もう一つの中小企業診断士への道 ~養成課程~ by ゆうろう

タキプロ16期の   ゆうろう と申します。  

■はじめに

いよいよ、本日が1次試験の合格発表ですね。
1次試験を合格された方、おめでとうございます!
2次試験に向けて頑張ってください。
残念な結果であった方は来年もチャレンジする価値のある資格ですので、長期的に取り組んでいただければと思います。
ご存知かと思いますが、2次試験合格以外にも中小企業診断士になる方法があります。
それは中小企業診断士養成課程というものです。
今回はあまり知られていない養成課程の実態について、私見も交えながらお伝えします。
ちなみに、私の初回投稿では運営管理のノウハウを掲載しております。こちらにプロフィールを載せていますので、ご興味がある方は一読いただければ幸いです。

■養成課程とは

中小企業診断士になるには、2つの道があります。いずれも1次試験を合格することが必要となります。1つは皆さんが目指されている2次試験合格による道です。
もう1つが中小企業基盤機構、または登録養成課程機関が実施する「養成課程を修了する」という道です。この養成課程には入学試験があり、年々倍率が高まっている傾向があります。ちなみに私の入学試験の倍率は3.85倍でした。

図表1

出典元:日本中小企業診断士協会連合会 ホームページ

養成課程のカリキュラムは演習と実習の合計時間が642時間以上と定められています。演習では講義とグループワークが中心です。実習では実務実習を5回実施します。

実務実習とは1企業に対して13日間にわたり支援します。具体的には約8名の実習班が編成され、企業に訪問し、ヒアリングや現地視察などをします。実習班で仮説を立てて検証しながら、現状分析、戦略、課題、対応策などを盛り込んだ報告書(約100ページ)を作成します。
プレゼンテーション資料を作成し、企業への報告会が行われます。なお、私の場合は報告会において2時間ほどいただきました。

費用ですが200万~300万円ほどが必要となります。教育訓練給付金を利用できる機関もありますので、チェックされることをオススメします。

機関ごとに特徴があります。ご自分のライフスタイルや価値観に適している機関を選定されることが重要です。各大学で説明会を実施されています。説明会に参加することで、自分に合うか合わないかの判断基準になります。

修士学位も同時にもらえる機関もあります。平日の昼間中心や、平日夜間・土日中心である機関もあります。私の印象では昼間中心の方は会社を退職されて退路を断ち、独立志向の強い傾向があると思います。

地域格差についてです。首都圏は受験生も多いですが、その分機関も多く一般的に有利とされています。西日本では阪神間に3つ、福岡に1つの機関しかありません。私の同期では広島や岡山や岐阜から新幹線で通われていた方もいます。

図表2

出典元:企業診断 2024年度_11月号_45ページ

■養成課程のメリット・デメリット

私が2年間通った養成課程のメリットとデメリットをあげていきます。
メリット
①実践的な学びで、コンサルティング能力を高められる
さきほども述べましたが、1企業に13日間にわたり支援します。それを5回も行う実務実習があります。指導いただいた先生はよろず相談や協会や士会などのトップクラスの方でした。生徒と同じ目線で指導されたり、自律性を重んじて任せられたりとそれぞれスタイルが異なりました。
ヒアリングやプレゼンや執筆など中小企業診断士に必要である能力を実践レベルで教えていただけます。

②多くの学びや気づきが得られ、多大なる影響を享受できる
充実したカリキュラムが多数あります。イノベーションの権威である先生、日本で初めてエフェクチュエーションを講義した先生、政府からも指導を求められている先生、デザインシンキングの最先端の先生などあげればきりがない学びがあります。

そのような先生が授業中に、良書をすすめられます。購入は強制ではないですが、その場でアマゾンで購入するくせを付けました。100冊くらいになりましたが、すべてが興味深くハズレが全くなかったです。特に影響を受けた本はこちらです。

「エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する5つの原則」ダイヤモンド社
「戦略サファリ 第2版」東洋経済
「起業の科学 スタートアップサイエンス」日経BP社

これらの本との出会いで、人生観が変わったと思います。今まで実践してきたことが言語化され、再現できるようになった感覚があります。最近でもワクワクする出来事が目の前で広がっています。

③人脈が点から線となり、面になる
養成課程に入る前に、人脈ができると聞き半信半疑でしたが、現時点で名刺が556枚に増えています。ビジネスでは強いつながりよりも、ゆるいつながりのほうが発展すると言われています。そのようなことが今は理解できます。
その中でもとてもよい刺激をいただいた出会いがあります。
例えばこのような方々と知り合えました。

大手コンサルのシニアフェローで大企業と連携し、ボランティアで貧困家庭にめがねを提供した方
500年以上の歴史ある経営理念を大切にする経営者
国立○○大学発のベンチャー企業を支援する教授
万博のイベント会場で1900人を集客し、満員にされた方
年間100社ほどM&Aの案件を取り組む上場企業の取締役
平均時給が10万円を超える中小企業診断士の先生
長年にわたり努力を重ね、上場を果たし鐘を鳴らした社長

中小企業診断士になって数カ月しか過ぎていませんが、このような出会いから副業につながったり、本業でのビジネスに展開したりしています。

デメリット
①費用が200万円~300万円ほどかかる
②90%以上の出席と実務実習である程度の評価を得ることが絶対条件である
③少人数で半年間~2年間を濃密に過ごすので、人間関係で衝突が数回は起こる
があげられます。

かなりの時間とお金を犠牲にしないと中小企業診断士になれないと覚悟を決める必要があります。
逆に言うとそのような覚悟を持った仲間ができると言えるかと思います。
個人的にはデメリットよりもはるかにメリットが大きかったです。

■養成課程を合格したポイント

私が養成課程の合格に向けて意識したことを述べさせていただきます。
①大学の説明会に参加する
これは自分と合うか合わないかということも大切ですが、試験の対策にもつながります。そこで重要と思えたことに重点をおいて勉強することができると考えます。

②志望動機を熟考し、記入する
志望動機は本当に大事です。ここが最初のハードルと言っても過言ではないです。
参考図書はこちらです。

「国内MBA受験生が知りたい 合格者の研究計画書+面接内容」パブフル

この本が本当に役に立ちました。面接対策にも最適です。色んな方のケースを学び、自分に適している志望動機や面接ノウハウを知ることができ、自信がもてました。

③論文対策
週に2回ほど問題を解きました。手で覚えることも重視しました。
参考図書はこちらです。

「社会人のための小論文講座」Gakken
「落とされない小論文」ダイヤモンド社

これらの本で学習したことが短期学習で合格できた要因だと思います。まずは型を学んで、その次に自分なりに納得できる型をつくることが大切だと思います。どんな問題もその型で、ある程度の論理性が示せるかどうかが合否を分けると思います。

④大学の過去問対策
私の場合、ネットでみつけることができました。大体の出題傾向を把握することで、本番での焦りが軽減できます。

⑤有名な教授の著書を読み込む
これは志望動機や面接の時に役に立ちました。その著書で学んだことを述べて、この先生から更に深く学びたいと展開することで、なぜこの大学を選んだのかという根拠になるかと考えます。

⑥教授の顔と名前を把握する
大学のパンフレットに教授の顔と名前が掲載されています。面接の時に顔と名前が一致することで、心理的なアドバンテージと安心感が得られると考えました。

■おわりに

タキプロは皆さんが合格するために支援している団体です。大いにご活用いただければ幸いです。
また、養成課程という選択肢もあることをご承知おきください。道が他にもあることを知ることで、少しのゆとりが持てると考えます。

次回は、さんの登場です。 

お楽しみに! 

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