【財務・会計】二次試験も見据えたリース取引 by リブラ

皆さん、こんにちは。
タキプロ16期のリブラと申します。
一次試験を終えて、二次試験の勉強を始めている方、気持ち新たに一次試験の勉強を再開している方、
しばらく机に向かうのはやめて休息している方、この時期は、悲喜こもごもかもしれません。
そんな時期に、一次試験にも二次試験にも効果のある読み物として、今回は「財務・会計」の中から
リース取引についてお届けいたします!
■はじめに
まずは簡単に自己紹介をさせてください。
名前:リブラ
年齢:40代
職種:製造業(海外営業 → 調達 → 経営企画)
受験歴:1次試験3回、2次試験5回
勉強時間:1次試験 1,600時間、2次試験 1,400時間
勉強方法:1次=独学+通信(クレアール)、2次=独学+通信(MMCなど)
なぜ何度も落ちても受験を続けたのか?
その理由は、「他業界・他職種の優秀な方々と繋がる機会を得たかったから」です。
仕事だけではなかなか得られない視点や刺激を、診断士の世界で得られると信じて、走り続けました。
リブラの過去記事はこちら↓
【事例Ⅱ】与件文を読む際の「眼力」養成講座!by リブラ
【診断士受験は道具と本で変わる!】合格を支えた神ツール&思考を深める本たち by リブラ
■リース取引
中小企業診断士一次試験の「財務・会計」。
中でも“リース取引”は、毎年のように出題される定番テーマです。
特にファイナンスリースとオペレーティングリースの違いは、一次試験でしっかり押さえておくべき論点。
でも実はこのテーマ、単なる暗記で終わらせるにはもったいないんです。
二次試験や、将来あなたが支援するかもしれない中小企業の経営判断にも直結する、かなり“リアル”な知識です。
今回の記事では、基本の違いから試験対策、そして中小企業の実務やIFRS(国際会計基準)の話まで、まとめてみました。
■リース取引の基本をざっくり整理!
ファイナンスリースとは?
簡単に言うと「借金して買ったのとほぼ同じ扱い」です。
・所有権は形式上リース会社にありますが、実質的には借り手のもの
・中途解約は原則NG、契約期間も長め
・会計処理では、資産と負債を両方計上します
・リース料のうち「利息部分」は支払利息、残りは減価償却として費用処理
オペレーティングリースとは?
こっちは「レンタル」に近いイメージです。
・所有権は貸し手側にあって、借り手は使うだけ
・契約期間も比較的短く、解約も柔軟
・リース料はすべて費用として処理、資産計上は不要(ただし後述のIFRSは例外)
■試験対策のポイント
一次試験では、どちらのリースかを見極めて、適切な仕訳や会計処理を選ぶ問題がよく出ます。
・ファイナンスリースは「資産+負債」→ 減価償却費・支払利息が発生
・オペレーティングリースは「全額リース料」→ 期間費用で処理
選択肢の違いは、PLやCF計算書にも関係してきますので、仕訳と財務諸表のつながりを意識して覚えましょう。
■二次試験でどう役立つ?
二次試験の事例企業は、資金繰りに困っていたり、設備更新を検討していたり…といった状況がよく出てきます。
例えば、
「資金がないけど新しい機械が必要」→ ファイナンスリースで対応?
「市場変化が早くて、機械をすぐ更新したい」→ オペレーティングリースの方がいい?
といった経営判断の裏にあるリース活用の判断がもしかしたら、記述などで出題されるかもしれません!?
こうした部分に気づけると、「お、この人ちゃんと経営の視点で考えてるな」と評価されるかも!?
■中小企業の現場ではどう使われてる?
実務でもリースはかなり身近な存在です。
特に中小企業では、設備投資の資金が限られていることが多く、「買う」よりも「借りる」方が現実的。
ファイナンスリースのメリット
・手元資金が少なくても設備導入ができる
・実質的に“自社資産化”できる
・でも負債が増えるため、銀行評価には注意が必要
オペレーティングリースのメリット
・会計上はオフバランス(資産・負債に載らない)
・メンテナンスや入れ替えの手間が少ない
・特にIT機器や車両など、更新サイクルが早いものと相性◎
つまり、資金繰り・資産管理・更新頻度などを考えながら、リースの種類を選んでいるのが現場の実態です。
■ちょっと未来の話:IFRSの影響って?
ここで少し将来の話も。
2019年に施行されたIFRS第16号(IFRS16)では、すべてのリースを原則として「資産・負債」に計上することになりました。
つまり、オペレーティングリースでも「オフバランスではなくなる」のです。
「でも中小企業はIFRS関係ないでしょ?」と思うかもしれませんが、実はじわじわ影響が出ているようです。
・親会社が上場企業の場合 → IFRSベースでの報告を求められる
・地銀や信金の与信判断で、オフバランス債務も重視されるように
・将来、中小企業向けの簡便な会計基準でも、実質的所有を重視する傾向が広まる可能性
つまり、「どうせオペリでいいじゃん」とは言えなくなるかも?
今のうちに「見えない借金」への感度を持っておくと、実務でも強みになるでしょう。
■おわりに
リースの知識は、試験の正解を導くだけでなく、経営者の意思決定を理解するためのツールでもあります。
一次試験では、会計処理と財務諸表への影響をしっかり押さえる
二次試験では、与件文の設備・資金に注目して、経営判断の背景を読み取る
実務では、中小企業の資金繰りや財務戦略の中でどう活かされているかを考える
そして、IFRSの流れも頭の片隅に入れておけば、試験だけでなく、ちょっと先の未来に
差がつくかもしれません!?
試験のその先も見据えて前に進みましょう。
あなたを心から応援しています!
次回は 真吉 さんの登場です。
お楽しみに!
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