【みっつんの勉強会ブログ・第6回】2次試験60点答案に学ぶ(学ばない)低空飛行合格術<その5:平成28年度事例Ⅰ>

おはようございます/こんにちは みっつんです。1次試験まで残り85日(12週)、2次試験まであと163日(23週)となりましたが、順調に勉強は進んでいるでしょうか、連休はうまく勉強時間を確保できたでしょうか。そうではなかった方、まだまだこれからですよ!これからは模試や勉強会をペースメーカーにしてうまく乗り切っていきましょう。

さて、勉強会@東京は毎月4回ペースで開催を続けており、毎回20名を超える申し込みをいただいております。1次試験が近づいてきたこともあり、このたび、「2次にも使える1次財務」と題して財務会計の強化のための「勉強会スピンオフセミナー」を開催します。1次から取り組む必要のある方、2次試験問題のバリエーションを広げたいと考えている方、多くのお立場で必ず役に立つセミナーにしたいと考えております。

 日時:6月11日(日)13:30~16:45 (別途懇親会を予定)
 場所:月島区民館(中央区)

 日頃勉強会に参加されている皆さん、勉強会をこれから参加を考えていらっしゃる皆さん、ぜひご参加ください。仔細は、昨日のブログ号外記事を参照ください。

 さて、本題です。今回は、直近年度にしてみっつんの三度目の正直で合格した事例の1回目として、平成28年事例Ⅰを取り上げます。得点開示請求による得点は60点でした(ぎりぎりA判定)。

 ご自身の答案と比較しながらご覧ください。初見の方は一度80分で解いてみて、解答を見ながらさらに時間をかけてやってみましょう。そのうえでみっつんの答案と比べてみてください。

<設問文を一通り読み終えての感想>
おや、いつものように第1問から第5問とはなっていないなあ。第1問は3代目社長の成功の成長要因と多角化の失敗を書かせるのか。で、第2問は現社長(5代目)の経営改革、改革だから思い切ったことをするのだろうな。設問1の新規のアルバムは学校アルバム以外の何からしい。設問2は機能別組織を変更した理由、機動力の確保とかかな。第3問は人事施策なので、組織の話を第2問設問2に割り振れば良いだろうか。ここでは鉄板のメソッド(タキプロ7期の先輩に教えてもらったものです、本文の後ろの方に出てきます)を出動させたいな。では与件文を読んで行こう。

第1問(配点40点)
業績が好調であったA社の3代目社長の時代に進められた事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によってA社は成長を遂げることができた。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。

<再現答案>
要因は、①他社に先駆けて行ったオフセット印刷機の導入や企画力・デザイン力の強化向上を図った、②学校アルバム事業を核に蓄積してきた独自の高度な印刷技術を活用し一般印刷等印刷事業を拡大してきた点にある。

<実況中継>
 最初に解く。時制に注意。過去の話だ。3代目社長の記述があるのは第4段落。「他社に先駆けてオフセット印刷機を導入したのを契機にして、独自で技術開発に取り組んで印刷精度を向上させた。」「社員教育に力を注ぎ、企画力やデザイン力を強化・向上させたことで、他社と差別化を図ることもできるようになった。」この2文で決まりだな。それから第5段落に「要因」と書いてある。「業績伸張の要因は、…同社が学校アルバム事業を核に蓄積してきた高度な印刷技術を活用した、一般印刷や美術印刷など印刷事業の拡大にあった」とあるのでここも抜き出そう。設問の「一般印刷事業など」には美術印刷も含まれると理解しよう。

<反省>
 第5段落の「要因」に気付いて比較的短時間でまとめられたのでここはOK。本音を言えば「考えられるか」問題なので本文からの推測も入れたかったけど、まあよし。

(設問2)
1990年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めており、A社の代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない状況であった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。

<再現答案>
要因は、①事業多角化により総花的に様々な事業に経営資源を分散投入し中核をなす事業の集中選択が図れなかった、②企業研修や教育関連事業等は印刷事業とのシナジー発揮ができず他社参入障壁を崩せなかった点にある。

<実況中継>
 2番目に解く。ここでの「新規事業」は、第5段落にある①印刷関連のオリジナル製品の販売事業、②教育関連事業、③コンサルティング事業、④出版事業、といった「1980年代後半に立ち上げたこれら事業」と考える。「事業多角化」がうまくいかなかったのは設問1の美術印刷と違って「蓄積してきた高度な印刷技術」を活用できなかったから。4事業にも手を出して、そのうち特に②や③は印刷事業との関連が薄いのでシナジーが発揮できなかったからと考えよう。①④は印刷と関係ありそうだがこれだけあれこれやっていると分散投資になってしまって十分な経営資源が投入できなかったのではないかと推察される。この2点で行くか。

<反省>
 ここも短時間のまとめができたことでよしとしよう。

第2問(配点40点)
A社の現社長(5代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100字以内で述べよ。

<再現答案>
留意点は、①学校アルバム事業と異なる営業戦略に則りファミリー層等広範な潜在需要の開拓を図る、②少量で高機能な印刷を実現する最先端の印刷技術や企画・デザイン力を更に向上させると共に顧客に訴求する。

<実況中継>
 3番目に解く。時制に注意。現社長のやっていることなので現在進行形だ。ここでの「新規アルバム事業」とは、第8段落「定年退職者の記念アルバムや子供の成長記録アルバム」だな。「学校アルバム事業と異なる営業戦略、事業運営体制が必要」なのか、ここはそのまま抜き出すかな。営業戦略の違いは、学校アルバムの既存チャネルではない新しい需要開拓が必要だな。ファミリーや企業の市場開拓が必要だ。それから、学校アルバムと違って少量部数にも対応しないといけないな。「巨大な潜在市場を抱える大都市圏にも営業所を設ける」とあるので、潜在需要の開拓でまとめよう。

