【2次試験筆記】「独りよがりな答案」からの脱出② by Tatchy

その1点をけずりだせ!!公務員系診断士合格者Tatchyです。

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今までの投稿は以下のとおりです(タイトルをクリックすれば見ることができます。)。
<2次試験筆記>
【2次試験筆記】「独りよがり」な答案からの脱出
侮ってはいけないSWOT分析
<1次試験>
悪条件の試験会場と直前対策(※前回投稿)
【1次試験約1カ月前】あなたの試験勉強の進捗どうですか?
【さあ1次試験申込開始だ!】切るか逃げ切るかの経営法務

8月25日は1次試験の合格発表日です。
自己採点を踏まえ、1次試験合格の光が見えている皆さんにおかれましては、既に2次試験の勉強を始めているのではないかと思います。

今回は、反響のあった2次試験筆記全般(特に事例Ⅰ~Ⅲ)記事、
【2次試験筆記】「独りよがり」な答案からの脱出(5月6日投稿)
の第2弾をお届けします。

読まれていない人は、本記事を読み進める前にこちらを先に読んでいただければと思います。

前提:「独りよがりな答案」とは

前回記事では、
(1) 与件文や設問の制約事項を無視した答案を書いている
(2) 答案を書いても主述や目的語が分かりにくい等、「読めない」答案を書いている
「独りよがりな答案」と定義していました。

今回、これらから脱出するために、タキプロの勉強会で答案を見ている中で個人的に気付いたポイントを掘り下げて、更に書いてみたいと思います。
以下のポイントを参考にし、2次試験筆記では+1点、いや、+10点を目指しましょう!!

ポイント1:因果関係は明確に

施策問題で高得点を狙うための重要ポイントだと思います。

まず、施策を問う問題では、施策内容(実際にやること)とその効果をセットとし、
「A(施策内容)することでB(効果)となる」
を基本構文とするようにしてください。

複数の施策を書くのであれば、
「A(施策内容)することでB(効果)、C(施策内容)することでD(効果)となる」
となります。
特に、タキプロの勉強会でも「D(効果)」漏れが多い答案を見受けられるように思いますので、本当に注意してほしいです。

施策を問う問題は、「具体的な施策内容とその効果」という因果関係を明確にし、セットで説明することを要求しています。
現に、診断士になってからも、施策を検討するに際し、実務補習等でも「施策内容とその効果の因果関係を明確にせよ」と徹底的に叩き込まれます。

したがって、答案を作成する際は
①施策内容が与件文の内容に沿っていて具体的か
②施策内容とその効果について、本当に因果関係があるのか
の2点について、よく検討することを意識してください。

そこで、上記のとおり説明すると、よく聞かれることが、
「施策内容が複数あり、その効果が1つしかない場合はどうするのか?」
です。

この場合は、
「A(施策内容)、B(施策内容)、C(施策内容)。以上よりD(効果)となる。」
という構文にすると、読みやすい答案になると思います。

ポイント2:因果関係が飛躍した答案はダメ絶対

上記のポイント1をお話すると、次によく聞かれることが、
「効果の因果関係が整理できない」
です。

まず、因果関係整理はどんな問題でもマストなので、「そこは何とか整理してください!」としか言えません。
どこまで整理すべきかについては、過去問演習の中でそのレベル感をつかんでください。

ただ、効果について絡み合っているということであれば、1つの工夫として、
「A(施策内容)することで、B(Cの前提となる効果)により、C(施策の効果)。」
と丁寧に整理する構文が使えるかもしれません。

というのも、「A(施策内容)によりC(施策の効果)。」といきなり書いてしまうと、Aという施策内容による効果としてCと述べることが、本当に因果関係が分からないケースがあるからです。
したがって、この場合は、Cの前提となる効果であるBを挟むことによって丁寧に説明する必要があると考えます。
ただし、間にBを挟むかについては、過去問演習の中で、そのレベル感をつかんで判断するようにしてほしいと思います。

