【再現答案あり】事例Ⅲ解法(実践編)~34点から77点まで引き上げた方法~ byつよぽん

関西11期の「つよぽん」です。
1次試験の結果が出て、改めて2次試験に向けてスイッチが入った方も多いと思います。
それでは、前回の事例Ⅲの解法(基礎編)【まだ読んでいない方はこちら】に続き、

今回は、事例Ⅲの実践的な解法をお話しします。

僕がどのような思考で問題を解き、77点の答案を作成したのか、
令和元年度の問題を使いながら、解説します。

目次

●まず、使った文房具について

①シャーペン:クルトガ(SMART-JACKETカスタム)
②ボールペン:フリクションボールペン(4色+SMART-GRIPカスタム)
③マーカー:フリクションマーカー(黄色、赤色、青色)

カスタムは2000円ぐらいして、本体より高いですけど、個人的にはオススメです。
試験中は緊張で、手汗がすごいことになります。
そのため、シャーペンが濡れて、字がきれいに書けず、普段より時間がかかります。

平成30年度の試験は、2回目の2次試験で後がないということもあり、
手汗がすごく、シャープペンがヌルヌルになりました(笑)
普段通り書けないので、さらに緊張し、時間内に書き切れなかったのを今でも覚えています。

そこで、合格した令和元年度は、どんなコンディションでも最高のパフォーマンスを出せるよう、
自分に最も合う文房具を買い揃えました。その文房具のセットが先ほど記載した物です。
多少のお金で、自分のパフォーマンスを最大限高められるのなら、安い買い物です。

●実際の解き方

40分(解答骨子作成)、40分(骨子を基に解答作成)を厳守して問題を解いていました。
具体的な方法は、以下の通りです。

●解答用紙の右上に受験番号を記入(試験開始~1分)

試験を受けたことがある人なら知っていますが、2次試験は名前を書く欄がありません!
初めて受ける方は、名前の記載欄がないことでびっくりしないでください。

●下書き用紙の作成(試験開始~1分)

問題用紙の最初と最後ページの端をつまんで、あいだの問題用紙と反対方向に引っ張り、
問題用紙の表紙と裏表紙の紙をホッチキスから引き抜きます。

この方法が最も早く、下書き用紙を用意できるやり方だと思います。

●下書きの作成・設問文の解釈(試験開始~5分)

下書き用紙を問題数に応じて、分割します。(4問なら4分割、5問なら5分割する。)
解答文字数を30で割り、整数の数だけ横線を引きます。
(120字なら4つの横線、100字なら3つの横線)
③解答しないといけないテーマ(切り口)が、横線の数だけあると考えます。
 切り口がダブらないように解答骨子を作成していきます。
 例えば、「問題点と解決策を120字で述べよ。」と問われると、
 「問題点で2つの切り口、解決策で2つの切り口」を解答しないといけないと予測できます。
設問文中の制約要件と回答の方向性を解釈し、下書きを作ります。

●設問文の解釈(1分~5分)

第1問
C社の事業変遷を理解した上で、C社の強みを80字以内で述べよ。

<解法>
80字なので、30字で割ると、2つの切り口は書かないといけない。
制約条件は、「事業変遷を理解すること」、時間の経過によって、強みが変わるかも。
強みと問われているので、書き出しは「強みは・・・」と書くか。
でも、「強み」しか問われていないので、「強みは・・・」と書き出すのは字数がもったいないので、省略する。
「強み」だけの記載なら、80字で3つの切り口は書くことができるので、3つの切り口で想定。

<下書き>
①・・・(25字)・・・。
②・・・(25字)・・・。
③・・・(25字)・・・。

第2問
自動車部品メーカーX社からの機械加工の受託生産に応じる場合、C社における生産面での効果とリスクを100字以内で述べよ。

<解法>
100字なので、30字で割ると、3つの切り口は書かないといけない。
「X社から機械加工の受託生産に応じる場合」とあるので、C社の生産方法とX社の生産方法は明確に違うはず。
「効果」と「リスク」を記載する必要があるので、書き出しは「効果は・・・。リスクは・・・。」とする。
「効果で1つ、リスクで2つ」の切り口か、「効果で2つ、リスクで1つ」の切り口か、どちらかが想定される。
解答の方法として、「効果で2つ、リスクで1つ」の切り口のパターンは可能性が薄い。
「効果で1つ、リスクで2つ」で想定しておく。

