2次試験当日の意外な伏兵3選 by 風さん
どうも、タキプロ15期の風さんです。
5回目の投稿となる今回のテーマは「合格体験記」です。本番まで残り20日という直前期なので、前回の記事で宣言した通り、合格に向けた事例Ⅱのミニ・ファイナルペーパー的な「おまけ」を添えて、試験当日の注意事項を兼ねて、私の体験談をお届けしたいと思います。(今年は衆議院選挙の投開票日と重なっているので気を付けましょう)
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目次
(おまけ)事例Ⅱのミニ・ファイナルペーパー的なアレ
直前期の皆様に向けて、合格体験記のような単なる自分語りだけでは申し訳ないので、おまけとして「ミニ・ファイナルペーパー的なアレ」を貼っておきます。当日 本試験会場に持ち込むような大したものではありませんので、一瞥してご放念ください。
ミニ合格体験記
「ウソだろオイ…」
2次筆記試験の合格発表があった2024年1月11日の、私のXのポストです。
照れ隠しでも何でもなく、血の気が引きました。9割がた落ちていると思っていたからです。
もちろん合格発表日の朝に自ら確認しているので、可能性を完全に諦めていたわけではないのでしょうが。それでも「不合格」という現実を受け止めて、次なる一歩を踏み出す覚悟で、そのための儀式だと言い聞かせて自分の受験番号を検索しました。
「あった…」
Webブラウザの機能で検索する形で見つけたので、検索する地区や年度を間違えているのでは?と何度も確認しました。
間違いない。それでも圧着ハガキの通知が届くまではまだ実感はなく。
遅れて込み上げてきた感情は、「診断士2次試験、意外とちゃんとしてる」という試験制度への感謝と信頼感でした。
●事例Ⅳの足切りで落ちたと思っていた
というのも私は2次試験当日、事例Ⅳが終わった直後、
「正直これはキツイ、事例Ⅰ~Ⅲはともかく事例Ⅳが足切りボーダーライン上かも」
と思っていました。その後、何とかできたと思っていた経営分析で指標名に「有形固定資産回転率」と書いたのに、値に固定資産回転率を書くという「やらかし」に気づき…
それでは、伏兵3選をお贈りします。どうぞ!
伏兵①勉強仲間との何気ない会話
皆様は聞いたことがあるでしょうか。
「本試験会場では、知り合いや勉強仲間とバッタリ遭遇しても、お互いに話しかけてはいけない」
という教訓?ジンクス?を。
知り合いと同じ会場や同じ教室だということが分かると、特にそれが仲の良い人だったら尚更、嬉しくなってついつい話し掛けたくなってしまうものです。
しかし、それは絶対にやめましょう。お互いに「当日は見かけてもお互いに声をかけないようにしようね」と事前にSNS等で約束しておくくらいの覚悟で臨みましょう。
特に、事例と事例の間の休憩時間は40分~1時間と微妙に長く、特段の準備をしていなければ意外と退屈なため、リラックスを兼ねて雑談に興じたくなるという誘惑もあります。
私は奇跡的に合格できましたが、当日向こうから話し掛けてきた方がいて事前に約束もしていないのでガン無視もできず、数分もない短い時間の立ち話を経て彼は驚いたような、気持ち暗い顔で去っていきました。結果その彼は不合格でしたが、それこそ「プライシングの新しい流れって何書いた?」みたいな話だったような気がします。
立場が逆だったらと思うとゾッとしますし、とても申し訳ないことをしたと反省しています。
要するに、本試験会場で知り合いと話をしてもデメリットしかない、ということです。
そもそも2次試験は相対評価であり、仲の良い勉強仲間と言えど本番ではライバルの1人。18%に滑り込む上では完全なる「敵」なのですから。たった数点の書けた書けなかったに一喜一憂して、ショックで数十点落とす、なんて本末転倒もよいところです。最悪、共倒れまであるわけですから。
もし、どうしても話したければ、
