経営情報システム|具体例で用語の違いを理解しよう!/たかさん

はじめまして!たかさんです!
タキプロ 10期では、ブログ班とセミナー班を兼務しています。
これから1年間、受験生の皆さんのお役に立てますよう頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!

今回は一次試験の経営情報システム対策について記事を書かせていただきますが、その前に簡単に自己紹介させてもらいます。

自己紹介

年代/性別:30代 男性
職種:金融系
受験歴:1次1回、2次1回
勉強時間:1次450時間、2次180時間
勉強方法:独学
得意科目:1次/経済学・経済政策、2次/事例Ⅳ

趣味はマンション探索です。
元々街づくりやランドスケープ、人の流れみたいなものに興味があって、都市開発全般に興味があったのですが、そちらの業界には縁がなくて金融の世界に進みました。ところが、最近マンション購入を検討するようになってから、建物への興味がにわかに再燃。去年は都内各地でマンション探索しながら、現地付近で診断士の勉強をするという一年間でした。

わりと飽きずに集中しながら勉強できたので、場所を変えながら勉強するのは他の人にもおすすめしたいかも。

今度診断士の卵として商店街支援に関わる機会に恵まれたので、街づくり的なものに取り組めるのをとても楽しみにしています。

経営情報システムについて

僕は経営情報システムが苦手でした。全く他業界なので、テキストの内容がピンとこないものばっかりで……

人間誰しも、分からないことを覚えるのは難しいものです。
よく経営情報システムは暗記科目だと言われますが、それぞれの言葉の指す意味を理解しなければ、試験で使いこなすことはできませんよね。

そこで、今回のテーマは、「具体例で用語の違いを理解する」でいきたいと思います。
早速ですが、この「具体例で用語の違いを理解する」ことの重要性について、平成29年度試験の第23問を例に説明していきます。

(略)クラウド・コンピューティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

PaaSを利用する場合、ミドルウェア部分のサービスのみが提供されるため、現行のクライアント・サーバシステムを保有し続ける必要がある。


SaaS利用ではアプリケーション、PaaS利用ではミドルウェアというように、それぞれサービスを提供する業者が異なるため、それらをうまく組み合わせてシステムを再構築する必要がある。


SaaSを利用する場合、課金体系は月額固定制であることが法的に義務付けられているため、システムの利用頻度が高いほど業務単位当たりの実質的コストが軽減できる。


SaaSを利用する場合、業者の提供するアプリケーションを活用することになるため、自社業務への適合性などをよく検討する必要がある。

解説してみる

これは、PaaSとSaaSについての理解度を問う設問です。
クラウド・コンピューティングについては、直近の平成30年度試験でこそ出題がありませんでしたが、平成29年度、平成28年度ほか、近年頻繁に出題されています。

用語の定義

まずは用語の定義を確認していきましょう。
SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、情報通信システムの有する機能をネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル[1]をいいます。

一方、PaaSとは、Platform as a Serviceの略で、システム資源、開発・実行資源、ネットワーク資源を提供するサービス[1]をいいます。

また、今回の設問には直接触れられていませんが、似たような言葉でIaaSやAPSというものも学習しているはずです。

でも、いきなりそんなこと覚えろっていわれても難しいですよね。

そもそも、クラウド・コンピューティングとは

クラウド・コンピューティングとは、インターネット上のネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなどを共有化して、サービス提供事業者が、利用者に容易に利用可能とするモデルのこと[2]を指します。そのクラウド・コンピューティングを使った提供されるサービスを提供方法の面からを分類したものが、SaaSやPaaS、IaaSです。

やっぱり分かりにくいですね……
クラウド・コンピューティングという言葉自体、揺らぎが大きくて抽象的な言葉といわれています。ですので、逆に、SaaSやPaaS、Iaasを実現するための仕組みがクラウド・コンピューティングであると考えた方が分かりやすいかもしれません。

もう少し深掘りしてみましょう。

SaaS

一般のエンドユーザーが対象であるSaaSが一番イメージしやすいと思いますので、まずはこのSaaSから説明します。

たとえば、パソコンでメールを使いたければ、メーラーを端末ごとにインストールして利用しますよね。この場合、端末ごとの管理になりますので、みっちり統一的に管理しない限り、同じ事務所内でもメール環境がまちまちという状況が生じます。また、出先でメールを確認したくなったとき、持ち運び用の端末でもメーラーをインストールして設定しなければ、同じ環境でメールを読み書きすることはできません。ところが、GmailのようなWebメールであれば、このような設定をしなくとも、どの端末でもすぐにメールを読み書きすることができます。

このWebメールこそが、SaaSとして提供されるサービスなのです。ほかにも、Microsoft OfficeのWebアプリ版であるOffice 365やオンラインストレージサービスであるDropboxが身近に使われているSaaSの例です。

要するに、SaaSにおいては、インフラ(サーバ)やプラットフォーム(OS・ミドルウェア)、ソフトウェアといったサービスを利用するのに必要な準備があらかじめ準備された状態で、ウェブ上のサービスを受けることができるということです。

IaaS

IaaSとは、Infrastructure as a Serviceの略で、サーバ、ハードディスク、ストレージ等のASP・SaaS・PaaSに必要なハードウェア資源等を提供するサービス[1]を指します。狭義には、特にサーバ等が仮想化されている場合を指します。