<下書き>
効果は①・・・(30字)・・・。
リスクは①・・・(30字)・・・、
②・・・(30字)・・・。

第3問
X社から求められている新規受託生産の実現に向けたC社の対応について、以下の設問に答えよ。

(設問1)
C社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のための新工場の在り方について120字以内で述べよ。

<解法>
120字なので、30字で割ると、4つの切り口は書かないといけない。
C社長の新工場計画の方針が与件文にあるはず。詳細は与件文を見て判断。
生産性を高める工場の在り方なので、書き出しは「在り方は・・・」とする。

<下書き>
在り方は①・・・(30字)・・・、
②・・・(30字)・・・、
③・・・(30字)・・・、
④・・・(30字)・・・。

(設問2)
X社とC社間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるために、これまで受注ロット生産体制であったC社では生産管理上どのような検討が必要なのか、140字以内で述べよ。

<解法>
140字なので、30字で割ると、4つの切り口は書かないといけない。
一次知識としての「かんばん方式」が問われた問題と判断。おそらく難しいことは問われてこない。
後工程引取方式を行う上で、C社に課題があるはず。
140字と多めの分量のため、箇条書きで行うスタイルで検討。
「生産管理上」とあるので、「生産計画」「進捗管理」「余力管理」「現品管理」系が問われると判断。
「どのような検討が必要なのか」なので、書き出しは「必要な検討は・・・」とする。

<下書き>
必要な検討は①・・・(30字)・・・、
②・・・(30字)・・・、
③・・・(30字)・・・、
④・・・(30字)・・・。

第4問
新工場が稼働した後の C 社の戦略について、120 字以内で述べよ。

<解法>
120字なので、30字で割ると、4つの切り口は書かないといけない。
最終問題は、第1問の「強み」との連動が必須のため、第1問との関係を意識する。
与件文にC社を取り巻く環境にプラスの変化があれば、機会(O)として捉え、解答の要素に組み込む。
「C 社の戦略について」なので、書き出しは「戦略は・・・」とする。

<下書き>
戦略は①・・・(30字)・・・、
②・・・(30字)・・・、
③・・・(30字)・・・、
④・・・(30字)・・・。

ここまでの作業を試験開始後、5分で行います。

●与件文の読解(5分~20分)

読む際のポイントは、「接続詞系」と「具体的な数値」に注目します!

「また」、「このため」、「さらに」、「だが」、「から」など、接続詞系が出たら、印をつける。
その前後に、設問に関連する内容が書かれていることが多いです。

また、事例Ⅲでは、「1カ月」、「3週間」、「2名」、「2倍」などの具体的な数字が出ることが多いです。
一般的な感覚として、その数字が「大きい」のか「小さい」のか判断できるようにしてください。
数字に違和感を覚えた時は、設問に関係することが多いです。

【与件文 第1・2段落】

 C 社は、輸送用機械、産業機械、建設機械などに用いられる金属部品の製造業を顧客に、金属熱処理および機械加工を営む。資本金 6 千万円、従業員数 40 名、年商約5 億円の中小企業である。組織は、熱処理部、機械加工部、設計部、総務部で構成されている。
 金属熱処理とは、金属材料に加熱と冷却をして、強さ、硬さ、耐摩耗性、耐食性などの性質を向上させる加工技術である。多くの金属製品や部品加工の最終工程として、製品品質を保証する重要な基盤技術である。金属材料を加熱する熱処理設備など金属材料を加熱する熱処理設備など装置産業の色彩が強く、設備投資負担が大きくまた素材や形状による温度管理などの特殊な技術の蓄積が必要である。このため、一般に金属加工業では、熱処理は内製せず熱処理業に外注する傾向が強いC 社は創業当初から、熱処理専業企業として産業機械や建設機械などの部品、ネジや歯車など他社の金属製品を受け入れて熱処理を行ってきた

<解法>
「また」、「このため」、「一般に」、「創業当初から」の青字部分に印をつけます。
実は、「また」という用語は、与件文の読解において、最重要ワードです。
「また」の前後の文章は、設問に関係します。
「設備投資負担が大きい」、「特殊な技術の蓄積が必要」は、どこかで問われるはずです。

一般に」の使い方は、主に2パターンです。
「一般に○○だが、C社の場合は違う。」という逆接的な表現か、
「一般に○○の傾向が強いため、C社に依頼することが多い。」という順接的な表現か。
今回の場合は、後者で使われています。

つまり、「創業当初から他社から多くの熱処理の依頼を受けて、特殊な技術の蓄積ができている。」と読み解くことができます。これは第1問で問われている「強み」と言えるでしょう。

