助言理論って?/合格体験記「ぽん」さんの場合

こんにちはー。ゆっきーです。はやいもので、2月になっちゃいましたね。
そして2月も「にげつ」いわれるように、あっという間に終わってしまいます。
1次試験まで、ちょうど半年ですね。受験生は勉強していますか?
先日、昔の1次試験科目には、「助言理論」という科目があったことを知人に聞いて知りました。(中小企業経営・中小企業政策と同じ科目です。助言をするための考え方に触れています。)教科書を取り寄せて、読んでみたらとても腹落ちしたくだりがあります。
コンサルティングの業務とは?
(1)組織の目標と目的を達成する
(2)経営管理上の諸問題を解決する
(3)仕事の継続性がない中で高い実績と信頼が求められる
(4)組織の学習能力を向上させる
上記の心得を理解するのは、今後のコンサルティング業務にとても大切で、どれも重みのある言葉だなと改めて感じました。さらに助言理論を学びたい方は、書店にはないため、Amazonなどで入手してみてくださいね。きっと、何かしらの「気づき」が得られ、今後の学習に役に立つと思いますよ。

さて今日は、タキプロ9期メンバーでもある「ぽん」さんの合格体験記をお送りします。
「ぽん」さんは、1次独学+2次通信でのストレート合格を勝ち取りました。幅広いノウハウが詰まった素晴らしい合格体験記です。ぜひ参考にしてみてください。

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(1)自己紹介

こんにちは。ぽんと申します。診断士を目指した理由は、新たな知識が身につく資格を取得したいと思ったためです。勉強を進めるにつれ、診断士の仕事にとても魅力を感じるようになりました。これから多くの実績を積んでいき、経験値やスキルを高めていきたいと思っています。

(2)受験歴

  • 勉強スタート 平成28年12月~
  • 1次試験(勉強時間:約600時間)平成29年度:合格

経済 68
財務・会計 76
企業経営理論 58
運営管理 54
経営法務 60(+4)
経営情報システム 76
中小企業経営・政策 67
合計459点(+4)

  • 2次試験(勉強時間:約300時間)

平成29年度:合格
事例1 A(66)
事例2 A(67)
事例3 B(59)
事例4 A(62)
合計254点

(3)1次試験の勉強方法

1次試験については、独学で勉強しました。ただ、1次の勉強と並行して2次の通信を受講していたため、2次用の知識も1次の理解に役立ったと思います。

  • 1次試験勉強で使用した書籍

◎速習テキスト(TBC中小企業診断士試験シリーズ)

いわゆる参考書で、診断士試験の知識が幅広く、ある程度詳細に記載されています。あまりにも量が多いため、本だけ覚えようとしても難しいと思いますが、この本の特徴はYouTubeで公開している講義動画と合わせて勉強することで、受験校の授業を受けるように理解が深まることです。独学を希望するけど、授業は受けたいという人にはオススメの勉強方法です。

◎ニュー・クイックマスター(経営情報システム、経営法務)

暗記系の上記の2科目については、残り1ヶ月でこの本の暗記をすることにしました。多少、網羅性は犠牲になりますが、初学者で何が重要かも分からないという人や、基本的なことだけまず完璧に覚えたいという人にはオススメです。講義等である程度内容を理解した後に、この本にある内容をマスターすることで、最低限の知識がストックできると思います。

◎中小企業白書

速習テキストシリーズの中小企業白書の問題集と合わせて見ることで、重要なポイントを確認しながら進めることができます。白書だけを一人で読んでいても何が重要なのか分かりにくいと思うので、このような解説を利用しながら勉強するのはオススメです。

◎平成29年度中小企業施策利用ガイドブック

こちらは試験の数週間前に存在を知り、それから取り寄せて覚えようとしてみましたが、情報量が多すぎて無理でした。もう少し早くとりかかればよかったのかなと思います。

(4)2次試験の勉強方法

2次試験については、TBCの通信講座を利用しました。始めた頃は何も分かりませんでしたが、解説講義を視聴したり、実際に2次の問題を解いて、添削してもらったりすることで、少しずつ2次の書き方のコツが分かるようになってきた気がします。自分は、添削していただくことで自分の立ち位置が分かり、どの科目やどの内容に力を注ぐべきかを判断することができたので、通信で添削を利用して良かったと思っています。

