「彼を知り己を知れば…」合格体験記 by ひらく

はじめまして!タキプロ16期の ひらく と申します。
今回は「合格体験記」という事で、2次試験敗退で舐めた辛酸も踏まえ、孫子の格言「彼を知り己を知れば百戦殆からず」も引きつつご紹介させていただきます。
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■はじめに
まずは、私の自己紹介をいたします。
・年代/性別:40代/男 妻、子ども2人
・業種:製造業(家電メーカー勤務/事業企画)
・キャリア:入社後20年以上の間に、宣伝→国際営業→事業企画
・受験歴:1次/1回(R5)、2次/2回(R6)
■受験のきっかけ
勤務先で新規事業のプロジェクトリーダーになった私は、経営に関する体系的知識の必要性を強く感じ、定款作成業務について代理する権限を持つ「行政書士」と、経営全般の知識が身につく「中小企業診断士」を取得することに決めました。
まずは知識ゼロの法律分野を固めるため、令和4年度行政書士試験に挑戦し、幸運にも一発合格することができました。調子に乗った私は「診断士も一発合格したる!」とばかりに、意気揚々と令和5年度の中小企業診断士試験へと挑戦しました。
■1次試験
行政書士試験での学びは「暗記系の試験は、自分に合った学習ルーチンを早期に確立することが”超”重要」という点でした。「学習をしない日は、なんだか気持ち悪い…」と思うくらいに、勉強を生活の一部として組み込む事。そしてその為には、自分の生活サイクルと現実的な可処分時間を考慮し「何ができるのか」をドライに判断する必要がある事。
趣味の時間も確保したいし、お酒も飲むし、家族との時間も大切にしたい…。診断士試験合格の為には相応の犠牲が必要、と思いつつも、なにせ数か月以上の長丁場、無理を続ければ、どこかでしわ寄せがくるだろう、とも感じていました。
そこで私は通勤時間、往復約3時間を学習時間に置き換えることにしました。
動画や音声で知識インプットを行い、スマホの過去問で解答アウトプットを行うサイクルを繰り返し、玄関からオフィスの門までの時間をフル活用する。ここではSTUDYING、YouTube、電子書籍やPDFの読み上げ機能などを利用しました。
これで平日毎日3時間、週5日、計15時間。週末は土日のどちらかを休み、もう一方で5時間勉強することで、合計20時間を確保。これを30週間=約7か月、機械的に継続すれば、累計600時間の学習時間を確保できる事になります。
通勤時間活用の利点は「趣味や家族との時間等、何か別のことができる時間を犠牲にしない点」で、消えるだけだった移動時間を有効利用している「おトク感」を感じながら学習を継続できました。また、試験直前は大手予備校の模試を利用して最終調整も行いました。
直前に行政書士試験を受験していたことが「経営法務」の民法、会社法分野でアドバンテージとなった事もあり、一次試験では7科目すべてに一発合格することができました。合計点は503点、科目別得点は、経済学・経済政策:68点、財務・会計:76点、企業経営理論:73点、運営管理:67点、経営法務:88点、経営情報システム:68点、中小企業経営・政策:63点でした。
■2次試験
1次試験は乗り切れたものの、2次試験ではすぐ壁にぶつかりました。
「勉強の仕方がわからない…」。
慌ててWEBやSNS、書籍等で情報収集を始めたものの、
なかなか学習ルーチンを構築できず、情報収集と試行錯誤の中、
あっという間に数週間が過ぎ去っていきました。
その後、何とか作り上げた学習ルーチンは以下のような内容です。
【事前準備】
・(予備校サイトから)過去10年分の過去問PDFをダウンロード・印刷しておく
・「ふぞろいな合格答案」を過去10年分買いそろえる
【毎日のルーチン】
・毎朝5時に起床し、一日一事例を80分で解き、「ふぞろいな合格答案」で自己採点する
・その後の通勤時間に解いた事例の無料解説動画をYouTubeで倍速視聴する
【週末のルーチン】
・予備校の2次試験直前対策講座に通学し、答案を客観的に評価してもらう