【与件文 第3段落】

 その後、熱処理加工だけでなく、その前工程である部品の機械加工も含めた依頼があり、設計部門と機械加工部門をもった。設計部門は、発注先から指示される製品仕様を C 社社内の機械加工用に図面化するもので、現在 2 名で担当している。機械加工は、多品種少量の受注生産で、徐々に受注量が増加し、売上高の増加に貢献している。

<解法>
熱処理加工だけでなく、設計部門と機械加工部門をもった」は、C社の「強み」になりそうです。
他社の情報がないか、与件文を注意して読みます。

設計部門が「2名」という記載は、意図して書かれている印象があり、違和感を覚えます
設計に関する内容が出てこないか、与件文を注意して読みます。

「機械加工は多品種少量の受注生産」も気になる内容です。
受注生産に関する内容が出てこないか、与件文を注意して読みます。

【与件文 第4段落】

 約 10 年前所属する工業会が開催した商談会で、金属熱処理業を探していた自動車部品メーカー X 社との出会いがあり、自動車部品の熱処理を始めた。その後 X 社の増産計画により、自動車部品専用の熱処理工程を増設し、それによって C 社売上高に占める X 社の割合約 20 %までになっている。さらに現在、X 社の内外作区分の見直しによって、熱処理加工に加え、前加工である機械加工工程を C 社に移管する計画が持ち上がっている。

<解法>
「約10年前」という具体的な数字が出たため、「所属する工業会が開催した商談会」は設問に関係する可能性があります。工業会のおかげでX社と知り合えたと考えると、C社の「強み」と言える可能性があります。
第1問の解答要素として考えておきましょう。

C社売上高に占めるX社の割合は約20%」という具体的な数字が出ました。
20%という比率が一般的に高いとは言い切れませんが、X社からの移管計画があるため、
今後さらに売上高に占めるX社の割合が高まり、事業リスクが高まることが想定されます。
第2問で使えそうな内容です。

【与件文 第5段落】

 C 社の工場は、熱処理工場と機械加工工場がそれぞれ独立した建屋になっている。熱処理工場は、熱処理方法が異なる熱処理炉を数種類保有し、バッチ処理されている。機械加工工場では、多品種少量の受注ロット生産に対応するため、加工技能が必要ものの、切削工具の交換が容易で段取り時間が短い汎用の旋盤、フライス盤、研削盤がそれぞれ複数台機能別にレイアウトされている。

<解法>
「熱処理工場」と「機械加工工場」が別の建屋ということは、作業効率が悪い可能性があります。
第3問の新工場計画の解答で、意識する必要があります。

「ものの」という表現に注目です。「ものの」は逆接表現です。
そのため、「加工技能が必要だけど、機能別にレイアウトされている。」という意味になります。

つまり、「加工技能に適していないレイアウトになっている。」と読み解けます。
第3問の新工場計画の解答で使えそうですね。

【与件文 第6段落】

 熱処理は、加熱条件や冷却条件等の設定指示はあるものの、金属材料の形状や材質によって加熱・冷却温度や速度などの微調整が必要となる。そのため金属熱処理技能検定試験に合格し技能士資格をもつベテラン作業者を中心に作業が行われ品質が保持されている。また、機械加工も汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能によって加工品質が保たれている

<解法>
今回も「ものの」が出てきているので、逆接表現です。
最重要ワードの「また」が出てきましたね。
技能士資格をもつベテラン作業者」と「汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能」によって品質が保たれていることは、C社の「強み」と言えます。第1問の解答要素に入れましょう。

ただ、一方で弱みとも言えます。
事例Ⅲの模範解答は、「個人に依存するスキルは、誰でもできるように標準化すべし」だからです。
第3問の解答で使えそうですね。

【与件文 第7段落】

 生産プロセスは、受注内容によって以下のようになっている。
・機械加工を伴う受注:材料調達→機械加工→熱処理加工→出荷検査
・熱処理加工のみの受注:部品受入→熱処理加工→出荷検査

<解法>
生産プロセスだけ見ても、よく分からないので、参考程度と考えておきましょう。
今後、与件文を読み進める中で、何かヒントがあるかもしれません。

【与件文 第8段落】

 生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。両部門とも受注生産であることから、納期を優先して月ごとに日程計画を作成し、それに基づいて日々の作業が差立てされる。納期の短い注文については、顧客から注文が入った時点で日程計画を調整、修正し、追加される。機械加工受注品に使用される材料の調達は、日程計画が確定する都度発注し、加工日の 1 週間前までに納品されるように材料商社と契約しており、材料在庫は受注分のみである。