  • 2次試験勉強で使用した書籍

◎2017年版 中小企業診断士試験2次試験合格者の頭の中にあった全知識

この本は、1次試験後に買ったのですが、もっと早く読んでいればよかったと思いました。2次試験に必要な知識が分野ごとにまとまっているので、知識の整理やインプットにとても役立ちました。

◎2017年版中小企業診断士2次試験事例IVの全知識&全ノウハウ

自分が合格したのはこの本のおかげでもあります。勉強を始めた時には仕訳の意味すら知らなかったので、事例Ⅳには苦手意識がありました。しかし、事例Ⅳができなければ合格できないという話を聞いていたので、なんとか得意科目にするべく1次試験後にこの問題集を繰り返し解いていました。各設問の時間を計り、短時間で正確に解けるように繰り返すことで、定番問題は安定的にとれるようになりました。

◎ふぞろいシリーズ

2次試験については、勉強を始めてから9月頃までTBCの解答しか見たことがありませんでした。受験校の解答はどこもそうかと思いますが、高尚すぎて全然たどり着けないなぁという印象を持っていました。ふぞろいシリーズの解答は、解答プロセスが受験生のために分かりやすく書いてありますし、合格者の使用したキーワードが載っていることから、おそらくこれが正解だろうという安心感もあり、とても参考になりました。やはり定番なだけあると感じました。

◎2017年度版 速修2次テキスト (TBC中小企業診断士試験シリーズ)

こちらはTBC通信の教材として購入しましたが、最も役立ったのは巻末の抽象化ブロックシートです。この部分はほぼ全て覚えました。これにより、知識のインプットにも役立ちましたし、アウトプットする際の考え方のフレームとしても役立ちました。これを覚えることで、特に事例1や事例3については、知識ゼロの状態から、回答欄を何かしら埋められる状態にはなったのではないかと思います。

◎意思決定会計講義ノート(通称イケカコ)

こちらは2次試験後に、絶対落ちたと思ったので、買って少しだけやりました。が、やはり診断士試験用に作られたわけではないので、自分には少し難しい感じがしました。(ほとんどやっていないため、あまり参考にならず、すみません。)

◎ザ・ゴール コミック版

2次試験の直前に、自分は生産・技術のことを全く分かっていないと気が付き、焦ってこの本を読みました。工場の現場とか、ボトルネックについてのイメージはできるようになりました。この本で事例3全てをカバーすることはできませんが、コミック版のため短時間で読めるので、息抜き程度に読むには良かったです。

◎スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

1次試験後、本格的に2次の勉強を始めようと思った時に、試験委員の方の思考回路を知りたいと思い、読みました。中小企業ならではの強みと、その強みの活かし方が書いてあり、中小企業診断士としてはこの考え方を知っておけてよかったと思いました。

◎ビジネスモデル革命―グローバルな「ものがたり」への挑戦

こちらの本も、上記と同じく試験委員対策として読みました。こちらも、最近の成長企業の特徴が分かり良かったのですが、ただ、この「試験委員の方の本を読む」という方法は諸刃の剣だなと感じました。というのも、試験委員の方が何を重要視しているのかが分かる点は良いのですが、逆にその考え方に引っ張られてしまう感じがしたためです。自分の場合は、どうしても本試験の事例1で「ものがたり」というフレーズを使いたくなってしまい、誘惑に負けて結局そのフレーズを使ってしまいました。(それが点数にどう作用したかは分かりません…。自信はありません…)そのため、試験委員の方の本を読む場合は、「本に書いてあった考え方やフレーズを、無理に回答に使わない」と心に決めて試験に臨むことをオススメします。

(5)工夫点(1次・2次共通)