ポイント3:診断士の立場から答えましょう

一見自明なはずなのに、タキプロ勉強会でも忘れている人が見受けられるように思います。
また、設問の中に「中小企業診断士として」というフレーズが入ってくることがあります。
この場合、「中小企業診断士の立場から」答案を作っていないとゼロ点と思っていただければと思います。

具体的には、答案が
①1次試験の知識を活用した内容
②診断士として当然あるべき姿勢からの内容
となっている必要があると考えます。

①は、割とすぐにイメージできると思います。
②は、実際のところ様々なパターンがあります。
分かりやすくするために、例えば、平成26年度事例Ⅰ第2問を見てみましょう。
主力製品が育たなかった理由が問われていますが、その理由の1つとして、
「公的助成金制度がそもそも存在してなかったから資金調達できなかった」
としてしまうと、診断士として実務で企業診断する際、そもそも制度がなかったのだからどうしようもないはずなのに、それを理由としてお示しするのであれば、診断先の企業から疑問を呈されるかと思います。

改めて、診断士としての立場を確認し、意識するようにしてほしいと思います。

ポイント4:オリジナル作文答案は最小限に

タキプロ勉強会で見ている限り、オリジナル作文をしてしまっている人も意外と多い印象を持っています。
これは、与件文にキーワードがあるにもかかわらず、そのとおりにではなく自分の言葉で書いてしまう答案です。

自分の言葉で書いて良いのは、
(1) 字数制限でどうしても言い換えざるを得ないケース
(2) 与件文に記載がなく、どうしても言葉を足す必要があるケース
の2つのケースに限定されるものと、自分は仮説を立てています。

というのも、
① 採点官は、5000人近くの答案を短期間かつ一定の採点基準の下で採点するため、与件文中のキーワードの有無で、第1段階のふるいにかけられている
② 2次試験筆記頻出の一般的なキーワードを漫然と使うことで、具体性の欠く答案となってしまう
という要因があると考えられるためです。

それだけでなく、診断士に実際になってから、
「社長の言葉で話をしないと診断先の社長に腹落ちできる説明ができません」
と叩き込まれます。

これを、
・「社長の言葉」を「与件文の言葉」
・「診断先の社長」を「採点官」
と読み替えれば、「読めない」答案を避けるためにオリジナル作文は最小限にすべきという理由は理解できるのではないかと思います。

総括:4つのポイントを意識して+10点

今回は、+10点を目指すための4つのポイントを提示しました。
2次試験筆記は、こんな点も見られているのかなと意識しつつ、今後、自分なりの解き方を確立していただければと思います。

ふぞろいなどで「優良答案」を複数見比べていけば、
どう書けば高得点を確保できる書き方となるのか
について、一定の法則があります。

特に、高得点・合格答案は、以上の4つのポイントは基本的に厳守されていることに気付くと思います。
そのあたりを自分なりに理解し、答案としてアウトプットできるようになれば、一気に合格は見えてきます。

次回は、szhiroさんです。どうぞお楽しみに!

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【2次試験筆記】「独りよがりな答案」からの脱出② by Tatchy” に対して2件のコメントがあります。

  1. 佐々木一雄 より:

    Tatchyさん

    二次試験で留意すべきポイントをわかりやすく、具体的にご教示賜り、ありがとうございます。
    大いに参考になりました。ヤル気も出てきました。ありがとうございました。

    1. 佐々木さん

      コメントありがとうございます。
      「大いに参考になりました。ヤル気も出てきました。」とのお言葉、タキプロ一同大変嬉しく存じます。

      今回の記事では、2次試験筆記で求められる知識ではなく、答案の構成について取り上げています。
      「試験合格後に自分が中小企業診断士になった際に求められること」がこの試験で問われていますので、その辺を意識して勉強していただければと思います。

      また、1点差で泣く人が、毎年実際にいます。
      ブログ上でお示ししていることは、採点官へのほんの些細な配慮なのかもしれませんが、そこで明暗が分かれてしまうのは本当にもったいないことです。
      今回の記事を参考にしていただき、佐々木さんが2次試験筆記を受験される際、1点でも多く確保して合格を勝ち取ってください!

      タキプロ一同、佐々木さんの受験生生活を応援しています!今後ともよろしくお願いします。

      Tatchy

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