俺より2次試験当日やらかした奴いる?いねえよなぁ!!? by カニ

4事例共通

タキプロ16期の   カニ と申します。 … 🦀
  

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■はじめに

通りすがりのカニです…🦀
私の経歴等は、前回の記事(【合格体験記】ひねくれ流!合格のすゝめ)を是非ご覧ください。
今回は、2次試験の全事例共通のノウハウを担当します。

この記事は、
全事例共通で起こりうる世にも恐ろしい「試験当日の魔物」の存在と、
それでも絶対に最後まで諦めてはいけない、という2つの熱いノウハウを、
私の実体験を通してお伝えするものです。

テクニック的な内容ではなく、心構えに関する記事になります。
非常に長くなってしまったので、お昼休みの読み物としても是非どうぞ!

これから中小企業診断士の2次試験に挑むあなた、あるいは何かに挑戦しているあなた。
「こんなヤツでもなんとかなるんだ」と、
勇気と反面教師を得ていただければ幸いです!
くれぐれも、皆さんは私のようなやらかしはしないでくださいね!🦀

■試験当日~事例1のはじまり

中小企業診断士2次試験当日。最初の科目は事例1です。

試験開始前に、試験問題と、A3二つ折り(重要)の解答用紙が配られました。

ここまでの勉強の成果もあり、事例1はかなりパターンもつかめ、
自分の中では「得意事例」と位置付けられるまでになっていました。
60点はほぼ確実。目標は70点オーバーです。

試験開始の合図とともに、速攻で与件文を読み問題を解いていきます。

事前の自信通り、滑り出しは順調そのもの。

第1問から第3問まで、スラスラと解答を書き進めていきました。

まだ開始から30分しか経っていません。

「よし、完璧なペース。この調子なら時間も余るな!🦀」
そんな手応えさえ感じていたのです。

第4問の設問1も使いたいキーワードを整理し、さあ解答用紙を裏返して解答を書き込もうとした、その瞬間でした。

■悪夢のはじまり

衝撃の事実が、私の目の前に立ちはだかったのです。

本当に、本当に意味がわからないのですが、
私は人生で初めて「解答欄をずらして書く」という、
受験番号書き忘れに匹敵する、致命的なミスを犯していました。

「解答欄ずれしないようにしましょうね😊」というような記事は、
ブログ等で何度か見たことがありましたが、私はそのたび思っていました。

「解答欄ずれるとか、そんなアホなことするヤツおるん🦀?」、と。

まさか、それを自分自身がやるなんて…。
これが、これが「試験当日の魔物」の仕業なのでしょうか…。


異変に気づいたのは、第4問の設問1の答えを意気揚々と書こうとした時です。
「……ん? なんだこれ? 解答欄の様子がおかしくないか?」

目に飛び込んできたのは、30文字の解答欄が2つ並んでいる光景。
「…え? 第4問の設問1って、確か80文字書くはずだよな…?」


そうです。皆さんはもうお分かりでしょうか。
普通に考えたらありえないのですが、私はとんでもない過ちを犯していたのです。

  • 本来、第1問の「強み」と「弱み」をそれぞれ30文字ずつ書くべき解答欄。
    これを私は、第3問の解答欄(100文字想定)に、
    なぜか強みと弱みの解答を1つの解答にまとめて凝縮して書いてしまっていたのです。
  • そして、第2問の解答(100文字想定)は、
    第4問の設問1の解答欄(80文字想定)に、
    文字数を100文字→80文字に調整して堂々と書き殴っていました。
  • さらに、本来第3問の解答(100文字想定)は、
    第4問の設問2の解答欄(100文字想定)に書き込んでいたのです。

意味がわかりませんよね? そんなアクロバティックな間違い、どうやったらできるんだと。
ええ、私も今でもそう思います。

図解しますと…


これは、下書きをせず、文字数も事前に厳密に意識せず、
解答欄に解答を書きながら残り枠数を見て文字数を調整する、
という、私の謎の解答スタイルが、この日、この瞬間にミラクルな化学反応を起こし、
この衝撃的なミスを生み出してしまったのです…。

■絶望と終焉へのカウントダウン

この大惨事に気づいた時点で、時計の針は開始から約35分を指していました。
上記の通り、通常であれば、「おお、かなり良いペースじゃないか!」と喜ぶべき時間です。
しかし、今の私にとっては、それは35分ほぼ時間を無駄にした…という
あまりにも無慈悲な現実でしかありませんでした。

