過去問をしゃぶりつくせ! byつよぽん

タキプロ11期関西メンバーの「つよぽん」です。

みなさん、新型コロナウイルスの影響は大丈夫でしょうか。

本日は、「過去問を活用して勉強しよう!」と言うのは分かるけど、
具体的にどのように活用したらいいんだよ!と思われている方向けの内容です。

ちなみに、前回の投稿はこちら!

目次

過去問の活用方法

参考に昨年度の問題を抜粋しましたので、それで説明を行います。

~令和元年度1次試験(財務・会計)より抜粋~
第7問 負債の会計処理と開示に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 資産除去の義務を伴う有形固定資産を取得した場合、その資産の除去に要する支出額の割引価値を、資産除去債務として負債に計上する。

イ 支払手形や買掛金は、決算日の翌日から1年以内に支払期限が到来するかどうかを基準として、流動負債と固定負債に区分される。

ウ 主たる営業活動以外の取引から生じた未払額は、未払費用として負債に計上される。

エ 将来における大地震等の天災に備えて、災害損失引当金を
設定することができる。

ダメなパターン

アは、なんか難しい表現しているから、とりあえず保留。

イは、「ワン・イヤー・ルール」とかいうのがテキストに載ってたなぁ~。
とりあえず正解の候補にしよう。

ウは、未払額と未払費用で言葉も似てるし、これが正解かも!
でも、ひっかけという可能性もあるな~。

エは、「災害損失引当金」は聞いたことないな~、×っぽい。

という考えを巡らせた後、

「イ」か「ウ」のどちらかが合ってるだろう。答えを確認しよ!
あれ?「ア」が正解だった...

なんか難しい問題が正解だったし、正解できなくてしょうがないか。
次の問題で頑張ろ!

こんな思考していませんか??

ここまで極端なパターンは少ないかもしれませんが、近い考えをしている方はいると思います。
ちなみに、私はこのパターンに近かったです(笑)

望ましいパターン

知識が身についておらず、「イ」か「ウ」のどちらかが合ってるだろう。
と考えるところまでは、一緒で構いません。

大事なのはその後です!

「不正解の問題をしっかり分析すること」 これに尽きます!!

 

まず、選択肢イについて
「決算日の翌日から1年以内に支払期限が到来するかどうかを基準」は、
1年基準(ワン・イヤー・ルール)」で正しいのです。

しかし、支払手形や買掛金は、この「1年基準」が適用されるのでしょうか?

「正常営業循環基準」と「1年基準」

「企業会計原則注解・注16」には、以下の内容が記載されています。

~まずは、「正常営業循環基準」を適用~
受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。
~それでもダメなら、「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」を適用~
貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとする。
入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。

支払手形や買掛金は、「正常営業循環基準」が適用されるため、
選択肢イは不適切であると判断できます。

次に、選択肢ウについて
上記の「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」のところに、
企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金」記載があります。

そのため、選択肢に記載されている「未払費用」ではなく、「未払金」が正しいので、
選択肢ウは不適切であると判断できます。

さらに、選択肢エについて
引当金の理解が問われています。

引当金の考え方について

「企業会計原則注解・注18」には、以下の内容が記載されています。

~引当金の4要素とは~
①将来の特定の費用や損失の発生
が、②当期以前の事柄に起因し、③発生する可能性が高く④その金額を合理的に見積もることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。

はい。よく分からない言葉が4回も続きます。

「退職金(退職給与)」を例にお話しします。

①将来の特定の費用や損失の発生
退職する際、退職金をもらいますよね?
企業からすると、将来の退職時に発生する費用になります。

②当期以前の事柄に起因
退職金は、これまで働いてくれたことに対する対価のため、
これまでのこと(当期以前の事柄)に起因しています。

③発生する可能性が高い
今後も働いて退職するので、退職金の支払いが発生する可能性は高いです。

④その金額を合理的に見積もることができる
会社によって計算方法は多少異なりますが、ルールに則り、
当期の費用分として、合理的に計算ができます。

 

このように、4つの要素を満たしているか見極める必要があります。

選択肢エの場合、「将来における大地震等の天災に備えて」とあるので、
「②当期以前の事柄に起因」③発生する可能性が高い」該当しているとは言えないです。

よって、選択肢エは不適切であると判断できます。

試験問題の作り方とは!?

試験の作問者は、どのように試験問題を作っているのでしょうか。


過去問を参考に問題を作り上げています!(そのはずです)
1次試験はマークシートなので、受験者がどの選択肢を何%選択したか把握できます。


作問者からすれば、その選択率を読み解いて問題を改変し、正答率の予想をするはずです。
(私が作問者ならそうします。)

 

それを逆手に取り、どの部分を改変すれば、正解になるかという練習をしておけば、
自然と一次試験の演習になるので、本番で点数を伸ばすことができます。

 

本試験の問題に秘められた多くのヒント(選択肢)を活用して、
自分の知識を補強することが、過去問を解くことの本質
だと思います。

 

過去問はしっかり分析しましょう!

 

次回は「たけのしん」さんです。お楽しみに!!

それでは、つよぽんでした!

 

 

 

 

あれ?
「そういえば、選択肢アの説明は、しないんですか??」と思われた方、鋭いです!

アについて、「つよぽん」は、よく分からないので、簿記1級の範囲のため、時間を割いてまで覚える必要はないです。理解してなくても1次試験は合格できます。

どうしても気になる方は、「資産除去債務」で検索してみてください。

ちなみに、今回の問題は、消去法でいって、「選択肢ア」が残ったので、選ぶのがベターですね!

 

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