「事例Ⅳが終わった後で正門前で待ち合わせて飲もうね」🍺
くらいにしておきましょう。
伏兵②本試験問題の完成度
「終わった。でも来年は1次がないから2次に専念できる。頑張ろう…」
と、ここからの1年の過ごし方を考え始めていました。
…と同時に本音としては、試験制度や事例Ⅳの問題の品質に苛立ちを覚えていたのも事実です。いきなり正誤表が配られたし、CVPの条件も曖昧で問題の品質的に怪しいと思っていました。
●あとは事例Ⅳの対策だけすればいい
ただ、戦略としては間違ってなかった。事例Ⅰ~Ⅲで高めを狙い、事例Ⅳで足切り回避。この戦略でもし、事例Ⅳの足切りで落ちたとしたら、やることは一つ。
ここからは事例Ⅳのための1年間にしよう、と。事例Ⅰ~Ⅲで安定的に60点が取れるようになったのなら、あとは事例Ⅳだけ。これで弱点の事例Ⅳを克服したなら、合格は絶対的なものになる。
そもそも難化したと言われる令和4年度の事例ⅣではBを取れていたし、日商簿記2級も持っていて一度は1級の受験を目指したこともあったので、財務・会計は嫌いではないし、むしろ好きで。
ただ、R4と比べてもR5では事例Ⅳの勉強が疎かになっていたな…というか、事例Ⅰ~Ⅲのウェイトを高め過ぎたな、と反省していました。もちろん結果的には何とか事例Ⅳの足切りを回避できたので、あながち間違ってはいなかったのかも、でしたが。
それでも、そういうPDCAの結果、何と私は約20万円を支払って簿記1級のTACの通学講座を申し込んでしまいます。確か2023年の11月頃の話です。
なぜ診断士ではなく簿記なのか。これも私なりに敗因を考えた結果でした。診断士界隈の教材や予備校テキストは基本的に「直近5~10年程度の、過去に出題された範囲から構成されている」ことを知っていたからです。
●事例Ⅳの試験範囲の源泉は「会計学」
例年、事例Ⅳに限りませんが、たとえば経営分析の「生産性」のような、凡そ診断士の2次の教材では扱われなかった論点が必ず1つは出てくる。でも、それらは別に試験委員の「発明」ではなくて、どこかで成立している学問から出題されているわけです。
事例Ⅳであれば会計学であり、毎年その「最近の過去問にない領域」に振り回されることに、実は本当にイライラしていた(落ちたと思っていたので😅)んですよね。もうね、自分に怒りすら覚えていました。振り回される不甲斐ない自分に。
その点、IT業界以外の方は「経営情報システム」で同じような経験があるかもしれません。逆に私も「情報処理技術者試験(情報工学)」の世界であれば超がつくほど詳しかったので、経営情報システムはほとんど無勉で臨んで96点とかでした。
会計でも、少しでもその領域に足を踏み入れたくて、簿記1級を勉強し始めた、ということです。あとは、簿記2級に合格した状態で臨んだ診断士の財務・会計で思いのほか点数が伸びない原因を調べたことがあって。
結果、診断士の財務会計の範囲は、簿記2級まででは50点分くらいしか押さえられていませんでした。2級では工業簿記で簡単なCVPこそ出ますが、ファイナンスの概念がないし、キャッシュフロー計算書も登場しない。なので、会計学や意思決定会計のある1級、それと財務分析に特化したビジネス会計検定の勉強をしたいと思っていました。
以下は、その時に手掛かりとしたネットスクールさんの日商簿記2~1級に関する参考書2冊です。簿記2級を持っているのに、財務会計の点数が伸びないと不思議に感じている段階の方にオススメです。
日商簿記2級の後に学んでおきたい12の知識(0254) ネットスクールWEB-SHOP #ネットスクール https://www.net-school.jp/978-4-7810-0254-5
日商簿記1級とおるテキスト工業簿記・原価計算Ⅰ管理会計編(3170) ネットスクールWEB-SHOP #ネットスクール https://www.net-school.jp/shopdetail/000000002408/
