【一週間の始まりは名古屋から】フリーキャッシュフローが一番大事、とは限らない?


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ごきげんよう、名古屋からはちみつ太郎です。

本日は財務会計から、フリーキャッシュフローをご紹介したいと思います。

世の中、黒字決算でも倒産する企業があるように、運転資金の運用に失敗するケースは多々あります。

それは経営者の責任に限らず、取引先からの圧力で債権回収が遅れてしまうことなどもしばしば。

最近の話題ですが、立場の弱い中小企業を守るために平成28年12月、公正取引委員会から「下請代金の支払手段について」という要請書が提出されました。

その中でも大手企業に対してインパクトのあった文言がこちらです。

「下請代金の支払に係る手形等のサイトについては,繊維業 90 日以内,その他の業種 120 日以内とすることは当然として,段階的に短縮に努めることとし,将来的には 60 日以内とするよう努めること。」

 

これまでは120日という支払タームを守っていればよかったのですが、”60日を目指しなさい”という要請が国から入ったのが大きなポイントではないでしょうか。

少なくとも今後、120日さえ守っていればいいや、、という雰囲気が変わってくるのは間違いないでしょう。

 

というわけで、このキャッシュ管理というのは今現在ホットな話題と言えそうです。

 

しかしながら、、キャッシュに関する指標というのはややこしく、なんでそんな計算をするのかよくわからない、、ということもしばしば。

 

では、フリーキャッシュフロー(FCF)とは何なのか。

フリーキャッシュフローは色んな計算方法で紹介されることもありますが、診断士試験における算出方法は限られています。

 

計算式の一例としては、

FCF=税引き後営業利益+減価償却費+仕入債務の増加額ー売上債権の増加額+棚卸資産の減少ー投資

という感じになるでしょうか(公式はいろいろ・・・)。

通常の営業活動と異なる未払金や未収金があれば計算に加える必要がありますが、とどのつまり、この指標は何を意味するかというと、

供給面から見れば「当期の営業、投資活動を通じて増加した現金」であり、分配面から見れば「借入先への還元・返済、及び株主への還元の資金源(及び内部留保)」ということになります。

例えば、企業が得る付加価値を「売上ー仕入額」と仮定した場合、この付加価値はどこに分配されるでしょうか。

それを大別すれば「社員への給与」「税金」「投資」「株主還元」「借入先への還元・返済」「貯金=内部留保」に分かれます。減価償却費は現金支出の無い原価なので、分配対象にはなりません。

そして、この付加価値から「社員への給与」と「税金」、「投資」を除いた残りの自由にできる現金がFCFと言えるでしょう。

もっと詳しく言えば、事業開始時点では「事業に必要な資金は事業主が自由に調達先(株主or借入)を選べる」と考えることもでき、事業において得られるであろうフリーキャッシュフローに基づいて、借り入れの配分を考える必要がある、つまり意思決定すると言い換えられるのではないでしょうか。

それ故にフリーキャッシュフローは事業を始める前の「意思決定会計」の計算で使用される、つまりフリーキャッシュフローをWACCで割り返したのが事業の価値であると考える所以ではないかと。。

さらにさらに、このフリーキャッシュフローが潤沢なのであれば、内部留保を通じて、全く新たな事業への投資を採択することも考えられるわけですね。

 

さて、似たような指標でEBITDAがあります。

言葉のとおり、Earning before interest and tax,depreciation,amortization、つまり減価償却費(のれん代含む)と税金、金利を引く前の利益(付加価値)ということですね。

フリーキャッシュフローとの大きな違いは「税金が引かれていない」ということ、そして運転資金の増減が加味されていないこと、投資が引かれていないことです。

 

もう一つ、混同しやすいのが営業キャッシュフローですね。

営業キャッシュフローの計算式は各自確認頂くとして、フリーキャッシュフローと何が違うかは答えられますか?

大きなところでは、営業キャッシュフローに支払い済みの金利を足し、投資額を引いたものがフリーキャッシュフローと言えそうです。

借入の金利支払を含むか含まないかは諸説あるようですが、診断士試験の意思決定会計の計算においては、フリーキャッシュフローは”金利支払い前”である場合が多いようです。

前述の通り、意思決定会計においては資金源を借入・株主のどちらとも問わず想定しているので、フリーキャッシュフローは支払金利を除く前の値と考えるのが、試験問題では妥当なのでしょう。。。

 

さて、時事的な話となりますがここ数年はFCF確保を最優先課題とする経営をしている企業が多いようです。Apple社のCCCがマイナスである、というのも有名な話ではないでしょうか。

※CCC=Cash conversion cycle

じゃぁ、それが営業利益とかよりも大事なのかというと実はそうでもないのです。

先日に大型の債務超過で清算された旅行代理店は運転資金が潤沢すぎるがゆえに経営を誤ったという報道がされていました。

利益でみれば赤字なのにキャッシュは潤沢であったということで、旅行業界特有の事情があったようです。

試験ではFCFに関する出題が多いですが、現実ではキャッシュだけでなく、利益、資産状況もしっかり把握しておく重要性を感じられる事件でした。

 

何はともあれ、キャッシュに関する事件というのは世の中事欠かないものですから、診断士を目指す上でもしっかりと勉強するのがいいですね。

 

それでは今週もがんばっていきましょう!

 

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