約1分間、私の体は完全にフリーズしました。
思考だけが、脳内で猛スピードで回転し、次から次へと絶望的なシナリオを映し出します。

  • え、これ夢…? …夢じゃない、現実だ…。
  • 解答欄ずれたけど、内容合ってれば採点官も大目に見てくれる…
    なんて甘いことあるわけないよな?
    … 普通に考えて無理だ…。
  • まさか、これ全部消して書き直す…?
    この、合計260文字(30文字+30文字、100文字、100文字)を…?
    本当に? そもそも、こんな大量の文字、綺麗に消せるのか?
    そして、書き直す時間なんて残っているのか…?
  • というか、文字数も全部めちゃくちゃなんやけど…。
    今から、それぞれの設問に合わせて文字数を調整するんか…?
    書き直しながら、リアルタイムで文字数を圧縮したり膨らませたり…
    そんなこと、試験本番にできるのか…?
  • きれいに消すのに最低3分…いや5分はかかるか?
    この260文字を書き直すだけで…15分…
    いや、各設問の意図を再解釈して文字数調整も含めたら、25分は必要だ…。
  • え、もうこれ…詰んでないか? 致命傷どころの話じゃないのでは…?
  • ……もう、帰ろうかな…。
  • 俺がこの2年間、必死に勉強してきたのは、一体何のためだったんだ…?
    こんなことで終わり…?
  • また、あの地獄の1次試験からやり直し…? まじで…?嘘だと言ってくれ…。
  • この試験のために、色々なことを我慢して応援してくれていた家族には、なんて説明すればいいんだ…?
  • あっ、手が震えてきた…。力も入らない…。

頭の中でグルグルと渦巻く絶望。
極度のショック状態で、目に見えるレベルでの手の震え、
全身は自分の体ではないぐらい動かない。座ってるのかすらわからない…。

・・・・・

・・・

………

■頑張った日々を思い出し…

しかし、その1分間の思考停止の後、私の中の診断士の神(だれ?)からの声がしました。

「いや、やるしかないだろう」

そうです。ここで諦められない。
この2年間は、こんなくだらないミス1つで簡単に投げ出せるほど、軽いものではなかったはずだ。
今ここで試験を放棄して帰ることだけは、絶対にしたくない。

「そうだ、40点だ。どんな形でもいい、足切り回避の40点さえ取れれば、まだ道は繋がる…はずだ!」

「よし、まずどこから消す? 第3問の欄に書いてしまった、本来第1問に書くべき『強み』と『弱み』。
 これをまず第1問の解答欄に強みと弱みに分割しながら、さらにそれぞれを30文字以内に調整して…」

「次に、第3問の本来の解答欄を確保するために、第4問の設問2の欄に書いてしまったものを消して、そこに第3問の解答を…
 いや、その前に第4問の設問1の欄に書いた第2問の解答を…ああもう、わけわからん!」

開始35分経過。
消しゴム作業に全集中して5分。
冷や汗をかきながら、震える手で解答を書き直し、文字数を調整するのに25分。
残り時間は…15分

この15分で、まだ手つかずの設問2つを解き切らなければならない。間に合うのか? いや、間に合わせるしかない!

そう決意したものの、15分で2問というのは、平常心かつ全速力でもかなり無理のあるスピードです。

しかも、この時の私は、完全にパニック状態。
おそらく顔面は蒼白、呼吸は浅く、手は震えてまともに文字すら書けない…そんな有様でした。
こんな状態で、果たしてやり遂げることができるのだろうか…。


もう、ここからは「考える」よりも先に「体が動いた」という表現が正しいかもしれません。
隣の席の人には内心で「机、めちゃくちゃ揺れると思うけど、マジですまん! でもこっちもそれどころじゃないんや!」と
謝罪しながら、消しゴムをフルパワーでゴシゴシ。
絶対隣の人にも「なんやコイツ…」と思われていたはずです。
(今思うと、他人のこと考える余裕はあったんやな、と自分でもツッコミたくなりますが)