●足切りギリギリで合格していたことを知る
ところが、フタを開けてみると合格してるじゃないですか。「ウソだろオイ…」の中には、「20万近くかけて簿記の講座申し込んじゃったじゃんかよ、どうすんだよオイ!」の意味も含まれていました。
診断士試験のために簿記1級を申し込む。簿記1級合格を本気で目指している人に聞かれたら怒られそうな発言ですが、資格試験合格のために他の資格試験の勉強をする、というのは、私は割とよく使う手法です。
このとき簿記1級の合格は実は目指していないのですが、これには理由があって、簿記1級の難しさを知っているからこそ、逆に合格は目指さないんです。診断士と簿記1級はどちらも難関資格で、何なら両方持っていたらダブルライセンスと言えるレベルだと思います。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」なのでいったんは診断士に軸足を置いて、診断士に合格できたら時機を見て別途、簿記1級を本格的に目指す…可能性も考えるくらいの感覚でした。
過去には「賃貸不動産経営管理士」に合格するために「宅地建物取引士」の講座をダブルで受講する、なんて荒業?も。どちらも私にとって初めての法律系資格だったので、診断士の経営法務(民法等)に随分 活きたと思っています。
●診断士は「経営学」の資格
他に診断士(2次)のために本屋で参考書を買った資格試験は以下のようなものがあります。
・日商簿記1級 & ビジネス会計検定2級
・マネジメント検定(旧:経営学検定)Ⅱ級
・銀行業務検定「経営支援アドバイザー2級」
・マーケティング検定2級
・公認内部監査人(CIA)
・MBA
どれも短時間で多面的に「経営学」の本質を知るために、大変役に立ったと思います。結局「診断士試験の過去に出題された範囲」から構成されているテキストだけで経営の全体像や本質を掴もうとすること自体、傲慢というか、少し無理があるんだろうと思っています。
それでも近年、事例Ⅳの最高点が低めに調整されているような感覚があります。作問段階か採点段階か、どの段階でかは分かりませんが、それはつまり「診断士試験と会計士試験の違い」にあるのかな、と最近ふと考えていました。「会計士だから事例Ⅳで90点台を取って、事例Ⅰ~Ⅲは50点だけど診断士になれた!」を避ける狙いがあるのかもしれない。
確かに、実務補習や協会で知り合った診断士の中には、公認会計士や税理士を持っているという方も意外と多いです。そんな凄い資格を持っているのに何で診断士?と正直思ったりもしますが、会計士の中での差別化などに有用な「高付加価値な資格」=診断士だと思えば、やる気も出てくるというものです。
これは推測ですが、そういった背景もあって診断士協会も「事例Ⅳだけでチョロく合格」という会計士の大量発生を避けることが、診断士資格の優位性を確保することに繋がると考えているのではないでしょうか。
そんなわけで診断士の合格を知り、実務補習などが思いのほか大変そうだったので、簿記1級の講座は中途解約しました。講義にも数回出席していたので月割計算で十数万円ほど戻ってきましたが、現金での返金は結構な手数料を取られると言われ、まだプールしてあります。
プールしておける期限があと数か月に迫っているので、また次に勉強する資格試験を考えなければ…という状態です。
次は何の勉強をしようかな。
伏兵③試験監督
皆さん前泊するホテルを予約するとか、当日に向けて思い思いに準備を始める頃かと思います。ところが、当日にならないと分からないこともあります。
- 体調
- 天候
- 教室と座席
- 周囲の受験生
- 近隣の騒音
- 試験監督
このうち体調は自分でどうにかするしかありません。飲み会を控える、睡眠不足にならないように勉強量や仕事量をコントロールする、前日は休暇を取る、手洗いうがい、健康診断の時期を調整する、などでしょうか。
