実務補習って何するの?合格後の不安を吹き飛ばすリアルな中身 by Tommy

実務補習 実務従事

タキプロ16期の   Tommy と申します。  

今回は、皆さんが中小企業診断士試験に合格した後のお話です。少し気が早いと思うかもしれませんが、「なるほど、こういうことをするんだ!」と、モチベーションアップしていただけると幸いです。

■どうしたら中小企業診断士になれるの?

すでにご存じの方も多いと思いますが、中小企業診断士の2次試験(筆記試験、口述試験)に合格しても、すぐに「中小企業診断士」として登録されるわけではありません。登録のためには、15日間以上の「実務補習」または「実務従事」を行う必要があります。

以下は、中小企業診断士協会連合会(以下、「診断士協会」と略します)のホームページにある「どうしたら中小企業診断士になれるの?」の図を抜粋したものです。ちなみに、1次試験合格後、下図の右側のルートを通って養成課程へ進んだ方は、この「実務補習」または「実務従事」は必要ありません。(養成課程で同じような訓練をするからだと思います。)

■実務補習とは

では、「実務補習とはどのようなものか」ですが、一言でいうと、「指導員のもとで、実際の企業に対して経営診断・助言(=コンサルティング)を行う」ものです。とはいえ、診断士として登録されていないメンバーが行うコンサルティングなので、当然ながら診断先の企業から報酬をいただけるものではありません。逆に「診断士のたまご」である私たちが受講手数料を支払い、実際の企業を題材に「学ばせていただく」こととなります。詳細は今年(令和7年)2月に行われた「中小企業診断士実務補習のご案内」をご覧ください。

【注意点!】

私は地方なのでそれほどでもなかったのですが、首都圏を中心に実務補習の定員がすぐにいっぱいになるという話を聞きます。2次の筆記試験合格発表後、口述試験前に申し込むこともできるので検討してみてください。

■どんな日程になっているのか

以前は5日間コース×3回と、15日間コース×1回のどちらかから選択する形式でしたが、令和7年からは8日間コース×2回と、15日間コース1回から選択形式に変更されました。(8日間コースを2回受けると16日間になり、1日多くなりますね。)この日程変更は、従来の5日間コースがかなりタイトなスケジュールだったため、日程に余裕を持たせて実務補習をより内容の濃いものにすることが目的のようです。

私も今年(令和7年)の2月~3月に8日間コースを受講しましたが、その時は、

  • 2/21(金)、22(土)、23(日)、24(月・祝)
  • 2/28(金)、3/1(土)、2(日)、3(月)

というように4日間の日程を2週連続行うこととなっていました。全日、会議室や診断先の企業へ訪問する「対面形式」です。私は会社員なので、平日の2/21(金)、28(金)、3/3(月)と3日間、有給休暇を取得して参加しました。会社員の方は職場の理解を得ることが重要になりそうですね。

■具体的にどんなことをするのか

中小企業診断士実務補習のご案内」にスケジュール例が掲載されています。

参考までに、私のケースでは以下のようなスケジュールと内容でした。

日付 内容
2/14 指導員から事前情報(集合時間、場所など)の連絡
2/21 オリエンテーション、チーム内での役割決め、ヒアリング内容の検討
2/22 【午前】企業へ訪問しヒアリング、【午後】ヒアリング内容をもとに分析・検討
2/23 経営診断、助言内容検討
2/24 経営診断、助言内容検討
2/28 資料作成
3/1 資料作成
3/2 【午前】報告書資料の作成、【午後】報告会のリハーサル、資料印刷
3/3 【午前】企業へ訪問し報告会を実施、【午後】指導員からの総括、懇親会

私たちのチームは4人編成で、役割はリーダー、マーケティング担当、生産管理担当、財務会計担当に分かれました。私は経験はなかったものの、興味があった財務会計を担当しました。ちなみに、最終日の懇親会で隣のグループの方に聞いた話では、そちらは3人チームだったため、兼務が多くて大変だったとのことです。

今回の診断先企業は生産面に大きな課題があったため、生産管理に強いメンバーがいたことで、企業に対してかなり有意義な提案ができたのではないかと思います。また、デザインが得意なメンバーが作成した報告書の表紙も、企業から好評でした。

反面、経営者が抱いていた営業面の課題に対しては、十分に応えきれなかったように思います。また、私たちは「明日からでも取り組める対策」という思いで提案したのですが、企業側の反応は「大変内容の濃いものなので、十分吟味して今後の参考にします」というものでした。このことから、「まず何から始めればよいのか」などといった、より具体的な取り組み内容を盛り込めると、さらに良い提案になったのだろうと考えています。

■受講してみてどうだったか?

正直なところ、最初はかなり気が重く、「自分に診断などできるのだろうか?」「メンバーと上手くやっていけるだろうか?」という不安もありました。しかし、実際に始まってみると、あっという間に終わったというのが実感です。

診断先の企業の実際の課題をもとに、試験で培ってきた知識を総動員して分析し、助言に繋げるという経験は、非常に刺激的でした。また、メンバーの皆さんも個性豊かで面白い方ばかりで、充実した8日間を過ごせました。(実は途中でメンバー間で多少の意見の衝突も生じたのですが、それも含めて良い経験でした。)

私たちを担当してくださった指導員は、自主性を尊重してくれる方だったので、自分たちで色々と考え、自由に提案できたことも私にとってはやりやすかったです。ちなみに、隣のグループの指導員は、かなり細かく指示を出すタイプだったようで、このあたりは指導員の方針によって進め方が大きく異なるようですね。

■残りの登録ポイントはどうしたか?

私は「実務補習」で8日分(8ポイント)を取得しましたが、登録に必要な残り7日分(7ポイント)は、「実務従事」というもので獲得しました。

「実務補習」が診断士協会の主催であるのに対し、「実務従事」は診断士協会を介さずに一般企業の診断や助言を行います。そのため、「実務補習」よりも日程や場所に自由度があるのが特徴です。私が参加した「実務従事」も、基本的にすべてオンラインで、ミーティングは土日祝日のみだったため、会社を休む必要がありませんでした。

「実務従事」は、診断士の団体やコンサルティング会社などが募集しているほか、知り合いの企業に頼んで診断させてもらうといった方法もあるようです。合格した際には、色々と情報収集して自分に合った方法を探してみると良いと思います。

なお、費用の面でも「実務従事」の方が安く済むことが多いため、全15日分を「実務従事」で満たす方もいます。しかし、「実務補習」には、企業診断を体系的に学べるうえ、同じ境遇の仲間とチームで課題に取り組むという貴重な経験が得られるメリットがあります。そのため、一度は8日間コースの「実務補習」を受けてみることをお勧めします。

■おわりに

実務補習は、診断士としての第一歩を踏み出すための貴重な訓練の場です。大変な面もありますが、試験勉強で得た知識が実践で活きる喜びや、志を同じくする仲間との出会いは、何物にも代えがたい経験となるはずです。この記事が、皆さんの不安を少しでも和らげ、前向きな気持ちで次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

次回は、ひらく さんの登場です。 

お楽しみに! 

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