【おーじ流アドバイス】H30事例Ⅱの予備校解答をぶった切る!/おーじ

1.はじめに

読者のみなさん、こんにちは。タキプロ10期メンバー、「おーじ」です。

1次試験お疲れさまでした。
正式な合格発表は9月3日ですが、自己採点で大体の合否は分かっていますよね。昨年の例もありますので、420点に数点満たないという方も、今は2次の学習を進めても損はないと思います。
文句なく420点を突破した方は、おめでとうございます!頭を切り替えて2次ワールドにどっぷり浸かる2か月強にしてゆきましょう。

 

===おーじの過去記事===
 #自己紹介および1回目記事「企業経営理論は国語の試験だ!」はこちら
 #2回目記事「2次事例Ⅳのケアレスミスをあなどるな!」はこちら
 #3回目記事「2次での文字量を自在にコントロールする!その①」はこちら
 #4回目記事「2次での文字量を自在にコントロールする!その②」はこちら
 #5回目記事「1次試験会場でよく見る不思議な光景」はこちら
 #6回目記事「経営法務をさらりとクリアする弱者の戦略」はこちら
 #7回目記事「1次試験に受かればもう診断士も同然!?」はこちら
 #8回目記事「与件文でパターン化される経営指標選択(事例Ⅳ)」はこちら
 #9回目記事「経営情報システム・しょーもないダジャレ暗記法」はこちら
 #10回目記事「最高の1次試験のために!直前&本番テクニック集」はこちら

2.今日のテーマと雑談です

さて、今日のテーマは事例Ⅱです。
昨年度、H30の事例Ⅱはインバウンド客に商機のある和風旅館が事例企業でしたね。
私は地理オタクでもあるので、ついつい問題を解きながら「これはどの辺りの街の企業をモデル化してるのかな~」とか考えちゃうタイプなのですが、昨年度、本試験本番の私は与件文を読みながら、「これは千葉県の佐原(香取市)に違いない!」と勝手にひとり盛り上がっておりました。一瞬、H28のしょうゆ醸造会社に続いてまた埼玉県の川越か?との疑いも浮かびましたが、首都圏から2時間とか旧市街には旅館が少ないというくだりから、佐原じゃないか?との考えに行きつきました。ちょうどその年の上半期ごろ、「経営者を支える保険」というコピーで某保険会社が小規模事業者向けの保険をCMで流していた(女優は波留さんでした)のですが、そのロケ地も佐原でしたので、「うまいこと合致してる!」とか感心しておりました。(真偽のほどは不明です)

ところで、H28年のしょうゆ会社は、個人的には「金笛」ブランドの「笛木醤油」(クリック)さんと見ています。
創業年も1789年(事例は1770年)で、現在12代目が社長です(事例は11代目)。
本社は川越の隣にある川島町ですが、川越の旧市街に直売店とレストランがあり、レストランではうどんをメインとしたメニューが中高年の女性に人気です。
たまたま観光で川越をぶらぶらしていた時「むむ!」と来て店員の方に診断士試験の事例企業ことを伝えましたが、社長や社員も不在で確証を得ることはできませんでした。。。

3.予備校解答比較をします!

雑談が長くなりましたが本題です。今日は、H30年度の事例Ⅱで予備校各校が発表している「解答例」(模範解答とは言い切らない)について、比較考察をしてベスト答案を考えてみる記事となります。比較する予備校は、ネットで入手できた、K校A校(東京)O校T校の4校です。著作権の関係でそのまま転載できませんが、それぞれのHPへのハイパーリンクを付けていますので、実際の文章でも確認したい方は上記校名をタップしてください。

※注意!)もしもまだH30事例Ⅱを解いていない人は、ここから先は絶対に解いてから読んでください。完全にネタバレします。

まあ、「ふぞろい」の予備校解答版みたいな感じでしょうか。「ふぞろい」は合格者やA評価答案から解答を抽出していますが、予備校答案は絶対に合格点かと言われるとその保証はなく・・・(苦笑)なのですが、予備校の威信をかけてその道のプロが発表していますので確かなものだとは思います。
それらの回答を、要素を比較して畏れ多くもダメ出ししちゃおうという大胆なブログとなります。
(あくまでも、おーじ個人の見解となりますのでご容赦ください)

4.第1問

では、まずは第1問。

第1問(配点25点) B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社) 分析の観点から150字以内で述べよ。

まずは、各校の解答例を要素別に分解して、含まれているものに〇を付けたものが以下の表です。

顧客 競合 自社
ビジネス8割 ビジネス減少中 IB客
2割
市内IB客急増 周辺なし 駅前BH 商業地域立地 風情 英語従業員 需要享受弱 ネット整備
K校
A校
O校
T校

 

意外とばらけました。
まずは、顧客。こちら4社とも挙げたのが「昔なじみのビジネス客が減少傾向」という点で、ここは入れるべきでしょう。ただ、「ビジネス8割」「インバウンド2割」について触れていたのは2校のみでした。このバランスは数値も出して入れておくべきと思います。そして、「市内のインバウンド客が急増中」という内容を2社入れていますが、これは外部環境になるので、入れるべきではないでしょう。

続いて、競合。こちらは、「周辺に競合はない」は4社とも、「駅前にチェーンのビジネスホテル」は3社が挙げました。ここはこの2点で問題ないと思います。

最後に、自社。ここは強みと弱みを簡潔に書きたいところなので、「商業地域の良好な立地」「和の風情ある庭園や美術品」「英語力のある従業員」など、第2問以降で活用する強みは当然入れておくべきです。一方弱みは、「拡大する観光需要を享受できていない」に集約した形で良いかと思います。なお、T校だけが「ネット環境整備でインバウンド客増加」という内容を入れていますが、観光需要を享受できていないと書かれている訳ですから、この観点は入れてはいけないと考えます。

