【事例II対策】「飲みづらいグラス」に秘められたLTV最大化戦略を読み解く by あおたろ

タキプロ16期のあおたろと申します。
本日のテーマは事例Ⅱです。
受験生時代に事例Ⅱの対策として普段から心がけていたことをご紹介したいと思います。
■はじめに
皆さんは事例Ⅱにどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私は、4つの事例の中で最も普段の生活や暮らしに近く、イメージのしやすい事例だと捉えていました(イメージしやすいというだけで、残念ながら、得点が高かったわけではありません)。
例えば、新商品やヒット商品のニュース、企業のマーケティング戦略や価格戦略、自分自身の購買行動など、事例Ⅱの内容に直接結びつく出来事が身の周りには溢れています。
私は普段からそれらの出来事に接するたびに、事例Ⅱ的なアプローチで分析することを心がけていました。
具体的な例として、ヤッホーブルーイングという企業を題材に、顧客生涯価値(LTV)の最大化について考えてみたいと思います。
■ヤッホーブルーイングとは
株式会社ヤッホーブルーイングは、長野県軽井沢町に本社を置く、クラフトビール専門の醸造・販売メーカーです。
独自のブランディングやポジショニングによる差別化、ECとリアルを活用したチャネル戦略、SNSによる顧客関係性強化などに優れ、事例Ⅱの主要テーマについて考えるうえで示唆に富んだ企業です。
ヤッホーブルーイングが開発した商品のひとつに「ゆっくりビアグラス」というユニークなビアグラスがあります。

砂時計のような形をしたビアグラスで、ビールが少しずつしか流れてこないようになっていて、あえて飲みづらくなるように設計されています。
適正飲酒に対する社会的な関心の高まりを受けて開発されたとのことですが、顧客生涯価値(LTV)の最大化という点でも、非常に効果的な商品だと感じました。
■顧客生涯価値(LTV)とは
顧客生涯価値(LTV)は、一人の顧客が生涯を通して企業にもたらす価値の合計のことで、下記の式で表現できます。
顧客生涯価値(LTV)=平均購入単価×粗利率×購入頻度×継続期間
※粗利率を入れずに計算する方法もあります。
そして、LTVを高めるためには、以下のような施策が重要となります。
- アップセルやクロスセルで、平均購入単価を上げる
- 独自ブランドで高付加価値化し、粗利率を上げる
- クーポン発行やDMで購入頻度を上げる
- 双方向交流で、顧客との関係性を強化し、離反を防ぐ
「1回の購入で10000円使ってくれるけど、年1回しか来店しない顧客」より、「1回の購入金額は500円だけど、毎週来店する顧客」のほうがLTVが高くなります。
LTVの最大化には、購入単価・粗利率・購入頻度・継続期間のバランスを最適化することが重要となります。
■「ゆっくりビアグラス」が高める顧客生涯価値
単純に考えれば、毎日ビールをたくさん飲んでくれる顧客ほどLTVが高まることになります。
しかし、当然ながら、毎日ビールをたくさん飲むような生活を続けると、健康に影響が出て、医者から飲酒を禁止されることになります。ドクターストップのかかった顧客はビールを飲んでくれなくなり、LTVの向上は見込めなくなってしまいます。すなわち、顧客の離反につながってしまいます。
この顧客の離反を防ぐという点でも、適正飲酒に配慮した「ゆっくりビアグラス」はとてもユニークであるといえるでしょう。
短期的な購入頻度を下げるリスクを背負ってでも、健康な顧客を維持し、長期的な継続期間を確保することで、結果的にLTVの最大化に繋げているのです。
そして、このようなユニークな商品を開発すること自体が、企業への信頼感やブランド価値を高め、ファンを増やすきっかけにもなっています。
■おわりに
いかがだったでしょうか?
一例として、ヤッホーブルーイングを取り上げましたが、事例Ⅱ的な視点で世の中を観察すると、参考になるケースはいくらでも転がっています。
皆さんもぜひ、日頃から「なぜこの企業はこれをするのか?(目的)」「LTVのどの要素に貢献するのか?(効果)」という事例Ⅱ対策のヒントを探していただければと思います。
次回は、たーりー さんの登場です。
お楽しみに!
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