  • 時間の捻出

診断士試験は合格までに約1000時間かかるとの情報があったため、隙間時間を勉強に充てるように意識しました。具体的には、通勤時の電車の中、昼休み、外食時などは暗記系を行い、家事や身支度等の時間はYouTubeの講義動画を繰り返し聴くようにしていました。土日は、家だとつい休んでしまうので、カフェをはしごして勉強していました。勉強時間の記録についてはStudy Plusというアプリを使用して記録しました。このアプリにより毎日の勉強時間が目に見えて分かってしまい、自分に嘘をつけないので、モチベーションの向上につながったと思います。

  • 暗記重視(復習重視)

まず知識をインプットするために、暗記を重視しました。暗記については、それまでの経験から短い復習スパンが最も重要だと感じていたので、特に暗記の「復習」に重点を置きました。具体的には、日次のサイクルとして、朝の通勤時と昼休みは「覚える」、夜の通勤時はその日に覚えたものを忘れていないか「確認する」ようにし、まずは1日の中でも復習するようにしていました。毎日の暗記項目(何を暗記するか)については、エビングハウスの忘却曲線を参考に、1日後、3日後、1週間後…と少しずつ復習間隔を広げるように意識しました。ただ、これを計画しようとするとものすごく大変で無駄に労力がかかってしまうので、復習間隔はほぼフィーリングで決めていました。とはいえ、一応の復習の優先順位として、次の①~④の順に復習するようにしていました。

①最近学んだけど、まだ完璧でないもの(まずは、一度完璧にする。)
②過去に学んだもので、「ギリ思い出せるかも…」レベル(もう少ししたら、完全に忘れる。このタイミングで思い出しておくと、記憶が定着される。)
③過去に学んだもので、完全に忘れたもの(これは初めて学ぶものと同程度と考える。この状態になったら、①のサイクルで再度完璧に覚える。ただし、なるべく③の状態にならないようにする。)
④過去に学んだもので、完全に覚えたもの(覚えたものでも、思い出さなければ忘れてしまうので、たまにやる)

  • 復習重視の注意点

・復習を重視していると、新しいものを覚える時間がなくなってしまいます。いつまでに何を覚えるというおおまかなスケジュールは立てておき、暗記項目を決める時に、新規項目と既存項目のバランスをとるようにしました。

・暗記1周目は特に、新規項目にいきたいという誘惑が生まれるのですが、そこはぐっとこらえ、復習を重視しました。これがあとあと効いてくると思います。(復習しながら進めないと、1周終わってもほぼ自分に蓄積されていない状態になってしまうので。(優先順位の③の状態))

・復習のスケジュール管理はけっこう大変です。混乱しないように、「暗記するもの」を厳選することが大切です。魅力的なツール(本など)は色々あると思いますが、何種類もの本を中途半端に覚えるより、情報量は少なくても1冊の本を完璧に覚える方が、結果的には幅広い知識の定着につながると考えました。

・スマホのアプリを活用しました。暗記のための本を持ち歩くのが大変だったため、暗記を補助するアプリを使用しました。アプリはいくつか試しましたが、最終的には「暗記マスター」と「reminDO」が良かったです。「暗記マスター」は覚えたい部分を赤シートで隠すようなイメージで使用でき、正答率の低い問題を抽出して繰り返し解くことができました。「reminDO」は、忘却曲線に基づいて適切な時期に覚えたい項目を表示してくれるので、ある程度暗記が完了し、忘れない程度に思い出したいというもの(優先順位の④の状態)についてはこのアプリを利用することで定着率が高まったと思います。

(6)1次試験のエピソード

試験当日印象的だったのは、(自分の教室だけかも知れませんが)荷物を椅子の下に入れるようにという指示が多かったことです。遠方から来ているのかスーツケース持参で受験されている方も多く、スーツケースが椅子の下に入らないため机の横に置いておいたら、指摘される、というパターンが多かった気がします。大きな荷物がある方は指摘で心が乱されないよう試験前に係員に荷物の置き場を確認しておくと良いかと思います。(自分の教室では、教室前後のスペースに荷物を置いてよいことになりました。)

