【事例Ⅰ】戦略なき組織・人事は砂上の楼閣!byリブラ

タキプロ16期の リブラ と申します。
二次試験を受験したみなさま、本当にお疲れさまでした。
試験から約1か月経ち「いけるかもしれない…いや、ダメかもしれない…」と胸がざわついている方もいれば、気持ちを切り替え日常生活に戻っている方、すでに新しい挑戦を始めている方など様々かと思います。
今回は、来年こそ二次試験を制覇すると頑張っているみなさんへ
事例Ⅰを解くうえで絶対にブレてはいけない”黄金の法則”をお伝えします!
目次
■はじめに
まずは自己紹介の再掲です。
名前:リブラ
年齢:40代
職種:製造業(海外営業 → 調達 → 経営企画)
受験歴:1次試験3回、2次試験5回
勉強時間:1次試験 1,600時間、2次試験 1,400時間
勉強方法:1次=独学+通信(クレアール)、2次=独学+通信(MMCなど)
なぜ何度も落ちても受験を続けたのか?
その理由は、「他業界・他職種の優秀な方々と繋がる機会を得たかったから」です。
仕事だけではなかなか得られない視点や刺激を、診断士の世界で得られると信じて、走り続けました。
リブラの過去記事4本はこちら↓
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■「経営戦略」が事例Ⅰのいちばんのキモ
事例Ⅰは「組織・人事」の科目ですが、
真っ先に意識すべきは 経営戦略です。なぜなら、A社は例外なく、
- 外部環境の変化に直面し、
- 新たなビジョンを描きつつあるが、
- それを実現するには組織・人事の課題がある
という構造になっているからです。
ここで思い出したいのが、経営史に残るあの言葉。
「組織は戦略に従う」
(A.D. チャンドラー Jr.)
事例Ⅰはまさにこの一文がすべてと言っても過言ではありません。
■回答の方向性は戦略→組織/人事
回答の方向性はまずは戦略をどう取るか、そして、その戦略を具体化する組織、人事を考えます。
① A社が採ろうとしている“戦略”を読む
・”差別化集中戦略”でコア事業をつくりたいのか
・強みを活かし”関連多角化戦略”でシナジーを狙うのか
設問と与件から方向性をまずつかむこと。
② その戦略達成のための“組織・人事”課題を指摘する
・どの部署の不足がボトルネックか
・どういった人材を採用/育成すべきか
・どんな組織改編が必要か
・どんな組織とどう連携すべきか
この流れを意識すると、事例に対して自然と「戦略 → 組織/人事」のレイヤーが整った回答ストーリーが出来上がります。
■例)差別化集中戦略のストーリー
A社に柱となる事業がない場合、まず狙うのは 差別化集中戦略。
- ニッチ市場に経営資源を集中し、
- 高付加価値化で競争を避け、
- 柱となるコア事業を育てる
この戦略を回すには、
- 顧客ニーズを収集する営業機能の強化
- それを形にする開発力の強化
- 必要な人材の採用・育成
- 必要に応じた組織改編(営業部門新設、他社との連携など)
といった組織・人事上の施策が自然と導かれます。
これが、“戦略に従う組織”という考え方です。
■組織を動かす血液:バーナードの三要素
組織の形を整えただけでは機能しません。そこで登場するのが、組織論の父バーナード。
「共通目的・貢献意欲・コミュニケーション」
(C.I. バーナード)
事例Ⅰで助言を書く際は、バーナードの三要素を満たしているか必ずチェックしましょう。
● 共通目的
社長が新たな戦略を明確にし、全従業員へ共有。
M&A後のPMIや組織改編で特に重要となる要素です。
● 貢献意欲
社員のモラールを高める仕組み。
・公平な評価制度
・権限移譲
・OJT・研修
などがここに該当します。
● コミュニケーション
情報共有・連携を阻害するセクショナリズムの解消。
組織活性化の根幹となります。
この3つを押さえると、答案は一気に“深さ”が出ます。
■おわりに
事例Ⅰは「戦略×組織×人事」を結ぶ科目です。本番の試験では、いったい何を答えて良いかわからない設問が出てくることもありますが、今日お伝えしたチャンドラー(戦略) × バーナード(組織の要件)
の二本柱を常に思い出せば、迷いが驚くほど減ります。
これは試験に限らず、実務においても実感しているものです。
あなたの来年への第一歩、そしてその先の未来へ少しでも役に立てば嬉しいです。焦らず、でも確実に、力を積み上げていきましょう。
次回は、真吉 さんの登場です。
お楽しみに!
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