【こんな解答で何が悪い!?】AKBとBABYMETALから考える経営戦略論

おはようございます。悟空です。

今日は前回のトランプ経済学から一転!アイドル論です。

いつも受験ノウハウ(という名の合格者の自慢話!?)ばかりじゃつまらないと思いまして(タキプロブロガーの皆さんすみませんm(__)m)

皆さんは国民的アイドル「AKB」は知ってますよね。では、アイドル界の中小企業「BABYMETAL」をご存知ですか?中小企業診断士を目指す方ならぜひ覚えてください。https://ja.wikipedia.org/wiki/BABYMETAL

BABYMETALのことをアイドルグループというと「アイドルじゃない!メタルダンスユニットだ!」と反論するベビメタファンもいると思いますが、今回は「アイドル業界における経営戦略論」ということでまじめに書きますのでご容赦を。(しかし、今回のブログ、タキプロの鬼のように厳しい東京オンライン班の検閲を通るのか!?)

1.ポーターの競争戦略

AKBグループはコストリーダーシップ戦略、BABYMEYALは差別化集中戦略

 ここで勘違いしたAKBファンから、「AKBはそんな安物じゃない!」なんて言われそうですが、それは違いますよね。コストリーダー戦略というのは「コスト」が一番低いということであって、必ずしも「プライス」が低いわけではありません。業界平均以上の品質の製品を同じ条件で低コストで生産、提供できるというコトです。つまり、AKBは低価格で顧客満足を実現しているのではなく、きわめて生産性が高く、効率的にお客様のニーズを満足させているということです。悟空が思うに、いろいろなタイプの女の子を幅広く揃えることで、多様化・複雑化した現代の若者のニーズに十分対応し、アイドル業界の中でシェアを獲得しているのではないでしょうか。

 一方、BABYMETALは差別化集中戦略です。BABYMETALはアイドルとメタルの融合をコンセプトにしたメタルダンスユニットです。ターゲットは70~80年代にヘビーメタルやハードロックが全盛だったころに、音楽漬けですごした今の50代から60代のオヤジ世代。またその世代はキャンディーズや山口百恵、松田聖子など昭和アイドル世代にも嵌った世代でもあるのです。この二つの融合は、きわめて買い手の付加価値が高い!しかも、ビートルズにローリングストーンズ、クイーンなどに傾倒してるせいか「やっぱりロックはブリティッシュだよな!」などと豪語してみたり(俺だよ!)それで、海外、特にイギリスで人気などと聞くと、「やはり俺の見る目は正しかった!」などと、BABYMETALだけではなく自分まで持ち上げてしまうんです。悟空が思うに、そういう数多くの付加価値によって、オヤジ連中の顧客満足度を高め、アイドル業界で重要な「顧客ロイヤルティ」を維持してるのではないでしょうか。

2.コトラーのポジショニング戦略

AKBはマーケットリーダー、BABYMETALはニッチャー

 これは異論のないところでしょう。AKBはそれまでパッとしなかったアイドル業界を復活させ、数多くの新しい戦術(握手券、投票券など)で、その業界としての裾野を広げました。まさにマーケットリーダーとしての役割を果たしたわけです。ちなみにチャレンジャーは秋元康先生、自ら作り出しました。乃木坂46に代表される46グループです。秋元康って、絶対、コトラーの「マーケティング・マネジメント」読んでると思います。

 一方、BABYMETALの戦略ですが、AKBとは顧客や市場つまりターゲットがかぶってないニッチな隙間産業、まさにニッチャーの戦略です。おっさんとかオタクとか説明すると、いといろと異論が多く出そうなので控えますが、BABYMETALはAKBのターゲットとする市場(日本のでかいアイドル市場)では競争をせず、海外でのかわいい文化や日本の洋楽好きなど、パイの狭い隙間のニーズをついてきてるということです。もし、BABYMETALがAKBの日本のアイドル市場を荒らしにきたら、秋元先生はどうするでしょうか?そう、マーケットリーダーのライバルつぶしである「同質化戦略」でしょう。BABYMETALと似たようなAKBの派生ユニットを組んで対抗してくるのではないでしょうか。業界で力のある秋元先生ならバックバンドにX-JAPANのYOSHIKIあたり呼んできて、BABYMETALとガチの勝負を挑むかもしれません(笑

3.PPMをやってみましょう。

 AKBとBABYMETALが、とある一企業の製品だとしてPPMを考えて見ましょう。金のなる木は、もちろんAKBです。一方、BABYMETALは問題児でしょう。「え、BABYMETALは花形じゃないのか?」とファンの方には怒られそうですが、「花形」とは、利益が出てもその分資金投下をしてライバルと熾烈なシェア競走するという成長段階なわけです。つまり、市場シェアは金のなる木なみに確保してないと花形とはいえません。そもそも、花形の市場が成熟したら投資を控えて金のなる木として資金を回収できるのですが、BABYMETALはまだまだ資金回収できるといえるようなシェアを獲得しているとはいえないでしょう。大物バンドのツアーに同行してファンの裾野を広げ、世界的な音楽シーンでシェアを獲得しようとがんがん投資している「問題児」の段階です。じゃあ、「花形」はというと、紅白に出ていたころの「モモくろ」や、現在なら「欅坂46」あたりではないでしょうか。

 BABYMETALが今後、ロック市場でのシェアを獲得できないまま問題児から直接「負け犬」への道をたどるのか、それともグラミー賞のメタル部門にノミネートされるなど花形から金のなる木へと、投下資金を回収する道をたどることができるかどうかは、今後の経営者(アミューズ)の戦略と資金の投下しだいと思われます。

一方AKBはいつでもオワコン化して「負け犬」に落っこちそうな「成熟期」なのですが、そこは多様なニーズに改良を加えてお応えするという戦略の強み。メンバーを入れ替えることで、永らく「金のなる木」を続けています。オワコン化するといわれながら、なかなかそうとも言えないようで。

4.技術経営論では?

~AKBは汎用製品を組み合わせ、新しい製品を大量に生み出すモジュラー型、BABYMETALはメタルとアイドルという個性の強い製品を敢えてすり合わせ、全体最適により高付加価値の差別化を実現したインテグラル型です。

BABYMETALはメタルとダンス、アイドルをうまく融合させましたね。それらのすり併せには時間もかかるしコストもかかることでしょう。歌もダンスもライブの構成も本当によく考えてうまく作りこんであります。いろいろな海外の大物アーチストがほれ込むのも無理はないですね。「わたしたちは、べびーめたるという新しいじゃんるをつくるべくう~」とSu-Metalさん(19)がいつもいってるとおりですね。誰も考えつかなかったラディカル(破壊的)イノベーションです

AKBは、汎用製品を組み合わせ、少しずつ継続的改善(メンバーの卒業、入れ替え)を行いながら、多様なニーズにこたえていくとインクリメンタル(漸次的)イノベーションを得意とします。そのオープンシステムはしっかりしており業界の平均的な利益は生み出すのですが、差別化が難しく比較的模倣されやすいです。結果、多くのフォロワーが新規参入してアイドル業界は激戦となりました。

もっと、うまく書きたかったのですが、今回はこのへんにしときます。

次回はBABYMETALの3枚目のアルバムのライナーノーツに採用されてもおかしくないよう、もっとうまく分析がしたいものです。

皆様からの非論理的で偏った異論・反論大歓迎です!

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次の登場は我らがタキプロ名古屋8期のあぶじゃさんです。40代で自ら会社を経営されているあぶじゃさんから、「2次試験、解答のチェックリスト」という二次試験受験者にはとても参考になる内容になっています。乞うご期待❗

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