生成AIを活用して試験勉強を効率化しよう(NotebookLM:2次試験編) by MaCs


タキプロ16期の MaCs と申します。
今回のブログは5月25日/8月31日に公開されたタキプロ特集記事「生成AIを活用した勉強法」の続編となります。
第一回は1次試験での「NotebookLM」活用法、第二回は「ChatGPT+PlantUMLによるマインドマップ作成」をご紹介しましたが、第三回は2次試験での「NotebookLM」の活用法、特に解答のブラッシュアップ方法に焦点をあててご紹介いたします。
目次
■おさらい:NotebookLMとは?
NotebookLMは、Google社が開発したAIツールで、テキスト文書やWebサイト、YouTube動画などの「ソース」を指定して、それらの情報に基づいたAI対話ができるサービスです。
ChatGPTなどのAIでは「ハルシネーション」(AIが事実ではない情報を作り出してしまう現象)が問題になりますが、NotebookLMは信頼できるソースを指定することで、この問題を大幅に軽減できます。
■NotebookLMによる解答分析
2次試験の勉強では、過去問による演習とその解答のブラッシュアップが重要になります。従来は自己採点に限界があり、独学者のハードルとなっておりました。しかし、今回お伝えするNotebookLMの活用法をご利用いただければ勉強を大きく効率化することが可能です。
この活用方法について、今回は「AIによる採点」「解答の論理構造可視化」「与件文との詳細比較」「他者解答との比較」の4点をお伝えいたします。
その1:自分の答案を採点してもらう
最初に、自分の答案を採点してもらう方法についてお伝えいたします。この方法ではご自身の解答の精度をざっくりと把握し、改善点を洗い出すことが可能です。
手順 ※ソース名はNotebookLM内で特定できればお好みで変えていただいてOKです。
①自分の解答をテキストまたはPDF化してNotebookLMにアップロードし、ソース名を「自分の解答※」と設定
②与件文をPDFでアップロードし、ソース名を「与件文※」と設定
③チャット欄で以下の例のように依頼:
1: ソース「自分の解答」の第○問の解答を以下の基準で○○点満点で採点してください。
・論理性と一貫性
・与件文との整合性
・設問に対する答えの明確さ
2: 総合点と改善点を箇条書きで示してください。
④出力結果をもとに、ご自身の解答方法をブラッシュアップする
参考:実際のNotebookLM画面

[注意]AIによる採点は本番の採点基準とは異なる可能性があります。本番での採点はブラックボックスになっており、また偏差を基にした調整が行われているというお話もあります。点数は目安程度にして、「論理の飛躍」「根拠不足」「設問要求の取り違え」といった失点要因を洗い出すことで改善に努めましょう。
その2:解答の論理構造を可視化する
その1では全体の採点を行いましたがその2とその3は個別の要素について分析を行っていきます。2次試験は与件文の内容に基づいて数々の設問に「文章」で答える試験です。そのため、記載する文章は「主張・根拠・結論の関係が明確」で「論理の飛躍がない」ことが重要です。この2点についてNotebookLMでチェックしましょう。
手順 ※ソース名はNotebookLM内で特定できればお好みで変えていただいてOKです。
①自分の解答をテキストまたはPDF化してNotebookLMにアップロードし、ソース名を「自分の解答※」と設定。
②チャット欄で以下の例のように依頼:
1: ソース「自分の解答」から、主張・根拠・結論をそれぞれ抽出してください。
2: 次に「誰に、何を、どのように、効果」をまとめた「だなどこ」フレームワークに沿って論理展開を分析してください。
3: 論理の飛躍があれば指摘してください。
4: 最後に「自分の解答」の論理関係を説明してください。
③出力結果をもとに、指摘箇所を修正。
参考:実際のNotebookLM画面

