試験合格に特化した事例Ⅲ対策 by こんちゃん

タキプロ16期の こんちゃん と申します。 今回で、2回目の投稿になります。
今回は、苦手な方が多い(私も苦手でした) 事例Ⅲ について、問題の特徴と私が実際に行った対策法をご紹介します。
■はじめに
私は不動産業に従事しており、製造業に関する知識は全くありませんでした。そのため、1次試験では運営管理が一番の苦手科目でした。
しかし、2次試験の事例Ⅲについては、問題の特徴をつかんだことで、安定して得点できるようになりました。
今回は、事例Ⅲの特徴と、試験合格に特化した私なりの対策法をご紹介します。
■事例Ⅲの特徴
事例Ⅲの問題には事例Ⅰ・Ⅱとは異なった特徴あります。
事例Ⅰ・Ⅱでは、企業の「強み」や「機会」を活用した戦略や方向性を提示する解答が求められます。これは、リソースの少ない中小企業が、外部環境の変化を捉え、自社の強みを活かすという視点で解答を作成することが多いためです。
一方、事例Ⅲで求められるのは、製造工程ですでに発生している「問題」(=「弱み」)に対する、具体的な改善策の提示です(注)。
(注)事例Ⅲでも戦略などを問う問題が出題されることがありますが、その場合は事例Ⅰ・Ⅱと同じです。
事例Ⅲで問われる企業の「問題」は、事例Ⅰ・Ⅱで問われる「強み」や「機会」とは異なり、製造業でよく見られる普遍的な問題が多い傾向にあります。そのため、「問題」とそれに対する「具体的な改善策」を暗記しておくことで、安定して得点につながる解答を作成しやすくなります。
事例Ⅰ・Ⅱと事例Ⅲの比較
| 事例Ⅰ・Ⅱ | 事例Ⅲ | |
| 設問の視点 | 戦略策定や方向性の提示 | 具体的なオペレーション改善 |
| 解答の中心 | なぜその戦略が必要なのか、 どのような方向性で進むべきか という論理 | どうやって改善するのか、 具体的な手法やプロセスの提示 |
| 着眼点 | 主に「強み」と「機会」 | 「弱み」(=問題) |
■キーワードと対応策の対応表
以前ご紹介したように、私は1次試験終了後に2次試験対策を始めたため、残された時間を最大限に活用する必要がありました。そこで、「いかに効率良く得点を稼ぐか」という点に焦点を当てた勉強法を実践しました。
具体的には、まず、過去問を解く前に「まとめシート流」5年分を読み込み、与件文のどのキーワードが解答につながるかを分析し、その後、過去問を解き終えてから、「ふぞろい」を参考に、与件文のキーワードと得点につながる解答ワードとを「対応表」にまとめました。
この方法は特に事例Ⅲで大きな効果を感じたため、参考としてその一部を以下に掲載します。
| テーマ | 与件文のキーワード (=問題) | 解答に記載すること (=対応策) |
|---|---|---|
| 多品種少量生産 | ・段取替え時間の増加 ・生産効率の低下 ・作業の複雑化 ・計画・統制の困難 | ・ロットサイズの最適化 ・段取替え時間の短縮(外段取り化) ・作業方法の標準化 ・多能工化の推進 ・生産計画の精緻化 |
| 技術の属人化 | ・ベテランへの依存 ・技術継承の困難 ・作業員の能力差 ・品質のばらつき ・生産性低下 | ・技術、ノウハウの標準化・マニュアル化 ・OJTを通じた教育強化 ・多能工化の推進 ・情報共有の仕組み構築 |
| 営業力不足 | ・受注は既存顧客中心 ・新規顧客開拓が進まない ・技術力を活かせていない ・売上依存度の高さ | ・高い技術力を訴求する提案営業の強化 ・営業部門と製造部門の情報共有 ・展示会やWebサイトを活用した販路開拓 |
| ・・・ | ・・・ | ・・・ |
■対応表の作成について(余談)
過去問を解いて自分で対応表を作成すると、効率的に解答を作成できるようになりますが、対応表を一から作るにはかなり時間がかかって大変です。
そこで、AIが普及している今、この作業をAIに任せるのはどうでしょうか。実際にGeminiやChatGPTを使って対応表を作成してみたところ、かなり質の高いものができました。
時間がない方は、一から自分で作るのではなく、AIが作成したものをベースに、問題を解きながら加筆修正していくのもおすすめです。
■おわりに
今回は、事例Ⅲについて、問題の特徴と私が実際に行った対策法をご紹介しました。
この対策法は、深く理解することよりも、得点につながる解答を作成することに特化しており、また、効率化の観点から一部にAIの活用も推奨しているため、人によっては向き不向きがあるかもしれません
しかし、中小企業診断士試験の合格はゴールではなく、あくまでもスタートラインです。できるだけ早くそのスタートラインに立ちたいと考えている方には、こうした対策方法も有効な選択肢の一つではないでしょうか。
次回は、トラッド さんの登場です。
お楽しみに!
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