事例Ⅰで「まさかの最低点」!私が本番で失敗した理由と伝えたい教訓 by 真吉

タキプロ16期の 真吉 と申します。
本日のテーマは2次試験の事例Ⅰです。過去問に取り組んでいる方の中には、この科目は点数の振れ幅が大きく安定させるのが一番難しいと感じている受験生も多いのではないでしょうか?
実は、私自身がそうでした。2次試験本番では、事例Ⅰが一番手ごたえがあったにもかかわらず、結果は4事例中まさかの最低点。この悔しい経験から、「なぜこうなったのか」を徹底的に分析しました。今回は、私の「失敗事例」を通じて、皆さんが同じ過ちを繰り返さないためのヒントをお届けできれば幸いです。R6(令和6年度)の試験をまだ解いていない方もいらっしゃると思いますので、具体的な内容のネタバレにならないよう、汎用的な記述に留めています。安心して読み進めてください!
目次
■はじめに
はじめに、自己紹介を再掲させていただきます。
名前:真吉 (shin-kichi)
職種:製造業 → IT企業 → 製造業で企画や経理など
受験歴:1次試験1回、2次試験1回 (令和6年度合格)
勉強時間:1次838時間 + 2次372時間 = 1,210時間
勉強方法:独学のみ

キャリアとしては、事例Ⅰの論点である人的資源管理や組織論に関してド素人です。そんな素人の私が陥った失敗集をお送りします。
■失敗①事例Ⅰへの解像度が低かった
いきなり元も子もない話で恐縮ですが、私の試験当日時点での事例Ⅰに対する理解は、正直なところ付け焼刃で、十分な「血肉」にはなっていませんでした。これが「解像度の低さ」に繋がっていたのだと思います。
1次試験は知識の有無を問う部分も大きく、言葉の暗記だけで何とかなる問題も多々あります。しかし、2次試験は違います。あの長文の与件文から、短時間で設問のテーマに沿った、多角的かつ具体的な助言を複数導き出す、まるで「無茶ぶり」なテストです。合格するためには、「息をするように」人事・組織に関する助言ができる状態にまで持っていくことが理想です。
そのために有効なのは、単にファイナルペーパーに載っているキーワードを暗記するのではなく、その言葉が持つ本当の意味や、具体的な活用方法を自分の言葉で深く掘り下げることだと思います。自分の勤務先やニュースになっている企業を例に、「もしこの会社だったら、このキーワードがどう活かせるだろう?」と日常的に考える習慣をつけるのが効果的だと思います。
私自身、試験前はプレッシャーで視野が狭くなり、日常生活の中では診断士知識を踏まえた思考ができていませんでしたが、試験後は日常生活でも診断士知識を使って物事を考えるようになりました。実際に知識を活用することで、ようやく「血肉」として身についてきていると実感しています。ぜひ、机に向かって勉強している時間だけでなく、組織人の方は自社の組織表を見ながら、そうではない方もニュース等を見ながら、診断士知識を思い返して分析してみてください。暗記ではない思考の鍛錬こそが2次試験突破の近道だと思います!
■失敗②切り口 (またはレイヤー)に迷う・間違える
私は本番では幸いにも切り口やレイヤーの間違いは回避できましたが、これは事例Ⅰにおける「あるある」の失敗であり、一気に大失点につながりかねない最重要注意点なので、少しふれておきたいと思います。
「切り口・レイヤーの間違いって何?」と思われた方がいるかもしれません。これは、設問が求めている「視点」や「レベル」と、解答がズレてしまうことを指します。
例えば、「新たな成長戦略を実現するための人事戦略について、人事制度の観点から助言せよ。」に対して「社員の自主性を高めるために、部署横断のプロジェクトチームを増やすべきである。」という解答はズレています。部署横断プロジェクトは「組織構造や運用」の変更であり、それが「新たな成長戦略」にどう繋がり、具体的な「人事制度(評価、報酬、等級、異動など)」とどう整合するのかが不明瞭。人事戦略とは、企業の戦略目標達成に必要な人材を確保・育成・活用するための全体的な方針や、それを支える人事制度の設計を指します。この回答は求められるレイヤーと異なります。
