【合格体験記】 50代ストレート合格~「しげ」さんの場合

 

こんにちわ、タケシです。 (これまでの記事はこちら)

合格体験記週間ということで、本日は「ストレート合格するという”結果”を決めて」学習に臨み、見事合格を果たされた「しげ」さんの合格体験記をご紹介します。

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【自己紹介】
こんにちは。ハンドルネーム「しげ」です。

 

某ITソリューションベンダーに約30年勤務
製品・技術開発、マーケティング、営業支援、アライアンス、など、技術分野を広く浅く担当してきました。診断士試験では、経営情報システムが唯一の得意科目。他、知的財産を扱う部門に5年いた程度で、ほとんどが未経験分野。

診断士試験勉強中の2016年4月から、社内のコンサルティング部門に移籍し、現在、業務分析・業務改革支援などのコンサル業務修行中です。

 

診断士を目指したのは、なんとなくの不安感から
50歳を過ぎた頃から、このままでいいのか、定年退職後は何もない生活になるのでは、との不安感から、定年後も社会と接点を持てる方法を探していました。大学の社会人コースや、MBAも検討しましたが、費用も期間も大変そう。そんな中、中小企業診断士という資格に気づいたのでした。一次試験7科目は、自分の足りない知識領域を広げるのにピッタリ。試験の難易度はむしろ受験動機になり、合格したら自信につながると思い、1年のストレート合格を目標にしました。

 

【受験歴】
平成28年度(2016年)に、一次、二次、共に1回目で、奇跡的にストレート合格

一次試験:合格(自己採点:449点+4点得点調整、勉強時間:約800h)

二次試験:合格(得点開示請求中、勉強時間:約300h)

 

【一次試験の勉強方法】
TAC通学を選択
勉強を始めるにあたって、受験校のTAC通学を選択。受験を考え始めて、2週間くらいで申し込みしていました(2015年7月)。独学は勉強期間が長くなりそうなのでパス、受験校は安心感から最大手のTACを選択。あれこれ考えている時間がもったいない、早く勉強を始めた方が得、と考えたためです。ちなみに、独学で仮に1年勉強期間が長くなることと比較すれば、受験校の20~30万円は安いと考えました。1年間で最低でも500時間くらいは勉強すると思うので、年間労働時間の約2000時間と対比してコスト換算すると、年収の1/4の数百万円相当が節約できます。

予習とアウトプットを重視
最初の8~9月頃は、勉強方法がよくわからず、試行錯誤しました。テキストだけ読んで分かった気になっても、問題集をやると全然解けず、唖然。その後は、予習でも問題集(トレーニング)を使ってアウトプットするようにしました(11月頃から)。 TACでは講義の音声を事前にダウンロードできるので、それを聞いて、問題集を一回転しておく。歳のせいか、講義だけでは理解が追い付かず、予習が非常に効果的でした。

 

TACのカリキュラム日程をペースメーカーとして活用
TACのカリキュラムは、

講義 → (トレーニング) → 養成答練 → (過去問) → 完成答練、直前模試 → 一次試験本番

という流れで、講義後は、段階的にアウトプットの機会が設けられていています。それぞれの段階で、自分が立てた目標点が取れるように学習のペースを修正していきました。

 

トレーニングというのはTAC受講生だけが入手出来る基本的な問題集。トレーニング過去問は、自習用なので講義では使いませんが、これをきちんとやることが超重要。(講義ではあまりうるさく言われなかったような気がするので、ここで強調しておきます。もう一度、トレーニングと過去問は、超重要!やらないと、合格しません。)

 

平日の勉強は、電車の中で トレーニングをやるのがメインで、予習と復習の両方に活用。家に帰ってから気になったところだけをテキストで確認。自分の納得感より、とりあえず問題が解ける状態にすることを優先しました。

 

週末の勉強は、TAC講義(土曜日)を中心に組み立て、日曜日は復習をメインに積み残しがないようにする。どうしても終わらない論点は、トレーニングなどにマークして、次の週末までに集中してやる計画を立てました。

 

講義が終わると、養成答練があります(1科目ごと)。答練というのは、テスト形式の演習と解説講義。自分の順位がわかるので、全体の上位20%以内に入ることを目安にしていました。また、答練の振り返りでは、できなかった問題、怪しかった問題を1つずつ確認して、もう少しやれば出来そうな問題にマーク。目標点数を達成するためには、どの問題が解けるようになるべきかを確認して、その問題を繰り返し見直しました。

 