(7)2次試験のエピソード

当日は(台風だったからか?)早めに来ている人が多く、開場直後は教室案内図の前が大混雑していました。普通に歩くこともできないくらい混んでいたので、もしまた来年受けるのだったら5分か10分くらい時間をずらして会場入りすると思います。(開場の10分後には完全に混雑解消していました。)

(8)敗因(不合格科目について)

合格点(60%以上)を得点できなかったのは、以下の科目でした。

1次 企業経営理論(58)、運営管理(54)
2次 事例3(59)

  • 1次の企業経営理論、運営管理については、正直に言うと直前はほとんど勉強していませんでした。というのも、これらの科目は2次試験の科目でもあるため、早期に学習し、他の科目に比べるとある程度身についてきていると感じていたためです。(実際にはそれほど1次知識は入っていなかったのですが。)そのため、直前期は他の科目(特に暗記系)を学習していたため、点数が伸びなかったと分析しています。
  • 2次の事例3については、1次の運営管理ができなかったのと同じように、内容をきちんと理解していないにもかかわらず勉強が不足していたことが敗因だと考えています。もともと生産・技術については馴染みがなく知識も整理できていなかったのに、なぜか模試等では他の科目よりも安定してできていることが多かったため、やや勉強を疎かにしてしまいました。試験の2週間くらい前にやっと、自分がこの分野を体系的に理解できていないことに気がつき、急に関連本を読みだしたりしました。それでもやはり人に自信をもって説明できるレベルには達していなかったので、本試験で合格点に達しなかったのだろうと考えています。

(9)勝因(最終合格について)

科目ごとの不合格はあるものの、なんとかストレートで合格ができた要因は、常に「苦手をなくす」ことに努めたことかと思います。各科目の得点を見てみても、飛び抜けて良い点はないものの、全体的にはそこそこの点数を確保できたと思います。自分にはアドバンテージとなるような経験や得意科目がないので、少しでも苦手科目に足を引っ張られたら合格できないと認識していました。そのため、自分の中での足切り可能性科目は常に意識してそこを集中的に勉強するようにしていました。逆に、過去問で60%以上を安定的にとれるようになった科目については、思い切って勉強時間を大幅に減らし、苦手科目重視でメリハリをつけるようにしていました。おそらく、一般的には60点を80点にするよりも、40点を60点にする方が簡単だと思うので、オールマイティにそこそこの点を狙うという作戦は、「試験に合格する」には効率的だったと思います。

(実際に診断士の仕事をするとなったらオールマイティにそこそこでは特徴がないので、何か専門的な知識が欲しいと思いますが…、試験ではその視点は忘れて、「強みの強化」よりも「弱みの克服」に努めるのも一つの作戦なのかなと思います。)

(10)受験生へのメッセージ

受験生の間は、このやり方で良いのだろうかと迷われることがあると思います。自分も上記で長々と書いてしまいましたが、合格発表を見るまでは(2次は落ちたと思ったので、)もっと計画をきちんと立てればよかったとか、最初からこの本を覚えていればよかったとか後悔もたくさんありました。本当はこのような体験談を書かせていただくほどの者ではないのですが、それでも合格はできました。「完璧な勉強方法」というものは、おそらくないのだと思います。自分に合った方法をそれなりに模索し、方法を決め、決めたらその方法だけをきちんと進めるのが良いと思います。やり方をたまに見直すことは必要だと思いますが、必要以上に不安になり、やり方を頻繁に変えるようなことは避けた方が良いと思います。色々なルートがありますが、どんなルートでも合格には近づいていると思います。自信をもって、がんばってください。応援しています。

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「ぽん」さんの合格体験記は、いかがでしたでしょうか?余すところなく丁寧に書いていただきました。大作ですね。そして、ご自身で足りないところ、気になったところは、改善してそれぞれの試験に向かっていってください。とても参考になる体験記と思います。
明日は、とまとりんごさんの楽しいブログです。お楽しみに―。

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