【一週間の始まりは名古屋から】税効果会計のキーワード

ごきげんよう。

名古屋からはちみつ太郎です。

30℃を超える日が続くようになり、黄色い炭酸ジュースが美味しい今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。

体調管理と二日酔いに気を付けて、残り1か月もがんばりましょう。

 

残りの期間もわずかになってきますと、これから詰め込める内容というのは限られてきます。特に不明瞭な箇所についてはキチンと潰しこんでいけるようにしましょう。

 

去年の今頃、私もよく理解していなかった論点の潰しこみをしていました。そのうちの一つが税効果会計です。

 

税効果会計、得意というひとは少ないんじゃないでしょうか?

何しろ重大っぽい項目のくせにテキストでも問題でも取り上げられることは左程多くなく、逆に言えば問題として登場すると「ウッ」となる論点かと。

 

しかし、基本的なキーワードと考え方を抑えていれば苦手意識を払しょくすることができます。

 

<キーワード>

繰延税金資産(負債)・・・貸借対照表の科目

法人税等調整額・・・損益計算書の科目

永久差異・・・損益計算書の損金(益金)の内、将来に渡って法人税計算に算入しちゃいけない損金(益金)

一次差異・・・損益計算書の損金(益金)の内、今年はダメだけど翌年以降なら法人税計算に算入してもいい損金(益金)

 

以上の4つです。

計算の流れで説明しましょう。

 

まず、企業は自分なりの計算で税引き前利益を計算します。

税法上許される交際費や、減価償却費の限度額だって全部損金に入れちゃうぞ!とした場合の費用と利益ですね。

しかし税務署からストップがかかります。

例えば、税法上許される範囲で考えて

減価償却費を300万円計算しているところ、限度額200万円(差額100万円)

交際費を1000万円計算しているところ、限度額800万円(差額200万円) という条件だとしましょう。

そして、法人税が40%として計算してみましょう。

この会社はあるべき費用が計1000万円であるところ、1300万円を費用計上しているわけです。

すると、税引き前利益が有るべき利益より300万円少なく見積もられているわけですね。つまり、追加で300万円×40%=120万円の税金を払わなければなりません。

でも、減価償却費の超過100万円は本当の損金なわけですから、これを益金に加えられちゃうと企業としても困っちゃいますね。

なので、この超過100万円は来年の損金に入れてもいいよ、とするのが「一次差異」の考え方です。

さて、今年の損益計算書上ではどのような計算になるかというと、法人税の欄には「当社が勝手に計算した税額+120万円」が税の費用として現れます。実際のキャッシュフローとしてもこの金額が差っ引かれます。

でも、このうち100万円×40%=40万円の税は一時差異によるもので「前払いの税金」と言えますね。

ですので、法人税の次に「法人税等調整額」という欄で40万円の「収益」が記載されます。税金として120万円費用で払ったけど、内40万円は本当は収益扱いなんだよ!という付記のようなものですね。これにより当期純利益は40万円増えます。

(収益と言い切っちゃうと違和感あり、払いすぎた費用を収益として扱っているだけですね)

 

ちょっとまって!税引き後利益が40万円増えても実際に現金は出て行っちゃってるよね?という方もいらっしゃるかと思いますが、この40万円は現金ではなく、繰延資産(開発費とか)の扱いになります。債権のようなものと考えてもいいでしょう。

ですので、40万円の法人税等調整額(収益扱い)に対して、40万円の繰延税金資産(資産=債権のようなもの)が貸借対照表に載ってくるんですね。

翌年、この繰延税金資産を取り崩し(貸方=資産の取り崩し)、法人税等調整額(借方=費用計上)することで、翌年の法人税が”増え”、翌年の税引き後利益が減るわけです。

※今年の税引き後利益は増え、翌年の税引き後利益は減ります。つまり法人税等調整額は税引き後利益を「事業の実態」に合わせる機能があるともいえます。

※ちなみに、逆の考え方(損金に算入しなさすぎ)が”繰延税金負債”になるわけですが、ほとんど無いケースなので負債についてはテキスト確認するくらいでいいでしょう。

 

一方、交際費超過額の200万円は翌年以降への算入が認められません。使いすぎた交際費は債権扱いとは程遠い科目なのでしょうがないですね。これが「永久差異」です。

 

わかりづらい点は「法人税等調整額」は収益にも費用にもなり得ることです。損益計算書上の各科目は基本的には収益or費用の性質がありますが、この調整額というのは調整の為にはどちらにもなり得ます。注意しましょう。

 

もう一点、留意すべきはほとんどの場合、意思決定会計(投資評価)では税効果会計が考慮されません。できなくはないのですが、考慮しちゃうと問題としてややこしくなりすぎてしまうからです。それに税効果会計は全事業を連結した決算書上で考える話なので、一事業の採算評価をするときに税効果会計まで突っ込んで考えるのは無駄骨になってしまうという理由もあるでしょう。意思決定会計の問題で税効果会計を考えた方がよいシチュエーションか悩む場合は、よっぽどの注記がなければ考慮せずに問題に取り組みましょう。

 

それでは今週もがんばっていきましょう!

 

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