<解法>
「生産計画」が出てきたので、生産管理系の第3問(設問2)は、この段落が関連する可能性が高いです。

現状の受注生産体制なら、第8段落の体制で何とかなりますが、今後はX社から仕事が移管されますので、この体制を見直す必要があるということが推測されます。

例えば、「生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案するのはダメなので、全社的に立案しましょう!」という解答が入るはずです。

なぜなら、「部署それぞれで生産計画を立案」は、事例Ⅲのダメなパターンの定番です。
この表現が出たら、必ず「全体的な立案を答える問題がある。」と理解しておきましょう。

また、「加工日の 1 週間前まで」という具体的な数字も出てきました。
材料商社との契約」、「材料在庫は受注分のみ」も問われる可能性が高いです。

第8段落の与件文だけでは、解答が作り切れないので、残りの与件文を読み進めます。

【与件文 第9・10段落】

 C 社では、自動車部品メーカー X 社から生産の移管を求められている自動車部品機械加工の受託生産について検討中である。
 その内容は、自動車部品専用の熱処理設備で加工している X 社の全ての部品の機械加工であり、C 社では初めての本格的量産機械加工になる。受託する金属部品は、寸法や形状が異なる 10 種類の部品で、加工工程は部品によって異なるがそれぞれ5工程ほどの機械加工となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約 2 倍になると予想され、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。

<解法>
8段落で予想した通り、X社から移管によって工程は複雑になり、今までの受注生産体制では対応が難しそうです。
また、具体的な数字から、部品点数の増加加工工程の複雑化への対応や、加工能力の増強への対応が必要であると想定されます。

最重要ワードの「または」の後にある、「マシニングセンタ」は新たな設備であり、新たな設備用に従業員の教育や作業のマニュアル化も必要になるでしょう。

第2段落で、「金属熱処理は、設備投資負担が大きい」とありましたが、「機械加工部門」でも設備投資負担が増えるリスクがありそうですね。第2問の解答で使えそうですね。

【与件文 第11段落】

 また、この機械加工の受託生産の実施を機会に、X 社で運用されている後工程引取方式を両社間の管理方式として運用しようとする提案が X 社からある。具体的運用方法は、X 社からは 3 カ月前に部品ごとの納品予定内示があり、 1 カ月ごとに見直しが行われ、納品 3 日前に X 社から C 社に届く外注かんばんによって納品が確定する。これら納品予定内示および外注かんばんは、通信回線を使用して両社間でデータを交換する計画である。

<解法>
生産管理系の第3問(設問2)は、この段落の内容がメインになります。
第8段落の「生産計画」と対比しながら、問題がないか考えていきます。

「受託生産」実施後は、計画的に生産を行っていく必要があります。
いままでの受注生産のやり方では対応できません。

「受託生産」に対応するためには、以下の対応が必要と判断できます。
①現状の受注生産の受注見込みを把握すること、
②受託生産を含めた全社的な生産計画の立案すること、
③納品見直しに基づく生産計画(大・中・小日程計画)の見直し、および進捗管理を図ること、
④材料商社との調整、
⑤データ交換のためのシステム化

 ①~⑤が必要と判断した根拠は、以下の通りです。
「受注生産」の際は、「受注を受けてからの生産計画」で何とかなっていた。
つまり、今までは「見込生産」しなくてもよかったと推測できます。

しかし、X社から「受託生産」が移管されると、生産量が約2倍になるため、
今までの「受注生産」で対応できません。

対応するためには、X社から納品内示がある3カ月前から「見込生産」を行わないといけないと判断できます。
その「見込生産」を行うためには、「需要予測」が必要です。

よって、
現在の「受注生産」の「需要予測」、X社からの「受託生産」の「需要予測」に基づく「生産計画」の立案
1カ月前での中日程計画の見直し、3日前の小日程計画の見直しによる「進捗管理」の徹底
材料商社からの部品調達の見直しという「現品管理」・「外注管理」の実施
が必要であると想定できます。

また、通信回線を使用したデータ交換は新しい話なので、解答要素に組み込む必要があります。

【与件文 第12段落】

 外注かんばんの電子データ化などのシステム構築は、X 社の全面支援によって行われる予定となっているが、確定受注情報となる外注かんばんの社内運用を進めるためには、C 社内で生産管理の見直しが必要になる。この後工程引取方式は、X 社自動車部品の機械加工工程および自動車部品専用の熱処理工程に限定した運用範囲とし、その他の加工品については従来同様の生産計画立案と差立方法で運用する計画である。

