残り1か月でまだ伸ばせる – 得点源に変える事例Ⅳ攻略法 by MaCs

事例Ⅳ 財務・会計
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タキプロ16期の   MaCs と申します。

いよいよ、2次試験本番まで1か月となってまいりました。

「まだ事例Ⅳの準備ができていない」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。大丈夫です。今からでも十分に間に合います。本記事では、残り1か月で効果的に得点力を伸ばすための勉強法と、試験当日の進め方を整理してお伝えします。

■おさらい:事例Ⅳの頻出論点と学習の優先度

事例IVは出題範囲が比較的狭く、毎年似た分野から出題されます。効率良く得点するためには、頻出論点から優先的に学習を進めることが重要です。

経営分析(財務指標分析)[優先度:A]
毎年必出の大本命。また、得点源になりますので確実に取れるように準備しましょう。P/L・B/Sから収益性、安全性、効率性の指標を計算し、原因と改善策を記述します。公式の暗記だけでなく、15分以内で計算・記述まで終えるスピードの練習が必要です。

CVP分析(損益分岐点分析・利益計画)[優先度:B]
2年に1回程度の頻出論点。こちらも出題されたらとれるよう準備するのがベター。固定費・変動費・売上高の関係を使って損益分岐点や安全余裕率を計算します。条件変更のパターンに慣れることが鍵です。

意思決定会計(NPV・IRR・回収期間法)[優先度:C]
高頻出かつ計算量が多い分野です。CF算出→割引→投資額控除の3ステップで解く型を固め、部分点が取れる答案作りを徹底します。

セグメント別損益分析[優先度:B]
限界利益や貢献利益を使い、事業部別に撤退・継続を判断する問題です。利用する公式が少ないため、出れば得点源になりやすいです。

キャッシュフロー計算・分析[優先度:C]
出題頻度はやや低めですが、営業CFの計算は必須知識。直接法・間接法の流れを押さえ、B/S・P/Lから数字を拾える練習をしておきます。

また、これらの論点に対し、計算問題のほか記述式の設問も出題されます(①の論点から問1で1つ、他は問4で出ることが多いです)。

■学習法と教材

事例IVは反復演習をすることで得点が着実の伸びる科目です。
初めて勉強する場合はまず解法パターンの習得し、パターンを習得したらあとは処理スピードと精度の向上を主目的に勉強を進めます。
重要なのは、最初は全範囲を広く浅く押さえ、2〜3周目で重点強化するサイクルを回すことです。

これらをふまえ、3つの教材を紹介いたします。

これから勉強を始める方はまずは①を確実にやりきること目標にしましょう。

①教材:「30日完成!事例IV計算問題集」
⇒計算問題が苦手、またはほかの事例対策を優先する方はこちらのマスターを目標にしましょう

進め方

  1. 1周目(理解重視)
    解法手順を解説と照らし合わせながら解く。時間は気にせず正確性を優先。
  2. 2周目(スピード重視)
    各大問を本番時間配分に沿って解き、途中式を丁寧に残す練習。
  3. 3周目(弱点補強)
    間違えた問題と苦手論点のみを集中的に演習。

ポイント

  • 解答用紙に合わせたレイアウトで答案を書く練習を必ず行う。
    ⇒スペースに合わせた途中式の書き方を自身に叩き込みましょう。
     部分点獲得のため詳細に書けるほうがいいですが、書き込みすぎてスペースが足りなくなってしまわないように注意しましょう。
     (偉そうに言っていますが私が当日やらかしたポイントです。書き直しはかなり焦ることになるので極力避けたい事態です)

②教材:「事例IVの全知識&全ノウハウ」

⇒①に慣れ、時間をさけるようでしたらこちらも解きましょう。計算の練習に加え与件文の読み取りや記述問題の解答練習もできます。

進め方

  1. 「知識編」で各論点の背景・理論を整理(記述式対策にもなります)。
  2. 「ノウハウ編」で解答の型を習得
  3. 「過去問演習編」で実戦形式の練習+添削(自己添削でもOK)。