詳しく知りたい方は、14期かものしかさんの記事の第一部の2-1を参照してみてください。2-2やその後の第二部は過去問の話が出てくるので、一通り過去問を解いた後に読みましょう。かなりの情報量なので、気合を入れて読んでください。
■失敗③与件文の罠にハマる「読み込み不足・誤読」
診断士2次試験の本番は、極度のプレッシャーがかかる特殊な状況です。そんな中で与件文を読んでいると、過去問ではあまり見かけない、毛色の違う奇妙な表現に出くわすことがあります。
まさに私は、この「違和感のある表現」に思考を大きく引っ張られてしまいました。時間制限のある中で、わずか一文のために無駄な思考を巡らせるのは致命的です。実際、その表現は解答に使う必要のない、単なる「ノイズ」だったのです。
さらに、本番の緊張から「極限の速読」に陥ってしまったことも痛手でした。ある人物の立ち位置が、何度読み返しても理解できないという事態に直面しました。時間配分との勝負であることは重々承知していましたが、焦りが冷静な読解力を奪ってしまった典型例です。
緊張による想定以上の速読は、読み飛ばしや曲解のリスクを劇的に高めます(私自身、両方やらかしました!)。限られた時間だからこそ、一文一文を丁寧に、そして冷静に読み込むことの重要性を痛感しました。皆さんも、この与件文に潜む罠には十分注意してください。
■失敗④設問解釈ミスからの「論理構成の破綻」
「こんなバカな失敗、まさか・・?」と、再現答案を見て愕然としました。設問では「どうやって●●の対策をするか?」と明確に問われているのに、解答の一部には「●●の対策をして▲▲を解決する」と書いてしまっていたのです。
これは、対策を問われているのに、無策な解答という致命的なミス。質問の意図と解答がずれてしまっています。普段の過去問演習では、このレベルのミスはしたことがなかったのですが、やはり本番には魔物が住んでいますね。
設問解釈を十分にしたつもりでも、極度の緊張下ではこんな単純なミスを犯してしまう。しかも、この▲▲もキーワード自体は正しいので、一見するとそれらしい文章に見えてしまうのが厄介です。
幸い、解答は4点を列挙して書いていたので、他の3つでいくらか点数はついたと思いますが、この1つに割いた貴重な文字数を無駄にしてしまいました。設問の問いかけに、一言一句漏らさず正確に答えることの重要性を改めて痛感した失敗です。皆さんも、本番では設問の「型」と「意図」を落ち着いて再確認することを強くお勧めします。
■なぜ失敗したのか、どう活かすのか
私の失敗談をいくつかご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? 中小企業診断士の2次試験は、本当に一筋縄ではいかない「魔物」が潜んでいます。私自身、手応えがあったはずの事例Ⅰで最低点を取るという悔しい経験をしました。
このブログを通じて、皆さんに伝えたかったのは、「失敗は避けられないもの」であり、「失敗からこそ、最大の学びが得られる」ということです。まだ、2次試験本番までは時間があります。事前に失敗すればするほど、本番ではきっと血肉となったスキルが役に立つことでしょう。私は独学で一度も摸試を受けてこなかったため、本番の緊張感もあり失敗してしまいました。これから本番まで模擬試験で思うような点数が取れなかったり、過去問が解けずに立ち止まってしまうこともあるでしょう。そんな時こそ、何がうまくいかなかったのか、なぜそうだったのかを冷静に分析してみてください。
中小企業診断士の試験は、合格すればゴールではありません。その先の診断士としての実務でこそ、多様な「分析力」や「失敗から学ぶ力」が試されます。2次試験は、そのための大切なプロセスであり、自己成長の機会にもなるでしょう。
■おわりに
ここまで読み進めてくださった皆さんは、きっと強い意志と向上心を持った方々だと思います!つらい時、くじけそうになった時は、一人で抱え込まず、仲間やタキプロメンバーを頼ってください。焦らず、目の前の一歩を積み重ねていけば、必ず力はついていきます。

失敗さえも糧にして、最後まで走り抜いてください!
次回は、りっきー さんの登場です。
お楽しみに!
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