「運営管理」でつまずかない|苦手科目の乗り切り方 by じま

タキプロ16期の   じま と申します。  

私は公務員として19年間(県庁11年+市役所8年)働いた後、民間企業で新規事業の企画・開発に携わり、新規事業で農業ベンチャーを設立しました。中小企業診断士には、2025年5月1日に新規登録しました。

現在は、公務員時代の行政経験を活かしつつ、中堅・中小企業の経営全般、新規事業企画や補助金活用を中心に支援していきたいと考えています。また、農業分野にも関心があり、大阪泉州を拠点に、農業参入や遊休農地活用のサポートも行っています。

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■はじめに

中小企業診断士の一次試験7科目のなかでも、得意・不得意が分かれやすいのが「運営管理」ではないでしょうか。
「工場の話は苦手…」「店舗運営ってよく知らない…」そんな声もよく聞きます。

この記事では、製造業・小売業どちらのバックグラウンドもない自分が、なんとか 62点で乗り切った 経験をもとに、「運営管理」の勉強法と割り切り方をまとめました。
ちょっとした興味の持ち方、計算問題への向き合い方、本番90分の時間配分まで。
苦手意識のある方にこそ読んでいただきたい内容です。

■ちょっと苦手なこの科目

「運営管理が大好きだ」という人は、おそらく少数派ではないでしょうか。
というのも、この科目は「生産管理(製造業)」と「店舗・販売管理(商業)」の二部構成になっていて、たとえば製造業に携わる方にとっては店舗や販売の話がピンとこないし、商業関係の方にとっては工場の話が難解に感じる。まして、どちらにも縁のない業種の方にとっては「聞いたことのない言葉ばかり」と感じるかもしれません。

でも、ちょっと視点を変えてみると、面白くなる可能性もあります。
たとえば店舗管理の分野では、「人は正面以外の視野が極端に狭い」「人の目は自然とこの高さに向く」といった、ヒトの構造や意識のクセを知ることで、店舗レイアウトや陳列の工夫が見えてくる。
生産管理も、工程や作業分析を通して「どうすれば人がより楽に、早く、ムダなく働けるか」という人間中心の改善の知恵が詰まっています。

問題を「答えを出すもの」とだけ捉えるのではなく、「人に興味を持つもの」として学ぶと、少しは運営管理が楽しくなるかもしれません。

■科目の特徴と出題傾向

運営管理は、実務との結びつきが強く、かつ一次試験の中でも比較的出題傾向が安定している科目です。

特徴的なのは、図表や計算問題の多さ。作業分析図やレイアウト図、品質管理のグラフなどが出題されます。これは単なる暗記では対応しきれず、「理解」や「見て慣れる」ことが大切です。

また近年のトレンドとして、

  • 生産管理では「IoT」「スマートファクトリー」「ロボット導入」などの新技術、
  • 店舗管理では「セルフレジ」「無人店舗」「ECとの融合(オムニチャネル)」などのデジタル化

といったキーワードも選択肢に出てきます。

■対策の方向性

(1)生産管理編 〜「作る現場」の全体像をつかむ〜

生産管理は、製造業におけるモノづくりの計画・実行・改善を体系的に学ぶパートです。工場勤務の経験がないとピンとこない用語も多いですが、「効率よくムダなく作るにはどうすればいいか?」という視点で学ぶと理解が進みます。

出題されやすいテーマは以下の通り:

  • IE(インダストリアル・エンジニアリング)
    時間研究、動作研究、標準時間の設定、稼働分析など。作業図(フロム・チャートや運搬図)に慣れておくと有利です。
  • 生産方式の違い
    ロット生産、セル生産、ライン生産、個別生産などの特徴とメリット・デメリットを押さえることが重要。トヨタ生産方式(JIT、かんばん方式、平準化など)は頻出です。
  • 工程管理・スケジューリング
    ガントチャート、負荷計画、日程計画。どの工程がボトルネックか?といった問題が出ます。
  • 品質管理(QC)とTQM
    パレート図、ヒストグラム、管理図など「QC七つの道具」は鉄板。特にグラフの読み取り問題は練習して慣れておきましょう。
  • 設備管理・保全
    TPM(全員参加の保全)、故障率、MTBF・MTTRなど。定期保全と予防保全の違いにも注意。

💡学習ポイント:
・計算やグラフ問題は、色々解いてみて慣れる
・生産方式やレイアウトの違いは「現場の作業性をイメージ」しながら覚える
・テキストと過去問をセットで使い、図を描くトレーニングを習慣にする


(2)店舗・販売管理編 〜「売る現場」を観察しながら学ぶ〜

小売業やサービス業の視点から、店舗運営や販売促進を扱うパートです。商業系の方には比較的親しみやすいですが、「実務と試験は少し違う」ので、用語の正確な理解が必要です。

出題頻度の高いテーマは以下の通り:

  • マーチャンダイジング(MD)
    商品の構成・管理手法、ライフサイクルと品揃え、SKU、フェイス管理など。用語問題が頻出。
  • 店舗レイアウトと陳列技法
    グリッド型/自由型/ループ型などのレイアウトパターン、陳列(エンド陳列・アイランド陳列)など、人の視線や行動心理を考慮した出題が多くなっています。
  • 販売促進とプロモーション
    POP広告、プレミアム、値引き、ポイント制度など。販売心理との関係もよく問われます。
  • 在庫管理
    定量発注方式・定期発注方式・EOQ(経済的発注量)、ABC分析など。ここも軽い計算問題が頻出。
  • 情報システム活用
    POS、RFID、EDI、CRM、オムニチャネル。流通業のDXを意識した出題が近年増えています。

💡学習ポイント:
・身近な店舗の観察(スーパーマーケットやコンビニ)で学びを定着させる
・「人間の動き」を意識した問題は出題者の意図を想像してみる
・定番用語の意味と違い(例:POSとPOP)はきっちり押さえる

■本番90分の使い方と「捨てる勇気」

試験は90分で約45問。つまり1問あたり2分。
時間配分のコツは「即答できる問題を先に、計算問題は後回し」。たとえば:

  • 知識問題(30分で一巡)
  • 計算・図表問題(40分)
  • 見直し(10〜20分)

あまりにも苦手な方は「計算問題を捨てる」という選択肢もあります。

一次試験は合格してこそ意味を持ちます。実務では落ち着いて資料を見たり、人に聞いたりして対応できます。だから、どうしてもわからない・時間がかかる問題は、潔く“捨てる”もしくは、時間が余ればチャレンジするというのも良い戦略ではないでしょうか。

私の点数と割り切り方

最後に、私自身の体験をお伝えします。
私は一次試験のほぼ全ての科目を難易度別に次のように分類して乗り切ろうと決めていました。

  • 難易度低:「これは正解できる」問題が40%(正答確率8割正答) → 32点
  • 難易度中:「2択までは絞れる」問題が50%(正答確率5割正答) → 25点
  • 難易度高:「もうわからない」問題が10%(正答確率2割) → 5点
    合計:62点

そんな私の「運営管理」の点数はまさに 62点。決して高得点ではありませんが、合格水準です。

■まとめ

  • 「運営管理」は製造と小売のミックス科目。
  • 苦手意識を持つのは自然なこと。
  • ヒトの行動や目線に興味を持つと、学びが実務にもつながって面白くなる。
  • 本番では「即答問題・計算問題・見直し」と時間を分けて使おう。
  • 計算問題は“捨てる”のも戦略。完璧主義よりも合格主義。
  • 自分の得点イメージを持って、60点超えを目指す!

次回は、ジュヌヴィエーヌ さんの登場です。 

お楽しみに! 

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