経営法務を乗り越えよう by ののの

 タキプロ16期の   ののの と申します。  

 6月になり、1次試験当日まで2カ月を切り、学習がなかなか思うように進まず焦っておられる方もいらっしゃるかと思いますが、まだまだ大丈夫です。追い込みは効きますので頑張りましょう。

 

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■はじめに

 経営法務は、2次試験には直接関係なく、苦手の方も多い科目で、学習のモチベーションも上がらないと思いますが、インプットとアウトプットのバランスを考えて進めて頂き、60点以上を目指しましょう。

 2日目の1科目目(全体の5科目目)になります。前日の疲れも残っていますが、2日目の良いスタートを切ってもらい、1次試験を乗り越えて頂きたいと思います。

■位置付け

 過去5年間の科目合格率は、約12%~約26.9%の間で推移しています。
 お勧めの学習法は、過去問を何度か解いて、知識の定着が出来ていない部分をテキストに戻って確認して知識の定着を図る学習法がお勧めです。よく似たものをきちんと整理しましょう。また、他の科目の進捗具合を考えて経営法務の学習の力の入れ具合を決めたら良いかと思います。

 私個人は、特に苦手意識はなかったので、他の科目の隙間に学習してました。2回受験しましたが、60点(令和2年度)、64点(令和4年度)と自分では納得の結果でした。

 頻出する問題としては、会社法、知的財産権、民法、独占禁止法などがありますが、今回は、知的財産権のうちの産業財産権について考えてみたいと思います。

■知的財産権

 知的財産権の中で大きく分けると、以下にまとめた産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)と著作権等とに分類されます。著作権、著作人格権、著作隣接権、不正競争防止法(営業機密)、種苗法(育成者権)は、以下の通りです。

分類名称内容・特徴
作権著作権(財産権)小説・音楽・写真・映画・プログラムなど、創作的表現の保護。登録不要で創作時から発生。
著作者人格権公表権・氏名表示権・同一性保持権著作者の人格的利益を保護する権利。譲渡不可・相続可。
著作隣接権実演家・放送事業者・レコード製作者の権利表現に関与した者への保護(例:歌手・俳優・放送局など)
育成者権育成した植物の新品種を保護農作物や花の品種改良に基づく権利(種苗法)
営業秘密(不正競争防止法)ノウハウ・顧客情報など保護要件:秘密管理・有用性・非公知性(営業秘密の三要件)
パブリシティ権(判例上の権利)有名人の肖像・氏名の商業的価値を保護法律に明記されていないが裁判上認められる人格的財産

■産業財産権

 産業財産権の相違点は、以下の通りです。

項目特許権実用新案権意匠権商標権
保護対象発明(高度な技術的アイデア)考案(簡易な技術)物品・建築物・画像のデザイン商品・サービスの識別標識(ロゴ・名称など)
審査実体審査あり実体審査なし(形式審査のみ)実体審査あり実体審査あり
登録までの期間長い(審査請求・中間処理あり)短い(スピーディーに登録可)中程度(審査を経て登録)中程度(審査を経て登録)
存続期間出願日から20年出願日から10年出願日から25年登録日から10年(更新可・半永久)
更新の可否不可不可不可可能(10年ごとに更新)
利用の制限独占排他利用技術評価が必要な場面あり同一・類似意匠に制限類似商標の使用を制限
特徴高度な技術的価値/審査厳格簡易で早く取得可/技術評価書あり視覚的創作物の保護/広範囲な意匠に対応ブランド保護/永続的保護が可能

■特許権

特に重要な特許権の主な論点は、以下の通りです。

・特許の要件

 ①産業上の利用可能性、②新規性、③進歩性、④先願の発明。

・出願公開制度

 出願日から1年6カ月経過後、出願公開される。また、出願人の請求により1年6カ月経過前でも公開可能。

・職務発明

 特許を受ける権利は、原則として発明者(従業員)に帰属。使用者(企業)は通常実施権を取得。就業規則等で定めているときは、発生したときから企業に帰属。また、そのとき従業員は、相当の利益を受ける権利を有する(相当の金銭その他の経済上の利益を受けられる)。

 ・先使用権

 特許の出願時に、当該発明の実施等を行っている者で要件を満たす場合は無償で当該発明を実施できる事。その要件は、①自ら発明した事(善意の発明者から知り得た場合も含む)、②事業またはその事業の準備をしている事、③事業を継続している事。

・存続期間

 登録により特許権は発生、出願の日から20年存続、更新不可

■実用新案権

・保護対象

 物品の形状・構造・組合せに限定(※プロセス・方法・化学式などは不可)。

・登録要件

 ①産業上の利用可能性、②新規性、③進歩性、④先願の考案、⑤公序良俗に反しない

・審査方法

 方式審査と基礎的要件の審査のみで実体審査は行われない(特許権と異なる)。

信頼性が劣るため技術評価書(他人に差止や損害賠償などする場合に必要)で客観的評価。
・出願後の変更や補正

 実用新案から特許への変更は一定期間内なら可能(逆は不可)。登録後の補正は範囲限定的(特許より厳しい)。

・存続期間

 出願の日から10年延長、更新は不可。 

■意匠権

・保護対象

 物品・建築物・画像の美的外観

・登録要件

 ①工業上の利用可能性、②新規性、③創作性、④先願の意匠

・関連意匠

 「本意匠」に類似したデザインを関連意匠として登録可。

・効力

 見た目が同一、または類似の意匠にまで効力が及ぶ。

・存続期間

 出願日から25年存続。

■商標権

・定義

 自己の商品・サービスと他人のそれを区別するための識別標識

文字、図形、記号、立体、色彩、音、動きなど。

・要件

 自他商品、役務識別力がある。一般的名称は、認められない
他人の登録商標に類似するものも、登録できない。

・効力

 指定商品・役務の範囲内のみで発生。

・存続期間

 登録日から10年間存続、10年ごとに更新可能

・不使用取消制度

 日本国内で継続して3年以上使用していない時に、取消請求を受ける可能性あり

■おわりに

 経営法務では産業財産権は重要な論点です。特許権を中心に、実用新案権や意匠権、商標権との違いを整理していきましょう。悔いのないようお過ごしください。

次回は、のんびり さんの登場です。 

お楽しみに! 

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