【2次試験共通】不合格から学ぶ回答プロセスのポイント~80分で書きだす文字にこだわる~ by けい

4事例共通
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皆さまこんにちは。タキプロ16期の   けい と申します。少しでも、読者の皆様にとって良い情報をお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いします。   

■はじめに

今回は、「不合格から学ぶ回答プロセスのポイント」を共有したいと思います。
事例Ⅰ~Ⅲと、事例Ⅳは少し特徴が異なりますので、本記事では事例Ⅰ~Ⅲでの共通事項を中心に記載したいと思います。

お時間のない方は、下線マーカー部分だけでもお読みください(3~4分で読了できます)。


点数が高かった1次試験の経営情報システム、2次試験の事例Ⅰ、合格体験記は以前に記事を書いておりますので、気になる方はそちらもご確認ください。

●プロフィール
・年代:30代

・職業:コンサルタント

・受験歴:1次試験1回、2次試験2回

・勉強時間:計1700時間
 - 1次試験:600時間
 - 2次試験:1100時間(R5:300時間/R6:800時間)

●R5_1次試験(合格)※自己採点
・経済学・経済政策 :64点
・財務・会計    :48点
・企業経営理論   :60点
・運営管理     :45点
・経営法務     :65点
・経営情報システム :88点(経営情報システム~周辺知識を増やして戦う~ by けい
・中小企業経営・政策:60点  合計 430点

●R5_2次試験(不合格)
・事例Ⅰ:67点
・事例Ⅱ:56点
・事例Ⅲ:52点
・事例Ⅳ:51点 合計:227点

R6_2次試験(合格)

事例Ⅰ:79点(事例Ⅰで79点を取った勉強法~事例Ⅰの解像度を高めて戦う~ by けい)
事例Ⅱ:74点
事例Ⅲ:67点
・事例Ⅳ:56点 合計:276点

●合格体験記
【合格体験記】合格までの2年間~不合格から始める2年目の勉強法~ by けい

■ポイント1:自分だけの80分回答プロセスを確立する

本記事をお読みいただくにあたり、私の回答プロセスを記載します。

●事例Ⅰ~Ⅲ
分単位で取り組むプロセスと注意点を1枚にまとめ、過去問演習や本試験の直前に、必ずこのプロセスを黙読して、頭に刷り込ませていました。
・事例Ⅰ~Ⅲによって、気を付けるべきキーワードや観点は変えていましたが、大きなプロセスは同じでしたので、以下1枚に集約していました。

●事例Ⅳ
・事例Ⅳの戦い方は、事例Ⅰ~Ⅲと大きく異なりますので、Ⅰ~Ⅲとは別に回答プロセスを作成していました。

・事例Ⅳだけでも膨大な記事量になってしまいますので、本記事では、事例Ⅰ~Ⅲを中心に記載していきたいと思います。

●R5の不合格時から学んだこと
・R5の不合格後に、複数の合格者に勉強方法や合格した要因を聞きました。合格者に共通していたことの一つが、「回答プロセスの磨き上げ」でした。

 特に、1次試験合格後から2次試験の勉強を始め、ストレートで合格された方は、「回答プロセスの磨き上げに、2か月間取り組み続けた。点数が取れる自分にあった80分の戦い方を改善することに、全力を尽くした。」と言われていました。

・私の場合、不合格だったR5では、回答プロセスを文書化しておらず、おおよその時間目安だけを決めていたため、毎回解き方がぶれていました。

 合格したR6では、回答プロセスを文書化し、過去問演習を通じて、プロセスの改善をしていました。本番もこのプロセスを遵守することで、練習通りに本試験に取り組むことができました。
・本試験まで残り約1か月となりましたが、「自分だけの80分プロセス」を磨き上げるには十分な時間だと思いますので、本記事が少しでも参考になれば幸いです。

■ポイント2:点数につながる文字だけを書く

突然ですが、皆さんは80分という試験時間の中で、どのような文字を書いていますか?
一度、30秒で構いませんので、現在のご自身の状況を振り返ってみてください。

・・・・・・・・

いかがでしたでしょうか?

受験番号を書く時、設問解釈する時、与件を読む時、回答骨子メモを作る時、回答を書く時など、試験中はさまざまな場面で文字を書くと思います。重要なのは、試験中に書いた文字が点数につながっているかどうかです。

具体的には、私の失敗談を交えてお伝えします。
※人により、合う合わないがありますので、あくまで私のケースとしてお読みください

失敗談1:与件読解前の設問解釈メモに縛られる

●当初の回答プロセス

私は、与件を読む前に、設問を読むプロセスでした。そして、初めて設問を読んだとき、過去問や一次知識を踏まえて「これが答えだろう」と思ったキーワードを設問の下にメモしていました。いわゆる設問解釈時のメモです。その後、与件を読む際や骨子を作る際に、このメモしたキーワードが盛り込めているかどうかを基準にして回答を作成していました。

●振り返り

過去問を解き、ふぞろいで採点していると、点が取れるケースと取れないケースがありました。特に点が取れていないケースでは、設問解釈時にメモしたキーワードが実際には得点につながらないのに、回答に入ってしまっていました。その結果、本来点が入るキーワードが回答から抜け落ちていたのです。