<反省>
 解答は少し抽象的だなあ、もう少し具体的に「学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら」という設問要求に応えて、違いについてもう少し明確に踏み込んで記載したほうがよかったな。例えば、第8段落「学校とのパイプ役を果たしていた地域の写真館」に代わって「美術館や企業、そして一般消費者のアルバム需要」を掘り起こす必要があった。この点を明記しておくべきだったな。

(設問2)
A社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由を、100字以内で述べよ。

<再現答案>
理由は、①機能別組織体制ではセクショナリズムが発生し早期の機動的な事業展開が難しかったため、②複数事業間に横串を刺すことにより営業ノウハウや高品質の印刷技術の情報共有が進み事業展開の相乗効果が図れる為。

<実況中継>
 4番目に解く。機能別組織のデメリットと、複数事業間で人材の流動性を確保する組織(マトリックス組織かな)のメリットを答えれば良さそう。機能別組織だと、学校アルバム中心に営業は営業、企画は企画、編集は編集、…とだけやっているわけだから機能間の融通が利かない。第9段落「アルバム事業、一般印刷事業…など、複数の事業間に横串を刺すことによって、全社が連動し人材の流動性を確保できるような組織に改変した」ことによって学校アルバムのノウハウとか強みを他事業でも共有しやすいメリットはあるな。シナジーは前問で書いちゃったからここは相乗効果と書いてみるか。

<反省>
 セクショナリズムはどちらかというと事業部別組織のデメリットなので、適切ではなかったかもしれない。ただ、横串を刺す前は事業間の人材の動きがなく事業で閉じた人員配置になっているから、これでもいいのかな。よくわからない。営業ノウハウは前問の通り学校アルバムと他事業で異なるので、これを共有するメリットは小さい。学校アルバムで蓄積した高度な印刷技術の複数事業間での共有、これはあり得るかな。時間をかけまくった割にはバランスの悪い答案になってしまったな。

第3問
業績低迷が続くA社が有能な人材を確保していくためには、どういった人事施策を導入することが有効であると考えられるか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

<再現答案>
A社は、①従業員の希望に則した適材適所の配置を行う、②全社目標に合わせた目標管理制度や成果主義的賃金制度を導入、③教育訓練の更なる充実を図り企画力や技術力の強化向上、等により従業員の動機付け向上を図る。

<実況中継>
 最後に解く。例によって時間がない。人事施策だな、ここで、ミッチーメソッド発動だ! タキプロ7期のミッチーさんにリアル勉強会で教えていただいた人事・組織のキーフレーズだ。ありがとうございますミッチーさん。

人事施策は「さちのひもけぶかいねこ」の前5つ、「(採用・配置)」「(能力開発」「(評価・報酬」「(モチベーション」でもれなく書こう。採用は第1段落「新卒社員や女性社員の採用を積極的に進め」とあるから実施済み。中途採用とか考えるのかなあ、必然性がないので却下。配置は適材適所、評価報酬は目標管理と成果主義的報酬制度、能力開発は教育充実、そうして「モチベーション」を高める、と纏めよう。少し字数足りないので「動機付け」に変更。なんとか時間内にまとまった。

 ちなみに、組織管理は「(権限移譲」「(部門の設置」「(かい階層化」「(ネットワーク(外部連携)」「(コミュニケーション」。第2問設問2では「コミュニケーションの充実化」を選んで書いた(つもりだったがやはり弱い)。

 また、人事施策のキーワードでよく言われるのが「茶化」。茶をカタカナのサ、ハ、ホ、化をイ、ヒにわけて「採用」「配置」「報酬」「育成」「評価」と覚える。お好きな方を覚えておきましょう。

<反省>
 時間のない中まあまあ書けたが、一般論に逃げた感が強い。与件文に即した内容にする工夫が必要だった。また、能力開発は第4段落に「遊休地に研修施設を建設し、新入社員研修や従業員の体験学習、小集団活動を積極的に促してきた」とあるため、実施済みとも考えられる。これらを強化すると書いたほうが、与件に即してよかったかもしれない。

 さて、以上、2016年10月23日の9:50〜11:10の思考回路をトレースしてみましたが、いかがだったでしょうか。毎年そうなのですが、最初の事例Ⅰを解き終わった際の正直な感想は、相対的に上位2割に入る答案が書けたかというと、全く手応えがなく、果たして何点とれているのか皆目見当がつかないなあと、ため息と疲労しか残らない状態でした。ただ、39点以下の足切りになるような答案でもないようにも思いましたので、ここは気分を変えて事例Ⅱに臨もうと思いました。結果的にちょうど60点という得点を取り、他の事例での平均点超えを重ねれば合格というところまで行き着いていたので、やはり済んだことは忘れてその場その場で臨機応変に対応することがいちばんのようです。

 受験生の中には、事例Ⅰは得意、得点源、という方も多いようなのですが、与件文に書かれていないことをどこまで深掘りするかが自分にとっては難しく、今改めて読み直して見ても事例Ⅰは奥が深いなあと思います。

 怒涛の平成28年度、このまま突っ走ります。次回平成28年度事例Ⅱ<62点>の巻をお楽しみに。

 ここまで長文拙文にお付き合いいただきありがとうございました。

 明日は土曜日、まいど関西発です。スタバも砂場もある鳥取からこうさんの登場です。お楽しみに!!

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