メージのラジカル設問分析 第4回~妄想を膨らませる~

 

おはようございます。タキプロでは割と大きい方のメージ@タキプロです。
毎週、どこかで更新中のシリーズ「メージのラジカル設問分析」第4回です。
第1回はこちら
第2回はこちら
第3回はこちら

前回は私の設問分析の手順を大(?)公開しました。
今回はその詳細について、例題を用いて、「私ならこう分析する!」というのを示したいと思います。
今回は少し長いですが、このシリーズの肝の一つになるので、どうぞ最後までお楽しみ下さい

問題は、平成23年度 事例I 第1問を使用してみます。
問題はこちら↓


第1問(配点40点)
 A社は、かつて一般家庭向け医療品を中心に事業展開してきた。しかし、近年の経営環境の変化の中で、医家向け医療品分野での事業強化に積極的に取り組んでいる。
このことに関して、以下の設問に答えよ。

(設問1)
 A社にとって、かつて主力製品であった一般家庭向け医療品と、近年注力し始めている医家向け医療品では、営業活動に、どのような違いが求められるか。120字以内で説明せよ。

(設問2)
 近年、A社が医家向け市場に注力しているのはなぜか。その理由を、120字以内で説明せよ。


まずは(設問1)から行きましょう!

最初は設問のタイプをみます。
リード文を読むと「積極的に取り組んでいる」ことに関する設問なので診断問題であることがわかります。
まあ第1問なので、大抵は診断問題になるのですが…

そして、「近年の経営環境の変化の中で」とあることから、
環境分析問題でもあるとわかります。

次に設問要求をみます。
設問の読み方は大きく意味を読み取る派単語レベルで読み込む派に分かれると思いますが、私は単語レベル派でした。
単語レベルで読み込む方が正確な意味を理解しやすく、読み飛ばしを防ぐことができるからです。

(設問1)の要求は「(営業活動の)違い」を「120字以内で説明せよ。」です。
120字というのも重要な要求になります。これは次回説明します。
要求が、「一般家庭向け医療品の営業活動」と「医家向け医療品の営業活動」の違いなので、この時点で「一般家庭向け」と「医家向け」の対比表の枠を余白に書きます。与件本文で探したものを後で忘れずに表にするためです。骨子の下地にもなりますね。

要求のあとは制約条件の確認でした。
制約条件は文末から見ていきます。文末に近く、設問要求に近い制約条件がより強いシバリになるからです。

私は制約条件として以下を付けました。


第1問(配点40点)

 A社は、かつて一般家庭向け医療品中心に事業展開してきた。しかし、近年の経営環境の変化の中で、医家向け医療品分野での事業強化積極的に取り組んでいる。
このことに関して、以下の設問に答えよ。

(設問1)
 A社にとって、かつて主力製品であった一般家庭向け医療品と、近年注力し始めている医家向け医療品では、営業活動に、どのような違いが求められるか。120字以内で説明せよ。

 要求、 制約



次は設問間の関連性の確認ですが…

第1問から読み始めるので、この段階では、まだ設問間の関連はみません
ただ第1問は他の設問と絡む可能性が相当高いので、第1問を意識しながら、第2問以降を分析していきます。
また、今回のように、小問に分かれている場合は、ほぼ例外なく詳細分析でも同時に処理するようにします(いわゆるバッチ処理)。

次に1.5次知識の想定でしたね。
1.5次知識の想定は、与件把握や詳細分析を効率的かつ効果的に進めることが目的でした。
従って、ここでは、1.5次知識に関わらず、与件把握や詳細分析に役立ちそうなこと等あらゆることを想定していきます。なので、ほぼ同時に解答フレーム、解答要素(切り口)の想定も行うことになります(今回は長くなってしまうので解答フレーム、要素は次回にまわします)。
具体的な作業としては、思いついたことを設問周りの空白にどんどん書き込んでいきます。慣れてくると書く必要がなくなって、頭の中で処理できるようになります。
そのときのポイントは、発想に制限をかけずに自由に思いついたことを書いていくことです。
ここが第1回でもお伝えした「ラテラル」に思考するというところになります。
ラテラルシンキングとは、「多角的な視点から、問題を新しい枠組みで捉える。」ということでしたが、簡単に言ってしまえば、

「妄想を膨らませる」

ということだと勝手に定義しています(笑)。
ちょうど会議でブレストをやっている状態に近いかもしれません。出てきた意見は否定せず、発想に発想を重ねていく感じです。

では、私が行った妄想脳内会議」を見ていきましょう

リード文
”近年”
時系列は過去から現在

”経営環境の変化”
内部 経営資源の変化、強みの変化、与件でA社がやってきたこともチェック!
外部 5フォース(売、買、競、新、代)、PEST(政治、経済、社会、技術)の変化

”事業強化”
もともと二つの事業が存在していた?
途中から新規事業としてはじめた?

”積極的”
一般家庭向けは需要減?
医家向けの市場拡大?ニーズあり?

(設問1)
”主力”
A社は一般家庭向けで事業拡大してきた?
一般家庭向けの強み(=営業力)がある?

”製品”
低付加価値から高付加価値化?
新製品?自社ブランド?
短納期化?多品種少量化?
プロダクトアウト、マーケットイン
開発力は?
製品数は?

”一般家庭向け”
ドラッグストアとの繋がりが重要?
最寄品?
富山の薬売り?(笑)

”医家向け”
専門知識必要?
教育も必要?人材育成(HRM)が後の設問で絡む?

”営業活動”
簡単に言えば売り方のこと?
商流は?物流、情報流もあればチェック!
営業活動をどこまで含めるか(営業マンの仕事をイメージ)
飛び込み営業?御用聞き営業?提案営業?
B to CからB to B?
「客数×客単価」のどちらを狙うのか、または両方?法人営業なら少ない客数で客単価高い?
プル型(広告、パブリシティ)、プッシュ型(人的、販促)

”求められるか”
もしかしたら今はうまくいってない?

 

上記を見て頂ければわかるように、1.5次知識を想定するというよりも個々の単語について思いつたことをどんどん発想しているという表現の方が近いかと思います。1.5次知識は発想を手助けするためにあると言っても過言ではないかもしれません。

また、設問要求制約条件の単語の意味は特に注意して想定を行います。

これだけ想定をすると、一見、無駄なことを行っているように見えます。しかし、十分な想定をすることで、与件本文で見落としがちな記述が出てきても、設問と関連付けることが可能となります。また、詳細分析、解答編集時に切り口に困ったときに流用できる可能性が生まれます。
私が去年、実際に感じたのは、豊富な想定ができるようになってくると、
確実に
①与件把握のスピードがあがる
②対応付けの精度が高まる
ということです。
それから一点注意して欲しいのは、ここで想定したことをアイディア解答で使うわけではないということです。編集時はあくまで与件の言葉で書くことを心がけてください。

少し長くなってしまったので、今回はここまでとします。
次回は、(設問1)の続きと(設問2)も見ていきたいと思います。
(設問2)では指示語チェックについてもお伝えします。

それでは、また次回!
(次回の更新は、来週水曜夜の予定です。)

 


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