【合格体験記】でこぼこ受験生の3年間 byたんたん

タキプロ17期の たんたん と申します。振り返ると、勉強法も学習のペースもでこぼこだらけの3年間でしたが、診断士試験の合格を目指す皆さまに、少しでもヒントになればと思います。これから1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
■自己紹介
年代:50代
性別:男性
業種:製造業(紙パルプ)
職種:経理(15年)、企画(6年)、工場総務(5年)、IR(2年)、人事(2年)
受験歴:1次2回、2次3回
勉強時間:1次700時間、2次800時間
勉強方法:1次独学、2次通信講座(アガルート)
1次得意科目:企業経営、財務会計、経済学
2次得意科目:事例Ⅳ(ただし後述)
趣味:
①合唱…創立時から参加する団体で今年活動28年目。代表7年、副代表17年を務め、パートはBass。
②将棋…アマ四段免状保有(ただし実力は3.1段程度)
2025年3月(こら) 横浜棋聖杯 Bクラス優勝
2018年6月 喜多方市ひめさゆり杯将棋大会 Bクラス優勝
■中小企業診断士を取得しようと思った理由
・書店でたまたま手に取った診断士試験の勉強法の本がきっかけでした。会社の業務が企画系だったため、試験内容と親和性が高く、また本が紹介する勉強法が、全科目同じ量の積上げでなく、「いきなり過去問を解いて自己分析し、苦手なものから着手」という、いわばでこぼこなアプローチをしていることに興味が湧き、試験勉強を始めました。
・会社引退後に備え、何か技がほしいと考えていました。
■1年目(令和5年度)
〇きっかけ
たまたま手に取ったその本のタイトルは「過去問で効率的に突破する『中小企業診断士試験』勉強法(日野眞明/監修 斎尾裕史/著 同文舘出版)」でした。いきなり過去問から勉強開始、というアプローチが気に入り、その場で企業経営理論のテキストを購入し、受験生活を開始しました。飽きっぽい自分自身を警戒し、いきなり全冊を買わず、少しずつ買い足していった覚えがあります。
〇勉強方法の検討
試験に関する本を数冊読み、「Youtubeでタダで講義が聴ける」という理由で早稲田出版のテキストを選びました。Youtubeプレミアムを申し込んで動画をダウンロードし、通勤電車で聴いていました。
〇当初方針
2月勉強開始という遅いスタートだったため「いきなり1次試験を全科目受かるはずがないから、2次試験に出る企業経営、財務会計、運営管理は来年に回し、暗記3科目と経済学を先に合格しよう」という作戦を立てました(実際はそうはならなかったのですが)。
財務会計は、過去に税理士試験の受験をしていた際に簿記論、財務諸表論を合格していたアドバンテージもあり、過去問を解いたところ点数が6割を超えたため、以後は勉強しないと決めました。続いて取り組んだ経済学、情報システムはほぼゼロ点だったため、まずはこの2科目に注力することにしました。
〇1次試験に向けて
経済学は過去問を解けるレベルに達せず、テキストをどんどん優しいものに変更していき、最後はTAC出版の「みんなが欲しかった!」シリーズ(薄いテキストと、薄い問題集が分冊の形で入っている)にたどり着きました。基礎的な内容の書かれた薄いテキストでしたが、それでも1つずつ腹落ちさせながら問題を解いていくのに、ものすごく時間がかかりました。毎月10点ずつ点数が上がっていく感じで、「本番までに間に合うのだろうか」と思ったことを覚えています。
一方の情報システムはこれまた苦手科目で、会社生活ではあまり苦手と思ったことがなかったのですが、会社のインフラに頼り切りで根本的な仕組みを理解していなかったのだと思い知らされました。経済学に比べると点数が全く伸びず、不安ばかりでした。
〇1次試験初挑戦
会場は上智大学でした。駅前の珈琲店は試験前のおっさんたち(自分も含めて)でいっぱいでした。
何とか試験を終えて自己採点をしたら、経済学は高得点だったものの、情報システムはなんと52点、中小施策は59点と、想定した「1年目は暗記系4科目合格作戦」はあっさり崩壊し、家族に「ダメだったよ~」と愚痴りながら酒を飲んで寝てしまいました。
翌朝「そういえば他の科目は60点超えているかも」と念のため採点したところ、財務会計以外に企業経営、法務も60点を突破、テキストを1周しただけの運営管理も運よく40点を超え、足切りもなく1次試験を突破していたことが分かりました。家族に「実はやっぱ受かってた」と、試験の仕組みを説明するのに苦労したのを覚えています。網羅的に勉強しておらず、なんとでこぼこの点数だろうと思いました。なお、自分は解いている間は全く分からなかったのですが、この年は運営管理の科目合格率が8%台という低さで、いわゆる「爆弾科目」だったらしいです。
〇想定外の2次試験
