなに時間かからなかったので、是非、一度試してもらえたらと思います。

■私の再現答案

上記のような解き方で作成した、私の再現答案です。

【第1問 設問1】
日本酒の需要が減少する中でインバウンドの追い風を、200年の年月に裏打ちされた老舗ブランドを活かす事と、旅館などのグループ企業からの支援でシナジーを発揮する事で、地域の活性化とA社の事業拡大を描いていた。

【第1問 設問2】
理由は、①前経営者の経営ノウハウや酒造りをA社長に教育する為。②ベテラン従業員の貢献意識の低下を防ぎつつ、技術を承継していく為。③200年の年月に裏打ちされた老舗ブランドの屋号を絶やさない為。

【第2問】
複雑な事務作業を標準化し、取引先の情報をリストアップし、これらをデータ化した。これらの暗黙知を形式知化し、総務担当者でデータを共有し、OJTで教育を行った。業務を効率化することで、モラール向上を図った。

【第3問】
求めた能力は、①顧客ニーズを把握する能力。②杜氏や蔵人との橋渡し役としての能力。③レストランや土産物店の現場を知り、仕事の流れを把握する能力。④A社の日本酒の良さを的確に伝える能力。

【第4問】
留意点は、①公平な評価制度を確立し、成果主義を部分的に導入してモラール向上を図る。②OJTによる教育と、定期的にグループ間で移動を行い人材の流動化によって、組織活性化を図る。③若手責任者に権限委譲を進める。

実際の点数は確か76点だったと思います。一番苦手意識の高い事例Ⅰでしたが、4科目で1番高い点数になりました。

■おわりに

私が受験生のころを思い出してみると、色んなブログも見てきましたし、タキプロ勉強会で先輩方から色んなノウハウとかも聞いてきましたが、言ってること・やってることがみんなバラバラで、結局どうすればいいのか良くわからん!と思うことも多々ありました。そりゃまあ、解答すら公開されない試験で、コレやったら受かる!みたいな合格への方程式があるわけないんですよね。結局、数多くの情報から取捨選択しながら、自分に合ったやり方を見つけていくことになるのかな、と思います。
今回紹介した私のブログが少しでも参考になれば幸いです。

次回はむーむさんの登場です。
お楽しみに!

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