AIで複数ファイナルペーパーを徹底分析!二次試験に必要な思考OSと共通項とは by ハリー

4事例共通
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 みなさん、こんにちは。
 タキプロ16期のハリーと申します。

 中小企業診断士 二次試験まで、残り3週間ほどとなりました。 
 この時期は新しい知識を追いかけるよりも、本番で実力を出し切るためのテクニックや心の持ち方、そして各事例の重要ポイントを総ざらいすることに時間を注ぐべきだと考えていました。
 そのため、本記事では、そういった観点から合格に向けた最終チェックリストとなるような情報を整理していきます。

■はじめに

 本記事のベースとなっているのは、私自身が受験生時代に作成した「ファイナルペーパー(iPadのGoodNotesで手書き。二次試験全体用と事例ごと、合計5種類)」と、以前タキプロで執筆した事例Ⅰの突破ノウハウに関する記事のみです。

ファイナルペーパーイメージ

 

 今回はこれらの情報を、ChatGPT、Gemini、Claude、そしてNotebookLMといった複数のAIに読み込ませ、ノウハウを客観的に整理してもらいました。
 各AIの生成内容を相互に活用し、最終的にはNotebookLMの出力を土台として、本記事の骨子を作成しています。
 いわば、私の個人的な経験知を最新AIの力で再構築したものです。直前期の今、皆さんの最終調整のヒントになれば幸いです。

 なお余談ですが、①データの準備→②AIによる手書きファイナルペーパーの分析→③骨子の検討→④記事作成の方向性確定→⑤確定した方向性に基づきAI記事作成→⑥NotebookLM記事を元に、各AIが肉付け→⑦人力での統合と調整→⑧各AIによる校正作業→⑨ブログ投稿とレビューまでを、約2時間で完了できました。
 AIの力は今後ますます重要になることを体感しています。

■1.試験の根本的な考え方

 二次試験は、単なる知識の暗記や抜き出し作業ではありません。診断士としての中核的な能力を問う、以下のような根本的な考え方に基づいています。

 「理想の企業像」とのギャップを埋める提案力: 試験作成者側には「あるべき中小企業の理想像」というゴールが存在します。受験生に求められるのは、与件文から事例企業の「現在抱えている問題点」を正確に読み解き、その「理想の企業像」とのギャップを、どのような施策で埋めていくのかを一貫した論理で提案する能力です。

全ての事象を「因果関係」で捉える思考: 企業の状況を「原因・背景 → 対策 → 効果」というシンプルな型で捉えることが、論理的な思考と答案作成のコアとなります。与件文に散らばる情報をこの因果の矢印で繋ぐことで、企業の課題や成功要因が明確になります。この視点で与件文から要素を抽出し、公式に当てはめることが解答の基本です。

「具体→抽象→具体」の思考プロセス: 診断士の思考プロセスそのものが試されています。具体的には、①事例企業の状況を理解し(具体)、②一次試験で学んだ知識やフレームワークに当てはめて課題を分析し(抽象)、③その知識を応用して、その企業に合った具体的な行動・施策として提案する具体)というサイクルです。知識を披露するだけでなく、実際の行動に繋がる提案が評価されます。
 特に助言問題は、すでに与件文に『現状(原因・背景)』が示唆されており、1次試験で学んだ知識から『理想の未来(効果)』を想定することで2つの点が決まっており、その間を結ぶ最適な『対処法』を記述することが求められます。

市場機会と自社の強みの結合: 全事例に共通する成長の基本戦略は、「機会(市場の変化)を捉え、そこに自社の強み(内部の解)をぶつけて成長する」ことです。この基本戦略を外さずに答案を構成することが、合格への絶対条件と言えます。