直前期の苦戦と覚悟
勉強開始当初、一次試験はなんとかなる、上手く行けば500点超え、くらいに楽観的に考えていました。ところが、ゴールデンウィーク後の、本試験レベルと言われる完成答練で60点以下を連発。40点台も多く、さすがにヤバいと思い、平行してやっていた二次対策を封印。一次対策に専念することにしました。

 

そこでまず、一次の過去問を何冊か鞄の中に入れて常に持ち歩くようにしました。少しでも時間があれば、開いて問題を解いたり、解説を読んだり。その成果は見えず、ますます点数が下がり、焦る日々。先生に相談したり、教室の仲間に弱音を吐くことも。このときだけは、絶対ありえないと思っていた「挫折」という言葉がちらつきました。

 

結果は出なくても、過去問と仲良くなるというスタンスで取り組み、完成答練の毎回の振り返りを重視。できなかった問題と、どうすれば出来るようになるか、の確認。個々の問題の他に、全体の取り組み姿勢も振り返るようにしました。メンタル、体調の管理、問題文の読み方、思考プロセスなどを、総合的に考え、タイムマネジメントや問題文の意図を読むときの「距離感」のようなものが問題の本質ではないかと思い至りました。細かく入り込みすぎて、全体が見えなくなっていたり、距離を置きすぎて細部のヒントを見落としていたり、適度な距離感を保つことが重要ではないかと思いました。(うまく説明できなくてすみません)

 

試験本番を迎えるにあたって、各科目の目標点数を決めました。単純積み上げでは420点ギリギリ。少しだけマージンを持たせて430点になるように最低ラインに設定しました。こうなると、なりふり構わず、取れる問題は全部取る、1点でも無駄にしない、出来ることをきちんとやる、など、試験に向かう覚悟ができました。

 

【二次試験の勉強方法】

タキプロ勉強会
二次対策はTACだけでは不足すると思い、タキプロ勉強会に参加しました。

最初は、2~4月に6回くらい。事前に1事例を解く準備は大変でしたが、参加してみると毎回気づきがあり、帰り道は、熱くなった頭で整理するのが大変な状況でした。ゴールデンウィーク後は一次対策のため、一時お休み。

一次試験後は、全ての回に参加することを目標に、7回くらい参加。多くの人に励まされ、モチベーション維持もできました。タキプロ勉強会に参加していなかったら合格は無かったと思います。

 

過去問対策
TACの二次演習は参考程度で、基本は過去問対策でした。分析とか、慣れる、とか色々言われますが、どうしていいのか正直わからないまま、試験当日がやってきた、という感じです。TACの分厚い二次過去問を、常に鞄に入れて電車の中でも眺める日々。ふぞろいシリーズも何冊か利用しました。

過去問を解いた回数は管理していませんが、タキプロ勉強会を含めて、5年分を2、3回転以上しているみたいです。自分では、回数よりも振り返りの深さの方が重要な気がしています。

 

事例Ⅳ対策
二次の勉強で一番手ごたえがあったのは、苦手意識があった事例Ⅳでした。

最初は過去問がまったく解けず困りましたが、解説をきちんと読めば理解出来ることに気づき、やる気が出てきました。理系の私には、実は一番得意な分野でした。

 

しかし、解説を読んで理解した後、翌日にやってみると、またミスをしてしまう。計算方法は合っている筈なのに、答えが違う。そんな連続でしたが、出来るまでやると決めて、ミスのパターンも学習。ある程度出来るようになると、楽しくなるもので、事例Ⅰ~Ⅲで疲れた後は、気分転換に事例Ⅳの問題をやっていました。でも、事例Ⅳをガッツリ80分解いたのは、週末の数回だけ。私には、細切れの練習の方が合っていたようです。

 

手書きの練習
私は、ワープロがないと文章が書けない人なので、手書きが大の苦手。漢字も小学生以下のレベル。写経は辛すぎて出来ず、演習や過去問の解答をせっせと手書きして練習しました。同時に漢字も、解答に使いそうな熟語をひたすら書いて覚えました。(一次試験後に手書きを始めたので、遅すぎたと思います。本来は、もっと前から始めるべきでした。まずは、原稿用紙を買うところから。)

 

【勝因】  
自分で勝手に、ストレート合格するという結果を決めた

確率論で考えると、ストレート合格の確率は数%で、絶対受かる気がしない。そこで、発想を変え、そもそも自分は合格するグループに入っていると考えることにしました。結果を確定した上で、その結果をもたらす現在の状態を逆算して考える。「合格したい」という想いではなく、「合格する」という未来の確定です。「合格する」という結果に矛盾しないように、現在を組み立てるので、自己暗示とは少し違います。(一般的には「バックキャスティング」というらしいです)