2次試験は来年、と決めつけていたため何も準備しておらず、とりあえず最初に読んだのは野網美帆子先生の「まとめシート流 ゼロから始める2次対策」でした(Amazon Primeの人は無料で読めました)。2次試験の知識ゼロの自分にはこのテキストが大変ありがたく、何度も繰り返し読み試験のイメージを作っていきました。どうやら事例Ⅳだけは毛色が違うと知って本屋に走り、「30日完成!事例Ⅳ合格点突破計算問題集」を買ってコツコツ練習を始めました。
2次試験の会場は江古田駅から近い武蔵大学、結果は事例Ⅰで7割、事例Ⅳで6割、事例Ⅱもほぼ合格点と望外の結果でしたが、事例Ⅲが39点と足切りになってしまいました。運営管理の1次の勉強をほとんどやらずに来たということもありますが、後から思うと設問1では「投資しましょう」と書いておきながら、設問4で「投資は慎重に」と書いていた気がするので、首尾一貫性を欠いたのでは、と振り返ったのを覚えています。点数も一貫性もでこぼこの1年目でした。
■2年目(令和6年度)
前回1次試験を受かっているため、今年も2次試験受験の権利があります。2月からさっさと準備を始めればよいのに、点数が予想以上によかった油断もあってなかなか身が入らず、アガルートの通信添削は始めたものの、1週間で1つの事例を解いて終わるなど、なかなかペースが上がりませんでした。事例Ⅳの計算もだらだらして進まず、結局ペースを上げたのは1次試験が終わった8月からでした。
2回目の2次試験の会場は、昨年1次を受けた上智大学、そして結果は、昨年足切りだった事例Ⅲは改善し合格点、事例Ⅰ、Ⅱも合格水準でしたが、得意だったはずの事例Ⅳで37点とまさかの足切り。理由は明白、2問目のプロダクトミックスが全く解けなかったのです。2問目はCVPと勝手に決めつけてしまっており、その場で慌てて考えたところで付け焼刃が間に合うわけもなく、準備と事前調査の不足がそのまま結果に表れたのでした。1年目のペースで幅広く事例Ⅳも勉強していれば受かったのに、といくら悔やんでも、もう後の祭りでした。
■3年目(令和7年度)
〇無為の日々
こうして、僥倖に恵まれて得た筆記試験の機会を、2回とも中途半端な取り組みで棒に振ってしまいました。過去の筆記試験結果が書かれた2枚の不合格通知のはがきを自分の部屋のタンスに貼って、臥薪嘗胆だと気持ちを奮い立たせようとしましたが、2月以降は会社のイベント対応に忙殺され、1次試験をまた受ける苦痛を思って勉強からどんどん遠ざかっていく自分がいました。忙しさにかまけていつしかテキストは開かなくなり、Youtubeの講義も聴かなくなり、やけくそで将棋大会に出て、なぜか優勝したり、GWは家族を大阪万博やUSJに連れて行ったりと、診断士試験と向き合うのを避け、勉強を全くしないまま5月を迎えました。
〇再び試験に挑む
令和7年は試験制度の変革の年で、出願についても従来の紙の願書からWeb申込になっていました。申込の締切が近づく中、残念な結果に終わった過去の2回のはがきをみながら「あと少しのところまで来たのだから、もう一度、今度こそ悔いのないようにやってみよう」と思いたち、その場で試験を申し込みました。
試験まで残り2か月強、申込締切前日の5月27日でした。
〇2カ月間の準備で1次試験に挑む
これまでの無駄な時間の使い方が悔やまれますが、やるからには前を向いて進むしかありません。2年前に時間をかけずに詰め込んだ知識はきれいに消失しており、とにかく足切り回避を優先するべく1科目を1週間で回すというサイクルで、知識の思い出しとインプットに専念しました。2次試験に出る3科目は手を付けず、経済、システム、法務、中小施策の順番で1週間サイクルでインプットとアウトプットを続けました。テキスト、まとめシート、試験アプリ、Youtubeと、使えるものは何でも使っていたと思います(なお、タキプロのブログはこのときはまだ知らず)。
試験会場は、申込締切ぎりぎりだったせいか、初めての明治大学和泉キャンパス。休憩時間は移動を最小限にして勉強時間を確保するため、おにぎりやラムネなどを持ち込み、野網先生の「まとめシート」でひたすら暗記し続けました。体力がなくなっていて、企業経営は半分ほどの時間で解き終え、残り半分は次の運営管理のため睡眠をとり体力回復を図っていました。財務会計がやたら難しく「前半の簿記のボリュームが多いな」と感じた覚えがあります。後から調べたら科目合格の割合が8%台と、この年は財務会計がいわゆる「爆弾科目」だったようです。
〇1次試験合格
情報システムと法務で苦戦したものの、経済学を2か月でもとに戻し、運営管理もまともにテキストを読んでいないながらも、2次を受け続けたためか合格点がとれ、今年もでこぼこなまま1次試験を突破できました。