クライアントサーバシステムのもとでネットワークを構築する場合、サーバを用意する必要があります。もちろん、自前でサーバの機材等一式を用意しても構わないのですが、当然ながらそれなりの初期投資が必要ですし、まともに運営するためにはそれなりの労力とコストが必要になります。そういった場合に、サーバ等のハードウェア資源を提供するサービスがIaaSなのです。

IaaSでは、AmazonのAWS(Amazon Web Services)が有名です。
これは、アマゾンの持つ世界的に分散したサーバ群やネットワークといった巨大なITリソースを従量制で貸し出すサービスです。このサービスではサーバが仮想化されていて、借り手としては、1台のサーバを借りるように振舞うことができるのですが、実際には世界中に分散したハードウェアリソースの一部を借りているという仕組みとなっています。

ただし、借り手側は、あくまでもハードウェア資源を借りているだけなので、プラットフォーム(OS・ミドルウェア)、ソフトウェアは別途用意する必要があります。そのあたりは、自前でサーバーを購入するときと同様だと考えると分かりやすいかもしれません。

PaaS

簡単にいえば、PaaSはSaaSとIaaSの中間的なポジションです。

PaaSは、インフラ(サーバ)、プラットフォーム(OS・ミドルウェア)、ソフトウェアが揃った状態で提供されたSaaSから、ソフトウェアを抜かれた状態で提供されるサービスです。IaaSを基準にすれば、インフラ(サーバ)機能に加えプラットフォーム(OS・ミドルウェア)の機能が整備された状態で提供されるサービスということになります。

どういうことかというと、PaaSを利用するユーザーは、インフラ(サーバ)やプラットフォーム(OS・ミドルウェア)が用意されている環境で、自分で用意したソフトウェアを走らせるのです。そのような環境を提供するのが、PaaSのサービスです。

たとえば、このブログはWordPressというソフトウェアの上で動いていますが、このソフトウェアは、SaaSのように、サービス提供者が段取りしてくれたものではなく、タキプロ側で設定して動かしているものです。しかし、このWordPressはPHPというプログラム言語や、MySQLというデータベース管理システムのもとで動いており、あらかじめこれらの設定を行う必要があります。ハードウェアだけを貸し出しているIaaSでは、一からこの設定を行う必要がありますが、PaaSでは、このような設定まで済ませてくれた状態で、サービスを提供してくれているのです。

PaaSの例としては、GAE(Google App Engine)が挙げられます。

ところで、ASPは?

ASPは、Application Service Providerの略で、インターネット上でアプリケーションを提供するサービスの提供者(事業者)のこと[2]をいいます。

これって結局SaaSと何が違うの?って感じですが、総務省の見解によれば、SaaSは「以前は、ASP(Application Service Provider)などと呼ばれていました。」[2]とのことですので、国としてはこの二つを区別していないようです。したがって、試験上ではSaaSとASPを同一の概念と考えて差し支えないと思われます。

選択肢を確認する

以上を踏まえて、改めて設問の選択肢を確認していきましょう。


PaaSを利用する場合、ミドルウェア部分のサービスのみが提供されるため、現行のクライアント・サーバシステムを保有し続ける必要がある。

誤りです。PaaSを利用する場合、ハードウェア部分のサービスも提供されるので、別途サーバを確保しておく必要はありません。


SaaS利用ではアプリケーション、PaaS利用ではミドルウェアというように、それぞれサービスを提供する業者が異なるため、それらをうまく組み合わせてシステムを再構築する必要がある。

誤りです。SaaSを利用する場合、アプリケーション、ミドルウェア、ハードウェアすべてが混然一体となって提供されます。Gmailを使うときに、サーバはどこにしようかなぁ?なんて悩む必要はないはずです。また、PaaS利用の際にも、ミドルウェア部分だけでなく、ハードウェア部分が一緒に提供されるので、やはり全体の構築を考える必要はありません。SaaSやPaaSを使うことで、そのようなことを考える手間を省くことができるのです。


SaaSを利用する場合、課金体系は月額固定制であることが法的に義務付けられているため、システムの利用頻度が高いほど業務単位当たりの実質的コストが軽減できる。

誤りです。SaaSの具体例を思い浮かべることができれば消せる選択肢です。たとえば、Dropboxのようなオンラインストレージでは、従量課金が一般的です。


SaaSを利用する場合、業者の提供するアプリケーションを活用することになるため、自社業務への適合性などをよく検討する必要がある。

正しい内容です。SaaSの場合、業者の提供するアプリケーションを活用することになるので、手軽な反面拡張性は制限されます。

まとめ

実際のところ、具体例がイメージできなきゃ判断できない選択肢があったり、用語同士の違いが説明できるだけの理解がないと分からない選択肢があったりで、「具体例で用語の違いを理解する」ことの重要性を伝えることができたのではないかと思います。

大変な日々が続くと思いますが、無理せず、楽しみながら学習してくださいね。
次回、とくさんの2次試験対策です。お楽しみに。

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出典

1.総務省「クラウドサービスの安全・信頼性に係る情報開示指針」(平成29年3月)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000475596.pdf
2.総務省 「国民のための情報セキュリティサイト 用語辞典」
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/glossary/01.html

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