したがって、以下赤字にした要素が最も高得点になる得点要素と考えます。

顧客 競合 自社
ビジネス8割 ビジネス減少中 IB客
2割
市内IB客急増 周辺なし 駅前BH 商業地域立地 風情 英語従業員 需要享受弱 ネット整備
K校
A校
O校
T校

5.第2問

続いて、第2問です。

第2問(配点25点) B社は今後、新規宿泊客を増加させたいと考えている。そこで、B社のホームペー ジや旅行サイトにB社の建物の外観や館内設備に関する情報を掲載したが、反応が いまひとつであった。B社はどのような自社情報を新たに掲載することによって、閲 覧者の好意的な反応を獲得できるか。今後のメインターゲット層を明確にして、100 字以内で述べよ。

同じく各校の解答要素を表にしています。

ターゲット 掲載内容
IB客 和の風情求む 苔庭園 美術品 朝食と器 英語従業員 良好な立地
K校
A校
O校
T校

 

こちらは結構揃いましたね。
まずターゲットは「和の風情を求める」「増加するインバウンド客」で異論なしでした。
そして掲載する自社情報については、多くの予備校で挙げている「苔むした庭園」「芸術家による美術品」「日本の朝を感じる朝食とこだわりの器」辺りは必須です。「英語力ある従業員」「商業地区の立地」も第1問でも入れましたので、文字数が許せばというところですが、第3問でも活用する強みになるので難しければ無理して入れるまででもないと思います。

こちらも、入れたい回答要素を赤字(一部オレンジ)にしました。

ターゲット 掲載内容
IB 和の風情求む 苔庭園 美術品 朝食と器 英語従業員 良好な立地
K校
A校
O校
T校

6.第3問

第3問(配点25点) B社は、宿泊客のインターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するため に、おもてなしの一環として、従業員と宿泊客との交流を促進したいと考えている。 B社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100字以内で述べよ。

はい、解答要素はこちらです。

手段 案内ツアー行先 目的
英語力活かす 古刹名刹 山車体験 食べ歩き 館内美術品 作家紹介 SNS投稿促進
K校
A校
O校
T校

 

従業員には強みがありますので、「英語力の活用」は入れたいところです。そして案内先は4校とも挙げている「名刹古刹」「山車体験」「食べ歩きグルメ」は確実に入れます。そして、設問文の目的である「クチコミの誘発」を1つブレイクダウンさせて「SNS投稿を促す」という観点も必要です。ただし、案内先として2校が挙げた「館内美術品まわり」については、SNS投稿に向く訳ではないので(与件文には「歴史ある街並みに加え食べ歩きできる食べ物がSNS投稿に向く」と書かれています)、むしろNGと考えます。

入れたい要素を赤字にすると以下です。

手段 案内ツアー行先 目的
英語力活かす 古刹名刹 山車体験 食べ歩き 館内美術品 作家紹介 SNS投稿促進
K校
A校
O校
T校

7.第4問

第4問(配点25点) B社は、X市の夜の活気を取り込んで、B社への宿泊需要を生み出したいと考えて いる。B社はどのような施策を行うべきか、100字以内で述べよ。

解答要素表です。

プロモーション 内部体制整備
相互送客 大都市圏向け 地域連携 予約なし宿泊体制 新宿泊プラン作成 駅からの送迎バス 駐車場活用 大都市直通バス
K校
A校
O校
T校

 

ここはかなり割れました。
満場一致したものは「地域との連携」でした。商業地域に拠点を持つ経営者層や地域ボランティアなどカギを握る登場人物が出てきますので、当然入れるべきと思います。では、連携して何をするのか、というところが問題なのですが、私は与件文にある「事前予約のない宿泊客がいない」ところに目を付け、夜の街にいる観光客から宿泊需要を創出するべきかと思います。なので、K校とA校の観点を合わせて、「夜のボランティアや飲食店等と連携し相互送客プロモーションで事前予約のない観光客の宿泊需要を創出」という点が良いかと考えました。

その他の観点で出ている、K校の「大都市圏へ夜の風情を訴求するプロモ」や、O校の「夜の活気を感じる宿泊プラン作成」「駅からの無料送迎バス」、T校の「大都市圏との直通バス」ついては、設問条件の「X市の夜の活気を『取り込む』」という意味と変わってしまうのでNGと考えます。出題者は、よそから連れてくるのではなく、今ここにある活気・人をどう宿泊需要に変えるのかを問うているのでは、と考えました。ここは諸説、異論反論あるところかもしれません。
※ちなみに、「取り込む」=「他のいいものを受け入れる。取り入れる。」だそうです。

いったん、解答表ではこのようになりました。

プロモーション 内部体制整備
相互送客 大都市圏向け 地域連携 予約なし宿泊体制 新宿泊プラン作成 駅からの送迎バス 駐車場活用 大都市直通バス
K校
A校
O校
T校

8.おわりに

いかがでしたでしょうか。
予備校の解答でもこれだけばらつきが有る訳ですが、外せない要素をしっかり固めれば60点以上は見えてくるかと思います。
残り2か月強、しっかり基礎力を付けてゆきましょう。

 


タキプロでは毎週水又は日曜に、2次試験の勉強会を開催しております。
私おーじも、時間を合わせてできるだけ参加したいと思います。
また、ブログでの質問などのコメントも大歓迎です。

月曜日は、ノブが事例Ⅲについての記事をお届けします。お楽しみに!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

以上、おーじでした!!


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