■2.試験に臨むための心構え

当日のパフォーマンスを最大化するためには、技術だけでなく精神的な準備も不可欠です。

  • 自分を信じる: 今の実力は合格圏内にあると信じ、当日のベストを尽くすことに集中してください。焦らず、一つ一つの問題に丁寧に取り組むことが、結果的に実力を最大限に発揮することに繋がります。「他人との比較ではない。自分の能力を最大限に発揮できるかどうかで勝負する」という意識が大切です。 注意点としては、特に事例Ⅱのようにアイデアが求められる問題で、「なんか調子いいな!と思った時が一番危険」 。うまくいっている時こそ、基本に立ち返る冷静さが重要です。
  • 当事者意識を持つ: これは単なる試験ではなく、「相談先の企業の社長の想いを汲み取り、会社を成長させるために自分の知識を総動員する」というコンサルティングの現場です。この意識を持つことで、より深く、説得力のある提案が生まれます。
  • 最後まで諦めない: 試験中は苦しいと感じる瞬間もあるかもしれませんが、それは周りの受験生も同じです。冷静さを保ち、困難に立ち向かう姿勢が合否を分けます。敵は他人ではなく、諦めそうになる弱い自分自身です。自分の能力を100%引き出すことに集中しましょう。

■3.各事例ごとの特有ノウハウの整理

 各事例には特有の「お作法」や頻出論点が存在します。これらを理解しておくことで、効率的に解答を作成できます。

事例Ⅰ(組織・人事)

  • 隠れた示唆の読解: 与件文の一文の裏に隠された実体(例:「現経営者は職人気質」→教育制度が未整備であることの示唆)を読み取る力が試されます。
  • フレームワークの活用: 「茶化(サハホイヒも)」や「幸の日も毛深い猫(サチノヒモケブカイネコ)」といった人事系のフレームワークを念頭に置くと、論点の整理がしやすくなります。
  • OJTの重要性: OJT(On-the-Job Training)は多くの組織課題に対応する可能性があります。解答のどこかで必ず使えないか、常に意識しておきましょう。
  • 困った時のキーワード: 戦略系の設問で行き詰まった際は、「士気向上」や「組織活性化」を効果として記述するテクニックが有効です。
  • 解答の型: 助言を記述する際は、「施策は〜して、〜を図る」という文末表現で統一すると、思考がブレにくくなります。

事例Ⅱ(マーケティング・流通)

  • 基本戦略の徹底市場の機会を捉え、自社の強みをぶつけて成長する、という基本戦略を絶対に外さないでください。
  • 具体性の重視: 他の事例に比べて、より具体的な解答が求められる傾向にあります。アイデアで勝負するのではなく、与件文に基づいた提案を心がけましょう。
  • 分析の作法: 3C分析やSWOT分析では、要素を列挙するだけでなく、それらを組み合わせた「分析」を行うことが重要です。特に自社の分析では「強み」と「弱み」をセットで記述しましょう。
  • レイヤー分け: 卸売(BtoB)と直販(BtoC)のように、大きなレイヤーで事業を分けて考えると整理しやすくなります。
  • 鉄板ロジック「双方向コミュニケーション → 顧客ニーズの吸い上げ → 製品開発」という流れは、高付加価値化や顧客満足度向上に繋がる鉄板パターンです。
  • ターゲット分析の優先順位: ターゲット顧客を分類する際、「字数が厳しい場合は、より顧客のインサイトに迫れるサイコグラフィック(価値観・ライフスタイル)を優先する」 。

事例Ⅲ(生産・技術)

  • 生産管理の基本構造: 解答は「生産計画(日程・工程・負荷)」と「生産統制(進捗・現品・余力)」の枠組みで整理するのが基本です。多くの場合、事例企業はこの基本ができていないため、改善策の提案が中心となります。
  • 現場改善の基本思想:生産管理の基本は「4M(人・機械・材料・方法)の観点で、3M(ムリ・ムダ・ムラ)を無くすこと」です 。
  • 標準化とOJTはセット作業の標準化・マニュアル化は多くの問題に対する根本的な解決策であり、それを浸透させるためのOJTや研修はセットで提案するのが定石です。
  • 図・注釈はヒントの宝庫: 問題文に付属する図や注釈は必ず活用しましょう。図がない場合は、自分で簡単なフローチャートを描いて整理すると理解が深まります。
  • 施策と効果のセット: 「施策を述べよ」と問われた場合も助言問題と捉え、必ず効果までセットで記述することで説得力が高まります。