これにより頭の中の思考を図式化し、考え方の癖を直していくことができます。
その3:与件文との比較し、与件の活用度をチェックする
2次試験における解答の落とし穴に、独りよがりな解答、通称「ポエム」があります。このポエムを書いてしまうとが合格が遠ざかりますので、徹底的に回避する必要があります。対策としては「与件文の情報を活用する」につきるのですが、これができているかのチェックもNotebookLMで行うことができます。
手順 ※ソース名はNotebookLM内で特定できればお好みで変えていただいてOKです。
①自分の解答をテキストまたはPDF化してNotebookLMにアップロードし、ソース名を「自分の解答※」と設定
②与件文をPDFでアップロードし、ソース名を「与件文※」と設定
③チャット欄で以下の例のように依頼:
1: ソース「自分の解答」の第○問の解答と「与件文」を比較し、与件文のどの情報を根拠として利用しているか対応表で示してください。また、根拠がないものは指摘してください。
2: 解答の根拠となりえるが活用できていない与件文の重要情報をリストアップしてください。
④出力結果をもとに、足りていない情報や根拠のない記述を修正
参考:実際のNotebookLM画面

これを繰り返すことにより、与件文からの情報の拾い上げ・活用のやり方をブラッシュアップしていくことができます。
その4:他者解答との比較分析し、良い点を取り込む
最後に、他の方の解答と比較で解答の切り口や表現のブラッシュアップする方法をご紹介いたします。
※市販教材や予備校の模範解答・再現答案を使用する場合は、後述の「著作権と利用規約に関する注意」も必ずご確認の上、ご利用ください。
手順 ※ソース名はNotebookLM内で特定できればお好みで変えていただいてOKです。
①自分の解答と与件文をテキストまたはPDF化してNotebookLMにアップロードし、ソース名を「自分の解答※」「与件文※」と設定
②「模範解答※」や「再現答案※」(PDFまたはテキスト)をアップロード。注意:必ず利用規約を確認!
③チャット欄で以下の例のように依頼:
1: ソース「自分の解答」「模範解答」「再現答案」を比較し、設問◯の切り口・表現・構成の違いをマトリクスで示してください。
2: どの切り口が最も説得力が高いか分析し、理由も説明してください。
④出力結果をもとに、他の方の効果的な切り口や表現を自分のテンプレートに組み込む
これらの方法で自分の解答を分析し、合格に向けてブラッシュアップしていきましょう。
■[必読]著作権と利用規約に関する注意
NotebookLMは資料をアップロードして分析しますが、著作権で保護された教材や書籍の取り扱いには細心の注意が必要です。
市販教材・再現答案などの一般に販売されている書籍は著作権があり、個人的な学習利用は許されても、AIへのアップロードや第三者との共有は規約で禁止されている場合があります。必ず確認の上、使用可能なものに限り利用しましょう。利用許可の明記や、個別の確認が取れないものについてはアップロードは避けるべきです。また、それ以外の他者の解答を利用する際も必ず利用許諾を取りましょう。
著作権侵害は法的リスクを抱えることになりますので、AI活用時も「権利を尊重する姿勢」を持ち続けることが重要です。
■とはいうもののの、人に見てもらうことも効果的!
ここまでAIの自学自習への活用についてお伝えいたしましたが、人による採点とフィードバックは今でも効果的です。
タキプロでも、経験に基づく採点と具体的な改善アドバイスが得られる勉強会を随時開催しておりますので是非ご参加ください! まずはこうした場で自分の答案を客観的に評価してもらい、改善の方向性を掴みましょう。そのうえでNotebookLMを活用すれば、より効果的に2次試験対策を行うことができます。
■おわりに
中小企業診断士の2次試験は、知識の応用力と論理的な表現力が問われる試験です。その勉強の過程では、自分の答案をどう評価すべきか悩むことも少なくありません。NotebookLMを活用すれば、一人でも論理構造の確認や与件文との突合ができ、従来は難しかった「効率的かつ、一人でも完結できる2次試験対策」を実現できます。
ただしAIはあくまで補助であり、誤りもあります。最終判断は必ずご自身で行い、教材の著作権や情報管理にも十分に注意してください。限られた時間を効率的に活用し、自分の力で合格をつかみ取ることを切に願っています。
次回は、ダイキ さんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
↓下のボタンを押して、読んだよ! と合図していただけると、とっても嬉しいです。
(診断士関連ブログの人気ランキングサイトが表示されます[クリックしても個人は特定されません])