原因を深掘りすると次の2点が浮かび上がりました。

  1. 与件を読む前に設問解釈だけで「あたり」を付け、そのキーワードを使うことを前提にしてしまっていた。あたりを付けること自体は良いと思いますが、与件を読んで「違う」と気付いたら使わないと判断できる力が必要でした。
  2. 与件を読む前に、設問の下にキーワードを「メモ」として書き込んでしまった。その結果、「せっかくメモしたのだから必ず使わなければならない」と脳が思い込んでしまった。与件を読んで違和感を覚えても、自分で書いたメモをを見るたびに「でも使わないと…」という先入観が強くなり、与件を読む前にメモしたキーワードを使わないという判断が出来なくなっていました。

●改善後の回答プロセス

設問解釈の段階で「このカテゴリは書こうかな」「このキーワードは使いたいな」と思っても、与件を読む前には絶対にメモしないようにしました。頭の中であたりを付けることは構わないのですが、与件を読む前に文字として残さないようにしたのです。その結果、設問解釈と与件読解を踏まえたうえで、本当に必要なメモだけを書けるようになり、点につながるキーワードを回答に盛り込めるようになりました。

失敗談2:考えながら書こうとして混乱

●当初の回答プロセス

設問解釈・与件読解後、設問ごとにメモを作成する際に、「与件を読みながら、設問に合致しそうなキーワードを探し、回答に使うであろうキーワードを取捨選択して、設問下の空白にメモする」という方法で取り組んでいました。

●振り返り

しかし、与件を読みながら「キーワードを探す」「取捨選択する」「メモする」という3つの作業を同時に行っていたため、抜け漏れが多発しており、このプロセスでは、最後まで抜け漏れを防止することはできなかったです。

ここで気づいたのは「人は、複数のことを同時に処理するのが苦手」ということです。もちろん得意な方もいると思いますが、大半の人は同時に複数の作業をすると精度が下がるのではないでしょうか。私もまさにそのタイプでした。

そこで「試験中は同時に複数のことに取り組む事をやめ、一つずつ処理する」ことを意識し、プロセスを改善しました。

●改善後の回答プロセス

同時に行っていた1つの作業を分解し、以下の手順に変更しました。

  1. 与件を最後まで読み、設問に関係しそうなキーワードがあれば、その与件右横の空白に設問番号だけを記す。それ以外のことはしない。
  2. 与件の冒頭に戻り、与件右横に書きこんだ設問番号のみを見て、設問ごとに「段落番号+キーワード」を全て、設問下の空白に転記する。この段階では取捨選択をせず、時間がかかっても「全て」転記することが重要です。
  3. 転記した「段落番号+キーワード」を全体俯瞰しながら、設問で聞かれていることの答えを取捨選択する。回答に清書できるように、矢印でキーワードをつなげるなどの最低限の追記をする。

プロセスの中で、「やる事」と「やらない事」を明確に決め、一つずつの取組み精度を高めることで、抜け漏れの少ない私なりの回答プロセスを作ることが出来ました。

振り返りの中で、「なぜキーワードが書けなかったのか」だけではなく、「なぜ点数に入らないキーワードを書いてしまったのか」にも目を向けると良いかもしれません。

■ポイント3:漏れを防ぐチェックポイントを仕込む

人は必ずミスをする生き物だと思っています。そのため、仕組みで漏れを防止することが重要だと考えています。

つまり、「漏れに気づくチェックポイントを、2重・3重でプロセスに組み込んでおく」ことが点数アップに上がるのではないかと思います。

●漏れや間違いをチェックするタイミング
では、いつチェックすればよいのでしょうか?

それは、ご自身で文書化した回答プロセスを確認することで、漏れチェックのタイミングを検討することができます。
ただし、全ての工程でチェックを入れると、時間が足りなくなりますので、効果的なタイミングでチェックを入れる必要があります。私は、以下の3点でチェックポイントを設けていました。

  1. 与件から設問に関連するキーワードを全て転記後
    転記し終えた後、もう一度与件に戻り、本当に全てのキーワードを転記しているのか確認。
  2. 設問ごとの回答完成後
    100字目の文字を書ききった後、もう一度1文字目に戻って、100字を指差ししながら黙読しました。誤字脱字がないかの確認です。また、メモで記載したキーワードをすべて回答に入れたかを、こちらも指差しで確認しました。
  3. 全ての設問の回答作成後
    第5問のチェックが完了後、与件に戻り、与件でチェックしたキーワードが、各設問の回答に使われているか、指差しで確認します。意外と、このチェックポイントで初めて、与件読解時には抽出できていたが、回答には使われていないキーワードを認識できることが多いです。

特に二つ目は効果的でした。100文の回答を書き切って満足せず、自分が書いた文章を1文字目から指差しで黙読確認することで、誤字脱字を修正することができ、文全体の読みやすさを上げられました。

上記のチェックは、どれも1分もかからない作業ですが、効果は絶大でしたので、もし時間に余裕がある方は、取り入れてみても良いかもしれません。

■おわりに

私の1年目で不合格になったしくじりを交えながら、回答プロセスのポイントを記載してみました。

私は、2次試験は確立された「回答プロセス」は、ないのではないかと思っています。得意不得意に応じて、人それぞれの回答プロセスがあると思っているからです。

ただし、次の3点は点数アップに効果的だと感じています。

  • 回答プロセスを文書化し、磨き上げ、本番での再現性を高める
  • 点につながる文字だけを書く
  • 漏れを防ぐ仕組みを入れる

本ブログが、令和7年度に受験される方に、少しでもお役に立てれば幸いです。

次回は、モトさん の登場です。

お楽しみに!

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