右手の震えが止まらないので、左手で右手首をガッチリと押さえつけながら、
ミミズがのたくったような文字を必死で書き連ねました。

第4問の設問1、2は問題文を読んだ瞬間、もう深く考える余裕はありません。
ほぼ直感で、キーワードを拾い、骨子を組み立て、あとは酷い字でノンストップで解答用紙を埋めていく。

まさに全身全霊、火事場の馬鹿力で、この絶望的な状況からのリカバリーを試みました。

その結果、本当に、本当に、本当にギリッギリで、すべての解答欄を埋めきることができました。

ただし、書いた文字は…もはや自分でも判読できるかどうか怪しいレベル。
普段字が汚い私ですが、その私が見ても汚すぎて読めないレベルでした。(後述)

しかも、ちゃんと落ち着いて考えられたのは、最初のミスに気づくまでの3問だけ。
その3問も、急いで文字数を調整したり分割したりで、推敲なんてあったもんじゃありません。

「頼む…40点、40点だけはあってくれ…! とりあえず、全部書けただけでも…よかった…本当によかった…」

こうして、私の事例1は、嵐のように過ぎ去っていきました。
試験終了の合図が鳴った瞬間、私は完全に精魂尽き果て、
極度の緊張から足にも力が入らず、休憩時間は席から立ち上がることもままなりませんでした。

■事例2~4

続く事例2。
当然、あんな壮絶な体験をした直後です。平常心に戻れるはずもなく、手の震えもまだ収まっていません。
結果は…もともと得意ではない事例2でしたが、その中でも過去に例を見ないほどボロボロの出来でした。

昼休みを挟んで、なんとか気持ちを落ち着けようと必死にもがき、
得意としていた事例3と事例4は、まずまずの手応えで終えることができましたが…。

トータルで見ると、事例1と事例2は足切りになっても全くおかしくない、というか、むしろ足切りを覚悟するしかないレベル。

試験が終わった瞬間、「ああ、終わったな…色んな意味で…」と、完全に不合格だな、と思いました。

■絶望からの…

もう完全に諦めていたので、家に帰ってからも再現答案すら作りませんでした。
時間もなくてメモとる余裕もありませんでしたし、
確実に不合格なので、その気力すら湧きませんでした。

合格発表日までの約2ヶ月間、YouTubeやSNS、予備校の解答速報などは一切見ませんでした。
診断士の「し」の字をみただけで
あの解答欄をずらした悪夢のようなミスを繰り返し思い出しては、「うあああああああ!!!」と頭を抱え、
後悔と自己嫌悪に苛まれる日々を過ごしていたからです…

しかし、不思議なもので、時間が経つにつれて少しずつ心も落ち着いてきました。
合格発表が近づいてきた頃には、「まぁ、今回はダメだったけど、これも良い経験だ。来年こそは…!」と、
少しずつ前向きな気持ちも芽生え始め、
「来年の1次試験、どうやって対策しようかな。STUDYing、もう1回申し込もうかな」なんてことを考えていました。

そして、本来であれば運命の合格発表日。諦めていた私にとっては、
ソワソワもワクワクもしない、いつも通りの日でした。
合格発表を確認する気すらありませんでした。

「STUDYing申し込むのもお金かかるし、念のため、ちゃんと落ちていることを確認してから手続きするか」
そんな、ある意味で悟りを開いたような心境で、確認だけすることにしました。

ゆっくりお昼ごはんを済ませてから、おもむろに合格発表のサイトを開きました。

結果は……うん、やっぱり不合格だったな。まぁ、そりゃそうだよな、あれだけやらかしたんだから。

でも、ここで諦めるのもシャクだし、来年もう一回頑張るか!…嫌だけどな、
またあの中小企業経営・政策をイチから勉強し直すのか…?想像しただけで笑えてくるぜ…。

↓確認したときの目線

一度、淡々と結果画面を閉じました。特に言い訳も、残念な気持ちもなかったです。

しかし、ふと「まぁ、いつかこの大失敗も笑い話のネタになるだろうし、記念にスクリーンショットだけでも撮っておくか」と思い直し、
もう一度、試験結果の画面を開きました。


そして、その時。
「……ん? あれ…? この受験番号の羅列って、もしかして縦に見るんじゃなくて、横に連番になってる…のか…?」

そうなんです。私は無意識のうちに、受験番号を上から下に目で追っていたのです。新聞の縦書きを読むような感じで。
しかし、実際の合格者番号の掲載形式は、Z字型というか、左から右へ若い順に番号が並び、
行末までいったら改行してまた左から右へ…という、ごく一般的な横書きの並びだったのです。

