診断士試験に向け、関連資格から「肩慣らし」していく方法もある by たーりー

こんにちは!タキプロ16期の たーりー です。4回目の投稿となります。
中小企業診断士に興味があるけどこんな不安も感じるという方、意外といるのではないでしょうか。
・1次試験が7科目もある。対応しきれるかな…
・試験勉強なんて長いことしてないから、勉強を続けられるか心配…
・「財務・会計」とか「経営情報システム」とか、見ただけで苦手意識を覚える科目がある…
実はこれ、全部以前の私の姿でもあります。
今回は、診断士試験を目指す一つの道として、1次試験と関連があり、そこまでハードルが高くない別の資格を先に目指す方法もある、ということを書いていきます。
■はじめに
会社での仕事には打ち込んできたけど、資格を目指す暗記や勉強とは縁遠い生活を送っていたーーこれが、診断士に興味を持ち始めた頃の私でした。
でも、1次試験の7科目で「これは得意かも」と思えるものは何もありません。
全てをゼロから勉強するのは大変すぎると思い、まずは、ほどほどの勉強時間で目指せそうで、かつ診断士試験にも役立ちそうな別の資格試験を受けることにしました。
診断士試験に合格した今、役立ったと思うのは「簿記3級」と「ITパスポート」、そして「知的財産管理技能検定3級」です。
人によって別の意見もあると思いますが、私の「おすすめ3種」がこれです。どのように診断士試験に関係しているのか、紹介していきます。
■日商簿記3級
診断士試験では、1次試験でも2次試験でも、「財務・会計」の問題が出ます。2次試験だと「事例IV」という最後の科目がこれにあたります。数字嫌いの文系でも、計算が苦手でも、最後まで付き合わなければならない科目です。
私は経理の仕事をしたことがなく、「貸方・借方とは何?」という初歩の初歩から簿記3級の勉強を始めました。この資格は、取っておいてよかったです。基本的な財務諸表の見方や、前払費用・未収収益などの「見越し・繰り延べ」などの概念を多少なりとも学ぶことができたからです。
簿記3級の取得には、およそ50~100時間の勉強が必要と言われています。私は全くわからないところからのスタートだったので、1日1時間で3か月、約90時間ほどかけました。実際の診断士試験の「財務・会計」は、簿記3級レベルの知識で問題なく解けるかというとそんなことはなく、より高度な問題が出てきます。でも、財務や会計の素人にとっては、簿記3級の知識がいくらかの手がかりになります。私は診断士試験の「財務・会計」に苦手意識を持ちつつも、どうにか1次試験も2次試験も合格点に達することができました。そのベースは、簿記3級と過去問です。
「診断士試験に挑むなら、簿記2級まで取得しておくのが望ましい」という声もよく聞きます。そこまで出来るのであれば、より良いとは私も思います。ただ、簿記2級の取得に必要な勉強時間は独学でおよそ200~300時間などと言われています。私はそこまで時間をかけることができませんでした。「財務・会計」を最初から学び始めるという方は、まず簿記3級を目指すというのはそれなりに合理的な方法ではないかと思います。
■ITパスポート
私は自他ともに認める「アナログ人間」です。仕事でも、ITに詳しい人に頼ってしまうことが多くあります。それでも、最低限のIT用語や仕組みを自分も知らなくては、と思って目指すことにしたのがITパスポートです。
診断士の1次試験でいうと、「経営情報システム」の科目につながる試験です。でも、それだけではありません。ITパスポートは出題範囲が非常に広いのです。
ITパスポート試験の公式サイトでは、このように説明されています。
新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です。
ここからわかるように、ITパスポート試験は中小企業診断士1次試験の「経営情報システム」だけでなく、ほかの科目とも重なる勉強ができます。
・経営戦略、マーケティング・・・「企業経営理論」
・財務・・・「財務・会計」
・法務・・・「経営法務」
といったように。
もちろん、一番関連が深いのは「経営情報システム」です。でも、診断士試験の勉強を本格的に始める前にカバーエリアの幅広さを体感するという意味でも、ITパスポート試験はおすすめです。
診断士試験の「経営情報システム」は毎年新たな趣向の問題が出てくるので、ITパスポート試験だけで対策が十分ということはありません。でも、この資格を持っていると診断士試験の問題集や過去問に出てくる用語や解説が全く理解できないということはなくなると思います。
ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は、初心者は約180時間、ITの基礎知識がある方で約100〜150時間程度と言われています。簿記3級と並ぶ、初学者向けのおすすめ資格です。
上位資格の「基本情報技術者」まで取得しておいた方がよいという意見もあるようです。こちらは、すでにベースとなる知識がある場合は50時間程度、情報処理の知識がない場合には200時間くらいと言われています。ITパスポート試験に合格してこの分野にもっと詳しくなりたいと思う方は、目指すのもよいかもしれません。ただ、診断士試験でIT関連が出題されるのは基本1次試験のみです。診断士試験に合格することを最優先とするならば、この分野に力を入れすぎるのはあまり得策ではないようにも思います。
■知的財産管理技能検定3級
難しそうな名前が出てきました。略して知財検定3級。知的財産に関する知識を問う試験です。上の2つに比べると知名度も受験者数もずっと下がると思いますが、これも私のおすすめ資格です。合格に必要な勉強時間は、50~100時間ほどと言われています。
診断士の1次試験で関連するのは「経営法務」。法務部での勤務経験も訴訟対応などの経験もない人にとって、難しい文言で書かれている法律は馴染みが薄く、苦手意識を抱きがちです。「経営法務」の科目で出題される主な分野は、会社法と民法、そして知的財産権です。知財検定は、名前の通り「知的財産権」とピッタリ符合する試験です。
「経営法務」の科目で一番取り組みやすく、得点を伸ばしやすいのが知的財産権だと言われています。知財検定3級は、私の感想では、診断士試験で出題される知的財産権の問題と内容・難易度がちょうど重なります。
これを押さえておくと、「経営法務」の勉強が進めやすくなります。知財分野は過去問で出題傾向を確認して間違えたところの知識をつけるぐらいで済み、もうひとつの柱・会社法に集中できるからです。法律が好きな人は民法までカバーできるとよいのでしょうが、知的財産権と会社法がしっかり対策できていれば、「経営法務」で60点の合格点超えを十分狙えると思います。
経営法務関連も、診断士試験で出題されるのは1次のみです。対策に時間をかけ過ぎないことも大事です。
■おわりに
中小企業診断士を目指す道筋は、人それぞれです。得意分野がある人は、そこを得点源にして総得点アップを狙えます。
でも、私のように「得意分野なし、苦手分野だらけ」という場合は、スタート時点で途方に暮れてしまうかもしれません。
そんな方に向けて、「まずは診断士の1次試験と関連が深い別の資格から取り組んでみる」という方法もあることをご紹介しました。多少でもご参考になれば嬉しいです。
次回は、イッズ さんの登場です。
お楽しみに!
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