事例Ⅳ(財務・会計)

  • 設問要求への忠実さ: 最も重要なのは、先走りや思い込みをせず、設問で求められていることに正確に答えることです。求められていることに下線を引くなどして、要求から外れないように注意しましょう。
  • 頻出論点の確認: 知識問題で求められる、貢献利益、営業レバレッジ、為替予約のメリット・デメリット など、頻出の経営指標や財務知識は確実に押さえてください。
  • 計算時の注意: 有形固定資産回転率を計算する際の減価償却累計額の扱い や、キャッシュフロー計算書作成時の未払法人税等 など、ケアレスミスをしやすいポイントを意識しましょう。
  • 財務と非財務の連動: 財務分析の結果(収益性が低いなど)と、その原因となる経営活動(特定企業への高い依存度など)を結びつけて考える視点が重要です。

■4.全事例共通のTIPS

 どの事例にも応用できる、解答の質を高めるための技術です。

  • 与件文読解のポイント
    • 与件文を読む際、「繰り返される類似表現」や「強調表現(逆接、数字など)」にマーキングするなど、重要情報を整理しておくと効果的です。
    • 図表がある場合は、必ず意味がある。この試験に無駄な情報は提供されていないと認識する。また全体像が見えない場合は、自分で簡単なフローチャートを描いて整理する と効果的。
  • 「時制」と「レイヤー」を意識する
    • 時制: 設問が過去(要因は?、理由は?)を問う「分析」問題なのか、未来(助言せよ、対策は?)を問う「提案」問題なのかを意識することで、思考の方向性が定まります。未来を問う提案問題は、単に施策を考えるのではなく、「理想の姿(効果)」から逆算して考えることが説得力を生みます。
    • レイヤー: 問題を「経営戦略」「組織構造」「人的資源管理」といった複数の階層(レイヤー)で捉えることで、多角的で深みのある解答になります。
  • 解答作成の技術
    • 要約力: 与件文の情報を簡潔な言葉に言い換えて字数を節約し、より多くの要素を盛り込む力が試されています。
    • 文末表現: 助言を求められた際は、「~を図る」といった表現で文末を締めると、施策と効果をセットで示しやすくなります。
    • 学習方法「写経」: A評価答案を書き写す「写経」は、評価される答案に共通する「理想の企業像」を身体感覚で掴むのに非常に有効な学習法です。

■5.二次試験に大切なことと応援メッセージ

 最後に、この試験に挑戦するあなたへ。

 この二次試験は、単に知識を問うものではなく、一社の中小企業に真摯に向き合い、その未来を良くするための道筋を示す、診断士としての「姿勢」そのものを問う試験です。
 そのために最も大切なのは、「理想の企業像」というゴールを定め、そこへ至る論理的な道筋を「因果関係」に基づいて示すことです。そして、その提案は机上の空論ではなく、一次知識を応用し、その企業の実態に合わせた具体的な行動にまで落とし込む必要があります。

 試験当日は、これまでの努力と自分の実力を信じてください。困難な問題に直面しても、それは誰もが同じです。最後まで諦めず、目の前の一社のために全力を尽くす。その姿勢こそが、合格への道を切り拓きます。
 一次試験という困難も乗り越え、ここまで努力を積み重ねてきたあなたは、すでに合格する力は備えています。あとはご自身のベストを尽くし、それをぶつけていくだけです。きっと大丈夫。うまくいきます。

 皆さまの合格を心から応援しています。


次回ははらしょーさんの登場です。
お楽しみに!

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