【合格体験記】合格までの2年間~不合格から始める2年目の勉強法~ by けい

皆さまこんにちは。タキプロ16期の けい と申します。少しでも、読者の皆様にとって良い情報をお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いします。
目次
■はじめに
今回は、私が令和5年度・6年度と受験し、令和6年度に合格した体験記をお届けします。
点数が高かった1次試験の経営情報システム、2次試験の事例Ⅰは以前に記事を書いておりますので、気になる方はそちらもご確認ください。
●プロフィール
・年代:30代
・職業:コンサルタント
・受験歴:1次試験1回、2次試験2回
・勉強時間:計1700時間
- 1次試験:600時間
- 2次試験:1100時間(R5:300時間/R6:800時間)
●R5_1次試験(合格)※自己採点
・経済学・経済政策 :64点
・財務・会計 :48点
・企業経営理論 :60点
・運営管理 :45点
・経営法務 :65点
・経営情報システム :88点(経営情報システム~周辺知識を増やして戦う~ by けい)
・中小企業経営・政策:60点 合計 430点
●R5_2次試験(不合格)
・事例Ⅰ:67点
・事例Ⅱ:56点
・事例Ⅲ:52点
・事例Ⅳ:51点 合計:227点
●R6_2次試験(合格)
・事例Ⅰ:79点(事例Ⅰで79点を取った勉強法~事例Ⅰの解像度を高めて戦う~ by けい)
・事例Ⅱ:74点
・事例Ⅲ:67点
・事例Ⅳ:56点 合計:276点
■中小企業診断士を目指したきっかけ
中小企業診断士という資格を知ったのは2020年でした。会社の同じ部署で圧倒的に仕事ができる部長が持っていて、その時初めて存在を知りました。
その後、業務を通して様々な民間企業や自治体と関わる中で、「経営」の観点で幅広く受け答えができ、「財務」の観点で数字を語れるコンサルタントになりたいと思うようになりました。そこで、中小企業診断士を目指すことを決めました。
MBAと診断士で迷いましたが、家庭の事情もあり、以下の理由から診断士を選びました。
・日本国内で取得できる
・経営や財務など体系的な知識と実践力が身につく
・本業をこなしながら、独学で取得できる
■受験前のスキル・知識レベル
IT企業に勤めていたため、以下のような資格や経験がありました。1次試験の経営情報システムで大いに役立った知識でした。
- IPA:プロジェクトマネージャ/応用情報/基本情報
- 統計検定 準1級
- IoTシステム技術者検定(中級)
- DXコンサルティング経験(民間・自治体向け、約4年)
■R5_1次試験(合格)
◆22年10月〜23年4月
- スタディングを活用し、1科目あたり3週間かけてテキストをノートにまとめながら写経し、基礎を固めました。
- 作ったノートは、その後もずっと使い続け、不明点やポイントなどを上書きし、試験直前まで活用しました。A3ノートを使っていましたが、自分にしかわからないくらい、小さい文字で真っ黒になるまで書き込みました。
◆23年5月〜8月
- スピード問題集を購入し、すべての科目を周回。2周目以降は間違えた問題のみ取り組みました。
- 間違えた箇所はその都度調べて、知らない内容は、写経したノートに上書きしました。この時、問題や設問の周辺知識も、意図的に調べるようにしたことで、本番の応用力が身についたと思います。
◆ふりかえり
- 1次試験は無事一発合格できましたが、自信は正直ありませんでした。
- 勉強仲間もおらず孤独な10か月…。模試の重要性も知らず、受けないまま本番を迎えました。
- ただ、「経営情報システム」で88点を取れたのは、事前知識のおかげです。もともと苦手だった「財務・会計」と「運営管理」が40点台と足切り寸前だったため、「経営情報システム」の貯金のおかげで、なんとか1次試験を乗り切ることが出来ました。
■R5_2次試験(不合格)
◆23年8月
- 1次試験終了後、初めて2次試験を調べ始め、初めて過去問を見ました。(2次試験を一切考えず、1次試験に全集中することで、ぎりぎり1次試験に受かることができると、思い込ませていたため。)
- 過去問を見て、「全く勉強法がわからない」と絶望しました。
- 特に、事例Ⅳ(R4)の問題を初見で解いてみると、3日間かかり、ふぞろい採点で0点でした。
- 独学に限界を感じ、予備校を調べるもどれが自分にあっているのかわからず、ちょうどXのスペースで話す機会があった「まなび生産性向上」の事例Ⅳ特訓への参加を決め、8月は事例Ⅳの強化に時間を使いました。
◆23年9月
- 事例Ⅳに対する嫌悪感を払拭できてきたため、事例Ⅰ~Ⅲにも着手し始めました。ただし、着手が遅くなったため、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは独学で勉強せざるを得なかったです。
- 受験生同士で相互に勉強し合う「ピアラーニング」を通じて、2次試験へのモチベーションを持続させ、相互採点も積極的に行い、本番に向けて磨きをかけました。
◆23年10月
- 過去問5年分を解き、本番に挑みましたが、結果は227点で不合格でした。
◆ふりかえり