③教材:「過去問」

実際の問題を80分間で解き、当日をシミュレーションしながら行いましょう。実際にやってみると、自分なりの時間配分や本番でのミスの傾向が見えてきます。

■記述問題(問4)対策

問4の記述問題は経営判断や改善策を80〜100字程度で記述する形式が多いです。ほかの事例と同様に与件文と財務知識から説得力のある文章をまとめる練習が必要です。

①文章構成の型を持つ

判断型:「結論+財務的根拠(指標・数値)+戦略的理由」

改善策型:「現状(数値や傾向)+原因+具体策+効果」

②語彙のストック

「資本効率改善」「原価率低減」「資金繰り安定化」など、財務視点のキーワードを暗記して即使えるようにする。

③過去問で反復練習

問4部分だけを抜き出して5〜10分で解答し、模範解答と比較⇒改善を繰り返す。

※以下に平成26から令和6年の記述問題をまとめております。
 キーワードの暗記や比較にご活用ください

年度問われた内容参考:解答キーワード
令和6年①全部原価+利潤の価格設定による業績評価上の問題点本社費配賦の恣意性/業績評価の歪み
②事業部長の業績評価で投資責任を負わせる際の留意点投資額・回収期間の明確化/外部要因除外/公平性
令和5年①OEM委託の財務的利点固定費削減/変動費化/損益分岐点低下
②新製品開発・販売の財務的利点高付加価値化/粗利率改善/ROA向上
令和4年新事業実行時のリスクと財務的マネジメント売上不振リスク/資金繰り悪化/段階投資/CF管理
令和3年①不採算事業一本化の短期的メリット重複コスト削減/管理効率化/利益改善
②不採算事業継続が企業価値を下げない理由シナジー効果/ブランド維持/全社収益貢献
令和2年①買収時の純資産額と買収価格差の会計処理のれん計上/償却/減損処理
②買収のリスクPMI遅延/文化摩擦/シナジー不発/効率低下
令和1年①連結子会社化のメリット・デメリット経営資源共有/販売網拡大/意思決定遅延/管理コスト増
②EDI導入による財務効果業務効率化/人件費削減/在庫削減/資金効率向上
平成30年業務委託の悪影響防止策契約基準明確化/品質・納期管理/定期評価・改善
平成29年子会社化の非財務的影響文化統合の難しさ/従業員士気低下
平成27年大口取引先依存のデメリット価格交渉力低下/依存先悪化リスク
平成26年為替リスク軽減策と円安・円高の影響為替予約や通為替予約/通貨分散/円安=輸出有利/円高=輸入有利

■おすすめの時間配分と解答順序

こちらは人によって好みがわかれると思いますが、参考として私の解答順序をお伝えいたします。

①問1 経営分析15分
 ※問1は配点が高く安定した得点が見込めるため、先に固めて精神的に余裕を持つ。
  10分に縮められるとより余裕が出ますが、問1で失点しないことを優先してください。

②問4 記述式:10分
 ※問4は与件文読解と文章構成力が必要なため、時間切れの影響を受けやすいです。早めに書くことで完成度を上げます。

③問2・問3(計算系):45分
 ※問2を解くことを最優先に。問3は部分点を確実にとっていくことを目指しましょう。
  問2で詰まったら、素早く問3に切り替えることも大事です。

④見直し:10分

 ※しっかり時間を作ってミスをつぶしましょう。

■おわりに

今回は事例Ⅳの対策についてお伝えさせて頂きました。

事例Ⅳは対策をしっかり行えばおのずと点数が付いてくる試験です。

残り1か月、焦る必要はありません。やるべきことを絞り込み、日々の積み重ねを続ければ、必ず力は伸びていきます。本番で冷静に、これまでの努力を答案にぶつけてください。最後まで応援しています。

次回は、けい さんの登場です。 

お楽しみに! 

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