2次試験の学習は通勤時間だけで済ませる事が難しく、毎朝早起きするのは大変でしたが、このルーチンで1・2年目あわせて、何とか計130事例を解きました。以下が解いた事例の数と時期です。

1年目は突貫作業で、計60事例をこなしたものの合計230点で不合格。伸びていた鼻っ柱をへし折られる結果となりました。
何が問題だったのか、何が不足していたのか。
私なりに敗因分析を行った結果、以下の考えに至りました。
●1次試験の敵は「量」。大量の暗記・学習の為に、限られた時間で「自分に何ができるか」を正しく、ドライに見極め、対策を立てる必要ある。
●2次試験の敵は「質」。回答の質を上げる為には、「自分に何ができないか」を正しく、ドライに見極め、対策を立てる必要がある。苦手分野に向き合わず問題演習を繰り返しても、得意分野だけが伸びて飽和し、苦手分野は得点できないまま、勉強量に対して全体の得点が伸びない「踊り場」状態に陥る。
少し大げさ、かつ、事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳでも異なる※とも思いますが、以上がタイトルで触れた「彼を知り、己を知る」について思う所です。(※事例Ⅳは「量」もやはり大事)
私自身の例では「自分が何ができないか」の一つに「事例の輪郭を捉えられていなかった」点が挙げられます。「事例の輪郭」とは、事例全体に通底するストーリーラインの事ですが、初年度に私が行っていた二次試験対策は、ある論点に対する回答コンテンツ(例えば「機能別組織のメリットは?」→「専門性の発揮・規模の経済・組織統制の効率化」など)を暗記し、制限時間に字数内でなるべく「多面的に」記述する、というものでした。それなら「数打ちゃ当たる」方式で何とかなると考えていました。
このアプローチの良い点は、「設問に対して回答のアイデアが浮かばない」事態を回避し、とにかく制限時間内に文字数を埋めることはできる点です。
一方で、このアプローチの問題点は、ある設問に対して「回答A」と「回答B」の両方が考えられ「どちらも間違いではない」という場合に、制限字数の中でどちらを選択すべきかの判断基準が不明瞭であることです。また「回答Cは設問2にも設問3にも使えそうだが、どちらに記述すべきか」という、いわゆる「(各設問への)回答の切り分け」にも迷う事になります。
これに対し、「事例の輪郭」をとらえることができれば、「設問単独に対する回答として、回答A・Bとも間違いではないが、事例の輪郭を考えれば、文脈上、回答Bは適さない」といった判断基準を持つことが可能になります。
以上は一例ですが、2年目はこのような弱点克服を意識して対策し、合計253点で合格できました。
■試験後
事例Ⅳに失敗した事が試験直後からわかっていた事もあり、試験直後は「確実に落ちた…」と、この世の終わりのように落胆していました。予備校の答案採点サービスの予想得点も217点、205点と軒並みB判定。そんな状況でしたので、2次筆記試験の合格発表で自分の受験番号を見つけたときは震えました。PC画面に表示されている受験番号を文字列検索窓に入力してヒットするか数回試したり、謎の確認行動をしばらく繰り返した後、ようやく合格を認識しました。
一方で「受験のきっかけ」であった新規事業開発は、足掛け5年を費やしたものの、残念ながら25年3月をもってテーマ打ち切りとなりそうです。自ら志した新規事業はこのように消えますが、その為にがむしゃらに学んだ診断士試験の知識は残ります。ぜひとも有効活用し、次なるテーマでリベンジを果たしたいと考えています。
■おわりに
以上、拙い内容ながら、私の合格体験記です。ご参考情報として少しでもお役に立てる事があれば、望外の喜びです。受験生の皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。
次回は、はやひと さんの登場です。
お楽しみに!
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