【先輩診断士インタビュー】月の残業300時間、給与マイナスからの逆転劇~ベテラン診断士が語る「それでも学び続ける理由」~ by Relax

タキプロ16期の Relax と申します。
「このままで、自分の人生は大丈夫なのだろうか…」
中小企業診断士を目指し、机に向かう日々。先の見えない不安や、思うように進まない勉強に、心が折れそうになる瞬間はありませんか?
今回は、そんな悩める受験生にこそ届けたい、あるベテラン診断士のストーリーをご紹介します。
新卒2年目、月の残業300時間という過酷な労働環境で心身を壊し、入院。さらに、給与明細には「マイナス」の文字が…。そんな壮絶な原体験から中小企業診断士を志し、見事ストレート合格。その後、企業内診断士として26年間活躍し、50歳で独立を果たした村岡滋様にお話を伺いました。
<先輩診断士プロフィール>
村岡 滋(むらおかしげる) 昭和39年6月28日生まれ
大学卒業後、大日本印刷㈱商業印刷事業部にて、広告・セールスプロモーションの営業。三菱樹脂(株)(現:三菱ケミカル(株))へ転職し、食品包装材の営業、業務推進部ネットビジネスチーム、営業革新プロジェクトリーダーとして「CRMシステム」を構築。海外部にてベルギー、マレーシア現地法人の経営管理。Hishi Plastics USA(米国)へ副社長として出向。帰国後、営業部長、GM(グループマネージャー)として従事した後、2015年より独立開業。
村岡様の言葉には、きっとあなたの学習意欲を再燃させるヒントが隠されているはずです。
目次
■どん底で見た「会社の冷たさ」と一筋の光
―――中小企業診断士を目指されたきっかけが、非常に衝撃的だったと伺いました。
「そうですね。新卒で入社した会社で、月の残業が300時間に達する生活を送っていました。当然、体は悲鳴をあげ、入社2年目にして過労で倒れ、入院と手術をすることに。2ヶ月間、会社を休むことになりました」
「病室で『一応、社会人だから』と日本経済新聞を広げたのですが、書いてあることが全く理解できない自分に愕然としました。さらに追い打ちをかけたのが、有給がなくなった2ヶ月目の給与明細です。なんと、マイナス表示で支給されていたんです。その時、『会社』というものの冷たさを痛感しました」
この経験が、村岡様の人生の転機となります。会社の冷たさを痛感していた時、友人から勧められたのが「中小企業診断士」という資格でした。 「これを取るしかない」。そう決意してからは、まさに猛勉強の日々。幸いにも素晴らしい勉強仲間や先生に恵まれ、1次試験から3次試験までストレートで合格を掴み取りました。
※村岡様の受験時代は、受験制度が現在と違う為、1次試験には科目合格無し、3次試験(実務補修が必修)までありました
■ぶれなかった「2つの軸」。企業内診断士として走り抜けた26年
診断士資格取得後、村岡様はすぐに独立の道を選んだわけではありませんでした。転職した会社で50歳まで勤め上げ、企業内診断士として長くキャリアを積んでいきます。
―――企業内診断士として、長く活動を継続できた秘訣は何だったのでしょうか?
「秘訣は2つです。『本業の仕事をしっかりとやっていたこと』、そして『診断士の仕事も一つひとつ丁寧にやっていたこと』です」 診断士の活動は、あくまで本業ありき。その軸足をぶらすことなく、ボランティアで予備校講師の手伝いや執筆など、地道な活動から一歩ずつ信頼を積み重ねていきました。
特に印象的だったのは、企業内診断士としてのモチベーションについて尋ねた時の答えです。
「知り合いを増やすこと、新しいことを学ぶことがモチベーションでした。最初から独立を目指していたわけではないんです」
目の前の仕事に真摯に向き合う姿勢が、自然と人との繋がりを育み、村岡様の世界を広げていったのです。
■50歳での独立。「営業ゼロ」でも仕事が舞い込む理由
順風満帆に見えるキャリアですが、50歳を機に独立という大きな決断をします。
―――なぜ、このタイミングで独立を?
「勤め先の合併が、自分の思い描くものとは違ったんです。会社での将来に不安を感じ、『このまま会社にいるよりは、独立して本当にやりたい仕事をやろう』と決意しました」
独立当初は、支援機関の相談員やセミナー講師などからスタート。更に、これまで培ってきた信頼と人脈が、新たな道を切り拓きます。
「そこから人の繋がりが増え、海外事業の支援や中小企業大学校の講師、企業の顧問など、だんだんと仕事が増えていきました。不思議なことに、自分から営業をしなくても、受注も単価も自然と上がっていったんです」
なぜ、そんなことが可能なのでしょうか。その理由を尋ねると、村岡様が大切にしているマインドセットが見えてきました。
「紹介してくれた人を裏切らないこと。そして、常に人への感謝を忘れないことです。また、私たちの仕事において、先生は中小企業診断士ではなく、日々厳しい経営判断をされている『経営者』の方々。そのことを常に意識しています」
また、仕事の「スピード」も村岡様の大きな武器です。報告書を早く出すことで、相手に喜ばれるだけでなく、修正の時間も確保できる。こうした細やかな配慮が、次の仕事へと繋がっていくのです。
■受験生の皆さんへ。「その勉強の先に、夢と未来がある」
最後に、中小企業診断士を目指す受験生の皆さんへ、力強いメッセージをいただきました。
「資格の魅力は、常に新しいことを学べること、そして素晴らしい経営者の方々と出会えることです。今やっている勉強は、合格後、必ず役に立ちます。だから、一生懸命勉強してください。その受験の先に、夢と未来があると信じてください」
月の残業300時間、給与マイナスというどん底から始まった村岡様の物語。それは、資格一つで人生が大きく変わる可能性を示してくれています。
もし今、あなたが勉強の苦しさの中にいるのなら、思い出してください。その努力の先には、新しい出会いや学び、そして誰かの役に立てる未来が待っています。
今日のインタビューが、あなたの明日への一歩を力強く後押しできたなら幸いです。
次回は、はせ さんの登場です。
お楽しみに!
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