また、天候については天気予報などを駆使して万全の準備で臨みます。極端な台風に関しては沖縄の救済措置という前例もできたので、雨具や防寒、前泊くらいでしょうか。
教室なども当日朝の移動中にスマホで確認できたりするので、数日前からは公式サイトで小まめに確認するようにしましょう。
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座席によってエアコンの効き具合や、生理現象が激しい受験生の周囲、ペンを投げる音などが喧しい受験生の周囲など、当たり外れがあります。
この辺は当日、運悪く不利な状況下に置かれたとしても動じないようにしたいです。模試などでイメージトレーニングするのもアリかもしれません。いろいろと最悪の状況をイメージしておくことですね。
あとは近隣の騒音、これは厄介です。奇しくも石破新総裁が誕生し、10月27日の2次試験当日が投開票ではないかと言われています。投開票日ならばまだよいですが、後ろズレしたりしたら選挙カーとかがもう。運営側も選挙活動までは止められませんから、その辺に惑わされないように今のうちから想像力を働かせておきましょう。
ちなみに確か、耳栓は禁止だった気がします。目薬はOKです。念のため最新の試験案内を確認しておきましょう。令和06年度Web版.indd (jf-cmca.jp)
そして、意外な伏兵、最後のシ者。それは、試験監督です。
声や話し方の癖がとっても気になる試験監督、段取りが良い人悪い人、高齢の方、若い方。本番当日で緊張感がMAXの状態で、イライラする試験監督の方にあたると、なかなかにメンタルに応えます。
私は実は、受験番号がその教室の中で一番若かったんですね。つまり、最前列の一番入り口側の席でした。目の前に試験監督員の補助の方が、ほぼ私のほうを向いて座っていらしたんですが、その方が若い素敵な女性で、多分20代。リクルートスーツ風の短いスカートで…
事例Ⅲの仮眠から何とか目覚め、寝汗を拭いながら必死の形相で、黒板に書かれた試験終了時間と自分の時計とを睨んでいたところも見られていたようで、視線を感じてその方のほうを見ると、肩を震わせてクスクスと必死に笑いを堪えている様子。
…まぁ、そういう「いろんな」ことが起こるのが本試験会場です。気をつけろ!!
まとめ
いよいよラスボスである2次試験まで、残り20日を切りました。ここからは体調と気持ちとスケジュールの整理が最優先です。
あとは当日の持ち物を今から整理して、掠れかけた蛍光ペンがあれば新調しましょう。電卓や時計の電池も万全に。
会場が分かったら交通機関や最寄りのコンビニなどを確認したり、前泊したければ近くのホテルを予約したり、ランチをどうするか考えましょう。
なお、今年は衆議院議員選挙の投開票の日が、2次試験当日に重なっています!!
気になる方は期日前投票するなど、当日余計なことに惑わされないように!万全を期して臨んで、絶対に合格を勝ち取ってください!!
ところで、少し気が早いですが合格の暁には、第16期タキプロメンバーへの志願をお勧めします。ただでさえ実務補習や協会活動で忙しいのに、本業やプライベートの合間に時間を割いてまで活動しているタキプロのメンバーには本当に頭が下がります。しかも、皆さん優秀で凄い人ばっかりなんです。
だからこそ、合格した年しか参加できないタキプロの同期の繋がりというのは非常に貴重で、大切だなと感じています。15期から16期へのメンバー間の引継ぎイベントでお会いできることを楽しみにしております。
ひよこ食い等と揶揄される士業の資格試験ですが、まずは是非ひよこになれるように!?
診断士は、素晴らしい国家資格です。モチベーションを高い水準で維持し続け、知識を増やし、知恵を定着させて、合格を勝ち取りましょう!
次回は、にゃーもん さんの登場です。
お楽しみに!
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