 

合格した人と接する

合格という結果に近づくには、合格した人と接することが大切だと思い、タキプロ勉強会の他、受験者応援のセミナーにもできるだけ参加しました。その中でも、特にタキプロ勉強会は、基本的な考え方から、テクニック的なことまで学ぶことができ、大きな合格要因になっていると思います。

 

他にも、受験者応援のブログを複数RSSリーダーに登録して、ほぼ毎日読んでいました。色々な考えに触れて、取捨選択しながら、自分が納得できるスタンスを決めていきました。

 

過去問を常に持ち歩く、過去問と仲良くなる

一次のトレーニング(問題集)はゴールデンウイークまで。以降は、鞄の中に、常に過去問が何冊か入っている状態にしました。電車の中、待っている間に、過去問の問題、飽きたら解説を読む。最終的には、9割以上の問題がスラスラ解けるようになり、解説を自分の言葉で説明出来る。そんな感じで、過去問と仲良くなりました。

 

二次でも、あのTACの重い過去問を常に鞄の中に入れて持ち歩きました。

 

【二次試験合格の要因(かなり推測)】        
準備不足の自分がなぜ合格したのか、今もわかりません。しかし、結果には必ず原因があるという原理から合格要因を推測しながら、試験当日の作戦を書いてみます。

 

まず、結論をシンプルに書く
因果関係などロジックをきちんと整理して書くことができないと割り切り、まず結論を書く作戦を取りました。その後で、「具体的には…」などと補足として使える根拠は全部入れて、字数を埋める。重要度順に記述した方が、編集に失敗しても大崩れしないと考えました。満点ではないけど、そこそこの点を期待。そして、相手に伝える感じで、丁寧に書く。出来ることが少ないからこそ、迷いが少ない。出来ることに集中してきちんとやる、というスタンスです。

 

空欄は作らない
事例Ⅳも含めて、空欄はゼロにしました。完成度が低い答案で、さらに空欄があれば、合格は無いと思ったためです。

事例Ⅰは演習でも時間が足りない傾向だったので、開始30分から書き始める、つまり50分を書く時間に使う、と決めていました。かなり大胆な作戦です。でも、そのときのベストを尽くすには、これしかないと考えました。

事例Ⅳで、NPVは捨て問にするという考え方がありますが、私は怖くて捨てることができませんでした。ただし、時間配分には気を使っています。本番では最初の経営分析に手間取り、当初の時間配分は崩れましたが、なんとかすべて埋めました。

 

気負いが無かった
実は、試験直前の2週間前くらいから、諦め感が漂っていました。準備不足のため、来年も勉強することになるのかな、という感覚です。今まで応援していただいた多くの方に申し訳ないという気持ちも出てきました。しかし、受験するからには、今できることを、きちんとやる。振り返りができるように、初めての再現答案をつくる。ということを目標にしました。絶対に合格するといった気負いが無かったのが、かえって幸いしたかもしれません。

 

【受験生へのメッセージ】
自分が合格する姿を具体的にイメージすれば、合格はグッと近づいてくると思います。

 

学習中に手ごたえが得られないときや、挫折の文字が頭をよぎったときは、周囲の人に相談してみるといいと思います。悩むのはムダなので、人に話したり、自分で考えることが、解決の糸口になると思います。悩むのと、考えるのは、全く別です。

 

「やるべきことを自分で決めて、きちんとやる」

「最後までやりきる」

 

最後は、メンタルと体調の管理が勝負を分けると思います。

私も、直前期は苦労しました。体を壊さないことが、合格の要件でもあります。体に気を付けて、合格をつかみ取ってください。一緒に、診断士として活躍できることを楽しみにしています。

 

======= 合格体験記 ここまで===========

いかがでしたでしょうか?

「やるべきことを自分で決めて、きちんとやる」
「最後までやりきる」

何事にも共通する成功の条件ですが、言うのは簡単でも実際にはなかなか出来ないんですよね~。

「しげ」さんと同世代のタケシもこの合格体験記を読んで、改めて1年前の自分を思い出して今後の診断士活動への気合を入れさせて頂きました。

本年、受験を予定されている皆さんも、今一度「合格」した自分の姿を出来るだけ具体的にイメージして、気を引き締めて頑張ってください。
あと、風邪やインフルエンザには注意しましょうネ。

タケシでした。

setsubun_mamemaki

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