【1次試験】会社法改正について

こんにちは。
隔週水曜日夕方担当のヒナ@タキプロ5期生です。

自己紹介でもお伝えしましたが、私は弁護士でもあるので、今回は弁護士っぽく経営法務の話題を。

 

2014年6月20日、会社法の一部を改正する法律案が参議院で可決され、成立しました。

会社法改正については、長年議論されていましたが、先日ようやく成立したばかりであり、施行されるのは来年2015年4月1日の見通しのようです。

よって、中小企業診断士試験の観点からいえば、今回の会社法改正が今年の1次試験に出る可能性は低いと考えられますので、今年の試験準備としては、現行の会社法を勉強しておくことでよいと思います。

という訳で、今は試験直前期ですし、試験勉強に集中されたい方は、このブログは読み飛ばして頂いて結構です。

ただ、今回の改正は、主に大企業向けの改正が多いものの、中小企業にも影響のある改正を含んでおり、会社法の問題を解く上でも、会社法の動向や背景等を知っておかれることは意味があると思いますので、余裕のある方は、そういう改正があったんだ~、くらいの気軽な感じでお読み頂ければと思います。

来年受験予定の方は、出題可能性が高いと思われますので、まだ先でもかまいませんが、一応チェックしておかれることをおすすめします。

今回の会社法改正の内容は、社外取締役の要件の厳格化監査等委員会設置会社の創設などのコーポレートガバナンスに関する改正と、多重代表訴訟など親子会社に関する改正を中心として、非常に多岐にわたっています。
興味のある方は、法務省のサイトで詳細をご確認ください。

このブログでは、数ある改正点のうち、特に中小企業にとって重要と思われるものをいくつか取り上げてお知らせします。

かなりざっくりとご説明していますので、正確な情報は、上記の法務省のサイトや概説書、参考書等でご確認くださいね。

 

■多重代表訴訟

多重代表訴訟とは、簡単にいえば、親会社の株主が子会社の取締役等を訴えて損害賠償を請求することです。

現行法では、会社の取締役等に任務懈怠があった場合、その会社の株主は、株主代表訴訟を提起して取締役等の責任を追及できます。

しかし、その会社の全株式を親会社が持っている場合、親会社が子会社の取締役等を訴えることは現実には考えにくいので、子会社の取締役等は、何ら責任を追及されないことになります。

そうすると、もし親会社に経営者以外の株主がいる場合、子会社の損害により親会社株式の価値が下がるにもかかわらず、親会社の株主は、子会社の直接の株主でないために株主代表訴訟を提起することができず、不当ではないかという問題が指摘されていました。

そこで、完全親会社(100%株式を保有する会社)株式を6ヶ月前から引き続き10%以上保有する株主は、子会社の取締役等に対する責任追及の訴えできるようになりました。

中小企業は、経営者が会社の株式の大半を保有しているオーナー企業が多いので、その場合にはあまり関係ありませんが、親会社が持株会社となって子会社で実質的な事業を行っており、親会社の株主に経営者以外の第三者がいるような場合には、特に注意が必要な改正だと思います。

 

■特別支配株主の株式等売渡請求

特別支配株主(総議決権の90%以上を保有する株主)は、当該会社の株主全員に対して、その保有株式の全部を売り渡すよう請求できるという制度が創設されました。

例えば、M&Aで株式譲渡の方法をとる場合、1人の株主が全株式を保有している状況なら、簡単に買収先に全株式を譲渡できますが、もし一部の株式を別の株主が保有している状況だと、その株主から任意で全株式を買い集める必要があり、一部でも株主が応じなければ全株式を買収先に譲渡できず、M&Aが困難になってしまいます

そこで、事業承継やM&Aを推進するため、総議決権の90%以上保有している株主は、強制的に少数株主から株式を買い取ることができるようにし、少数株主を排除(キャッシュアウト)しやすくなりました。

現行法でも、全部取得条項付き種類株式を利用する方法で、実質的にキャッシュアウトが可能だったのですが、手続が迂遠ということもあり、中小企業ではほとんど使われていない印象がありましたので、この改正で、中小企業でもキャッシュアウトの手段として利用されることが増えてくるのではないかと思います。

 

■会社分割等における債権者の保護

会社分割は、会社の事業を一体として、別の会社に承継させる組織再編行為です。

近年、この会社分割の方法を利用して、経営状況の厳しい会社が、銀行等からの債権回収を免れる目的で、借入金等の債務や赤字の事業だけを
分割会社に残し、黒字の事業や価値ある資産だけを承継会社に移すという濫用的な会社分割が行われて問題となっていました。

そこで、今回の改正で、分割会社が残存債権者を害することを知って会社分割をした場合には、残存債権者は、承継会社に対し、承継した財産の価額を限度として、債務の履行を請求することができるようになりました。

現行法のもとでも、民法上の詐害行為取消権を認める等の解釈によって債権者の保護が図られていましたが、会社法上の制度として直接的に債権者の保護を図る規定が設けられた訳です。

中小企業も、事業承継や事業再生の方法として会社分割を行うことがよくあるので、会社分割の際には、このような制度があることを念頭においた上で、債権者を害することのないように注意する必要があります。

 

■監査役の監査の範囲に関する登記

監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する定款の定めがある会社は、その旨の登記が必要になりました。

監査役の監査の範囲を会計監査に限定している会社と、業務監査も行うこととしている会社とで、適用される会社法の規定が異なるため、対外的にもそれが区別できるよう、登記事項にして公示しようというのがこの改正の趣旨です。

中小企業は会計監査に限定している会社が多く、そのような会社は、この改正により、登記が義務付けられることになり、登記費用等のコストがかかることになる点に注意が必要です。

ただし、この改正は経過措置が設けられており、改正法の施行後最初に監査役が就任・退任するまでの間は登記が猶予されています。

 

上記の事柄は、どちらかといえば弁護士の分野であり、中小企業診断士的にはここまで知っておく必要はないのかもしれません。

ただ、診断士受験生としても、法律の定めやその改正について、その趣旨や背景事情を知っておかれると、より興味が湧き、理解が深まるかと思いますので、今後の経営法務の勉強にお役立て頂ければ嬉しいです。

  

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