事例Ⅲはシンプル!出題の意図を掴め!byたいへいよう

事例Ⅲ

タキプロ16期の   たいへいよう と申します。  

■はじめに

みなさま、こんにちは。たいへいようです。4回目の投稿となる今回は、2次試験の事例Ⅲについて、私なりの攻略法をお伝えいたします。

2次試験、さまざまな合格に向けた戦略がありますが、私は全ての事例で60点を下回らない解答を構築するように挑み、事例Ⅲでは66点でした。

今回は出題の趣旨という、試験対策的にはやや抽象的な内容になります。

みなさまの合格の一助となれましたら幸いです。

プロフィール

名前:たいへいよう
年代・性別:20代・男性
職種:ベンチャー企業勤務
受験歴:1次 1回、2次 1回
勉強時間:1次 約450時間、2次 200時間
勉強方法:独学
得意科目:1次/企業経営理論、2次/事例Ⅲ

■2次試験に共通する対策法

私が2次試験全体を通して意識していたのは、出題者の望む答えに近づけることと、出題者の嫌がる答えは絶対に避けることです。与件の社長と、作問者の気持ちに寄り添う解答を作成しましょう。

与件の社長の想いや気持ちが絶対で、次に作問者の意図が優先されます。作問者の意図にない解答でも、与件の社長に寄り添っていれば、点数は入ります。解答を作成する上で、自分の気持ちは与件の社長や作問者に劣後することを必ずおぼえておいてほしいです。

また、事例Ⅲでも解答の型をつくっておくことや、キーワードの蓄積はかなり有効です。

キーワードや解答の型については、こちらの記事などを参考にしてみてください。

■令和6年度の事例Ⅲについて

令和6年度の試験では事例Ⅲの傾向が大きく変わっていました。極端に言えば、令和5年度以前は、与件文に「C社は在庫管理ができていない」と書かれていれば、解答には「在庫管理をできるようにする」と書けば点数の入る試験でした。

しかし、令和6年度は与件文にヒントが少なく、C社は改善すべきことにほとんど取り組んでいるといった状況でした。与件文を読み終わったあと、何を書けばいいんだろうと困りました。実際、とある予備校の試験講評では自由作文のような問題であると酷評されていました。


確かに何を書けばいいのか難しい試験でしたが、出題の趣旨を汲み取っていれば、今年もこの傾向が続いたとしても解答を大きく外さないのではないかとおもいます。


これは推測ですが、試験をより実務に近づけたいという意図もあったかもしれません。2次試験の対策としてよく言われることに、課題と問題点の切り分けがあります。

問題点とは、現状ダメなところや改善すべきところで、課題とは、今後よりよくできるポイントといったイメージです。のちの章で述べますが、問われているのは問題点ではなく課題です。

私は新卒からベンチャー企業の勤務で、入社当時は10人程度の会社でしたので、事例Ⅲの過去問を解いている際に、「マニュアルを作る」などと解答を書くときがありますが、自分しかしない作業のマニュアルを作っても読む人なんていないよ、とおもっていました。

あくまで私が勝手に感じていることですが、中小企業はリソースが限られていますから、問題点があっても解消せず放置すべき場面が往々にしてあります。それよりも課題を達成し、利益を向上させることに、試験上でも重きが置かれるようになったのではないでしょうか。

令和6年度の試験では、協会の求める中小企業診断士像は、今後の企業をよりよくするために伴走支援をする者であると、はっきりと宣言されたような印象を受けました。

■事例Ⅲで問われていること

直近の2年度の事例Ⅲは大まかに区分すると、第1問で強みが聞かれ、第2問から第4問にかけてQCD等の生産管理に関する事柄が問われ、最終問題は経営戦略について問われるという流れとなっています。

2次試験は、解答の公表はありませんが、出題の趣旨については公表されています。

以下、令和6年度の事例Ⅲの出題の趣旨を確認してみましょう。

第 1 問(配点 20 点)
C 社の強みについて、分析する能力を問う問題である。

第 2 問(配点 20 点)
コロナ禍以降の増加傾向にある受注量に対応するための C 社製造工程の課題を整理し、
生産能力向上を図る工程改善の進め方について、助言する能力を問う問題である。

