事例Ⅳの直前期の戦略 by ののの

事例Ⅳ 財務・会計

 タキプロ16期の   ののの と申します。2次試験の本番まで残り1ヶ月を切りました。

 私は2次試験は4回受験しましたが、昨年の今頃は、もし不合格なら(保険受験をしていませんでした。)、また1次試験からスタートしなけらばならないという不安で、ふわふわとした気持ちで学習していました。

事例Ⅳは、60点→65点→65点→70点と得意な科目でした。

 今年、2次試験を受験される方は、ぜひ合格をするという強い気持ちをもって臨んでいただけたらと考えます。

■はじめに

 繰り返しになりますが、2次試験本番までに残された時間もあとわずかになってきました。合格するためには、実力のマネジメントが必要となります。この短い期間で得点の上乗せを図れるのは事例Ⅳだけで短期集中で精度向上が可能な科目と考えます。毎日1問でも良いのでコツコツ解くようにして下さい。間隔が空くと計算力を維持するのは大変です。

■残りの期間の取り組み方

 私にも経験がありますが、本番が迫っている焦りから新しい知識を詰め込もうとあれこれと手を出してしまったことがあります。振り返ると直前期は、新しいものに手を出すよりは『得点をできる状態』の精度を上げることが大事だと考えます。

 まずは、皆さん取り組んでいらっしゃるかと思いますが、直近5年の過去問を解いてみて下さい。出題傾向や本試験のレベルが理解できます。中には、全く太刀打ちできない問題もありますが、解けなかった問題や時間がかかった問題は、解答解説を見て理解した気になるのではなく、自分の手で納得いくまで再計算をしてみて下さい。解答方法を身体に染み込ませましょう。繰り返すことで計算の正確性が向上します。基礎的な計算をミスなく、かつ迅速に行うトレーニングが行え、得点パターンを身につける事ができます。

 余力のある方は、お手持ちの電卓のメモリー機能(M+やM-)、定数計算機能(××、÷÷)を使って計算速度や正確性を向上させるトレーニングも効果的です。筆記による転記ミスも減らせます。

■時間配分の意識 

 本番は80分で、第1問から第4問まで解答します。年度によっては見直しも不十分になるくらいタイトで時間に余裕はありません。

 本番までの学習では、時間を意識して問題を解答してください。それによって体感で時間配分できるようトレーニングしてみて下さい。また本番では解答しながら時間配分を考える必要が出てきます。そのトレーニングも兼ねると考えます。

 受験した時の私の本試験での大まかな時間配分は以下のとおりです。

①全体の問題内容の把握(5分)

②第1問 経営分析(10分~15分)

③第4問 記述問題(10分~15分)

④第2問、第3問(35分~40分)

⑤見直し他(5分~10分)

 時間配分としては、比較的手を付けやすい第1問の経営分析と第4問の記述問題を確実に解答してから、第2問、第3問のどちらか手を付けやすい方から解答していきました。確実に点数が取れる問題からやる習慣を付けました。

 本番で私は、初見問題が出題されて頭が真っ白になったことがあります。もし初見問題が出題されても、あなたの初見問題は多くの受験生も初見問題ですので焦る事なく、割り切って自分の知識を使って解答していきましょう。

 また、難解な設問に固執して時間を浪費するようなことはせず、一旦飛ばして先の問題を解答する決断も必要となります。とても勇気のいることですが、常に時間を意識しながら残された期間を学習してみて下さい。

 

■論述問題について

 第1問の経営分析の結果の考察や第4問で財務改善策等の論述問題が出題されます。課題抽出→原因分析→改善提案の流れを意識して解答して下さい。文字数制限がある場合もありますが、流れを意識して解答すれば大きく外すことはありません。また、定型句をある程度用意しておくと時間短縮につながります(収益性や安全性悪化に対する改善策の具体例等)。さらに、中小企業が前提ですので、実現可能性の高い現実的な提案を心がけてみましょう。

 令和3年度、令和5年度、令和6年度は、第4問の論述問題が(設問1)、(設問2)と小問が2問あり、計算問題が中心の事例Ⅳとはいえ、論述問題の重要性は高まっていると感じます。事例Ⅰ~Ⅲで養った論理的思考を活かしましょう。

 

■本番での注意点

 2次試験で事例Ⅳは最後の科目であり疲労が蓄積した状態で解答していくため、考えもしないようなうっかりミスをしがちです。

 ①設問要求の徹底確認
 ミスの多くは、設問要求(何を聞かれているか、どう答えろと言われているか)を読み違えることにあります。

・計算単位: 「円か、千円か、万円か?」「%か、倍か?」

・四捨五入の桁: 「小数点第何位までか?」

・解答プロセス: 「計算過程を示す必要があるか?」

・制約条件: 「税引後か、税引前か?」「償却費を含めるか?」
 これらの要求に従わなければ、その設問の得点は伸びない可能性があります。設問文の重要な箇所には必ずマーカーや線を引き、要求された通りに解答を仕上げることを最優先にしてください。

 ②計算過程の再現性を上げる。

 計算問題で部分点をもらうため、そして何より最終の検算のために、答案用紙の余白(場合によっては解答用紙)に、計算プロセスを明瞭にメモ(記入)してください。解答用紙で数字は丁寧に読みやすく記入しましょう。

 特に複雑なNPV計算などは、割引率、各年度のキャッシュフロー、減価償却費、法人税などの要素を構造化して整理し、どこでミスをしたか後で確認できるようにしておきます。

 本番で時間がなくなってきても、計算結果だけを焦って書くことは厳禁です。プロセスが乱雑だと、見直しでミスを発見できません。

 また、(設問1)の解答を間違えてしまうと、その後の設問の正解が難しくなる場合もありますが、その場合でも丁寧に計算過程を記入することで連鎖での失点を防ぎ、部分点も狙えると思います。

■おわりに

 最後に、本番であきらめず得点の上乗せを心がけた方が合格できる試験だと思っています。受験生皆さまが2次試験当日実力を出し切られることを祈っています。

次回は、なんざん さんの登場です。 

お楽しみに! 

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