[2次] (事例Ⅳ) 財務・会計の理解を深める (H25)

中小企業診断士を目指す皆様、おはようございます。がんちゃん/岩間 です。

2次試験の事例Ⅳは、ここ数年で出題傾向が変わったと言われています。特に、単に計算問題ができるというだけではなく、背景にある原理の理解を知らないと解きづらい設問も見られます。

そこで、財務・会計に関してより理解を深めるような学習をするとよいでしょう。
(もちろん「解法プロセスの確立」や「部分点を多く稼ぐコツの習得」などのテクニック面での対策も有効ですが、今は長期的に効果が高い方法で学習することをお勧めします。参考記事:『今は中長期的な施策に取り組みましょう』)

少しでも参考になればと思い、「事例を題材にして、財務・会計の理解を深める」という目的で、本記事では、平成25年度(植物工場)の事例に関する類題を載せます。

(平成25年度の過去問を解いていない方は、解いてから読み進めていただくことをお勧めします。)

 

◆平成25年度<植物工場>に関する類題

事例に関する類題を6問挙げます。事例を読みながら考えてみましょう(目安:20分〜30分)。

◆Q1(第2問設問1に関連)

植物工場における減価償却費を、250%定率法で償却した場合と、200%定率法で償却した場合について、5年間の営業キャッシュフローの累計額が多くなるのはどちらですか? また、それはなぜですか?

◆Q2(第2問設問1に関連)

植物工場において、損益分岐点分析を税引前利益レベルにおいて行うことを考えます。第1期の損益分岐点売上高はいくらになりますか?
また、第2期以降の損益分岐点売上高は、第1期と比べて、増加・減少のどちらになりますか? それはなぜですか?
(なお、植物工場における減価償却費は、定額法により償却するものとします。)

◆Q3(第2問設問1に関連)

D社は別会社として植物工場を設立しました。仮に、D社内に植物工場を設立する場合、5年間の営業キャッシュフローの累計額は、別会社として設立するする場合と比べて、大きい・小さいのいずれになるでしょうか?
(なお、D社全体としては、十分な利益があることを前提とします。)

◆Q4(第2問設問1に関連)

本試験の設問1において、5年間の営業キャッシュフローを求める際に、欠損金の繰越控除を考慮しませんでした。仮に欠損金の繰越控除を行った場合、5年間の営業キャッシュフローの累計額は、大きい・小さいのいずれになるでしょうか?

◆Q5(第2問設問1に関連)

本試験の設問1において、5年間の営業キャッシュフローを求める際に、貨幣の時間価値を考慮しませんでした
仮に、5年間の営業キャッシュフローの現在価値を算出した場合を考えます。減価償却費を定額法を用いて償却した場合と、200%定率法を用いて償却した場合とでは、節税効果額の現在価値はどちらが大きいでしょうか?(簡単のために、第1期には赤字が生じないものと仮定し、第1期〜第5期全てに 減価償却費×税率 だけの節税効果が発生するものとします)

◆Q6(第3問に関連)

品質原価の4分類(予防原価、評価原価、内部失敗原価、外部失敗原価)のそれぞれは、一般に、変動費・準変動費・固定費のいずれとされていますか?

 

◆アプローチ

ここから類題に対するアプローチを説明します。

◆A1(250%定率法と200%定率法での営業CF累計額の比較)

  • 第1期は損金が発生するため、節税効果が働かず、節税効果は第2期〜第5期に生じる
  • 200%定率法の方が、第2期〜第5期の減価償却費が多いため、第2期〜第5期の節税効果が大きい
  • 200%定率法の方が、5年間の営業キャッシュフロー累計額が多い

◆A2(損益分岐点売上高)

  • 第1期の損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)=(18+2+20)÷(1−30%)=57.14百万円
  • 第2期以降は、第1期に比べ、損益分岐点売上高は減少する。
    理由は、支払利息が減少することにより、固定費が減少するため。

◆A3(D社内に植物工場を作る場合)

  • D社内に植物工場を作る場合、
    • D社全体に十分な利益が出ているため、第1期に欠損金は発生しない
    • そのため、減価償却費の節税効果は第1期〜第5期に生じる
  • D社内に植物工場を作る場合、別会社とする場合に比べて、節税効果は大きくなるため、5年間の営業キャッシュフローは多くなる

◆A4(欠損金の繰越控除を行う場合)

  • 第1期の欠損金を翌年以降に繰り越すことにより、(欠損金の繰越控除を行わない場合に比べて)、5年間で第1期の(CIF−COF)×税率の現金支出が生じるとともに、同時に第1期の節税効果が生じる
  • つまり、5年間の営業キャッシュフロー累計額は、(欠損金の繰越控除を行わない場合に比べて)次の a+b だけ増加する。
    1. −(第1期CIF−第1期COF)×税率
    2. +第1期減価償却費×税率
  • ここで、第1期は欠損金が生じていることにより、CIF−COF+減価償却費<0 となるため、a+b>0となる。
  • 従って、5年間の営業キャッシュフロー累計額は、欠損金の繰越控除を行わない場合に比べて増加する。
    (増加額は、①定額法の場合:5百万円×40%=2百万円、②200%定率法の場合:25百万円×40%=10百万円)
  • なお、5年間の営業キャッシュフロー累計額は150.4百万円。導出過程は次のとおり。
    • 5年間の(売上高−現金支出費用)の累計額:184百万円
    • 5年間の法人税支払額の累計額:73.6百万円(=184×40%)
    • 5年間の節税効果額:40百万円(=減価償却費累計額100×40%)
    • 5年間の営業キャッシュフローの累計額:150.4百万円(=184−73.6+40)

◆A5(貨幣の時間価値を考慮した場合の節税効果の現在価値)

  • 近い将来と遠い将来とでは、近い将来の方が割引率が低い
  • 200%定率法では、より早期の減価償却費が高いため、より近い将来に節税効果が生じる
  • 200%定率法では、より多くの節税効果が生じる

◆A6(4つの品質原価の性質)

  • 変動費:内部失敗原価、外部失敗原価
  • 準変動費:評価原価
  • 固定費:予防原価

 

◆お疲れさまでした。

類題に取り組んだ方は、お疲れさまでした。取り組んでいない方も、平成25年度の事例を解いたあとに、この記事をお読みいただければと思います。
(※解説が不足している点があるかと思いますが、記事のスペースの都合上、ご了承いただければ幸いです)

筆者は、事例Ⅳを学習する際には、時間の許す限り、このように類題を作って解いていました。
そして、私の勉強仲間には「平成24年度(温泉旅館)の事例で、1年目に赤字が生じていることに着目し、法人税がゼロとなることや、節税効果が生じないことを考えていた。それのおかげか、平成25年度(植物工場)の本試験では、第2問設問2ではすぐに答えに辿りつけた」という方もいます。

これは「学習段階で色々な角度で考えておくことによって、知識の引き出しが増えていく」ということだと思います。

また、この学習方法は、2次試験までに日数がある今だからこそできるものです。

ぜひ試してみて下さいね。(今後、引き続き平成24年度、平成23年度・・・と載せていく予定です)

以上、がんちゃん/岩間 でした。

 

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・6/18(水) 19:30~21:45 京橋区民館                                                       題材:H25<1次>経済学・経済政策
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