業種別指標データは、視覚化、納得、繰り返しのアクティブリコール法で攻略 by たろー

 

タキプロ15期の たろー と申します。  
ブログ2回目の今回は、1次試験の『中小企業経営・政策』についての話題を提供します。
今回お伝えするのは、私のような独学で短期勝負が必要な方向けの
記憶の定着率向上をサポートする業種別指標データの提供と記憶テクニックの紹介です。

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■はじめに

私は理系で、意味や理屈を伴わないことを覚えるのは苦手で、『中小企業経営・政策』の科目はかなり苦戦しました。
今回ご紹介するのは、この科目の中の「中小企業白書」に記載されている「業種別指標データ」についての記憶法です。

私は混同しやすい暗記事項が出てくると、周辺知識との関係性の整理、大小関係の理由を考える経験を繰り返して、
「記憶をたどる糸口」を多く作るように勉強していました。
ブログ執筆のために調べてみると、「アクティブリコール法」と呼ばれる方法に類似していました。
アクティブリコール法は能動的に思い出すことを通じて記憶を定着させていく手法で、
短期記憶→繰り返し→長期記憶になるそうです。

私の場合、演習や復習で
①【視覚化】混同しやすい暗記事項の整理(多数の情報の関係を整理し、暗記事項の違いを明確化)
②【納得】違いの「こじつけ」(自分の中で納得できればよく、正しさは不問)←ここが重要
③【繰り返し】問題演習の際に、答えを思い出すのではなく、
周辺知識など思考プロセス(こじつけ部分)も含めて思い出す
の3ステップで学習を進めていました。

具体的には、問題演習の復習では①→②まで進め、納得した思考プロセスを問題集にメモします。
ここではインプットした情報をもとにして、納得する考え方をアウトプットすることが重要です。
私の場合はインプット情報として自身の経験を重要視し、納得感を得やすくしていました。
その後、演習を繰り返し、似たような問題が出たときには、前回のメモを見直します(繰り返し)。
「こじつけ」が見当違いだった場合はメモを修正し、メモの正確性を上げていきます。

以上のように手間がかかることから、復習に時間がかかることがデメリットでした。
ただし、他の知識との関係、思考プロセス、感想(印象)などの周辺知識が蓄積されるため、
応用問題にも対処できる可能性があることがメリットだと思って続けていました。

私の受験生時代を振り返ると、業種別の指標データの学習が進みにくかった理由の一つに、
分かりやすく視覚化されている情報をうまく見つけることができなかったことが挙げられます。
そこで、本ブログではよく出題されている印象のある
「建設業」「製造業」「小売」「卸売」「宿泊業・飲食サービス業」「医療・福祉」
に絞って整理し、学習方法の一例として私の場合の思考プロセス例を一部記載しました。
データは中小企業白書の2023年度版の「付属統計資料」記載の最新の調査データ(2015年、2016年調査)を使用しました。
約10年前のデータですが、業界の構造は大きく変わらないと考えています。

■従業員数に着目した全体の整理

①データの視覚化

「付属統計資料」から抜粋した指標データを
大企業、中規模企業、小規模企業、中小合計(中規模+小規模)
に分けて整理し、カラーバーを用いて視覚化しました。
今回は、売上高や付加価値額に関する項目のみについて言及します。

表1 業種と企業規模別の指標データ

②横軸の設定

まず、全体を整理するための横軸を決めます。
横軸の検討の結果、図1、図2のように従業員数で整理するのが良さそうです。
いずれも右肩上がりで、従業員数が大きいほど、売上高、付加価値額が大きくなる傾向があります。
このように従業員数が指標を整理するための重要パラメータと考えられることから
従業員数の分布について詳細を確認します。

※大企業、中規模企業、小規模企業、業種を区分せずプロットしています。

③業種ごとの従業員数

業種別全従業員数に着目すると、
製造業>小売業>宿泊業・飲食サービス業>建設業>卸売業>医療、福祉
の順です。
私の感覚に合わないものは「製造業」でした。
「製造業」は大型の製造設備を使うことが特徴で、操作者の他に設備の維持管理や原料調達など
多くの従業員が必要だとイメージして納得感を得ました。

④同じ業種内の企業規模別の従業員数の分布

同じ業種内で考えると、従業員数はどの業種も中小企業(中小合計)>大企業です。
中小企業を中規模企業、小規模企業に分解すると
 中>大>小:製造業、小売業、卸売業
 中>小≧大:宿泊業・飲食サービス業(小と大の差はわずか)、医療・福祉
 小>中>大:建設業
の3パターンであることが分かります。
中規模企業の従業員数が最も少なくなっている業種はありませんでした。

この中で最も特徴的なのは「建設業」の従業員数で、私は以下の知識や経験から
・2次請、3次請など下請け企業が多いこと
・「一人親方」が知り合いにいること
小規模事業主でも事業が成立する構造であり、
大企業では全体のマネージメントを担当するため従業員数は少ないのだろう
と考えて納得させました。

また、大企業の強さが見られ、売上高や付加価値額が従業員数の順で整理できない業種もあります。
参考までに中規模、小規模企業がそれぞれ勝てていない部分を黄色、
「中小合計」が勝てていない部分を緑色でチェックしています。

このような整理から大企業の強さを実感すると、一人当たりの売上高や付加価値額が多くの業種が、
大>中>小の順に並んでいることが納得できます。
唯一医療、福祉のみがその傾向から外れており、この業種の重要な特徴と読み取れます。

以上のように他の指標などについても、ブログをご覧になっている方自身で試行錯誤してみてください。
自分自身の経験をもとにした考えほど、納得感が高くおすすめです。

■中小企業、小規模企業の整理

従業員数の順を覚えておくと、売上高、付加価値額の順と対応するため、順番が入れ替わる部分だけ覚えることで、
記憶量を減らせる可能性があります。
「付属統計資料」の記載にならって、中小企業、小規模企業の2区分について指標を整理しました。
グラフの横軸に対応するように、表の従業員数を昇順としています。
一人当たりの売上額、一人当たりの付加価値額が順位の入れ替わりに影響しますので、
図表では大きい場合は赤系の色でマークし、小さい場合は図表に青系の色でマークしました。
※線の引き方によってはどのプロットを特徴的と考えるかが変わるため、
 本データ整理が正解というわけではありません。

表2 中小企業の業種と指標データ

表3 小規模企業の業種と指標データ

図表から分かることは以下の2点です。
・一人当たりの売上高は、中小企業、小規模企業ともに「卸売業」が大きく、
 「医療、福祉」と「宿泊業、飲食サービス業」が小さい。
・一人当たりの付加価値額は、中小企業、小規模企業ともに「卸売業」が大きく、
 「宿泊業、飲食サービス業」が小さい。

受験生の皆様も、アルバイト経験での商品の仕入れ先(卸売業)、かかりつけの病院、ホームヘルパー、整骨院、
ビジネスホテル、地元の定食屋などをイメージして、
一人当たりの売上高や付加価値額の大小の理由を考えてみてください。

■(データ集)大企業、中規模の整理

〇大企業

表4 大企業の業種と指標データ

〇中規模企業

表5 中規模企業の業種と指標データ

■おわりに

業種ごとの特徴を把握し、何が指標に関与しているのかを調査するには専門のデータ集が必要で、
試験対策として負荷が大きすぎます。
そのため、今回整理した図表のデータを使って、納得感を得られる独自の考え方を整理して試験を乗り切ってください。
うまくハマる人は記憶の定着率が改善すると思います。

次回は、キニモン さんの登場です。 

お楽しみに! 

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