<解法>
第8段落・第11段落と対比しながら、問題がないか考えていきます。

「その他の加工品」について、従来同様の生産計画立案と差立方法による運用でよいのか
判断する必要があります。

【与件文 第13段落】

 生産設備面では、現在の機械加工部門の工程能力を考慮すると加工設備の増強が必要あり、敷地内の空きスペースに設備を増設するために新工場の検討を行っている。C 社社長は、この新工場計画について前向きに検討を進める考えであり、次のような方針を社内に表明している。
1.X 社の受託生産部品だけの生産をする専用機化・専用ライン化にするのではなく、
将来的には X 社向け自動車部品以外の量産の機械加工ができる新工場にする。
2.これまでの作業者のスキルに頼った加工品質の維持ではなく、作業標準化を進める。
3.一人当たり生産性を極限まで高めるよう作業設計、工程レイアウト設計などの工程計画を進め、最適な新規設備の選定を行う。
4.近年の人材採用難に対応して、新工場要員の採用は最小限にとどめ、作業方法の教育を実施し、早期の工場稼働を目指す。

<解法>
第3問(設問1)は、解答要素はこの段落がメインになります。
新工場の在り方としては、
①「その他の加工品」も新工場で対応できるように設計、
②マシニングセンタ導入による作業の標準化、
③SLPによる工程レイアウトの見直し、
④作業のマニュアル化と作業員の多能工化を図る。

が解答要素になると想定できます。

【与件文 第14段落】

 現在 C 社社内では、各部の関係者が参加する検討チームを組織し、上記の C 社社長方針に従って検討を進めている。

<解法>
特になし。

●骨子の作成(20分~40分)

 与件文から読み解いた情報を基に、下書き用紙の下線部分に情報を書き込み、解答骨子を作成します。
事例Ⅲはパズルのように、解答要素が問題ごとで分かれるので、比較的に解答骨子を作成しやすいです。
与件文の段落ごとに解説した解法から、解答要素を抜き出し、自分なりに解答骨子を完成させてみましょう!
皆さんに解答骨子を練習してもらいたいので、あえて私の解答骨子は記載しません。

つよぽんの再現答案について

 最後に、僕の再現答案を記載しておきます。
再現答案を読んだら分かるように、解答すべきポイントがズレています。

 試験本番という独特の雰囲気のため、冷静に考えることができず、
解答要素の漏れや、別の問題で解答要素を使用しているなど、反省すべき箇所が多い再現答案です。

 しかし、これぐらいの内容で「70点後半の点数」が取れます。
今回の解法を読んだ皆さんなら、もっと素晴らしい答案を作成できるはずです!

第1問 (80字)
①熱処理加工だけでなく、設計部門と機械加工部門を持っている事、②技能士資格を持つベテラン作業員による品質保持体制、③機械加工に慣れた作業者による高い加工品質。(79字)

第2問(100字)
効果は①本格的量産機械加工体制を構築できる、②生産量が約2倍になり、売上拡大が見込める。リスクは①マシニングセンタ等の設備負担増加により、安全性の悪化、②技術や品質確保に時間がかかる、③加工能力の不足。(100字)

第3問(設問1) (120字)
在り方は①標準化に向け、スキルのマニュアル化し、作業方法の教育を行う、②生産性を極限に高めるため、作業設計を行い、工程レイアウトの見直し、最適な設備選定と導入を行う、③作業者の多能工化を図るため、ベテラン作業員がOJTを行い、段取りの短縮を図る。(120字)

第3問(設問2) (140字)
必要な検討は①X社の確定受注情報に基づき、全社的な生産計画を立て、大・中・小日程計画に落とし込み、生産統制を図る、②材料の在庫管理体制の構築、③材料調達商社との納品サイクル変更調整、④外注かんばんと納品予定情報を一元管理し、社内で共有する、⑤設計部門の人員強化。(131字)

第4問 (120字)
戦略は①X社向け自動車部品以外の量産機械加工体制を整備し、最適な生産計画と差立方法に変更し、受注・売上の拡大を図る、②所属する工業会で開催される商談会で整備された量産機械加工体制をアピールし、新たな販路を開拓し受注・売上の拡大を図る。(117字)

次回は「たけのしん」さんです!お楽しみに!!

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