- 不合格と知った時は、頭が真っ白になりました。たった3か月ですが、全てをやりつくしたと思っていたためです。
- 一度深呼吸して落ち着き、2年目の勉強は、1年目の振り返りから始めました。「なぜ、227点だったのか。なぜ13点足りなかったのか。」を考えることにしました。
考えた結果、以下の2点が課題として挙がりました。
① 自分vs高得点者の再現答案の比較
高得点答案は、回答を読むだけで、その事例の会社がどのような会社なのかが分かるほど、具体的に記載されていると感じました。自分の答案を見返した時、67点のA社は近しいものを感じましたが、60点未満のB社とC社はキーワードを書いているだけで、合格点に達していないことを痛感しました。高得点答案を分析することで、到達すべき合格レベルの答案イメージを付けることが出来ました。
② 勉強法の見直し
事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲについては、一年目と同じ方法で勉強しても、確実に60点以上を取れないと感じていました。合格には、圧倒的な力で診断士試験に合格した方から、直接指導してもらえる環境が必要だと考えました。そこで、いくつかの予備校や受験生仲間に話をきき、自分にあった指導をしてくれる、まなび生産性向上の個別指導を選択しました。
■R6_2次試験(合格)
◆24年1月〜2月
- 不合格と知り、診断士試験を勉強する気になれず、簿記3級を勉強し取得しました。
- さらに実務従事にも参加して、診断士の業務に触れました。診断士がどのようなことを考えるものなのか、解像度を少しでも高めておくことで、試験本番に回答に迷ったときに、診断士としての回答を書けるかなと思ったためです。実際、この実務従事を通して、診断士の動きや考え方の一部を理解することが出来ました。
◆24年3月
気持ちをリフレッシュした状態で、2年目の勉強計画・ルールを立てました。これらのルールや勉強方法を定め、最後まで実行し続けたことが、合格できた要因だと考えています。
- 1次試験は保険受験せず、2次試験に専念すること。
- モチベーション維持と実力測定のため、模試試験は定期的に受けること(計4回)。
- 毎月100時間程度の勉強時間を確保すること。
- 個別指導を最大限に活かすため、個別指導前後の準備と振り返りは必ず時間をかけること。
- 10月までの過去問を解く順番やスケジュールを1枚の資料にまとめ、点数を記録し続けること。
- ふぞろい採点で90点以上を取るまで、次の事例に進まないこと。
- ふりかえりは、「なぜできなかったのか」を掘り下げて、回答プロセスの根本的な改善まで考えること(世界線の変わるふりかえり)。
- ふりかえりで得たまなびは、再度間違えないように「まなびノート」として一冊にまとめ、過去問を解く前に必ず目を通すこと。このノートは、本番直前の休憩でも、同じように読むこと。
- ふりかえりは、「ふぞろいのキーワード採点」だけではなく、高得点の再現答案と比較し、自分がかけるレベルのMAX答案をつくること。
- 受験生仲間とのピアラーニングを欠かさず、常に発信しつづけること
- 今年の2次試験が不合格の場合、来年は受験せず、診断士試験を撤退すること。
◆24年4月〜10月
- 上記の勉強計画・ルールを遵守し、勉強をつづけました。
- 勉強や振り返り方法が形骸化しないように、常に試験情報の収集と、受験生仲間からのアドバイスを適度に取り入れ、回答プロセスのブラッシュアップを行いました。
- 合格のために必要だと思った書籍やセミナーは、惜しみなく投資し、自身に合うものだけを回答プロセスに反映させました。
- 模擬試験は、本番を想定し、休憩時間の使い方(トイレ・軽食・確認するノートのページなど)まで、分単位で当日と同じ状態で受けるようにしました。
◆ふりかえり
- これまでに実施した模擬試験と同様の動きで、同じように本番を過ごしました。
- 事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲについては、設問文を読み落とさず、与件文を穴が開くほど読み、使えそうなキーワードを設問ページの余白に書きこみ、回答で使う要素を吟味したことで、全て60点以上を確保することが出来ました。
- 回答プロセスは、1年間かけて改善し、分単位で与件や設問を見る箇所、考える事、書く事の順番を決めていました。そのプロセスで過去問に取り組み、体に染み込ませてきたため、本番もいつもと同じように解くことが出来ました。
■おわりに
私の二年間の診断士試験について、時系列で具体的に記載してみました。
2次試験は、模範回答が公表されていないこともあり、「勉強方法」次第で、結果が大きく左右されると感じました。
特に、1年目で不合格だった事実を受け止め、2年目の勉強を始める前に、自分に足りない要素を考えたことが、非常に良かったと思っています。また、過去問などを解いた後の「ふりかえり」を、どこまで突き詰めて取り組むことが出来るかが重要だと思います。
本ブログが、令和7年度に受験される方に、少しでもお役に立てれば幸いです。
次回は、ケンジさん の登場です。
お楽しみに!
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