苦手な事例Ⅱの克服方法 解答プロセスの標準化(自分専用マニュアル) by アラタ

タキプロ16期の アラタ と申します。
私はR5年事例Ⅱで46点の結果となり総点数229点で不合格でしたが、R6年事例Ⅱでは72点獲得し総点数272点で無事合格できました。R6年2次試験合格に向けたどり着いた解答プロセスの標準化について、お話させていただきます。よろしくお願いします。
■はじめに
はじめてご覧になる人もいると思いますので、あらためて自己紹介します。
年齢:40歳
性別:男性
職種:製造業で生産部門に従事
受験歴:1次1回(R5.8)、2次2回(R5.10、R6.10)
勉強時間:1回目(1次 735時間、2次 250時間)、2回目(2次 550時間)
勉強方法:独学
得意科目:1次 企業経営理論、運営管理 2次 事例Ⅲ
苦手科目:1次 経済学・経済政策 2次 事例Ⅱ
■過去問演習+ふぞろいでの自己採点で臨んだR5年2次試験
R5年1次試験を初めて受験し、1回で合格できると思っていなかった私は、1次試験最終日の次の日から家族で二泊三日の旅行に行き、帰宅後は旅行先でもらったコロナウイルスで寝込んでいたこともあり、2次試験対策に取り組むのが遅くなってしまいました。8月20日頃から事例Ⅳ対策の書籍を準備し、事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲについては、ふぞろいを購入し、9月2週目から勉強を開始しました。出遅れたこともあり、模試は受けていません。
過去問5年分とふぞろいでの自己採点を毎日繰り返した結果、試験直前では、時間内に解答用紙に書ききること、自己採点で90点以上とれることができるようになっていました。その時の解答手順は、
①設問解釈で設問文にメモを書く
②与件文を読む際、SWOTごとに異なる色の蛍光ペンで下線を引き(S:青, W:赤, O:オレンジ, T:緑)、気になるところはシャーペンで下線を引く
③設問文の空きスペースにメモを書いて、フレームワークを活用し解答を組み立てる
④解答用紙に丁寧な字で解答を書く
という流れでした。フレームワークにも慣れ、ネットで出回っている(他人が作成した)ファイナルペーパーを準備し、本番に臨みました。
R5年2次試験事例Ⅱの試験を終えた時点では、解答用紙をすべて埋めており、書ききった感を持っていましたが、結果は40点台と足切りラインすれすれであったため、自信喪失に陥り苦手意識を持ってしまったことを覚えています。
■敗因の分析
R5年2次試験の不合格が判明して以降、R6年2次試験では絶対に合格するぞと過去問演習に励みましたが、ふぞろい採点ですでに満点に近い点を取れる状態であり、これ以上同じ過去問を解き続ける意味が無いことに気づき、根本的な原因に対し手を打つ必要があると考えました。
R5年2次試験事例Ⅱの敗因は、過去問を繰り返し解き続けた弊害・慣れだと考えました。具体的には、
・ 読むスピード:見たことある与件文は早く読めるが、初見の設問や与件文は読むのに時間がかかり、想定通りの時間配分ができない。その結果、焦ってしまい十分に考えられない。
・ 解答作成:初見の問題では、何をメモすべきかピンと来ないため、何度も与件文と設問文を行ったり来たりし、時間を消費してしまう。また、これまで頭にたたきこんできた解答パターンに当てはめられず、時間が無いのに悩む。
と考えました。
■解答プロセスの標準化で臨んだR6年2次試験
製造業出身の私は、Quality(解答品質)とDelivery(解答時間)を安定させるために解答プロセスの標準化に着手しました。具体的には、事例Ⅱの自分専用マニュアルを作成し、初見の問題でマニュアル通りに進めることを訓練していきました。
参考に私が作成、使用していた事例Ⅱマニュアルを載せます。



大まかな時間の使い方から始まり、設問解釈でのメモの取り方、与件文を読む際のメモの取り方、解答を作成する際の考え方・思考方法(思考経路)・フレームワークの使い方などをマニュアルに記載しています。必要であれば具体例も記載します。
初見の問題の入手は、模試や月刊『企業診断』(同友館)の“実践問題”を活用しました。(『企業診断』は都内の区立図書館で借りられることもあるので、調べてみると良いと思います。当時は“実践問題”ではなく“錬成問題”という表記でした。)そして、初見の問題に対し、マニュアル通りに解答を進められるように毎日1事例を解くという訓練を続けました。
マニュアル作りで重要なことは、初見の問題を解くたびに間違えたところを「なぜ間違えたか?」と5回のなぜを繰り返し、真因を突き止め因果関係を整理し、マニュアルに正しい解答を導くための自分の思考経路を載せることです。
マニュアルの使い方は、最初はマニュアルを見ながら問題を解き進め、マニュアル通りに進められるように訓練し体に覚えさせていきます。自分専用マニュアルとファイナルペーパーの違いはここにあります。自分専用マニュアルは、日常の問題演習の解答プロセスを標準化することを目的にしています。マニュアル通りに解き進めれば、予定した時間通りに進められ、ある程度の点数を安定して稼ぎ出せる、そんなマニュアルに仕上げていく必要があります。
初見の問題を自分専用マニュアル通りに解けるようになり、夏の模試で手応えを感じ、油断せずにR6年2次試験に挑み、無事合格することができました。
■おわりに
自分専用マニュアルは、事例Ⅱだけでなく事例Ⅰでも作成し同様に訓練を続けることで、R5年事例Ⅰで55点が、R6年事例Ⅰでは74点を獲得することができました。 因みに事例Ⅲは、得意だったこともありノーベンで挑み、R5年事例Ⅲが72点だったのに対しR6年事例Ⅲは62点と点数ダウンしてしまいました。努力は結果に繋がるとしみじみ感じます。
『企業診断』は、有名な予備校講師が2次試験の各事例の実践問題を作成し、解説とともに掲載されています。近年の出題傾向や過去の試験の出題パターンを踏襲することもあり、それが実際のR6年2次試験で出てきたこともあります。非常におすすめです。
次回は、けん さんの登場です。
お楽しみに!
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