第 3 問(配点 20 点)
受注量の増加や納期短縮要請などの影響で混乱している C 社製造部の工程管理業務の課
題を整理し、その改善の進め方について、助言する能力を問う問題である。

第 4 問(配点 20 点)
最近の材料費や人件費の高騰に対応するために、C 社の原価管理および契約プロセスな
どの課題を整理し、顧客企業との価格交渉を円滑に行うために必要な社内の事前対策につ
いて、助言する能力を問う問題である。

第 5 問(配点 20 点)
小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業と直接契約し、自社企画
の製品を設計、製造することで事業を拡大しようとする C 社社長の構想について、C 社の
経営資源の課題などを整理し、成功するために必要な推進方法を助言する能力を問う問題
である。

『令和6年度「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ」の出題の趣旨』より引用

そして、問題文は以下の通りです。

第 1 問(配点 20 点)
 C 社の強みを 80 字以内で述べよ。

第 2 問(配点 20 点)
 コロナ禍以降増加傾向にある受注量に対応するため、C 社製造部では工程改善に
よって生産能力の向上を図る検討を進めている。どのように工程改善を進めるべき
か、100 字以内で助言せよ。

第 3 問(配点 20 点)
 C 社では、受注量の増加や納期短縮要請などの影響で製造部の工程管理が混乱して
いる。どのように工程管理業務を改善するべきか、その進め方を 100 字以内で助言せ
よ。

第 4 問(配点 20 点)
 C 社の顧客企業との契約金額は、最近の材料費や人件費の高騰に対応した見直しは
行われているものの、現状のコスト高には対応できていない。今後、顧客企業と価格
交渉を円滑に行うための社内の事前対策を 120 字以内で助言せよ。

第 5 問(配点 20 点)
 C 社社長は、小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業と直接
契約し、自社企画の製品を設計、製造することで事業を拡大したいと考えている。こ
の新しい事業展開を成功させるにはどのように推進するべきか、120 字以内で助言せ
よ。

令和6年度第2次試験問題(事例Ⅲ)より引用

第1問については、C社の強みを分析する問題です。これは、与件に記載してあるものをそのまま抜き出せれば、満点に近い点数が取れます。解答文字数分の強みが必ず与件文の中に隠れているので、強みを抜き出して文字数が足りなければ、自分で考えるのではなく、与件文の中から必死に探してください。

着目してもらいたいのは、第2問から第5問までのすべての問題が、「課題を整理」し、その課題を達成するために「助言する能力を問う問題」となっていることです。

その課題の内容は、基本的に問題文に書いてくれています。たとえば、第2問では「工程改善によって生産能力の向上」を図ることが課題です。そして、解答に書くべき内容は、その課題を達成するための助言となります。参考になるかわかりませんが、私の昨年の再現答案が以下になります。14点くらいは取れているのではないかとおもっております。

①ラインバランシングを行い作業平準化で製缶工程の負荷軽減②負荷多い工程の作業一部外注③採用で増員④教育での標準化、生産設備追加などで生産能力、効率を向上させ工程改善し、受注量増加に対応、納期遅れ防ぐ。

大したことは書いていませんが、助言としては課題に対しての基本的な対応策を盛り込めば点数が取れます。

ほかの問題も同様に見てみると、第3問では「工程管理業務を改善」することが課題で、第4問では「顧客企業と価格交渉を円滑に行う」ことで「コスト高に対応」することが課題です。

第5問では「①小規模の工場施設や物流施設の新設や更新を計画している企業と直接契約し、②自社企画の製品を設計、製造することで③事業を拡大」することが課題です。①と②と③と番号を振って、分割してみました。このように課題をさらに細分化して捉えてみるのも、解答の指針を立てるのに役立ちます。

まとめると、事例Ⅲで問われていることは、第1問ではC社の強み第2問以降では課題に対する達成方法です。課題は問題文に書いてくれていますから、出題の趣旨をしっかりと掴んでいれば、大きく解答を外してしまうことはないはずです!

■おわりに

1次試験を受かったみなさまは、事例Ⅲの解答を作成するのに十分な知識は必ず持っています。出題の趣旨を汲んで、与件に寄り添った解答ができれば60点を超えられるはずです!

残り1か月と少し、悔いのないようにがんばりましょう!

次回は、しろ さんの登場です。 

お楽しみに! 

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