自己採点で合格を知った瞬間、直ちにアガルートの通信添削を申し込み、もうあの悔しい思いはしたくない、と事例Ⅳの問題集を毎日解き始めました。「30日完成」だけだと足りないと思っていろいろ本屋で教材をみていた中、「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ(同友館)」の解説が極めて手厚く、また解法も体系的だったため、以降はこの「事例Ⅳ全知全ノウ」とアガルートの付録の事例Ⅳ問題集をひたすらまわしてNPVなどの計算の型を作っていきました。10月からは会社のイベント対応で出張だらけの毎日でしたが、移動中の飛行機の中で1問、お客さんとの会食の後、ホテルに帰って1問、朝起きてから朝食前に1問、職場では退社した後の空いている会議室で2時間勉強、など隙間時間をかき集めてひたすら解答の訓練を続けました。
〇2次試験
とうとう試験当日。会場は簿記論や財務諸表論を受けていた立教大学、入口に有名なTBCの山口先生やほらっち先生が激励に来られていて、Youtubeでしか会っていない私は思わずガン見してしまい、ただの不審者だったと思います。事例Ⅰはまさかの経営理念が出題されて頭が白くなり、解答すべき内容を幾つか飛ばしてしまいました。事例Ⅱはスポーツマッサージ店、価格戦略が出たことで短絡的に「ダイナミックプライシング」で書いてしまい、こんな小規模店舗で大げさな、と後ほど悔やみました。事例Ⅲは紙パイプの製造会社。紙パイプの原紙を供給するX社は、なんだか自分の会社みたいだなと思いながらも、問題点と解答への当てはめで苦労して時間切れになりかけました。勝負の事例Ⅳは、とにかく最後の1秒までひたすら書き続け、計算式の「正味現在価値」の「正味」まで書いたところで「やめ」と言われて鉛筆を置き、今年の試験が終了しました(その後、「時間を過ぎても書き続けた人が警告抜きで即失格になった」と聞き、ゾッとしました)。試験後に解答速報をみると、NPVが円単位で一致しており、財務分析も選んだ指標含め全部正解、「事例Ⅳだけはなんとかなったかも。事例Ⅰが足切りになりませんように」と思ったのを覚えています。
○筆記試験合格発表
試験後は、所属する合唱団の演奏会、家族に感謝の伊東温泉旅行、年明け箱根のガラスの森美術館見学、とイベントが続き、口述試験の予定日に子供の大学キャンパス見学の予定を入れるなど、試験のことはすっかり忘れてしまっていましたが、当日ネットの発表をみると、「あなたは、筆記試験の結果、口述試験を受ける資格を得ましたのでお知らせします」の赤い文字が。事例Ⅰが53点、事例Ⅲが47点と大変怪しい数字でしたが、ダイナミックプライシングを書いてしまった事例Ⅱも合格、そして頑張り続けた事例Ⅳは80点を超えており、でこぼこながらもぎりぎりで6割を達成、夢をみているような信じられない気持ちでした。すぐに職場に相談して2月と3月の年休取得を申請し、口述試験は受かる前提で8日間の実務補習を申し込みました。
〇口述試験(令和8年度からは廃止とのことですので、ご参考です)
事例の暗記が必要なため、慌てて試験問題を引っ張り出して問題文を読み直しました。1/18に口述試験の模試を2つ申し込み、午前は伊藤塾、午後はタキプロの口述セミナーに参加、そこでいただいたお土産を読みながら試験に備えました。試験当日は、1次試験と同じ明治大学和泉キャンパス、試験会場は若い男性が大量にあふれており、1次試験会場にあんなに沢山いたおっさん軍団はいったいどこに行ったのだろうと思った覚えがあります。ベルトコンベヤで運ばれるように、待合室→中部屋→小部屋の前、と案内され、いよいよ口述試験開始です。二人の試験官と対峙し、おじいちゃん先生が「(先生)事例Ⅱのチラシ戦略についてどう考えますか」「(私)学校内や校門前で配り、顧問の先生とも仲良くなり、学校内にもチラシを貼ってもらいます」「(先生)若い人はSNSなんかもみるのでは」「(私)チラシと言われたので紙と勘違いしました。」など余計なやりとりをして悔やんだり、がっくりしたりして、合格後の交流会のチラシを全く受け取らずに(なんと勿体ない)会場を後にするなど、最後の最後まででこぼこなままでしたが、2月4日に無事に合格、現在は実務補習8日間を終えて、ヘロヘロになりながらこれを書いています。
■おわりに
私の54才にして初めて書いたブログは、最後まででこぼこだらけで3年間の思いの詰まった大変な長文になってしまいました。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
受験生のみなさま、こんなでこぼこな私でも、なんとか受かりましたので、ぜひ試験合格を目指して最後まで頑張ってください。
なお、タキプロ17期は引き続きメンバーを募集中です!
そして、私の文章が物足りず(?)、「俺(私)もブログが書きたい」と思った方は、ぜひブログ班にご参加くださいませ。
次回は、湯豆腐 さんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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