私の目に、信じられないものが飛び込んできました。

そして…なんと…先ほど私が「ないな」と確認した列の、すぐ右隣の列に、私の受験番号が、燦然と輝いていたのです。


その瞬間は、嬉しいとか、驚いたとか、そういう感情よりも先に、「は?」という、なんとも言えない間の抜けた感覚に襲われました。
「いやいや…意味わからんな…。絶対ちゃんと採点してないやろ。まぁ、合格してたならラッキーか。」
自分でも驚くくらい冷静に、そしてなんだかすごく軽い気持ちで、その事実を受け止めていました。

帰りのバスの中で、SNSなどで他の合格者の方々の喜びの投稿を目にするうちに、じわじわと実感が湧いてきて、
「ああ、本当に合格したんだなぁ…よかったなぁ…」と、ようやく喜びを感じることができました。
ただ、もう完全に不合格だと思い込んでいたので、「よっしゃー!」というよりも、
「あぁ…1次試験、もう1回受けなくて済んだ…本当に良かった…」という安堵の気持ちが95%ぐらいでした。

■私がこの経験から、皆さんに本当に伝えたい3つのこと

長々と語ってしまいましたが、私のこの壮絶(?)な体験談から、皆さんに伝えたいことは、以下の3点です。

  1. 試験当日の魔物(アクシデント)はいる!それに備えできるだけ素早く問題を解く練習をしよう!
    これは前回の記事でも書きましたが、私は普段から「試験時間マイナス30分程度」、
    つまり事例問題なら80分ではなく、実質50分~60分で解ききる練習をしていました。
    今回、あの絶望的な状況からリカバリーできたのは、間違いなくこの「時短練習」のおかげです。
    もし私がギリギリ80分で解く練習しかしていなかったら、間違いなくパニックのまま時間切れ、
    事例1で途中退室していた可能性すらあります。

    試験当日の魔物は、誰のもとにも表れる可能性があります!
    リカバリ方法と、余裕は常に持っておくようにしましょう。

  2. どんなにボロボロでも、絶対に諦めないで!
    信じられないかもしれませんが、あれだけ滅茶苦茶で、字も汚く、完全に終わったと思われた事例1、
    なんと65点も取れていたんです…!
    (逆に、まずまず自信があったはずの事例3は50点台という、これまた謎の結果でしたが…)

    本当に、この試験は何が起こるかわかりません。
    諦めずに最後まで食らいつけば、思わぬ結果がついてくる可能性があります。
    当日、どんなアクシデントに見舞われようとも、絶対に最後まで諦めずに、全力で答案を埋めてください!
  3. 字は汚くても(少なくとも大きくは)問題ない!
    私の事例1の答案、もはや「丁寧ではない」というレベルではありませんでした。
    手が震え、焦りまくり、殴り書きしたせいで、本当に自分でも読めるかどうか怪しいミミズのような文字でした。
    それでも、ちゃんと採点してもらえたのです。

    もちろん、綺麗な字の方が印象が良いに決まっていますが、時間が足りなくて空欄で出すくらいなら、
    汚い字でもいいから、急いで書きなぐった方が何倍もマシです!
    「字が汚いと即NG」論争に、私が身をもって終止符を打ったと自負しています🦀

    ↓こんな感じでした。これより実際は酷くて、もっと震えた文字でした。ね、終止符打ったでしょ?


    インターネット上にアップされている「私こんな汚い字でもセーフでした!」みたいな記事の字よりも、
    はるかに読めない字だった自信があります。
    (当日の手の震えをリアルタイムで再現できないので、あの酷さをお見せできないのが本当に残念です…!)

    もちろん、減点されている可能性はゼロではないでしょう。
    しかし、それでも事例1で65点も取れていたという事実を考えると、
    字の汚さによる減点は、あったとしてもごく僅かだったのではないかと思います。

これを見た皆さん、どうか試験当日は何があっても諦めずに、最後まで粘り強く頑張ってください!
絶対に、絶対に、途中で諦めて試験会場を後にするのだけは、やめてくださいね!

応援しています!

■おわりに

次回は、リブラ さんの登場です。 

お楽しみに! 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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