人事キャリア × 事例Ⅰの落とし穴と改善プロセス by ペッペ

事例Ⅰ

タキプロ16期の   ペッペ と申します。  
私は、かれこれ20年近く、製造業の人事部門を担当しています。
1次試験も苦戦しながら勝ち上がった私でしたが、そんな私でも、2次試験に進めば、もしかしたら事例Ⅰは得意科目にできるかも知れない、という甘い考えを持っていました。
そんな私のありさま、陥った落とし穴と、それを改善したプロセスについてお伝えします。

■はじめに

今年で51歳になる私、人事として、一通りは経験した、そんなお年頃です。
ですから、初めての2次試験でも、事例Ⅰは、ある程度自分の経験と直観力でいけるんじゃないか?!と舐めてました。
それは甘え以外の何物でもないことを思い知らされるわけですが。
そして当日、時間ギリギリまで、気持ちよく、ルンルンで書き上げました。
「止めてください」という試験官の声と共に、感想は、「よっしゃ書けた!!」でした。
しかし、結果は、「31点」。4事例の中で最も低い点数でした。
人事を仕事としてやってきているのに、、、、。自信は、そのまま苦手意識になりました。
そして、1年コツコツと向き合いながら、2度目の試験。
1度目と違い、全く手ごたえはなかったですが、今度は逆に、4事例の中で1番高い点数、「75点」をとることができました。
この差は何だったのか、何が点数に結び付いたのか。振り返りながら、まとめていきたいと思います。

■「知っている」だけでは武器にならない

最初の失敗は、「実務知識がある=得点できる」と思い込んでいたことです。確かに、人事制度や評価の仕組み、モチベーション理論など、日常的に扱ってきた分野ではありました。
ですが、試験が求めるのは、「与件企業の状況に即して、なぜそうすべきかを説明する力」。
つまり、知識を引き出すだけでなく、文中の背景や制約条件に合わせて「適用する」力が問われます。私は本番で、人事施策の名称や理論をいくつも並べましたが、それが与件とのつながりを持たない“ポエム”になっていた。知識を使いこなすどころか、知識に使われていた――今振り返ると、そこが最大の反省点です。

■「視点」を取り違えた

もうひとつは、設問の要求レベルを取り違えたことです。
与件文に「社員のモチベーションが低下」とあれば、つい「教育」「評価制度」「キャリアパス」といった施策案をすぐに書きたくなってしまう。受験生なら、共感してくれると思いますが、こうした安易なワンパターンな施策案は書けるんです。1年目の私のように。でも、問われているのは「なぜ低下したのか」や「経営戦略にどう影響するのか」という、一段上の組織設計の視点。言い換えれば、私は「制度設計の細部」に飛びついてしまい、「組織構造・戦略整合」の観点を欠いていた。どうしても“現場の人事施策”に意識が寄りすぎていたのだと思います。診断士試験の事例Ⅰが難しいのは、「抽象度の高さ」と「多層的な切り口」を行き来しなければならないこと。
経営戦略、組織構造、人材マネジメントが絡み合う中で、どの層に焦点を合わせるか。そこを意識できるようになったのは、過去問を解く中で、何度も失敗を繰り返してからでした。

■「読み落とし」と「思い込み」

事例Ⅰでは、与件文の“言い回し”が絶妙です。
ある年の設問では、「中堅社員が増えてきたことに伴う課題」と書かれていました。
私はこれを「中堅社員の処遇改善」と短絡的に捉えてしまい、制度改定の提案に走ってしまいました。
しかし、本来問われていたのは、組織の中堅層が増えることで生じる構造的なコミュニケーション課題。つまり、解くべきは制度ではなく“関係性の断絶”だったのです。

このように、「読めた気になる」瞬間が最も危険です。

私は、1度目の失敗後、この点を克服するのに苦労しながらも、与件文の主語時制制約条件経営者の考えを徹底的にマークし、安易な思い込みを防ぐ読み方を意識するようになりました。

■学びと再現性 ― どんな人にも役立つ改善法

自分のそうした思考面の弱さ、癖を、次のような改善策を使って実践しました。

設問分析を徹底する   : 主語・助詞・制約を抜き出し、設問意図を言い換えて確認する
与件文メモを構造化する : 段落ごとに「現状・課題・要因・方向性」を整理
因果で書く訓練     : 「~だから~すべき」「~により~が実現」など因果を意識
難しい言葉を使わない  : 1次試験用語は捨て、具体的表現力により説明する
本番意識の時間配分   : 設問分析10分 → 与件読み20分 → 骨子作成10分 → 記述40分

こうして「現場人事の思考」から「経営的思考」へとレイヤーを上げていく訓練を続けていきました。

■おわりに

次回は、まっく さんの登場です。 

お楽しみに! 

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